赤狼竜の友人探索 作:こんにゃく食べるぞ
慣れないことはするものではないですね……。
ジャギィ達が飛びかかってくる。まずは様子見というところだろう。
爪や牙を突き立て、俺の肉を切り裂こうとする。
しかし、それは通じないことは実証済みだ。飛びかかってきたジャギィを払いのける。
次はこっちの番だ。
ドスジャギィに向かって前足を叩きつける。が、バックステップで攻撃はかわされた。入れ違いに何体かのジャギィが飛びかかってくるが、それをガントレットに力を込め、爆発を起こすことで吹き飛ばす。
この爆発に群れは怯んだようだ。ジャギィ達は一度攻勢を止め、一歩後ずさる。
まだ、お互いに様子見の段階だ。だから、無理に攻めずに相手の出方をうかがう方が無難だと判断し、少しの間様子を見ることにする。
奥で控えているジャギィノス達はそうでもないが、ジャギィ達はやや怯えているようだ。しかし、ドスジャギィは違う。じっとこちらを見据えている。まるで、次の策を練っているかのようだ。
そろそろこちらから仕掛けようかというとき、ドスジャギィが動きだした。ゆっくりと俺の周りを歩き、俺の真後ろでピタリと止まる。ちょうど、巣の前にいるジャギィノス達と挟み撃ちになる形だ。
ジャギィノスは大した驚異にはならないと判断して、ドスジャギィの方へ体を向ける。
またも空気が張りつめ、膠着状態に陥ろうかと思われたとき、ドスジャギィが高らかに吼え、こちらに飛びかかってきた。
それをかわそうと後ろに飛ぼうとした瞬間、後ろ足に何かがつっかえる。何がつっかえたのか確認する間もなく、ドスジャギィの攻撃を受けてしまう。ヤツの鋭いかぎ爪は確かに俺の皮膚を傷つけた。痛がるのもそこそこに、渾身の力を込めて前足をドスジャギィに叩きつける。先ほどと同じく叩きつけはかわされるが、本命はこの後だ。ガントレットから爆発が起こり、その熱と衝撃が至近距離でドスジャギィを襲う。
相手が怯んだ隙に後ろを確認する。
―――なるほど、ジャギィノスか
後ろ足めがけて数体のジャギィノスがタックルを繰り出そうとしていた。おそらく、先ほどつっかえたのもこれが原因だろう。
タックルをかわし、前足で叩き潰し、凪ぎ払う。ドスジャギィやジャギィと比べるとややずんぐりとしたフォルムだからだろうか、敏捷性は群れの雄には劣るようだ。ジャギィノス達は為す術もなく潰されるか、吹き飛ばされ崖の下へと落ちていく。ジャギィ達も飛びかかってくるが、この程度数のうちにも入らない。蚊を払うように弾き飛ばす。
直後、大きな咆哮が響き渡る。
そちらを向くと、顔を焼かれエリマキもボロボロになったドスジャギィが荒々しく息をしながら猛然とこちらに向かってきている。見るからに怒っている。
飛びついてきているジャギィ達を引き剥がすと、ドスジャギィと向かい合う。怒り状態の攻撃を受けるのは、できれば控えたいところだ。
ドスジャギィが噛みついてくるのをかわし、前足を頭に叩きつけ、それと同時に爆発させる。
今度はかわされなかった。だが、爆炎の中からヤツはタックルをしかけてきた。
確かに仕止めたという感覚があった。だが、それに反して攻撃を耐えられ、反撃を許した。
モンスターの生命力には本当に驚かされる。
―――だからと言って、どうということはないのだが。
大きく跳躍することでタックルをかわしつつ、ガントレットを爆発させてドスジャギィの背中に爆炎を浴びせる。相手に背を向けないように体を捻りながら着地し、爆炎に身体を焼かれたドスジャギィにとどめの一撃を与えるために、飛びかかり、身体を押さえつけ、ガントレットに渾身の力を込める。
自分の最期を悟ったのか、ドスジャギィは拘束から逃れようと暴れるが、瀕死のドスジャギィと俺では力に差がありすぎた。
そして、大きな爆発音と共にドスジャギィは絶命した。
リーダーの敗北により、壊滅的な打撃を受けた群れは散り散りとなって逃げていった。
俺は戦いに勝利し、縄張りを得た。
そして、それを示すように天高く咆哮した。
――――――――――――――――――――――
渓流の近くの村、ユクモ村の温泉にて、一人の男が伸びをする。
「ふぃ~~、やっぱユクモの温泉は最高だな!たまった疲れがマッハで取れてくぜぇ。・・・・ん?」
「お、いたいた。やぁ、リグラ」
リグラと呼ばれたその男に温泉の外から全身をユクモ装備で統一した人物が声をかける。
「おおっ、ツムギじゃねぇか!ついにお前もハンターデビューかぁ!集会所手伝ってやるよ。ペッコとかどうだ?」
「あはは、もう少し強くなったらお願いするよ。とりあえず、しばらくは村長さんからの依頼をこなしていこうと思う」
「おう、焦るこたぁねぇ。ゆっくり力をつけていこうぜ」
どうやら、リグラはハンターとしての先輩に当たるらしい。ツムギは彼の言葉に頷いた後、興奮ぎみに提案する。
「これから初クエストで渓流に行くんだ。夜までに帰ってくるから家で待っていてくれ。ボクのハンターデビューを盛大に祝おう!」
そう言ってクエストに出発したツムギを見送りながら、リグラは一抹の不安を抱えていた。
「渓流、か。つい先日、ドスジャギィの群れが壊滅したと聞いたが・・・・まさかな。村の下位クエだし、心配することもないか」
彼はどのみち、すでに出発してしまった者を止める方法はないと結論付け、再び温泉を堪能することにした。
最後の二人はその内掘り下げて書こうかなと思っています。
前書きでも触れましたが、今回は戦闘シーンに時間がかかりました。ただでさえ遅筆なので、本当に時間がかかりました。今後も精進あるのみです。
最後になりましたが、お気に入り登録してくださった方々、本当にありがとうございます。嬉しい限りです。