GM(ゲームマスター)は異世界に行ってもGMのようです。 作:桐生 勇太
で、龍の谷についた。やはりバイクを使うと早いな。というか………
「ザ・炭鉱村といった感じだな。どいつもこいつも、ムキムキゴリマッチョだ」
「檀様、この町でそれは誉め言葉ですよ」
マジか…よし、今日からここを脳筋村と呼ぼう。
「檀様、今失礼なこと考えてませんでした?」
「何故そんなことを聞く?」
「大方脳筋村とか考えていたんじゃないですか?」
「さあ………私には(何のことだか)わからないよ」
「とぼけないでください」
「………ごめんなさい」
………くそ、ばれた。それにしても…
「バレるとは思わなかったぞ。アリアは私をよく見ているな」
「へっ!!?」
…? 褒めたよな、今の。なんで赤くなるんだ?
「とりあえず、その奴隷商人とやらを探すか」
「それなら、この辺の人に聞きましょう」
あそこにいるやつにするか。………えーっと、相手の機嫌を取りつつ、話しかけるっと…
「よお、そこのムキムキマッチョメン、この辺に奴隷商人っていないか?」
見たところ、気さくな親父といった感じだ。これで合ってる…はず
「お、兄ちゃんわかるかい?」
親父は嬉しそうにニヤリと笑い、二の腕をパシッとはたいた。
「旅のやつかい? 奴隷商人なら、この集落には一人しかいねえな。ここをまっすぐ行った先、青い屋根の家だ」
「ありがとよ、兄弟」
「困りごとならいつでも言えよ、兄弟」
ふむ、良い奴だったな。私の黒髪にも物おじしなかったし、なかなか高評価だ。…冗談で兄弟呼ばわりしたら、乗ってくるとは思わなかったが。
数分後
ようやくついたな。この建物で間違いないはずだ。
「さて、着いたな。早速………
「勇者様を買いましょう!」
「いや、この建物を潰す」
「は?」
「買うだけ金の無駄だ。それに勇者はもともと正規に奴隷になったわけでなく、騙されたらしいからな。こっちも正規で買う必要性がない。それに、他にも騙されて奴隷にされた奴らがいるだろう。まとめて助ける」
「はあ………」
結局、【透明化】のエナジーアイテムを使って忍び込み、商人を気絶させた。
「さて、おい全員こっちを見ろ、この中に勇者はいるか?」
「檻に入れられていた奴隷たちの中から、黒髪褐色の女が出てきた。まずはチェックだ。
「ゲムムの話では17歳と聞いたが、出身高校はどこだ?」
「あんたも、まさか異世界から? 俺は豊永学園高等学校の杉原 要」
ふむ、間違いないな。こいつだ。っていうか「俺」って…貧乳でショートヘアー。男に見えてきたぞ。
「よし、君は私と来い。ほかはクライシィに頼んでイーグル国へ送ってもらう」
さて、無事勇者とも会えたし、ちょっとこいつのステータスを見てみるか。
「すまない、この水晶に触れてもらっていいだろうか」
「え? ああ」
名前 :杉原 要
種族 :異世界人
レベル:99
称号 :勇者 正人 不運
体力 :680000
知力 :38
攻撃 :1900000 (最大2800000)
防御 :800000
速さ :1000000
魔力 :89000
スキル:自然成長(自動でレベルアップ) 不運(道を歩けばよく転び、ものを食べればよく当たり、物につかまればよく壊れる) 星光属性魔法(光の最上位魔法) 暗黒属性魔法(闇の最上位魔法) 炎属性魔法(火の最上位魔法) 爆発属性魔法(火の互換系最上位魔法) 氷属性魔法(水の最上位魔法) 嵐属性魔法(風の最上位魔法) 岩属性魔法(土の最上位魔法) 天属性魔法(身体強化魔法、全ステータスに×4) 再生(1日に一度蘇生可能)
賞罰 :異世界の希望 最後の勇者
好物 :たくあん
……強いな…さすがは本家勇者といったところか。それにしても、好物:たくあんって…ちょっと面白いな。
「とりあえず、よろしく。私の名前は、檀 黎斗神だ」
「ん、うん。よろしく」
………あれ、不意に要が泣き始めた。どうしたんだ?
「よかった………このまま、酷いことされるのかと思ってた……」
まあ、そうなるか。聞けば、奴隷は主人には絶対に逆らえないし危害も加えられないらしい。それは不安にもなるだろう。
「もう大丈夫。君はもう自由だ」
仕方がないので、優しく抱き留め、頭をなでる。泣き止むまでこうしておくか………
お読みいただきありがとうございました。