新訳女神転生(仮)   作:混沌の魔法使い

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チャプター24

 

 

チャプター24 デパート捜索 その3

 

塩にぎりで夕食を済ませ、アイドル等の控え室に久遠教授達。俺は楓と共に警備員の部屋へと別れ、明日の朝まで休む事に下。気が張っているので眠気を感じないなと思いつつ、部屋の壁に背中を預けながらお互いのスマホを見る。俺が新しく契約したノームと、楓が契約したスパルトイ……ラーニング中になっている剣の心得を見て

 

「うーん。俺もスパルトイみたいな悪魔が良かったな」

 

剣の心得の効果は判らないが名前を見る限りでは楓に剣の技術を与えるスキルなのだろう、実際楓の剣の技術は上がっているし、何よりも桃子や久遠先輩達を護る為にも、身体が大きく戦闘技術も高いスパルトイと言う悪魔は壁役としても、切り込み体長としても非常に優秀だった

 

「だけどノームも悪くないんじゃないのか?」

 

「まぁ……悪いとは言えないけどな」

 

【私は近接は駄目だけど、魔法なら結構使えるよ?】

 

MAGを消費するのは嫌だが、ノームは契約したばかりと言う事もあり、召喚したままになっている。少女の姿をしているが、子供と言う感じなので大して気にすることもなく。適当に話をしながら過ごしている。ノームはジオにマグナと言う二種の攻撃魔法を持つノーム。残念な事にジオもマグナもラーニング不可になっていたが、その代わりに2つのスキルがラーニング中になっていた。1つは治癒促進(小)、名前の通り俺の体力の回復を早めてくれるスキルのようで、ここ数日感じていた筋肉痛も消えベストに近い状態になりつつある。そしてもう1つが「斧の心得」多分、楓の剣の心得の斧版だと思うのだが……

 

「問題は斧を何処で入手するかだ」

 

「……そうだな」

 

俺達の今の手持ちの武器と言えば、金属バット・鉈・ナイフ。そして久遠教授達が持っているべレッタ……手持ちに斧は無いのだ……となればラーニング中になっていても宝の持ち腐れと言う物だろう

 

【斧?斧が欲しいなら場所知ってるよ?】

 

ノームが勢いをつけて立ち上がる。短めのスカートの裾が動くのを見て反射的に目を逸らす。ノームは俺達のそんな反応を見て変なの?と呟きながら

 

【確か、5階だったかな?そこにへんなオレンジ色の服を着た人間が来て、何人か助け出して行ったんだよ。悪魔が多くなる前かな?斧を持っていたけど、そこらへんに置いて行ったのを見たよ】

 

へんなオレンジの服?……消防士か?今の所はおかしい生存者にしか遭遇していないが、どうも少しはまともな人が居たようだな……

 

「斧を置いていったか……武器を置いて行ったとなると何か理由がありそうだな。無難な所で刃が潰れたとか」

 

「確かにな……それか負傷者を連れ出すために両手を空けたかったか……だな」

 

悪魔が出現しているのに武器を置いていく、それは普通に考えて自殺行為だ。考えられるのは使えなくなったから捨てた、もしくは生存者を助ける為に捨てた。後者なら仲間と一緒だから置いて行っても大丈夫だと判断したのだろうが……

 

「ノーム。斧が捨てられた場所はどこら辺なんだ?4階に続く階段の近くなのか?」

 

【ん?んあー……はふう……】

 

俺の問いかけに欠伸を返すノームは眠そうに目を擦る。姿だけじゃなくて仕草まで人間っぽいなっと思わずノームを観察してしまう、身長は150を少し切るくらいか、明るい黄色のノースリーブとミニスカート……手にしている血濡れのハンマーさえなければ普通の少女にしか思えないな……

 

「眠いのか?悪魔でも人間に近いとやはり眠気とかを感じるのか?」

 

楓がそう尋ねるとノームは違うよーっと眠そうに返事をしながら

 

【MAGと体力不足かなあ……そろそろ帰還させてくれると嬉しいよ。それと斧は確か、4階の階段の近く?緑の光ってる奴の近くだったと思うよ】

 

