工兵のGGO   作:流舞

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粘着行為はやめましょう、気分は晴れるかもしれませんがそれは珍しいことで早々あることはございません、大体は終わってからの脱力感でゲームに対するやる気を失います。



そして今回は超短いです。


捜索、そして粘着。

おいダイン。

 

 

 

お? 久しいじゃねぇか最近どうだ?

 

 

 

 

UNICAをやられた。

 

 

 

 

お前……相手は誰だ?

 

 

 

 

 

シノンとかいう女らしい、手を貸してはくれないか? 報酬には糸目をつけん。

 

 

 

 

そんな水臭えこと言ってんじゃねぇよ、手を貸すぜ「相棒」

 

 

 

 

助かる。

 

 

 

そんなやりとりがあったのは1週間前。

 

 

 

 

 

 

 

「なぁジン」

 

 

「なんだよ?」

 

 

俺たちはそれから情報を集め「奴」がよく狩場にしているという荒地で毎晩待機をしていた。

 

 

「お前最近、インする時間早いじゃねえか、学校はどうした?」

 

 

「リアルは……まぁダインだし良いか別にサボってるとかじゃねぇよ、テスト休みだよ」

 

 

「あぁ、そんな奴もあったなぁ、忘れてたわ」

 

 

そう、テスト休みである。

 

テスト休みとは平日行われている部活動が原則中止となり家に帰ってゲームでもして遊んでいろという学校からのメッセージである。

 

俺はそれを利用し午後5時半から11時までこの場にて待機をしているのだ。

 

全てはあの俺からUNICAを奪った泥棒猫に対する復讐のために。

 

これが俺の復讐だ。

 

俺のM39は罪人を裁く神之怒となりあのスナイパーとか言う安全な遠距離からチクチクと豆粒を飛ばしてくるクサレ外道の顔面でストロベリーパイを作る。

 

我が銃に施しを、UNICAの為に花束を、正義の為に銃を持ち、泥棒猫には死の鉄槌を、しかして我ら聖者の列に加わらん。

 

サンタマリアの名に誓い全ての不義に

 

 

「お前、頭いいのか?」

 

 

こっちはロベルタってたのに無粋な奴だ。

 

 

 

唐突に失礼なことをダインは俺に言ってくる。

 

 

「勉強しなくても赤点はとらないくらい」

 

 

軽くドヤをこめつつ返す、舐めるでない、俺の頭は悪くはないのだ。

 

 

ゲームもできて頭もいい俺は最強なのではないか?

 

 

「じゃあよ、一つずつ順を追って考えようぜ」

 

「あ?」

 

「そのシノンって子はよお前より年上だったか?」

 

 

 

いや。

 

 

「それはねぇだろ?胸もねえし」

 

 

 

「胸は知らんがな。で、この世にはテストって物がある」

 

 

「おう、そうだな」

 

 

「そのシノンって子がお前と同年代だったとして、その子にもテストがあるな?」

 

 

「あぁ」

 

 

「よってテスト休みもあるな」

 

 

「あぁ……」

 

 

 

「で、俺のイメージと言うか偏見だがな、女の子はよっぽどの不良、もしくは天才でない限り勉強を怠らない、ましてやテスト前だ」

 

 

 

う、うん……まぁ分からなくもない。

 

 

 

「そしてこれらの様々な推測と憶測、そこからはじき出される答えは一つ」

 

 

 

名探偵ダインの導き出した答えとは……。

 

 

 

「勉強してんじゃねえ?」

 

 

 

至極同然の、学生の本分とも言える言葉だった。

 

 

 

「……あぁ、そっか」

 

 

 

「お前ほんとに頭いいのか?」

 

 

 

 

 

俺たちはグロッケンに帰り、解散した。

 

 

ここ最近のリザルトを見るとキルレ、SPMなど全てが軒並みガタ落ちしていた。

 

 

 

 

俺はGGOをやめ勉強を始めた。

 

 

 

 

 

 

そしてテストでは初めて赤点をとった。

 

 

 

 

 

高校3年にして粘着行為の虚しさを知る。

 




スナが使えないコンプレックス持ちです。



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