赤狼竜の友人探索 作:こんにゃく食べるぞ
このモチベーションが続けばいいなと思います。
ドスジャギィとの戦いに勝利し、縄張りを得て数日。早くも縄張りは乗っ取られようとしていた。
別に強大なモンスターが攻めてきたわけではない。ただ、広すぎたのだ。
単純に考えればわかる。ドスジャギィは群れで縄張りを維持していた。対して、俺は一人だ。
・・・・全く手が回らない。
あちらに猪が出たと思えば、こちらに熊が出る。しかも、ハンターに見つかりたくないがために、ハンターの気配がある場所には近づかないようにしているのだ。当然、縄張りは掠め取られていく。せめてもの救いは縄張り泥棒が大して強いモンスターではないというところか。おかげでそこそこの戦闘経験が積めていると思う。
熊のようなモンスターはドスジャギィに比べにて高い攻撃力と耐久力を備えていたが、群れとの戦いに比べると幾分か楽だった。一対一なので、とにかく攻撃をかわすことに専念してヒットアンドアウェイ戦法でなんとか追い払ったが、仕止めることはできなかったのが残念だ。
背中に爆炎を浴びせた後に逃げられたのだが、縄張りの外へ逃げたので深追いは止めておいたのだ。
さて、縄張りも維持できない俺だが、実は最近面白いことがわかってきた。
どうやら、俺は周囲のモンスターの感情がわかるようだ。それどころか、一部のモンスターとは意思疏通ができるのだ。その一例がアイルーだ。
先日ドスジャギィと戦った場所、つまりドスジャギィの巣だった場所をそのままねぐらとしているのだが、偶然、その近くにアイルーの集落のようなものがあるのを見つけた。
そこで、意思疏通を試みようと思い立ったのがつい先程のことだ。それから試行錯誤しているうちに、今、ついにその成果が現れ始める。
「ニャニャ、モンスターの旦那の話はよくわかったニャ。だからといって無償で食べ物をあげるわけにはいかないニャ」
・・・・ソコヲ、ナントカ・・・・
「ダメなものはダメニャ。アイルーにもアイルーなりの意地ってやつがあるニャ。いくら怖いモンスターの旦那だからってそれを曲げるつもりはないニャ」
縄張りの消失と共に狩り場が減り、今や食べるものがガントレットであぶったキノコだけになっていたのでアイルーに食料を分けてもらえないか頼んでいたのだ。しかし、アイルーはただで食料を分けるつもりはないのだという。
・・・・イイカラ、ヨコセ・・・・
空腹で機嫌が悪いのと、長時間の説得でしびれを切らし、ついに命令口調で言ってしまう。
だがその時、俺は自分の身体から何かが放出される感覚を覚えた。そして、変化は如実に現れた。
「はいニャ」
それまで、頑なに食料を分けることを拒んでいたアイルーが、突然おそらくハリマグロと思われる大きな魚を取りだし、こちらに渡してきたのだ。
―――いいのか?と聞こうとした。
しかし、俺は忘れていたのだ、ここがどこなのかを。
ここはすぐそばに村があり、ハンター達が訪れるステージ、渓流である。
アイルーとの交渉に集中しすぎて警戒を怠っていた。
その結果、俺はハンターに見つかってしまったのだ。
――――――――――――――――――――――
「後1つか、中々見つからないな」
ツムギはやっとの思いで見つけた5個目の特産キノコをポーチにしまいながら、一人愚痴をこぼした。
初めてのクエストに選んだのは特産キノコ6個の採集クエストだ。村に近い場所で出来るし、モンスターを討伐するわけでもないから初心者にもオススメのクエストだということで受注した。
しかし、いくら探してもアオキノコやドキドキノコなどの別のキノコばかりが見つかり、目当ての特産キノコが中々集まらないのだ。
「気は進まないが、ジャギィの巣に行くしかないか」
先日、ジャギィの群れが壊滅したことは知っていたが、まだ生き残った個体がいるのではないかと敬遠していたのだ。
初心者ハンターからすれば、ジャギィの一体ならともかく、何体かに囲まれれば驚異になる。
しかし、他にキノコが採れる場所といえば、ブルファンゴが何体もいる、巨大な切り株があるエリアだけだ。
ブルファンゴとジャギィの危険度を比べた結果、ジャギィを相手取ることを選んだというわけだ。
「どうか何もいないでくれよ。ボクはまだ戦い慣れていないんだ」
独り言を呟きながら、そのエリアに足を踏み入れた。
その瞬間、この場所に来たことを後悔した。
「えっ?」
何もいないことを期待した場所には図鑑でも見たことがないモンスターの姿があった。
どうやらアイルーの集落へと続く道に首を突っ込んでいるようで頭は見えないが、短く黒い体毛の後ろ足からは力強さを、豊かな白い体毛におおわれた背中と尻尾からは雄大さを感じとれる。
そして何より、ガントレットのような甲殻に包まれた前足がそのモンスターの強さを表しているかのようだった。
―――見つかったら補食される。
直感でそう思った。だから気づかれないうちに撤退しようと思ったが、心の焦りがとんでもない不注意を呼び込んだ。
一歩引いた足元で何かの骨を踏んでしまったのだろう。
「パキッ」
その音が聞こえ、しまったと思うよりも早く、
その凶悪な顔をした白いモンスターはこちらに襲いかかってきた。
気づけばUAが600を超えていました。
チラッとだけでも見てくださった方々も含めて皆さんに感謝です。