緑の光っている奴……非常階段の近くか、それなら進んでいる途中で確認すれば良いか。どうせ近くを通るんだから、使えなくても問題が無いしな……

 

「ありがとうノーム。ゆっくり休んでくれ」

 

スマホを操作して、ノームを帰還させていると楓が鞄から毛布を取り出して

 

「俺達も休んでおこう。明日捜索を続けるとして次ぎ休める場所があるかも判らないからな」

 

「ああ。ありがとう」

 

捜索は長丁場になる。久遠教授達を危険な目に合わせる訳には行かない、俺と楓が先陣を切らないとな……その為には体力とMAGを回復させるのは必要不可欠だ。少し早いが眠る事にし、俺は毛布に包まりゆっくりと目を閉じるのだった……

 

 

 

楓と雄一郎が早めに眠りに着いた頃。隣の部屋の桃子達はと言うと……

 

「武器の心得が無いと言うのは甘えですわよ?楓と雄一郎に掛ける負担を少し考えるべきですわね」

 

眠る準備をしてから、明日の捜索の方向性を話し合っているとイザベルさんが私と久遠先輩に強い口調でそう告げた

 

「それは判っているつもりなんですが……その正直どんな武器が良いかとか、武器の扱いもわからないですし、どうすれば良いのか判らなくて」

 

「うん……そうだよね……」

 

私は久遠教授から貰ったべレッタを一応武器にしているけど、正直命中率も不安だし、替えの弾丸の事もあってそう易々とは使えないし……

 

「薙刀とかは使っていただろう?美雪」

 

「まぁはい、使えますけど……私の力で大丈夫でしょうか?」

 

「タルカジャに頼ると言う事は桃子の負担になりますし、そこも難しい所ですわね」

 

悪魔と契約をしていても、元々の力が大した事がない私と久遠先輩じゃ楓達みたいに悪魔と正面から戦うなんて事は出来ないし……でもいつまでも楓達に迷惑を掛けるのも嫌だし……

 

「それでしたら、桃子と美雪は投げナイフとかが良いのではないですか?それか弓矢など」

 

「投げナイフと弓矢か……威力はそれほど期待出来ないが、注意を逸らすのに使えるな」

 

「ええ、悪魔同士の連携を妨害する事も出来ますし、楓が距離を取る時間を稼ぐのにも使えますわ」

 

「となると投げナイフは問題無いだろう、適当に刃物を拾えばそれで解決するが……弓矢か……流石にこのデパートには無いな」

 

「作るのも無理でしょうから、今後使うと言う方向性で」

 

……なんかイザベラさんと久遠教授の話し合いが凄く盛り上がってる。蚊帳の外の私と久遠先輩は小さく溜息を吐いてから

「久遠先輩は薙刀の経験があるんですか?」

 

「え、ええ。嗜む程度ですが……」

 

うーん、嗜む程度だとしても武道の心得があるって言うのは凄いと思う、多分私よりかは強いだろう。今入手できない、投げナイフや弓矢の事を考えるとやはり私が1番劣っているわけで……悪魔と契約しても回復特化……楓達の怪我を治せるとしてもやはり護られるだけで……

 

(やだなあ……)

 

皆で協力して助け合って行かないといけないのに私がやっぱり足を引っ張っているような気がして気持ちが沈んでしまう

 

「このデパートを捜索している間に武器も一緒に調達できると良いな。それか楓君が契約したスパルトイのような武器の扱い方を教えてくれる悪魔と契約できれば更に良いか……まぁ何にせよ、当面はこのデパートを無事に全員で脱出することだ」

 

今は不安になっている時間も落ち込んでいる時間も無いのだからと言う久遠教授の言葉に頷き、私達も明日の捜索に備え身体を休める事にするのだった……

 

 

 

思った以上にデパート内の悪魔のレベルが高く、予定を変更しデパート内で一晩明かした次の日。早朝から再びおにぎりを作った後。もしかしたら再び捜索を断念して戻るかもしれないと考え、コロポックルとリリムのブフーラで周辺を封鎖してから出発したのだが、ノームと契約できたのは予想以上にこちらにプラスに働いていた

 

