夕立に憑依したっぽい?   作:大谷地ひよこ

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 皆さま、お待たせ致しました!
 始めての戦闘を思考錯誤して書いていたらいつも間にか1ヵ月経っていて驚いているおっさんです。

 戦闘描写って難しいですね……

 後編もなるべく早く投稿できるようにしたいと思います(出来るとは言っていない)

 Г艦これ始まるっぽい!」




衝撃の新事実発覚っぽい? 前編

 

 

 Гねえ、『夕立』……生まれたばかりのドロップ艦がねぇ、人に近い身体と、心と、魂をもって要るなんて『あり得ない』んだよ」

 

 

(あばばっば、ばっばっばば)

 

――『も、もちつくデス、コシヒカリデス』

 

――『もちついてどうするデス?落ち着けデス、後、コシヒカリはもち米じゃないデス』

 

 う……うろたえるんじゃないッ! 日本の艦娘はうろたえないッ。

 

――『夕立、取ってこーいデス』

 

 わーい、夕立フリスビー大好き~・・・投げとる場合かーッ!

 

――『日本の技術は

 

 

 

「『世界一ィィィ!』」

 

 

 

 ふう……叫んだらすっきりした。

 

 やっぱり、混乱したときはある程度ネタを連発すると精神が安定するっぽい。

 これは全世界共通の精神安定法だよね♪

 え、それは私だけだって? こまけーこたーイインダヨグリーンダヨ! さて、取りあえずはすっきりしたから現状を確認してみy

 

 

 ゾクリッ!?

 

 

 突如、死んだと思わせられるほど濃密な殺気を私の生物としてのカンが察知した。

 

 反射的に身体をねじると、顔の前スレスレを何かが風を切りながら通過する。

 

 

 

 

 ……ほわい? え、今のなに?

 

 

 

 

 ぽかんと間抜けな表情をした私の視線の先には拳を振り切った姿勢のまま、こちらを見ている隼鷹さんがいた。

 状況的に考えれば、今、私の顔の前を通過していったのは隼鷹さんの拳で間違いないだろう。

 

 間違いないのだろうが――

 

 

 Гほうほう、こいつを避けるかい、益々、生まれたばかりとは思えないねぇ」

 

 

 ――間違いであって欲しかった。

 

 

 特に目の前の嗤う隼鷹さん(悪鬼修羅)を直視した私にとっては。

 

 Гいやいやいや、なにやってるの隼鷹さん!?」

 

 Гん?何かって殴り愛だろ?挨殺は大事だって古事記にも書いてある」

 

 Гそんな見敵必殺を進めてくる古事記がどこに存在するの!?」

 

 Г私のこころのなか……かなぁ」

 

 Гかわいそうに、お酒が切れたせいで幻覚を見てるっぽい」

 

 腐ってやがる(アル中で頭の中が)遅すぎたんだ(手遅れ的な意味で)

 

 Гはっはっはっ!大丈夫だよ、夜明けまでしこたま呑んでいたから、まだまだ夢見気分さ!!」

 

 Гそれが大丈夫だっていうのなら世の中の90%以上は大丈夫だと思うっぽい」

 

 駄目だこいつ早くなんとかしないと!!

 

 Гなら、10%分は大丈夫だねぇ! そらそら、いくよぉっ!!」

 

 隼鷹さんは言葉を言い切るか否かのタイミングで間合いを詰め、今度は私がぎりぎり反応できる位の速度で右の拳を放ってきた。

 私はとっさに手に持った刀を盾がわりに振り上げる、しかし、元々、戦いなれていない、と言うよりも戦ったことが皆無である私は、反応は出来てもうまく対応することが出来ておらず、振り上げた刀は拳に対して遅れ気味、なおかつ全く威力が乗っていない物であった。

 

隼鷹さんの拳と私の刀が交わる。

 

 Г甘いっ!」

 

 Г嘘っ!?」

 

 ガキンッと拳と刀が交わった時に弾かれたのはやはり私の刀だ。

 しかし、これはある程度予想していた事なので驚くことではない、流石に鉄の塊であろうとも、威力が全く乗っておらず、不安定な姿勢から放たれた一撃では素手であっても刃を避けて刀の腹を殴れば弾くことは可能だろう、本当に驚いたのは隼鷹さんが刃物に対して全くと言って良いほどに躊躇なく拳を振り切った事だ。

