ロックマンX ゼロの幻想入り   作:赤バンブル

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エックスがマーベルVSカプコンで登場したけど、どの時系列なのかわからなかったな。ゼロはなんか洗脳されてたっぽいし。

ウルトロンΣ何気に気合入ったデザインだな。


ゼロの悪夢

???

 

 

ゼロは、夢を見ていた。

 

 

どこか懐かしい研究施設で彼は、カプセルから解放され、顔がわからぬ老人と対面していたのだ。

 

『ゼロ、儂の最高傑作よ。いつになったら自分の使命をまっとうするんじゃ?』

 

老人は、聞き覚えのある声でゼロに声をかけてくる。

 

一度大破して後にカウンターハンターのサーゲスに修理されて以降、聞くようになった声。それは今でもゼロの夢の中で声をかけてくるのだ。

 

「・・・・・誰だ?何故俺に執着する!?」

 

『ゼロ、お前は分からんのか?お前のために破壊されていった兄弟たちの執念が。』

 

「何?兄弟?」

 

ゼロは後ろを振り向く。後ろは研究施設から一変し、大量のレプリロイドの残骸が転がっていた。中には執念で動こうとするものまでいた。

 

『こ奴等はみんなお前と同じ儂から生み出された存在、そして、奴に敗れ破壊された。お前は、今まで破壊されていった兄弟・・・・・儂の野望を潰した奴を破壊するために作ったのじゃ。さらに奴の跡を継ぐ者を破壊するためにな。』

 

「・・・・・・・そのために俺にあんなプログラムを組み込んだというのか?」

 

『そう、全ては奴の・・・・・・あのにっくき・・イトの作ったものをすべて破壊するために組み込んだのじゃ!じゃがお前は破壊することは愚か使命を放棄しておる!あの変なところが儂に似たフ・・・ルテと同じじゃ!』

 

「俺はそんなことを望んではいない!!」

 

『お前はいつか必ずすべてを無に帰す最強のロボットとなるのじゃ!!そう、あのロ・・・・クマンと同じ奴も含めてすべてな!!』

 

「もう、エックスと会う事はできないんだ!いい加減に俺に纏わりつくのはやめろ!!」

 

『フッハハハハハハ、アーッハハハハハハ!!じゃが、儂は諦めんぞ!必ず・・・・・必ずお前は奴を破壊するという事をな!』

 

老人の姿が消えていく。

 

「ま、待て!!」

 

『ハ~ハッハハハハハハ!!さらばじゃ、ゼロ!!ハッハハハハ!!』

 

「待てぇええええ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・はっ!?」

 

「ゼロ!?」

 

ゼロが目を覚ますと目の前にはアイリスの顔があった。

 

「・・・・・・・夢か。」

 

「大丈夫?今までうなされていたようだけど。」

 

よく見ると彼女は自分の手を握っていた。どうやらずっと付きっきりだったらしい。

 

「そうか、あの時連中にリンチされていたんだったな。」

 

ゼロは、起き上がろうとする。しかし、すぐにアイリスに引き戻された。

 

「ダメ!さっき治療が終わったところなんだから!しばらく安静にして!」

 

「えっ!?だが、状況が・・・・・」

 

「もとはと言えば私が捕まったりしたから・・・・・・」

 

「あっああ・・・・・・いや、あれは周りを見ていなかった俺も悪かったんだ。だから、そんなに気にするな。」

 

泣きそうになったアイリスをゼロは、落ち着かせるように言う。

 

そこへバンブルが来た。

 

「アイリスちゃん、ゼロは目をさま・・・・・・」

 

目の前の光景を見てバンブルは黙る。二人も気づいていなかったのか驚いていた。

 

「ば、バンブル!?こ、これは・・・・・!?」

 

「えっ、えっと・・・・・・」

 

「・・・・・・あっ、あぁ。いや、パーセプターに様子を見てきてほしいって言われて見に来たんだけど大丈夫そうだねっ!?いや、よかったよかった!」

 

バンブルも切り替えて誤魔化そうとする。

 

「そ、それよりバンブル。俺が気を失っていたのはどのくらいなんだ?」

 

「え、え、えっと、3時間ぐらいかな!?にとりの家に運んでパーセプターとホイルジャックがすぐに修理をしてくれたからそこまでひどい怪我にはなっていなかったよ。」

 

「そうか。ところであの後どうなったんだ?」

 

バンブルはどう話そうか一瞬悩んだが言った方がいいと決めて話す。

 

「うん、君が気を失った後に人里にロケットが落ちてね・・・・・・」

 

「ロケット?」

 