【ごめんねー、この人達私の契約者なんだけどね?見れば判るでしょ?すっごい強い悪魔を連れてるから戦わない方が良いと思うんだ】

 

「そ、そうだね!お、教えてくれてありがとう!これ、マグナの石!これで許してって言っといて!!】

 

ノームに石を押し付けて逃げ去っていく野性のノーム。ノームは手にした石を手に振り返り

 

【石貰ったよー誰が持つ?】

 

にこにこと笑いながらそう尋ねて来る。雄一郎君が契約したノームはナジャのような変異種ではなかったが、このデパートの中ではかなりの実力者だったようで、ジャックランタン達とチームを組めるほどのレベルだったらしい。同じノームでも根本的に能力が異なっていたのだ。だから同じノームに遭遇してもノームが交渉する事でアイテムを渡して逃げてしまうのだ

 

「そうだな。美雪が持っていろ。投げれば効果を発揮するからな」

 

「は、はい!判りました」

 

美雪がノームからマグナの石を受け取った所で周囲を確認する。朝から捜索しているが階層はまだ6階だ、階段を探しているのだがバリケードが多く、更に言えば悪魔も相当数生息しているようで思うように進む事が出来ていないというのが現状だ

 

「久遠教授は大丈夫ですか?」

 

「私は大丈夫だ。ありがとう」

 

心配そうに尋ねて来る楓君に大丈夫だと返事を返す。ノームは何とかなるのだが、ノームと同じくらい生息しているジャックランタンやホームセンターに居たカソよりも炎が大きいカソ……氷結系の魔法の効果が強いのだが、雄一郎君は道案内とノームを退ける為にノームを召喚しており、コロポックルを召喚できない。リリムのブフーラの消費MAGの事を心配してくれているんだろうが、正直ブフーラレベルの魔法で枯渇するほど私のMAGは少なくないので何の問題もない

 

「今半分くらいですわね。ノーム、階段は近いのですか?」

 

【んーもうちょっとバリケードを壊せば階段は目の前だけど、どうする?】

 

目の前の木の箱や、椅子で作られたバリケードを指差して尋ねて来るノームに少し待ってくれと声を掛けてから

 

「一応全員の意見を聞こう。どうする?私としては時間は掛けても回り道をした方が良いと思うが」

 

時間はまだ朝の8時半。捜索に出たのが7時30分なので1フロアを移動するのに約1時間のペースだ。3階に強力な悪魔が存在するので無理はしたくないし、させたくはない。どこかで休憩を取れる保証も無い、バリケードを破壊して悪魔を呼び寄せる事を考えるならここは時間を掛けても体力をMAGを温存するべきだろうと私が提案すると

 

「でも余り時間を掛けてコカトリスと遭遇する事を考えると、ここは多少無理をしてもショートカットをするべきじゃ?」

 

「うーん……それもあると思いますが、楓君。ここはやはり母さんの提案通りがいいのではないでしょうか?」

 

「私もそう思うよ楓。無理をしたら次が続かないよ」

 

楓君が多少無理をしてでも進もうと言う提案をするが、やはりと安全第一で考えている桃子と美雪がストップを掛ける。

 

「私は道を縮めるべきだと思いますわ、久遠様。悪魔と遭遇する危険性を高めるのは得策とは言えませんが、最悪の場合引き返すことを考えればここはバリケードを破壊するべきだと思います」

 

「俺もイザベラさんと楓の意見に賛成だ。引き返すことを前提に考えたくはないが、最悪の場合を考えてまだ体力に余裕があるうちに無茶をした方がいい」

 

意見は3・3か……どっちも正論なだけに困るな。どうするべきか……私達が悩んでいるとノームが思い出したと笑いながら

 

【確か3階と4階の間にも休憩室みたいなのはあったよ?】

 

3階と4階の間に休憩室?……少し考えてからノームの言いたい事が判った

 

「多分だが……商品の搬入口の辺りの事だと思う。バリケードも作りやすい条件だろうし……多分としか言えないが……」

 

「そう言えば4階は大型家具コーナーだったけ?」

 

「うん、確かそうだったと思うよ?」

 

大型家具コーナーがあるフロアか……それならば休憩所としても使える可能性は高いな。ただコカトリスと遭遇する危険性があるか?

