PNRG
Pokemon Natural Release Group
秘密裏に活動する過激派団体。
本拠地不明、構成員数不明、ただわかるのは奴らはトレーナーを襲うことです。
トレーナーにバトルを仕掛けて、勝つとそのトレーナーのポケモンをすべて逃してしまう。
奴らの目的は一体何なのか?
我々国際警察が全国を巡って捜査中ですが、今の所有力な情報を得られていません。
つきまして、PNRG対策本部を設立。リーダーのヤブサカを筆頭に本格的に問題に取り組みます。
「PNRG対策本部第1回会議を行います。」
どこかの一室。薄暗い室内に6人の男が座っている。
誰一人神妙な面持ちでいる。空気は重く、気安く発言できない、そんな雰囲気の中会議が始まった。
「まず近頃の活動だが、やはり局地的だな。各地方で10件に満たない被害報告が出ている。」
丸型の机でもわかるハキハキと話すリーダー格の中年男。彼がヤブサカだ。歴も長いノンキャリアのベテランだ。性格は熱血漢で時に何時間も追跡し続ける姿は同僚や後輩から「グラエナデカ」とあだ名されている。こうして対策本部のリーダーとして認められているので上からも信頼は厚い。
「局地的に行うことに意味があるのか。俺はこの行動がどうも理解できないが。あるとすればやはり身バレするのを恐れてか?」
「それが理由でしょうね。ただそれにしては少し不可解な点がいくつか」
メガネの中年の男性。ヤブサカの隣に座る男だ。
彼はモリヤ。ヤブサカの右腕とも言われ、相棒として彼の活躍を支えてきた。ヤブサカも彼を信頼していて、今回の対策本部の副リーダーとして彼を連れてきたのだ。頭の切れる参謀役として今回もヤブサカを支える予定だ。
「1つ、各地方ですが。あまりに広範囲すぎます。北はシンオウ地方、南はホウエン地方。さらにイッシュ地方にも数件。これでは逆に戦力が分散しすぎていると思います。構成人数が不明ですが、規模はそれほどまで大きくないと思います。ここが引っかかった点ですね。」
メガネを指であげてから、一呼吸置いてまた淡々と話を続ける。
「もう1つに規模が各地方ほぼ均等だということです。奴らに目的があって行っていると仮定すればどこかに本部が存在すると思われます。しかしどの地方も足並み揃えて数十件に収まっています。これは計画的に数を抑えていると思われます。中規模な団体が今の所抑えめに活動していと私は推測します。わたしが気になったのはこの2点です。」
モリヤは話し終えるとヤブサカに目で合図を送った。本格的に始動の命令を下す時が来たのだ。
「では、対策本部はこれから本格的に奴らの尻尾を捉える!そのための実働部隊、シン!国際警察の威信にかけてさがしだせ!今回俺は対策本部長として現場に指示を出す側だが、俺の全てを教えたお前なら必ずやれる!期待してるぞ、若きエース。」
「はい!」
檄を飛ばされたスーツ姿のまま若者は席から立ち上がるとその場で無駄のない敬礼をした。160cmのやや低い身長、黒髪のショートでぱっちりとした目が特徴的な彼、シンは師匠と尊敬するヤブサカからの期待に応える思いでいっぱいだった。あの人の元で過ごした一年は、確実に俺を成長させてくれた。だから、俺が活躍することが、この人への恩返しなんだ。
シン青年の胸には、溢れんばかりの情熱が漲っていた。
「シン、お前にはまずシンオウ地方に行ってもらう。一番被害が多かった場所だからな。そこでこちらから指示するので動いて欲しい。それと怪しい情報や有力な情報はすぐこちらに回せ。頼んだぞ。わかったらすぐに向かってくれ。」
「了解しました。直ちに向かいます」
再度敬礼を行い、机に座る対策本部の幹部達に一礼する。これが俺一人の初仕事なんだ。
不安がないわけではない。だが、師匠の言葉を思い出す
『やれるか、やれないか、じゃないんだよ。やらなきゃいけないんだよ』
やらなきゃいけないんだ。俺は国際警察。安全と平和を守るのが俺の仕事だ。
扉の前でもう一度振り返り幹部達へ一礼。大きく失礼しましたと言い残し部屋を去った。
「PNRG、お前達の好きにはさせない。」
若き青年、シン。彼とPNRGとの戦いは、ここより始まる