GM(ゲームマスター)は異世界に行ってもGMのようです。   作:桐生 勇太

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今日中にもう1話投稿します。


第35GAME:檀 黎斗神と皆の気持ち

 あれから数週間がたった。いまだに政宗は見つけられていない。どこかでただの人間として生きているのか、それとももう魔物や野獣に食われた後かはわからない。

 

「まあ、どうでもいいがな」

 

「? 何がですか?」

 

「いや、気にしないでくれ」

 

 現在私はイーグル国に戻っていた。魔王と魔神両方を倒した勇者として盛大に祭り上げられたからだ。

 

初めのほうはかなり道行く人にギャアギャア言われたが、数週間もすればだいぶ減ってきた。

今はこうしてアリアや仲間たちと宿で暮らしている。当然私とアリアは同じ部屋だ。処遇愛の巣だな。

 

「ふう、少し疲れたな………」チラッ

 

「はいはーい」

 

 うむ、これを言うと必ずアリアは頭をなで、膝枕をしてくれる。至福至福。

 

「うむぅ…すまん、少し寝る…………グぅ」

 

 

 

 

その日の夜

 

 ミスった。昼に寝すぎたせいで全く眠くない。アリアはもう寝てしまったし、適当にぶらついて時間を潰そう…宿の1階に降りると、ミリカが飲んだくれていた。何やっとんじゃこいつ…

 

「部屋で寝ろよ…おい起きろ。風邪ひくぞ」

 

「むきゅう? ふにゅう…むにゅう…きゅう…むぅ~…ぐぅ…」

 

 いや、「ぐぅ」じゃないだろう、起きろこら。駄目だ。揺さぶっても起きな…起きた。

 

「うぅん? くろとぉ? お~よく来たよく来た~アンタも飲め~」

 

「飲まん。部屋で寝ろ」

 

 駄目だ。まったくいうことを聞かない。宿の主人もいないようだし、勝手にミリカが飲んでいるんだろう。

 

「仕方ない奴だな。少しだけだぞ」

 

 まあちょうどいい。こいつを暇つぶしに使ってやる。

 

「最近ね~好きな奴が居んのよ」

 

「そうか。かわいそうだな、そいつ」

 

 鬼の形相でにらまれた。………サーセン。

 

「でね、そいつ彼女がいるんだけどね、そいつにばっかり甘えたり甘えさせたりすんのよ」

 

「彼女がいるのなら、諦めたらどうだ?」

 

「なぁに言ってんのよぉ! なら重婚よ、ジューコン」

 

 重婚て………モロ犯罪だろう。酔った勢いで言っているだけだよな?

 

「無理だろう、そんなこと」

 

「あら? 知らないの? 一夫多妻なんて普通よ」

 

 それは初耳だな…異世界すごい。

 

「知らなかったな…」

 

「へぇ~しらないんだぁ~…なら…へへへ…話し戻すんだけど、アタシが好きになったそいつってさ、滅茶苦茶強いのよ」

 

「ほう、お前よりもか?」

 

「うん、滅茶苦茶強い。魔王よりも、多分魔神よりも」

 

 強いな…そいつがもう勇者でいいんじゃないか?

 

「でねでね、そいつは、初めてあたしのことを「きれいだ」って言ってくれたんだよ。それまでアタシさぁ、ずっと男みたいに扱われてたんだ。やたら強いし、ガサツだしね、それに、他はいいんだけど知力が低くてさ…」やれ「脳筋だ」だの、「オークだ」だの言われたたんだ。だけど、そいつは馬鹿にしてきたりもしたけど、とっても優しくて、強くて…「きれいだ」って言ってくれたんだぁ…へへ」

 

 ほお…結構甘酸っぱい話だな…ん? 何か身に覚えが…

 

「おい、その好きな奴の名前を言ってみろ」

 

 まさか…ねぇ?

 

「ん~? ふふ…檀 黎斗神、アンタだよ」

 

「………マジか………」

 

 え? いや、本当に?

 

「嘘………」

 

 言いかけたタイミングで、キスされた。あえて言おう、酒くせぇ。

 

「ふふ、ふぁあすときす…ていうんだっけ?」

 

 何だ、急に…いったん落ち着こう、急な展開についていけない。

 

「言っとくけどぉ、クライシィもクリスも要も、たぶんだけどゲムムもアンタが好きだよぉ」

 

「ゑ」

 

 全く気づかなかった…何だ、どうなってんだこれ?

 

私は、どうすればいい? 彼女たちの気持ちに、どう答えればいい?

 

 

 

私は、どうしたいんだ?

 

 

 

 

 

次の日の朝

 

「おいミリカ、昨日のことだが…」

 

「あ゛?」

 

「なんだ? いやに機嫌が悪いな」

 

「ぢがう…飲みずぎだ………気持ぢ悪い゛…」

 

 そういやこいつ、下戸で悪酔いだったな。

 

「あれから皆に直接聞いたんだが、お前の言ったとおりだったぞ」

 

「…なにが…?」

 

 ふむ、覚えていないようだな。

 

「昨日の晩のこと、忘れたか?」

 

「何゛?」

 

 唇を軽く触り、ニヤリと笑う。

 

「昨日、私に告白したうえ、キスしただろう?」

 

「え………?」

 

 そのあとは大変だった。真っ赤になって喚く喚く。なだめようとして近づくと、さらに真っ赤になって逃げ回る始末だ。出来る限り刺激しないように、でも何があったかしっかり伝えた。

 

「…………ふにゅう………」

 

 今ミリカは、恥ずかしすぎてフリーズ状態だ。少しそっとしておいてやろう…




お読みいただきありがとうございました。

平和な世界…いいですねぇ~
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