 

【あ、それは大丈夫だよ?コカトリスはそっちのほうは縄張りにしてないから、それに人間も皆3階に逃げたから襲われる心配もないと思うよ】

 

ノームの言葉にそうかと返事を返してから、私は目の前のバリケードを見て

 

「予定変更だ。ここのバリケードを壊して、今日は大型家具コーナーのバックヤードを目指そう」

 

3階に強力な悪魔がいると言う事は判っているので、その前に休憩できる場所を確保したい。ここは多少のリスクを背負ってでも、近道をしようと言うと楓君は判りましたと返事を返し、スパルトイに指示をしてバリケードを破壊する

 

「スパルトイがバリケードを破壊している間、楓君は動けない。私とイザベラでこっちを見張る、雄一郎君達は反対側の警戒をしてくれ」

 

判りましたと返事を返す雄一郎君達に背を向けて、暗がりを見つめているとイザベラが小声で

 

(久遠様。感じていますか?)

 

(ああ。嫌な感じだ)

 

つい先ほどだが、この近くに天使……もしくはそれに順ずる何かの気配を感じた。ロウと遭遇するのは出来るだけ避けたいが、恐らくこっちにまっすぐ向かってくるだろう

 

(どうしますか?来る前に潰しますか?カハクを伝令に出せますが……)

 

イザベラの言葉に少し考えてから必要ないと言う。どうしてですか?と不思議そうに尋ねて来るイザベラに契約数2になっている私のスマホを見せて

 

(強引に契約する。今後の事を考えれば、戦力強化は必要だからな)

 

それに楓君達にとって危険と言っても、私にとっては警戒するまでも無い弱い相手だ。ロウの情報を知る為にもここで接触しておくといいだろう、ただし楓君達に見られる訳には行かないので

 

(途中で私は戦列を抜ける、任せても大丈夫か?)

 

(良しなに、私に全てお任せください)

 

いつまでも私に頼られても困る。ここら辺で1度離れて楓君達の成長を見てみるべきだと思った、イザベラが居るので最悪の事態にはならないと判っているから出来る事だ

 

「よっし!バリケード破壊できました!」

 

楓君のその言葉に判ったと返事を返す。バリケードの前に移動すると、人1人楽に通れる穴が開いていた

 

「良し、では先に進もう。悪魔が寄ってくる前な」

 

中々大きな破壊音がしたので先を急ごうと楓君達に声を掛け、目の前のバリケードに開いた大穴を潜り私達は5階へと続く階段へと足を向けるのだった……

 

 

 

「桃子!美雪下がれ!楓君!スパルトイを前へ!!!」

 

「判りました!」

 

久遠教授の怒声にも似た指示に即座に反応し、スパルトイを前に出す

 

【グルルルルルル!!】

 

【フン!ヌルイゾ!いぬが!!】

 

その手にした巨大な盾で突進して来た悪魔を受け止めるスパルトイ。今俺達の目の前に居るのは高校を出る前に戦った「コボルト」の集団だった。あの時ほどの巨体と凶暴さは見受けられないが、それでもこのデパートの中では明確な殺意を持って襲ってくる厄介な相手だった。しかも明らかに桃子や美雪先輩を狙って攻撃して来ており、その厄介さは今までの悪魔の比ではなかった

 

「俺も直ぐそっちに回る!ノーム!マグナだ!」

 

【OKッ!!そーれッ!!!】

 

ノームが飛び上がりハンマーを地面に叩き付けると、飛びかかろうとしていたコボルトの足元が大きく揺れる、そこから岩で出来た槍が飛び出し、コボルトの足を貫く。その激痛にコボルトの顔が歪がむ、それは大きな隙となった

 

「隙ありですわ」

 

【グルぁ!?】

 

その隙を見逃すイザベラさんではなく、放たれた銃弾がコボルトの眉間を撃ちぬくと重い音を立てて、コボルトが倒れる。これで残り3体……

 

【【【グルルル】】】

 

味方が倒れたこともあり、唸り声を上げながら後ずさるコボルト。だが逃げる気配は無い……何かの作戦を立てているのだろう。そう思った直後一番奥のコボルトが大きく息を吸い込み