 いくら、剣の速度が遅かろうと、威力がなかろうと、刃に拳が触れれば真っ二つとはいかなくても怪我をしてしまう、しかも、それが切れ味特化の刀であるのならば尚更だ。

 人はどれだけ鍛えようとも、ある程度恐怖という物がつきまとう、それがどれだけ自分の足を引っ張るか頭で理解しようとも、体がついてくるものではなく、どのような達人であったとしても、必ず、何処かに存在している物だ。

 鍛練を重ね、実践で死地を経験し続ければ、恐怖を飼い慣らすことはできるだろう、しかし、無くなるわけではない、人とほぼ同じ体と思考をもつ艦娘もそれは例外ではないだはずだ。

 

 

 現に私はとっても恐い思いをしています。

 ちょっとチビりましたよ、こんちくせう。

 

 

 だが、隼鷹さんの拳にはそういう類いのものは存在していない。

 一切の迷いなき拳、と言えば聞こえは良いだろうが、私からすれば狂気の拳である。

 自らが負傷することを想像していない、いや、負傷することを厭わない、腕をもがれようが、足が取れようが関係なく、戦う事が至上目的である戦闘狂の拳だ。

 これが唯の戦闘狂であるならば私も少しは気が楽だっただろう、だが、先程の一瞬の交差、先に放たれた隼鷹さんの一撃が、後から振り上げた刀を認識した途端に、私の刀の腹めがけて機動が変わり、私の防御ごと真上にはねあげた所を見るに、戦闘狂の類いでも一番厄介な技術特化の戦闘狂だろう。

 力で押してくるタイプならばまだやりようはあるが技術で追い詰めてくるタイプに相手の距離で戦うのは不利、防御を崩された一瞬でそう理解した私は、体が動くままにカカッとバックステッポウを行う。

 

 Гまだまだぁっ、逃がしゃしないよ!」

 

 やはりと言うべきか、隼鷹さんにそんな甘い考えは通用しない。

 離した距離を直ぐ様に詰めて懐に潜り込み、互いの顔と顔がふれ合いそうな距離で拳打を繰り出してくる、この距離では刀は満足に触れないため、使えば隙を生むだけだと先程の攻防で学習した私は、なるべく小さく動いて隼鷹さんの拳を避けていく。

 

 だが、

 

 Гはっはっはっ! いいよぉ、ノッてきたねぇ!」

 

 Гちょっときつすぎるっぽい!」

 

 隼鷹さんの拳は避けるごとに加速していき、次第に私の反応速度を越えてきた。

 今はほとんど体が反射的に動いて回避しているようなものだ。

 まだ、拳がかすりもせずにいるのは奇跡的だと言えるだろう、いや、この体の反応速度を誉めるべなのだろうか?

 

 (なんか変な感覚、まるで頭と体が別々のような感じがする)

 

 体が勝手に動いて避けているような妙な感覚に包まれながらも隼鷹さんの拳を回避していると、隼鷹さんの体が一瞬ぶれた。

 

 Гおっとっと、やっぱり足場か砂だと体重移動が難しいねぇ」

 

 どうやら、砂浜に足を取られた様だ。

 

(いけない、今は戦いに集中しないと)

 

 私は思考に沈みそうになっていた、意識を頭を振ることでもとに戻す。

 

 Гさあさあ、どんどんいくよぉっ!!」

 

 というか、隼鷹さん、ちょっとさっきから言いたい事があるんだけど聞いてもいいかな?

 

 Гそうれっ、ワンツー、ワンツー」

 

 ジャブ、ジャブ、ストレート、ジャブ、ストレート、態勢を立て直した隼鷹さんは私に拳打の嵐を浴びせてきた。

 

 Гなんで私達、接近戦しているの!? 私達、艦娘だよね? 後、なんでボクシングスタイル?」

 

 Г艦娘が素手で戦っちゃいけないって誰が決めたんだい? それとボクシングは淑女の嗜み、カラテはニンジャの嗜みって言うだろう?」

 

 Г忍者もカラテは使わないよ!?」

 

 Гはっはっは!忍者じゃなくてニンジャだからモーマンタイ!!」

 

 Г誰かこの人に日本語教えてあげて!!」

 

 日本語で話しているはずなのに全く通じないんですけど!!

