新訳女神転生(仮)   作:混沌の魔法使い

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分岐チャプターその4

 

 

分岐チャプター1 ヤタガラス 異界 ひとりかくれんぼ その4

 

食事などの休憩をしている間。懸念していた人形の襲撃は一切無かった、これには少し拍子抜けしたがある仮説を立てる事が出来たと思う。それは人形は自分が破壊されるのではなく、消滅させられる可能性のある場所には近づかないという仮説だ。もしその仮説通りだとするのならば

 

「この屋敷の生存者は風呂場とかにいるのかもしれない」

 

故意に始めたのかは判らないが、始めた人間がひとりかくれんぼの終わらせ方を知らないはずが無い。恐らく、計算外だったのは悪魔が現れるようになった事だと思う

 

「……生存者は助けるおつもりですか?」

 

「……いや、今の段階じゃ無理だ」

 

心情的には生存者がいるのなら助けたいと思う。だがこれから悪魔と戦うと判っているのに足手纏いになる相手を増やすわけには行かない

 

「俺達が悪魔を倒すまで生き残ってくれる事を祈るしかない」

 

「ま、当然ですわね。残酷ですが、それしかありませんもの」

 

イザベラさんも俺の意見に同意してくれたが、正直俺の心には良くない物が残る。助けられるかもしれないが、リスクを避ける為に放置する。自分の力だけで生き残ってくれる事を祈ると言う選択をした事がつらい

 

「仕方ありません。私達とて無事にこの屋敷を出られるかは判らない。むしろ冷静に、その決断を出来たことを私は評価します」

 

このような状況で一番怖いのは感情的になる事ですからと言う御剣さん。俺はただの学生だったのだから、本来その決断をするのは私がやるべき事でしたと言う。最初の出会いこそ最悪だったが、御剣さんは案外人格者なのかもしれないなと評価を改める

 

「出発の前に装備を確認したい。俺は……このナタとアギ以外の魔法石をそれぞれ5個ずつ。魔石も7個持ってきている。契約している悪魔はカソとスパルトイだ」

 

情報の共有。それはこの様な状況だからこそ最大の効果を持つ。俺に続いて、イザベラさんも

 

「では私の武器を、私はこの鉄芯入りの日傘とベレッタですわ。カートリッジの予備は3つ、契約している悪魔はカハク。魔法石はブフとジオが3個、後はチャクラドロップと魔石が10個ですわ」

 

俺にはスパルトイと言う接近戦に特化した悪魔がいる。それに対してイザベラさんはピクシーと同じ大きさのカハクのみなので、MAG切れを起こさないようにチャクラドロップを大量に持って貰っている

 

「……私は退魔刀とデザートイーグル……契約している悪魔は前鬼・後鬼とフェンリルって言う犬」

 

デザートイーグルってマグナムじゃなかったか?それにフェンリルを犬って……魅啝が規格外なのは知っているつもりだったが、俺は知ってるつもりだったんだなあっと改めて実感し、そして更に言えばもし魅啝達がひとりかくれんぼの事を知っていれば、俺の出番なんて無かったなと思った。

 

「では私も、私はこの無銘と言う日本刀です。戦っている間に他の消耗品はほぼ使い切ってしまっています、契約している悪魔はタケミナカタとコウモクテン、ゾウチョウテンです。ただMAGの都合上複数召喚は多少難しいかもしれませんが」

 

日本系の悪魔が多いんだなと思いながら、腕にCOMPもなく、そしてスマホを操作しているわけでもない

 

「御剣さんや魅啝はどうやって悪魔と契約しているんだ?」

 

これは単純な好奇心だ。俺達はスマホに入っている悪魔召喚プログラムを用いて契約しているが、古来から悪魔使いとして戦っていると魅啝達はどうやって悪魔と契約しているのか?と尋ねると魅啝は巫女服の中に手をいれ

 

「……私達はこれを用いて契約します」

 

「これは……?銀?」

 

差し出されたシャーペンほどの大きさの筒を受け取り観察する。何かの金属なのは判るがその種類までは判るわけがない、だって俺は民俗学を専攻しているのだから、金属の種類など判る訳が無い

 

「……これは封魔管と言います。特殊な金属を用いて作られ中にMAGを蓄える事が出来ます、そして契約した悪魔をこの中に封印するのです」

 