「いや、それがオイラたちの仲間のオメガスプリームって奴なんだ。なんか金髪のおば・・・・・じゃなくて、お姉さんが連れてきたらしいんだけど間違えて人里の真上に落としちゃったから人里が焼け野原に・・・・・」

 

バンブルは申し訳なさそうな顔で言う。

 

「・・・・・・慧音さんが住民を避難させていなかったら大惨事だったわ。」

 

「・・・・・って、アイアンハイドたちは見事にバラバラ。今、二人とにとりが修理に当たっているけど手が足りないみたい。」

 

「・・・・・そうか。」

 

幸い死者が出なかったとはいえ人里を吹き飛ばしてしまったことにゼロは罪悪感を感じてしまった。

 

「ごめんなさいゼロ。私が弱かったから・・・・・」

 

「いや、あの時お前が援護に来てくれなかったら俺も危なかった。お前が全部悪いわけじゃない。」

 

「オイラもごめんよ。仲間だったものだから説得すれば何とかなると思ってたんだけど。」

 

「もう、その話はよそう。お互い悪かったところはあったんだ。これからカバーできるようにすればいい。」

 

ゼロはそう言うと起き上がる。

 

「ゼロ!起き上がったら・・・・・」

 

「少し状況を見に行くだけだ。別に戦闘とかするわけじゃない。・・・・おっと。」

 

思わずよろめいたところをアイリスが支える。

 

「まだ完治しているわけじゃないんだから。私が支えるわ。」

 

「すまないな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にとりの家

 

にとりの家は現在バラバラになったサイバトロン戦士のパーツでごちゃまぜ状態であった!!

 

「ふう・・・・・ねえ、二人とも。治すのはいいんだけどさ。治したら治したでまた襲い掛かってくるんじゃないの?」

 

にとりは、溶接作業をしながら聞く。

 

『心配いらんよ、にとり君。幸いウィルスに備えてワクチンプログラムを製作したので今全員に組み込んでおるよ。これでおそらく正常に戻るはずじゃ。』

 

「うわあぁ・・・・流石にやること早いね。」

 

にとりは作業に戻る。一方のパーセプターとホイルジャックはようやく医師であるラチェットの修理を終える。

 

「よし、ホイルジャック。早速エネルギーを流してみてくれ。」

 

「ほい、きた!まあ、成功すればいいんだがね。」

 

ホイルジャックはラチェットにエネルギーを送り込む。

 

機能を停止していたラチェットの目は光りだし、手も動き始める。

 

「う、うぅう・・・・・・・」

 

「ラチェット君、吾輩たちがわかるかね?」

 

「ほ・・・・・ホイルジャック?それとパーセプター?」

 

ラチェットはどうにか起き上がる。

 

「ここはどこなんだ?私は確かサイバトロン基地で・・・・・・・・・そうだ!コンボイ司令官は!?」

 

「ここは幻想郷、私たちのいる世界から隔離された世界だよ。君は、先ほど人間たちが住んでいる里を他のみんなと襲っていたんだ。」

 

「そ、そんな馬鹿な・・・・・・私たちは基地で奇妙なガスを浴びて・・・・・・」

 

「とりあえず後のことは順を追って話そう。君はゆっくり休むんだ。」

 

「・・・・」

 

ラチェットは意識回路を切られて再び眠りにつく。

 

「やれやれ、こんな数じゃ全員リペアするのに最大で2週間はかかるよ。」

 

「だったら、俺たちが手を貸してやるか?」

 

簡易的な牢屋に入れられているデストロンの工作部隊ビルドロンは、暇そうに言う。

 

「何を言っとるんだね?デストロンに頼んだら何をされるやら・・・・・」

 

「でも、俺たちは修理の腕も一流だぜ?」

 

「それにお前らに任せっぱなしじゃメガトロン様が何されっかわからねえしな。」

 

ちなみにメガトロンは未だに昏睡状態でライト博士がアーマーを製作している傍ら並行して治療を行っている。

 

「それに人手が足りねえんだろ?悪い話じゃねえはずだ?」

 

ビルドロンのリーダー スクラッパーはうまいように誘いをかける。二人は警戒しているものの河童たちを総動員しても人里の復旧作業なども遅れが出る可能性があるためあえて開放するべきかと考えた。

 

「・・・・・いまひとつ納得いかないけどここは人手が少しでも多い方がいいからね。」

 

パーセプターはビルドロンのみ牢屋から出す。

 

「ありがとよ。牢屋の中は狭くてたまったもんじゃないぜ。」

 

「まさかすぐにデバスターに合体して逃げるつもりじゃないだろうね?」

 

「やろうにもエネルギーを無駄にしたくないからな。しばらくは下働きでもさせてもらうぜ。」

 