 

 私は繰り出される拳を捌きながら声を張り上げて言葉の応酬を重ねる。

 

 隼鷹さんの拳が繰り出される度に私の直感が死の予感を感じ取っている所を見るに、一発でも貰ったら強制KO(この世から)となってしまうだろう、それを連続で放ってくるんだからタチが悪い、ばらまき弾を連続で放ってくるボスに張り付きながら超接近戦を仕掛ける廃人シューティングゲーマーと同じような事を強要させられているんだから、数時間前まで只の一般人であった私からすればたまったもんじゃない。

 

 

 こんな頭のおかしい状況に置かれてまだ正気を保っている私は誉められるべきだと思うっぽい!!

 

 

 心の中で悪態をつきながら隼鷹さんが繰り出した大振りのストレートに対して、合わせるように刀を切り上げた。彼女は此方の攻撃が当たる直前に上体を反らす事でギリギリ回避を行ったが、それにより態勢を崩した。

 

 Г今までのお返しだよっ!!」

 

 好機到来、態勢が崩れた相手に追撃を掛けるべく、刀を振り切った反動を利用して回し蹴りを放つ、しかし、やはり相手の方が戦いなれているのか、更に距離を詰め懐に入ることで蹴りの威力を殺し左手一本でうけとめられた。

 

 (っまずい!?)

 

 左手で蹴りを受け止めたまま右のアッパーを繰り出そうとしてる相手の状態を見て、このままのでは危険だと判断した私は受け止められた右足に更に力を入れ、同時に反対方向に跳んで空中に逃れることで、間一髪、相手の間合いから離脱することに成功する。

 

 ――くはっ――

 

 空中に飛び上がった時、誰かの笑い声がが聞こえた気がした。

 

 (あれ?)

 

 先ほどまでの短い時間でされた、命のやり取りのせいで空中に滞空している時間がやけに長く感じられた。

 そのせいだろうか、私の頭は先ほど攻防に対して違和感を感じ取っていた。

 

 

 ……いやいや、おかしいよ、何で私まだ生きてるの? 普通にやっていたから疑問に思ってなかったけど隼鷹さんの拳を捌けてる時点でおかしいから、これ、体が勝手に動いているっぽい、憑依前の私だったら絶対に最初の一撃で決着していたはずだもん。

 そうじゃなきゃ、先ほどまで受ける一方だった私がいつの間にか握っていた刀で反撃までしているなんて、

 

 

 こんなの絶対おかしいよ!!(まどか風味)

 

 

 相手から離れるために空に逃れていた私は空中で2、3回、回転して態勢を立て直し、砂浜の上に着地、即座に刀を構えて相手からの攻撃に備えたが、隼鷹さんは構えることもせずに嗤いながら此方を眺めていた。

 距離を取ることは出来たが、彼女ならば一瞬で彼我の差を詰めることは可能であるだろうに、それをせず、只嗤って此方を見ている彼女に些か心がさざ波立つ、それがなんの感情から来ているのかは分からないが、不快な気持ちになっているのは分かる。

 

 ふと、隼鷹さんの首もとに目がいった。

 

 (何あれ?隼鷹さんの首に紅い線がうっすらと……あれは血? まさか、さっき回避した時に?)

 

 Гくくくっ、いやいや、まさか空中に飛び上がると共に刀で首を狙うだなんて、そんな曲芸じみたことを平然とできるのはあんただけだよ――

 

 やはり、先ほど回避した時に無意識に切りつけていたみたいだ。

 無意識のうちに人を殺しかけていた事に少なくない衝撃を受けると共に、隼鷹さんが無事であったことにホッとしている自分がいる。

 しかし、その事で安堵していられるのはほんの少しの間だけだった。

 続く言葉で隼鷹さんが特大級の爆弾を放り投げてくれたからだ。

 

 

 ――流石はあたしの『元』相棒、やっぱりあんたはそうでなくっちゃいけないよ、ねぇ、

 

 ――パラオの番犬『血濡れの夕立』よぉ……」

 

 

 彼女の爆弾発言に暫し私の思考は停止した。

 

 

 

 

 …………ほわい?

 

 

 




 艦娘が陸上で戦うのって当たり前ですよね(混乱)
 
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