「ですが、元ヤタガラスと言うCOMPと言う機械を使っている悪魔使いにも会いましたが?」

 

ウロボロスの事を口にせず、イザベラさんがそう尋ねると魅啝は封魔管を巫女服の中に戻しながら

 

「……ウロボロスと会ったのですね。私達もあの悪魔使いの事は把握しています」

 

「対立するほど愚かな事はないのですが、向かう先が異なれば対立する事もやむなしですからね」

 

魅啝と御剣さんの言葉を聞いてから、俺は小さく深呼吸をして

 

「その脱走した人はヤタガラスは選民思想だと聞いた。それは本当なのか?」

 

「……それは判りません」

 

判らない?ヤタガラスの人間なのに?と俺とイザベラさんが首を傾げると御剣さんはそもそも私達はヤタガラスではありませんからと前置きしてから

 

「私と魅啝様はあくまで神堂の人間です、ヤタガラスとはなんら関係がありません。ただヤタガラスに実践級の悪魔使いがいないので神堂の人間を何人か配属しているだけです」

 

「では向かう先が異なるとは?」

 

「……私達は悪魔を倒し、門を閉じて悪魔を封印する。それが目的、でもヤタガラスの大半は勝てない、封印する事など出来ないと逃げに回っている。その思惑の違い」

 

つまり門とやらを封印して元の日本に戻そうとしているのが魅啝達神堂で、悪魔に屈服し、一部の人間だけでも生き残ることを考えているのがヤタガラスと言うことなのか?」

 

「ではなぜヤタガラスに協力するんですの?」

 

「……お母様の命令だから」

 

「現当主様のお考えだからです」

 

魅啝の母親……父さんの従兄妹……か。気にならないと言えば嘘になるが、桃や雄一郎も自分の家族が生きているかも、死んでいるかも判らない状況だ。自分だけがそれを知ろうと思うわけには行かないと頭を切り替え

 

「じゃあ逃げてきた悪魔使いって言うのは」

 

「……多分私達の管轄と違う部門からです。私達自身もお客様扱いで、あまり会議に参加するわけじゃないですし」

 

「そもそも興味がありませんね。私は魅啝様の付き人ですから、ヤタガラスの人間に命令させる筋合いは無いです」

 

どうも組織と言うのはこうも分裂しやすいものらしい……俺はイザベラさんと揃って溜息を吐いた。だがこれで魅啝と御剣さんがヤタガラスの思惑に従って動いているのではないと言うことが判った。それだけでも十分な成果と思うのと同時にヤタガラスについてもっと知る必要があると悟るのだった……

 

 

 

キッチンを出て数分で人形が襲ってきた。だがそれは人形と呼べる存在ではなかった

 

「も、もおおお……いいいかああああいいいいいッ!!!」

 

3M近い異様な姿。その身体を真紅に染め上げ、鋭い牙を持つその姿は人形などと呼べる訳も無く。醜悪な悪魔と呼ぶべき存在だった

 

「タケミナカタッ!!」

 

「……後鬼。おいで」

 

凄まじい勢いで突進してくる人形を見て御剣と魅啝が私と楓よりも先に悪魔を召喚する

 

(これは中々と言うべきですわね)

 

巨大な盾を手にした鬼と、両腕の無い鬼の悪魔。どちらもスパルトイ達とは比べるまでも無く、強力な悪魔だ

 

「……後鬼、マハ・ラクカジャ」

 

「タケミナカタ。楓様にラクカジャだ!」

 

2体の鬼が咆哮を上げると、私達の身体がMAGの膜に包まれる。楓だけは更に厳重なのに思わず苦笑し

 

「なんで俺だけ!?」

 

と言うその叫びに完全に笑ってしまった。御剣は理解しているのだろう、この4人の中では楓が一番のWEEKポイントだと。頭の切れは悪くないし、柔軟性と発想力も高い。だが考え方が甘い、一番死ぬ事を危惧しなければいけないのは楓だろう

 

「見つけたアアアアアア!!!」

 

【グガッ!!】

 

勢いをつけた悪魔の突進はかなり強烈だったのか、鬼の身体が大きく揺らぐ

 

「……おかしい、この程度の悪魔の攻撃で下がるなんて……」

 

