僅かな時間にしてセイバートロン星を支配したシグマ。
しかし、その正体は正義のサイバトロンであるはずのコンボイであった!
では、今回の話をセイバートロン星から始めるとしよう!
セイバートロン星
「メガトロン様!!」
身体を撃ち抜かれ倒れたメガトロンにサウンドウェーブたちは、慌てて駆け寄る。メガトロンは、体から火花を出しながらもシグマを見る。
「な・・・・何故だ・・・・・・・何故、コンボイが・・・・・・」
「ほう、まだ息があるか。」
シグマは、メガトロンを見下ろすように言う。
「オカシイ、反応ハ“コンボイ”ト全ク一致シテイル。ナノニ奴カラハ我々以上ノ邪悪ナオーラヲ感ジル。」
「フッフフフフ・・・・・デストロンの諸君。お前たちのリーダーもこのざまだ。悪いことは言わん。我が軍団の一員になりたまえ。さすれば悪いようにはせんぞ?」
シグマは不敵に笑うとレプリロイドたちはデストロン一同に視線を向ける。
「わ、わかった!俺は今日からデストロンやめてそっちに入る!」
スタースクリームはシグマの背後に回る。
「ゲッ!?スタースクリームの野郎裏切りやがった!」
「コイツ、メガトロン様に対する恩義ってやつはねえのかよ!?」
「そうだぞ!今までさんざん裏切り行為をしたくせに!」
直属の部下であるサンダークラッカーとスカイワープを含めるジェットロン部隊は全員スタースクリームを見ながら言う。
「うるせえやい!俺は、こんなところで死にたくねえんだ!スクラップになりかけのボスと心中なんてごめんだ!」
「スタースクリーム、デストロンの面汚しめ!!」
「今までお前のような奴と一緒にいたことが恥ずかしくなるぜ!いっその事サイバトロン共の手でスクラップにされちまえばよかったんだ!」
「黙れ!そんなにメガトロンが大事なら一緒にくたばっちまいやがれ!!」
大半のデストロンメンバーからブーイングを受けながらもスタースクリームは考え直す気は更々ない。
「・・・・・なあ、俺たちもあっちについた方がいいんじゃないか?」
「確かにメガトロンには散々ひどい扱い受けたもんな。合体したら人形扱いだし。」
「よし、俺たちコンバットロン部隊もそっちにつく!」
コンバットロン五人のメンバーもシグマ側についた。
「なんてこった!コンバットロンまで裏切りやがったぞ!?」
「所詮スタースクリームガ勝手ニ作ッタ部隊、無様。」
最早デストロンは内部分裂状態だった!!
「では、こちらにつく者以外は武装を解除してもらおうか。考えが変わったらいつでも声をかけたまえ。」
「「「「・・・・・・・・」」」」
デストロンメンバーは重傷のメガトロンを見過ごすことはできず、全員武装解除をして刑務所へと送られていくのであった。
テレレレ~テ~テン!(エンブレムターン)
セイバートロン星のデストロン刑務所
捕まったデストロンたちは、武器を取り上げられ刑務所に入れられていた。
「おい、メガトロン様の容態はどうなんだよ?」
捕まっているデストロンメンバーは恐る恐るボロボロのメガトロンを見ている建設車両に変形するビルドロン師団一同は深刻な顔をしていた。
「メインサーキットが焼き切れている上にあちこち撃ち抜かれたせいで重傷だ。このままだと命に係わるぞ・・・・」
「なんだって!?」
全員思わず叫ぶ。
「メガトロン様がいなくなったらデストロン軍団は本当に終わってしまうぞ!?」
「どうにかしろスクラッパー!」
「無茶言うなよ!?みんな武器が取り上げられている上に修理施設は乗っ取られているし、修理の仕様がねえじゃねえか!?」
スクラッパーはヒステリックに言う。そんな中、今まで沈黙していたサウンドウェーブがひっそりと言う。
「地球ノ臨時基地ニ行ケバ修理ガデキル。」
「何言ってんだよお宅は?すぐに地球に行くにしろスペースブリッジは乗っ取られているんだぞ!」
「アストロトレインナラ全員乗レル。」
「「「「・・・・・・・・」」」」
全員に注目されるアストロトレイン。
