ザパーン・・・ザパーン
「う~み~は~ひろい~な~おおき~い~な~・・・っぽい」
―『このまま、真っ直ぐ行くのが、至高』
―『イヤイヤ、右に行くのが、最高』
―『左に行くのこそ、成功』
―『真下に行くのも1つの手かと』
―『『『イヤ、ナイナイ』』』
妖精さんたち、ナビゲートしてくれるのは良いんだけど、できれば道は一つにしてくれるかな私の体は一つしかないんだよ?
というか最後の妖精さん!?真下って海に沈めって事?私まだ沈みたくないよ!!
―『アメリケン ジョークですよ(棒読み)』
―『とりあえず縛るデス』
―『グアー、ヤメロー、シニタクナーイ』
「ほどほどにしておくっぽい」
―『『『サーイエッサー』』』
妖精さんたちが艤装の上でドタバタとおふざけをしている間に、私は海の上をスイスイと進んでいく。
それにしても艦娘の体は凄いね~、鉄の塊にしか見えない艤装を背負っていても全く重さを感じないよ。
最初は背負ってる事すら気づいてなかったし、それのせいで艤装の中に住んでいた妖精さんたちに声をかけられたとき、何回も体ごと後ろを振り向いてしまったけど・・・はた目から見れば自分の尻尾を追いかけるワンコのような姿だっただろう。
うん、誰にも見られてなくて良かった。
―『HDDに保存シマスタ』
「さあ、素敵なパーティ(物理)しましょ(ニッコリ)」
―『変態は滅ぶべし、慈悲はない』
―『グワー、私を倒しても、第二、第三の私が・・・、ちょ、コンクリ詰めはやり過ぎデス』
―『悪は沈んだ』
妖精さんの不法投棄って大丈夫なのかな?元々、自然の存在だから大丈夫だよね?
―『『『サア?』』』
―『死ぬかと思ったデス』
おお、さすが妖精さん、コンクリづめで海に沈められても直ぐに帰ってこられるとは、もう妖精さんだけでいいんじゃないかな?
妖精さんのナビゲーションに任せること数時間、進めど進めど、目に写るのは広大な海、海、海、時折、遠目に見える鯨さんくらいしか変化がない海の上を進み続けるのは精神的にも辛いものがある。
本当にこのまま進んでいいのか?
妖精さんに任せて大丈夫なのか?
そんな疑問が頭のなかに浮かんできてしまうが、航海の素人である私が口を出すべき問題ではないのだろう。
まあ、それが普通の航海術ならなんだけどね~・・・
―『次の進路を決めるのだ』
―『オー、羅針盤をマワセー』
―『北北東に進路を取るのデス』
―『オー、全速全身ダー』
ゲームの中でも思ったけど羅針盤って回すもんじゃないよね?むしろ回したら方角分からなくなると思うんだけど?
―『大丈夫デス』
おお、妖精さんの特殊技能とかで方角が分かるのかな?
―既に遭難しているので、状況は変わらぬデス』
―『ソウナンデス』
「ギルティ」
―『大砲、二門、準備完了』
―『発射体制、ヨシ』
―『弾ごめ、オーケーデス』
―『導火線着火、鳥にナッテコイ』
―『『いくらなんでも、空は飛べぬデスウウウウウウウゥゥゥゥーーーー・・・キラッ!!』』
―『『『ムチャシヤガッテ』』』
空に輝く2つ星を敬礼しながら眺める私と妖精さん達、なんで敬礼するのかって?
それが格式美だからさ・・・
って、ふざけてる場合じゃないよ!?結局、現在地わからない遭難状態って事に代わりはないんだから!
あ~も~・・・妖精さんに頼りきるんじゃなかった。こうなったら感で進んでやる。
―『そろそろ見えてくるデスヨ』
え?何が?
―『二人が飛んでいった方角を良く見るのデス』
私は妖精さんに言われた方角に目を凝らす。
影?遠目に見える黒っぽい影、徐々に近付くにつれて鮮明になっていくその形、それを確認した瞬間、私の口から自然と言葉が漏れた。
「島っぽい!!」
―『新大陸発見、速やかに制圧スベシ』
―『宝を全て奪うのデス』
―『刃向かう者はミナゴロシダー』
―『『『ヒャッハー』』』
「妖精さんたちが世紀末になってるっぽい!?」
陸地を発見した興奮からか、妖精さん達の言動が北○の拳に出てくるモヒカンみたいになっちゃってるよ。・・・あれ、良く見たらコスチュームまで世紀末スタイルに変わってるんだけど!?そこまでこだわらなくていいから!!
―『全ては、苺味の愛ゆえに』
捨ててしまえそんな愛!!
―『サラダバー、・・・アッ!?』
北斗○拳に登場するキングのコスプレをした妖精さんが、艤装から飛び降りたと同時に突風が吹いて足にダイブしてきた。
ちょ、妖精さん!急に足にしがみついちゃダメ~
妖精さんのダイブによりバランスを崩した私は、海に突っ込んでそのまま溺れてしまった。薄れ行く意識の中私が最後に見たのは・・・
両腕を広げ十字のポーズで沈んでいく妖精さんだった。
―『引きません、媚びへつらいません、反省しません!!』
反省・・・してよ・・・ガクッ
妖精さんがフリーダム過ぎて話が進まない(泣き)