魅啝の信じられないという言葉。確かに内包しているMAGは鬼のほうが遥かに多い、それなのにどうして?と思いながらカハクを呼び出し

 

「カハク、アギラオですわ」

 

【はーい!!いっけえッ!!】

 

悪魔と化していても人形は人形。炎には勝てない、そう判断し、カハクにアギラオを使わせるが

 

「弾かれた?」

 

炎は人形の表面に当たり、簡単に弾け飛んだ。これは耐性とかじゃない、何かカラクリがある

 

「次はお前が鬼だアアアアアア!!!」

 

「スパルトイ!防げるか!?」

 

【ムロン!!】

 

楓を護るようにスパルトイが前に出て、その盾で巨大な包丁を受け流し、盾で顔面を殴りつけようとし

 

【ぬ?】

 

打撃音が響くと思ったのが、廊下に響いたのはスパルトイの困惑した声

 

「消えた?」

 

「……逃げたとは思えない」

 

先ほどまで暴れていた人形が跡形も無く消えていた。だが倒したわけではない……

 

「なるほど、本体は別にいるということですわね」

 

多分だが、あの人形がこの異界を作り出している。そして異界となっているこの屋敷の中ではどこでも現れる事が出来る……恐らくそんな所だろう

 

「となると今優先するべきなのは、この階層の謎を解くことか」

 

「そうなりますわね。任せましたよ、楓」

 

戦う事は得意だが、謎解きなどは楓が一番優秀だから、頼みますよと言うと楓は判ってると返事を返し、手帳を開く

 

「魅啝。電源の消えないTVがある部屋があるんだよな?」

 

「……はい。その通りです」

 

電源が消えないTVか……楓は手帳を見て考え込む素振りを見せてから

 

「そのTVを消す方法を考えよう。ひとりかくれんぼの中にTVの電源をつけっぱなしにするってのがある」

 

「つまりTVを消せれば、何かが現れると?」

 

多分だけどと呟く楓。この階層に来れたのも楓の謎解きと推論が大きい、ならば今回もその考えは間違いではないだろう

 

「でも悪魔は帰還させないでくれ、多分……この階層に多い人形。これも何かの鍵になると思う」

 

楓の言葉に判りましたと返事を返し、魅啝が見つけたと言う電源が消えないTVのある部屋に向かって歩き出すのだった……

 

「「「もーいーかーい!!!」」」

 

「ええい!鬱陶しいですわ!!カハク!マハラギですわ!!」

 

【は、はい!!判りましたぁ!!!」

 

何度も何度も出てくる人形にいい加減に頭にきて、単体攻撃ではなく範囲攻撃を指示する

 

「スパルトイ!一撃で決めろ!出来ればスキルは使わないでな!」

 

【あんずるな!このテイドのあいて……スキルをツカウマデモない!】

 

スパルトイの鈍色の刃がきらめき人形を両断する。だが私達を囲んでいる人形の数は一向に減らない。最初は2体だったというのに、今は16……鬱陶しいにも程がある

 

「それほどまでに進ませたくないということですかな?」

 

「……鬱陶しい」

 

タケミナカタと前鬼を使役している御剣と魅啝もその表情に苛立ちが混じっているのが見える

 

「タケミナカタ!マハジオ!」

 

「……前鬼。デスバウンド」

 

電撃の嵐と振り下ろされた拳から何度も放たれる衝撃波が人形達を纏めて吹き飛ばす……が

 

「「「「「「もーいーかーいッ!!!!」」」」」」

 

「「「馬鹿な!?」」」

 

倒した倍以上の数で現れた人形に思わず私達の驚愕の声が重なる。倒しても復活するにしても感覚が早すぎる!?これではいくらなんでも私達の体力とMAGが持たない

 

「……カソ!あの後のウサギの人形を引きずり出せ!」

 

【マカセロ!!】

 

スパルトイの盾の内側から飛び出したカソが隠れようとしていたウサギの人形の頭に噛み付き、引き摺り倒す

 

「そのままアギだ!!」

 

【モエツキロ!!】

 

大きく口を開いたカソがそのまま火球を吐き出すと、私達を囲っていた人形は全て倒れ、塵となって消えていった……

 

「……お義兄様。これはどういう?」

 

「あの巨大な人形。いびつだけど、ウサギの姿をしていただろ?」

 

そう言われても私は其処まで見てなかったので、そうだと返事を返す事が出来なかった

 

「それで襲ってきた人形は最初。クマとウサギだった、倒しても色々人形は増えるがウサギは増えなかった……」

 

ウサギの人形に塩水を掛ける楓、するとウサギの人形は悲鳴を上げながらのた打ち回り、苦しむように何度も咳き込むと口から何かの欠片を吐き出すと、文字通り糸の切れた人形のようにウサギの人形は廊下に転がる。あの石に操られていたと言う事なのでしょうか?