デストロンの輸送兵アストロトレインは機関車とスペースシャトルに変形するトリプルチェンジャーなのだ。
「なっ、なんだよ!?いくら何でもここにいる全員を乗せて地球に戻れるほど俺のエネルギーは残ってねえぞ!?」
「それもそうか・・・・・」
「ココカラ少シ離レタトコロニエネルギー貯蔵庫ガアル。ソコデ補充スレバ何トカナル。」
「でもよ、それ以前に鍵が・・・・・・」
「グルルル・・・・・。」
牢の目の前にジャガーが鍵を口に咥えて座っていた。
「いつの間に!?」
「入レラレル前ニジャガーヲ放シテオイテ取ラセタ。武器ノ保管場所モ確認シテイル。ジャガー、ヨクヤッタ。」
「グルルルゥ・・・・」
サウンドウェーブは褒めるようにしてジャガーの頭を撫でる。
「・・・・・・」
「時ハ一刻ヲ争ウ。作戦開始。」
サウンドウェーブはこっそりと鍵を開ける。
テレレレ~テ~テン!(エンブレムターン)
一方、ここはデストロンの指令室。
「サイバトロン戦士諸君、聞こえるか?こちらはコンボイ、ようやく戦いは終わったのだ。」
コンボイに成りすましたシグマだ。シグマが通信するとパネルには一人のサイバトロン戦士の姿が映された。
『コンボイ司令官、それはどういうことですか?それにデストロン基地に・・・・・・』
「敵の裏をかいて、デストロン基地に奇襲をかけた。メガトロンも既に虫の息だ。」
『そ、それは本当ですか!?』
「あぁ、我々はようやく数百万年という長い戦いに終止符を打つことに成功したんだ。」
『そ、それでは・・・・』
「あと数時間後にメガトロンの公開処刑を行う。それと・・・・・」
シグマはある程度計画を伝えると通信相手のサイバトロン戦士は満足そうな顔で通信を切る。
「・・・・・表では善人の司令官、裏ではイレギュラーとは昔以上に読めない奴になったもんだな。」
そのシグマの後ろでVAVAは腕を組みながら壁に寄り掛かっていた。
「この星にはまだ用があるのでな。それには連中の信用もなくてはならんのだ。」
「ふん、これで本当にゼロの奴が来るのか?」
「フッフフフ・・・・まあ、慌てるでない。奴にはとっておきの絶・・・・・ん?」
そのとき、通信が入る。
「私だ。」
『アジールです。マンドリラーが居眠りをしていたせいでデストロンたちが脱走。エネルギー貯蔵庫からエネルギーを奪って逃走しました。』
「ふん、まだ抗うか。」
『バイオレンの攻撃でダメージは与えましたが取り逃がしてしまいした。幸いあのダメージなら大気圏で燃え尽きるとは思いますが・・・・・』
「まあ、よい。お前は部隊の編成が整い次第追うがよい。」
『心得ております、シグマ様。』
そういうとシグマは通信を終える。
「さて、VAVAよ。ようやく貴様の待ちに待っていたゼロとの戦いができるぞ。」
「ふん、それで奴はどこにいる?」
「ある特殊な空間にいるがおそらく今回のデストロンの脱走でコースは掴めるだろう。」
「何?わざと脱走させたというのか?」
「クッククク・・・実は以前ゼロに会った時に調べたのでな・・・・・・」
テレレレ~テ~テン!(エンブレムターン)
大気圏
「ダメだ!さっきのダメージで機体が安定しない!!」
スペースシャトルに変形しているアストロトレインはよろよろと大気圏に突入していた。このままだと地表に到達する前に燃え尽きてしまう。
「アストロトレイン、何とかしろ!?てめえそれでもスペースシャトルか!?」
「無理言うんじゃねえ!ただでさえ定員オーバーしている上にダメージまで受けているんだぞ!そんな状態でどうやれってんだ!誰か降りろ!」
アストロトレインに言われてデストロンメンバーは全員顔を見合わせる。
「誰か降りろって・・・・・つまり誰か宇宙の藻屑になれってことだよな?」
「冗談じゃねえや!俺は嫌だぜ!おいブリッツウィング、お前が降りろ!」
「ふざけるな!てめえが降りればいいだろダージ!」
「何だと!?」
「嫌ナラ二人デ降リロ。」
「てめえが降りろサウンドウェーブ!」
さあ、アストロトレインの中で喧嘩だ!
