GM(ゲームマスター)は異世界に行ってもGMのようです。 作:桐生 勇太
「……………………………アリア…………………………」
…嘘、だ…こんな、こんなこと…
「グルゥ、貴様、コノ女ノ知リ合イカ?」
ドラゴンがしゃべった。話せるのか。
「言葉が分かるのか?」
「アア。コノクライハワカル。」
「…なぜ、彼女を襲った? 腹でも減っていたのか?」
「イヤ、偶々目二入ッタ。ソシテ殺シタ。ソレガ理由ダ。モチロン、オ前モコレカラ同ジ運命ダ。」
「……………………………………………………………………………………………………………………そんな……………………………………………………………」
「ムウ?」
私の心が、軋む。燃える。滾る。心に色がなくなったようだ。
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………そんなに死にたいか?」
その時私の目が赤く輝いた気がした。
「!? キ、貴様ハ…?」
何をふざけたことを言ってるんだ? こいつは。「偶々目に入った。それが理由」だ?生きるため、食べたというならまだ納得もできるだろう。ただ何となくとはな…このクズめ。私はデンジャラスゾンビガシャットと、もう1つ、真っ白なガシャットを取り出した。
「お前には生かす価値もわからん……グレードX・X…変身!」
【【デンジャラスゾンビ】】
両方ともデンジャラスゾンビガシャットだ。ただし、一方は「プロトデンジャラスゾンビガシャット」だ。かつて不死の体を手に入れるために作ったのだが、残念ながら不死属性にはならず、ただのレベル10になってしまったため、死蔵していたものだ。
【デ・デンジャラスゾンビ!デ・デンジャラスゾンビ!アガッチャ!ワーニング!ワーニング! ゾンビ・パニック デンジャラスゾンビ!Woooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!】
「キ、貴様は…一体…人デハナイナ!?」
「これから死ぬ奴に、「それ」を知る必要はない」
ドライバーの横についているホルダーにデンジャラスゾンビガシャットを入れ、ボタンを押した。
【クリティカル・デッド!】
周囲に大量のデンジャラスゾンビが出現する。私を入れてざっと5人だ。
「ナ…! ナ………!?」
驚くか…まあ当たり前だろう。いきなり目の前の人間が変身し、増えたんだからな。
【ガシャコンブレイカー】
【ガシャコンソード】
【ガシャコンマグナム】
【ガシャコンスパロー】
自分以外の全員にガシャコンウェポンを出させる。次にそれぞれにプロトガシャットを投げ渡し、ガシャコンウェポンに装着させた。
【ゲキトツ・ロボッツ!ガシャット!】
【ドレミファ・ビート!ガシャット!】
【ジェット・コンバット!ガシャット!】
【ギリギリ・チャンバラ!ガシャット!】
「………死ね」
そして私を筆頭に決め技を放つ。
【ガッチャーン!】
【【【【キメワザ!】】】】】
【ゲキトツ!クリティカルストライク!!】
【ドレミファ!クリティカルフィニッシュ!!】
【ジェット!クリティカルフィニッシュ!!】
【ギリギリ!クリティカルフィニッシュ!!】
【クリティカル・エンド!!】
声を出す暇もなく、魔龍は粉々に砕け散った。
「…ハッ…………雑魚が」
ざっと見まわしたが他の人間はいなかった。逃げる暇があったとは思えんし、すでに食われた後だったのだろう。変身を解除し、アリアのもとへと向かい彼女の体に触れた。
…なぜ私はここまでこの少女を助けようとするのだろう? この娘の為に自分の貴重なライフをもう2つも削ってしまった。だが、後悔の感情はない。ただ、この娘を守れなかったという深い悲しみだけがあった。
いつの間にか雨が降り始めていた。この分だとすぐに土砂降りになるだろう。
「……ぅ…………」
…生きているのか!?
「…待っていろアリア! すぐに街へ連れていく! まだ助かる!」
大急ぎで変身し、ゲームエリアを広げる。このステージの高速化アイテムは…5個か。まあまあだ。爆走バイクを出し、アリアを担ぐ。
【高速化】【高速化】【高速化】【高速化】【高速化】
ゲームエリア内のアイテムの配置を暗記しておいて本当に良かった。もし忘れていたら、どうなっていたことか。雨の中アクセルを踏み、一気に最大速度までもっていく。私は一本の光の矢になり、周りにたまった水が衝撃波で吹き飛んだ。
「…………檀………さ………ま………?」
「アリアか? あまりしゃべるな。安心しろ。必ず私が……」
「…………ふふ…………」
「…? 何だ?」
「きっと………きっと来て下さると思って……ました」
「傷に触る。あまりしゃべるな」
その時、おぶっていたアリアが上体を起こし、私の首近くにキスをした。
「お慕い申しております……………私の………王子様………………」
彼女にとって私という存在の意味を、その時はじめて知った。同時に、1つ分かったことがある。私が彼女を助ける理由、それは……………………………
「………返事を、言わんとな………絶対に死なせん…必ず、助けてやる」
お読みいただきありがとうございました。
「魔龍弱っ」とおもったかたもいるでしょうが、まあレベル0で成龍に勝ったようなやつがレベルXXですからね。勝てませんよ。
ちなみに龍の強さ順は
幼龍>成龍>魔龍>神龍>古龍>邪龍
です。