 

「つまりウサギの人形が本体で、後の人形はフェイク。そして本体には……これだ」

 

楓の手の中には切断された青い宝石のような何かがあった。これがウサギを操作していたと言う事なのですか?

 

「これ、多分いくつか組み合わせて宝石に戻す必要があると思う。だからまずはこれを完成させよう」

 

面倒ですが、それしかこの階層から抜け出る手段がないと判り。それから私達は廊下を進んで戻ってを繰り返し人形を倒し始めた……なお砕けた宝石のかけら8つが全て揃ったのは戦い始めてから1時間後の事だったことをここに記す……

 

 

 

懸念していた塩水のペットボトルは人形の効果覿面で、人形を一気に撃退する事が出来た。残っている塩水のペットボトルは3本……作りに行くか悩むところだが、作ってもまたここに戻ってくるまでに消耗する可能性を考慮して、この手持ちの3つだけで先に進むことにする

 

(それにしてもこの場所は本当にどうなっているんだろうな)

 

今回の階層の謎も実に面倒くさいものだったなと呟きながら、集めた宝石の欠片を手に電源が消えないTVがあるという部屋に足を踏み入れる。

 

「結構うるさいな」

 

ざーざーっと言う音を立てるTVこそ五月蝿いが、部屋の空気は澄んでいてこの場所が安全だというのが判った。うるさいのは座布団か何かをTVに被せて誤魔化せばいいかと思い座布団を4枚TVに被せて音が少し小さくなったのを確認してから

 

「もしかしてここで休んでいたのか?」

 

畳みとフローリングのあるかなり大きな部屋。これは異界になっているとかではなく、純粋にこの部屋が大きいんだなと思いながら、魅啝にここで休んでいたのか?と尋ねる

 

「……はい、2時間ほど仮眠を……音こそ五月蝿いですが、わたしはどこでも眠れるので」

 

そうか、つまりここで謎を解いて、休憩する時間が有ると考えて大丈夫と言うことか……と考えながらスマホを操作して自分のMAGを確認する

 

(残り半分くらいか……気付くまで時間が掛かったもんな)

 

最初の人形と戦うのに消費したMAGが結構響いているな。だが、気付かないで戦っていればもっと消耗していたはずだから、この程度で済んでよかったと思うべきか

 

「魅啝と御剣さんのMAGはどうですか?」

 

2人の消耗具合を尋ねる。二人は手にしていた刀をちゃぶ台の上において

 

「私は問題ありません」

 

「……私もです。基本的に封魔管にMAGを余分に溜め込んでいるので、私達のMAGはそれほど消耗しません」

 

なるほど、操作には問題が残るが、あっちにはあっちの利便性があるのか……一長一短と言うところか

 

「MAGが大丈夫だとしても暫くここで休憩する。もし謎を解いて、その先であの巨大なぬいぐるみと対峙したら困るから」

 

体力とMAGは万全にしたほうがいい。それに精神的な疲労もある、五月蝿い事を除けば安全な拠点なのだから焦って前に進むことはない……と言うか、前に進めないというのが正解だと思う

 

「これパズルみたいになっているから、時間が欲しい」

 

お互いの切断面がでこぼこになっていて、見た目こそ滑らかだが、これを組み合わせて元の形に戻すとなると容易な事ではない

 

「ちなみに聞くけど、この中でパズルとかが得意って人は?」

 

さっと目を逸らすイザベラさん達に苦笑する。幸い俺はパズルとかが好きだから、何とか出来ると思う

 

「じゃあ時間をください。これ多分相当時間掛かると思う」

 

これが普通のパズルならいざ知らず。円形で、しかも模様がある訳でもないこれを組み合わせるのは容易な事ではない

 