そのせいでアストロトレインは、さらに不安定になる。
「だから、暴れるなって!このままだと本当に燃え尽きちまうって~!!」
アストロトレインのとった軌道が博麗大結界の真上だとはこの時誰も予想すらできなかった!
テレレレ~テ~テン!(エンブレムターン)
博麗神社
「ふう~、癒える~。」
一方、そんなことも知らない霊夢は風呂に入ってリラックスをしていた!
「最近、どうも物騒なことが多いもんだから気が滅入るわね・・・・・魔理沙が掃除機に吸い込まれたり、早苗が誤って守矢神社を吹き飛ばすし、永遠亭がバ〇オハザード状態になるし・・・・・・・まあ、紫が大人しくしているってことはそこまで大した問題じゃないってことだと思うけど・・・・・・」
「呼んだ?」
霊夢の目の前に境界の隙間を開いて妖怪の賢者 八雲紫が姿を現す。
「・・・・・・・アンタ、後で神社の裏に来なさい。」
「いや~ん!霊夢の意地悪~!」
「・・・・・それは置いといて何の用よ?場合によっては本当にしばくわよ?」
「はいはい、実は大結界を破って突入してきたのがあるのよ?」
「結界を突き破って!?」
霊夢は思わず湯船から立ち上がる。
「落ち着きなさい。あなた、入浴中でしょ。」
「あっ。」
霊夢は慌てて湯船に入りなおす。
「それでまさか・・・・・月の連中が攻撃してきたってこと?」
「いいえ、どうやら月とは関係なさそうよ。攻撃というよりも何か落ちてくると言った感じだし。」
「場所は?」
「人里近くの森よ。」
「・・・・・・もう少しゆっくり入りたかったけど無理みたいね。」
湯船から上がると彼女は急いで着替え、落下予測地点へと出発した。
テレレレ~テ~テン!(エンブレムターン)
人里近くの森
ここは人里からそう遠く離れていない森。
「こちらバンブル。アイリス、ゼロと一緒に現場に到着しました。」
『ほいほい、聞いとるよ。状況はどうだね?』
「どうも何も見事に抉れているよ。」
バンブルは、目の前の光景を見ながら言う。隕石が落ちたのかのように地面は抉れており、所々から火が出ている。ゼロとアイリスの二人掛かりで消火活動をしていた。
「でも、大方犯人はわかったよ。」
バンブルは持っている金属片を見ながら言う。
「コイツはデストロンの仕業だよ。こんなことするの奴らぐらいだよ。」
金属片に描かれているデストロンのエンブレムを見ながら言う。
「おい!こっちに何かいるぞ!」
早速ゼロが何か見つけたようだ。
「早速見つかったみたい。じゃあ、オイラちょっと調べてくるよ。」
バンブルは、ゼロの声がした方へと移動する。
テレレレ~テ~テン!(エンブレムターン)
ゼロが発見したもの。
それは、見事にバラバラになったメガトロンであった!