 

【ワオーンッ!!!】

 

「「「「うあっ!?」」」」

 

その凄まじい雄叫びに思わず声が出てしまう。キーンっと言う凄まじい耳鳴りが響く……

 

「雄叫び……不味い!」

 

酷い耳鳴りの中。久遠教授の焦った声がぼんやりと聞こえる……雄叫び?狼の雄叫びは……

 

「やばい!!!」

 

その雄叫びの危険性に気づいて、そう叫んだと同時にデパートの暗がりから2体の悪魔が姿を見せる

 

【あらあら。騒がしいと思ったら悪魔使いですか……】

 

【ヒーホー♪おいら達も遊ぶホー♪】

 

半裸の女性の姿をした「アプサラス」にかぼちゃ頭にランタンを手にした「ジャックランタン」……コボルトが3体でも厄介だと言うのに、更に悪魔が2体増えた。その事に桃子と美雪先輩の引き攣った声が背後から聞こえてくる

 

(不味いぞ、これは……)

 

コボルトは格闘戦に特化した悪魔だったからスパルトイが1体を引き受け。雄一郎とイザベラさんが連携でもう1体と戦っていた……そこに魔法に特化した悪魔が追加されると、スパルトイは距離を詰める事が出来ない……

 

「ちっ!イザベラ!アギラオ!美雪はザンだ!雄一郎君はマグナ!リリム!ジオンガだ!」

 

舌打ちをした久遠教授が魔法の指示を出した。これは今までに無かった事でありやけになったのか?と不安に思いながら

 

「このっ!やろおッ!!!」

 

【ムン!!】

 

俺とスパルトイの間を抜けようとしたコボルトをスパルトイと同時に受け止める

 

【あらあら隙だらけ、アク……「させない!!」っきゃあ!】

 

アプサラスが魔法を放とうとした瞬間。桃子がべレッタの引き金を引いて、アプサラスを撃つ。それで集中が切れたのか魔法がキャンセルされる

 

「カハク!アギラオ!」

 

「ピクシー!ザン!」

 

「ノーム!マグナ!」

 

「リリム!ジオンガだ!」

 

カハク達が魔法を放ったが、それは直ぐに発動する事は無かった。まさかMAG不足で不発だったのかと思っていると久遠教授が走ってきて

 

「楓君!スパルトイに盾を構えさせて下がれ!巻き込まれるぞ!」

 

巻き込まれる!?何が起きるのか判らないが言う通りにしようと思いスパルトイに

 

「このまま下がる!盾を構えててくれ!」

 

【ワカッテイル!イソゲ!じかんがない!】

 

スパルトイまでも焦っている。一体何が起きるんだと思いながらスパルトイが盾を構えてくれている間に階段の方に全力で走る

 

「美雪先輩とイザベラさんは先へ!荷物は俺が!!」

 

「わ、判りました!お願いします!」

 

「お願いしますわ」

 

荷物を担いで走る雄一郎を見て手伝おうかと一瞬思ったが、その後ろで息を切らしている桃を見て雄一郎に悪いと思ったが、俺は桃の方へ走った

 

「桃!手を!」

 

「え。はぁ……はぁ!ありがと……」

 

1人だけ遅れている桃の手を掴んで引っ張りながら階段の方へ走る

 

「耳を塞いで伏せろ!爆発するぞ!」

 

「爆発!?母さん何をしたんですか!?」

 

「説明は後だ!早くしろ!!」

 

久遠教授の言葉にこれ以上話を聞くことが出来ないと判り。階段の踊り場まで避難した所で言われた通り、耳を塞いで伏せた瞬間。地震かと思う凄まじい震動と爆発が俺達を襲うのだった……

 

 

チャプター24 デパート捜索 その4へ続く

 

 




あんまり話が進んで無くてすいません。丁度いいところで切れたので、今回はここまでとなります、次回は4階のバックヤードまでは書いて行こうと思います。なお今回の戦闘のはペルソナ2の合体魔法ですね、4属性魔法で爆発を起す奴です。
まぁ本当はアギラオだったり、マグナすだったりするんですが、今回は初期魔法2つも混じりました。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします


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