「判りました。私はそういうのは嫌いなので素直に待たせて貰いますわ」

 

「……私は……お義兄様を見ていたいと思います」

 

「では私は少しばかり睡眠を取らせて頂きます」

 

俺の手元が見える所に座った魅啝に思わず苦笑しながらも、こればかりは仕方ないと小さく呟き目の前に転がる8個の宝石の欠片を見て。時間が掛かりそうだと思い

 

「そうだ、イザベラさん。1度久遠教授達に連絡を取ってくれるか?」

 

「そうですわね、心配しているでしょうから連絡しましょう」

 

スマホを操作するイザベラさんによろしくお願いしますと頭を下げ、俺は深呼吸をしてから難解な宝石のパズルへと手を伸ばすのだった……

 

 

懸念していたヤタガラスが戻ってくる事はなく、更に言えば悪魔の襲撃もなく。私達は日の出ている時間に拠点を決め、そしてその拠点を護るための準備もすることが出来た。こうなると後の不安は楓達が無事に戻ってきてくれるか?そこなのだが楓達が屋敷に入って、5時間。その間ずっと屋敷は巨大化しており、楓達が大丈夫かと言う不安が脳裏を過ぎる

 

「桃子さん。とりあえず夕食にしましょう、冷えてきましたし」

 

久遠先輩の言葉にわかりましたと返事を返し、焚き火でスープを作っている久遠教授の方に向かうのだった

 

「あちち……暖かいから美味いな」

 

「ああ、こういう時に温かい物は精神を落ち着ける効果があるからな」

 

ソーセージと少しの野菜で作ったスープと固いパンだけど、温かいだけでご馳走に思える

 

「楓君とイザベラさんは大丈夫でしょうか……」

 

スープを啜りながら久遠先輩がそう呟く。連絡がないから余計に心配になってしまう……丁度そのとき久遠教授のスマホの着信音が響く

 

「イザベラからだ、少し待てスピーカーモードにする」

 

イザベラさんからと言うことは楓の声も聞けるかもしれないと思い静かにする。ほんの少しの雑音を伴ってイザベラさんの声が聞こえる

 

『久遠様。魅啝と御剣の2人のヤタガラスと合流しました。現在は脱出の為に悪魔と戦う準備をしています』

 

脱出の為に悪魔と戦う準備。やっぱりデパートみたいに強力な悪魔がいるのだと判り楓が大丈夫ですか?と尋ねると

 

『その声は桃子ですね、大丈夫ですよ。ただこの屋敷のカラクリを解くのに苦労しているので話す余裕は無いですが……』

 

「そ、そうですか……」

 

楓の声が聞けると思っていたので、話している余裕が無いと聞いて思わず落胆するが、脱出の邪魔をする訳には行かないので溜息を吐きかけたのを我慢する

 

「イザベラさん、4人で大丈夫なのか?俺達も突入した方が良いか?」

 

『いえ、それは止めておいた方が良いでしょう。この屋敷の中はひどい迷宮になっています、恐らく下手に突入すれば迷い、中にいる悪魔に殺されるでしょう。私達も楓がいなければ迷っていましたから』

 

では私達は捜索に戻るので、失礼しますと言う声を最後にスマホから声は聞こえなくなった

 

「と言うわけだ、楓君とイザベラは無事なようだ。それにヤタガラスとも合流出来たのなら当面は大丈夫だろう。私達は楓君達が戻る場所を確保する」

 

悪魔を召喚して夜の番をしてもらうのがベストだなと今夜をどうやって乗り越えるか?と言う話をする久遠教授達。私は後ろを振り返り、月の光だけが照らす闇の中徐々に大きくなっていく姿を見て、思わず私は小さく呟いた

 

「あの屋敷生きているみたい」

 

無機物のはずなのに生きているように見える屋敷……その中にいる楓達の無事を祈り、この場所でキャンプをする準備をしている久遠教授達の手伝いをするため、3人のいる方へと走るのだった……

 

分岐チャプター1 ヤタガラス 異界 ひとりかくれんぼ その5へ続く

 

 




次回で異界となっている屋敷の攻略まで書いて行こうと思います。戦闘シーンが難しくて、謎解きとかそういうのがメインになっていてすいませんが、ご理解の程をよろしくお願いします。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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