「なんだ、このレプリロイドは?バンブルたちと違うマークを付けているようだが・・・・・」
ゼロは、バスターを構えながら近づいて行く。アイリスは、そんな彼の背後を警戒する。
「お待たせ~!いやはや驚いたな。見たことがあると思ったらこれはメガトロンだよ。」
「知り合いなの?」
「知り合いも何もオイラたちの敵だよ。」
バンブルは、銃を持ったままメガトロンへと近づく。
「うわあ~、いったいどんな奴を相手にしていたんだろう?」
「向こうにもまだ何かいるぞ。」
さらに前へ進んでいくとデストロンメンバーが全員倒れていた(ちなみにアストロトレインは完全にボロボロ)。
「どうなってんだろう?みんなやられているよ。」
「とりあえず手当てをしてあげないと・・・・・」
アイリスはバスターを戻し、近づいて行く。
「やめときなよ、そいつら何をするかわからないんだよ?手当てした瞬間きっとオイラ達に襲い掛かってくるよ。」
「でも、怪我人なんですよ?それを黙って見過ごせって言うんですか?」
「そ、そういうわけじゃないけど・・・・・・」
「万が一襲い掛かってきたときはイレギュラーとして俺たちが倒す。それでいいだろ?」
「う~ん・・・・・・知らないよ?後で襲い掛かってきても。」
バンブルもとりあえず気を失っているサウンドウェーブの足を引っ張って運ぶ。ゼロもライドチェイサーにけん引して運び出す。
そこへ霊夢が飛んできた。
「あっ、霊夢さん。」
アイリスは着陸する霊夢のところとへ向かう。
「・・・・・・思っていたよりも被害は出なかったようね。」
「はい、火もそこまで回らずに済んだので。」
「ところであいつ等は?」
霊夢は運ばれていくデストロンメンバーを見ながら言う。
「バンブルさんの話だとデストロンだそうです。」
「・・・・・つまり、敵かしら?」
「でも、それにしてはおかしいと思います。こちらに攻撃して来るなら、あんな不時着しないはずですし。」
「それもそうね。まあ、これが大きな異変の前触れでなければいいんだけど・・・・・・・・」
テレレレ~テ~テン!(エンブレムターン)
一方、こちらは妖怪の山のにとりの家
ゼロたちがメガトロンたちを運んでいる中、パーセプターは何やら奇妙なカプセルを修理していた。
「この間、香霖堂で買い取ったものだけどどう見てもセイバートロン星のものではないんだよなぁ・・・・・いったいこれは何なんだろうか?」
一通り修理を終えると早速電力を供給してみる。するとカプセルの中に人影が写り始める。
『ザッ、ザザ・・・・・』
「ん?」
パーセプターはさらに調節をしながら出力を上げていく。
やがて人影は一人の白衣を身に着けた老人の姿へとなる。
『・・・・・・ザッ、ザ・・・・・・・わ、私は、トーマス・ライト。あるわけがあってこのカプセルに自分の意識データを残した一人の科学者だ。』
「これは驚いた。まさか、人間の意識データをこのような形で残す技術があったとは・・・・・・」
パーセプターは感心していたがライトと名乗る老人は、真剣な顔で話をする。
『・・・・・・・・単刀直入に話をしよう。どうやら、この世界に私がいた世界の恐るべき存在が流れ込んでしまったようじゃ。残念ながら私にはそれに対抗するための力はない。しかし、可能な限りのサポートを行うことは可能じゃ。どうか協力してもらえないだろうか?』
「恐るべき存在?よくわかりませんが私にできることでしたらお引き受けしましょう。」
パーセプターは素直に応じた。
次回予告(笑)
突如、上空に現れたスペースシップ。
そこからかつて倒されたはずのイレギュラーが次々と幻想郷に攻撃を開始する。
混乱の中応戦する霊夢たちであったが窮地に追いやられていく。
ゼロは、この事態に対処すべく動き出す。
ロックマンX ゼロの幻想入り
次回「来襲」
君は生き残ることができるか?
本作の連載再開について
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