ビルドロンたちは建設車両に変形して外へと出ていく。

 

「よおし、野郎ども。まずは人間どもの里の復旧作業だ。」

 

「「「「「おぉ!!」」」」」

 

 

 

ビルドロンたちが牢屋から出されるのを見てジェットロンのスカイワープとサンダークラッカー、ダージ、スラストらのメンバーは羨ましそうに見る。

 

「なあ、俺たちも空中パトロールという事で釈放してくれよ!」

 

「空はイーグリード君がいるから心配ないよ。」

 

「そりゃないぜ。俺たちがスタースクリームみたいなことすると思っているのかよ?」

 

「スタースクリームみたいなことはしないとは思うさ。でも、かと言って全員をここから出したら何をしだすのやら分かったもんじゃないよ。だから、君たちは釈放しない。」

 

「ちえっ。」

 

「状態はどうなんだ?」

 

そこへゼロがアイリスに支えられながら来た。

 

「ゼロ。どうやら意識は戻ったみたいだね。」

 

「まあな。・・・・・これ、全員修理するのか?」

 

「総動員でやっているからね。君はしばらく休むといいよ。アイリスのアーマーもライト博士が作っているしね。」

 

「私のアーマーをですか?」

 

「この間のアーマーは飽くまで基礎能力と防御力を向上させるのだけに留まっていたからね。」

 

「確かにな。よく考えて見ればエックスが身に着けていたアーマーは戦いのたびに新しい能力が搭載されていたからな。」

 

「・・・・・・・・新しいアーマーか。」

 

アイリスは少し暗い顔になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜 霧雨魔法店

 

ゼロとアイリスは、安静にするということを理由に霧雨魔法店に戻ってきた。

 

当の主である魔理沙は、すでに眠りについたがアイリスは眠ることができず外の空気を吸おうと外に出て来た。

 

「・・・・・・あんなに訓練したのに結局ゼロに迷惑をかけちゃった・・・・。」

 

彼女は店から少し離れた木の下に体育座りをする。

 

「支えたい気持ちで戦闘用に改造してもらって、訓練までしてもらったのに・・・・・・・・やっぱり私じゃ無理なのかしら?」

 

元々自分は戦闘用でもなければ、戦いに向いた性格でもない。

 

そんな自分では、やはり愛しい人を支えるという事は無理なのだろうか?

 

そんな気持ちが彼女の心の中で蠢いていた。

 

「・・・・・・・・兄さん、教えて。どうすればゼロのことを守ってあげることができるの?」

 

亡き兄に向かってアイリスは問う。そのとき、ちょうど、月の光が彼女の顔を差し込んだ。同時に森の一部が光で少しだけ視界がよくなる。

 

「ん?ゼロ?」

 

アイリスは一つの大木の上を見て気が付く。丁度月の光が当たるあたりにゼロが月を眺めていたのだ。

 

「・・・・・・安静にしててねって言ったのに。」

 

アイリスは、連れ戻そうと木を登り始める。しかし、元々木に登ったことなど一度もないため気づかれないように上るのは一苦労だった。

 

(もう少し・・・・・・・)

 

十分以上してやっとゼロの近くまで登り、声をかけようとした直後

 

 

バキッ

 

 

「えっ?」

 

乗っていた木の幹が折れ、彼女は地上に真っ逆さまに落ちて行ってしまった。

 

「きゃあああぁぁあああ!?」

 

彼女は、パニック状態になり地上に落下するかと思われたが何者かに抱きかかえられ激突することなく着陸した。

 

「・・・・・・・・・・あれ?」

 

彼女が目を開けるとそこにはゼロの顔があった。いつの間にか気が付いていたのか彼が地面に激突する寸前に助けた様だった。

 

「全く、何をやっているんだお前は?」

 

「ちょっと外の空気を吸おうと思って・・・・・・・・って、ゼロは寝てなくちゃダメじゃないの!まだ体の傷が残っているんだから!!」

 

「・・・・・・・」

 

「ゼロ?」

 

怒って言うアイリスに対してゼロは一瞬何か不安そうな顔になったがすぐに普通を装う。

 

「すまなかったな。」

 

「えっ?う、うん・・・・・・」

 

ゼロは、彼女を下すと店の方へと戻って行こうとする。しかし、さっきの不安な表情が気になってアイリスは呼び止める。

 

「待って、ゼロ!」

 

「ん?」

 

ゼロは振り向く。

 

「・・・・・・もしかして、眠れないの?」

 

「・・・・・・」

 

「ねえ?何か隠しているなら教えて。あなたのことが心配だから。」

 

「・・・・・・・そうだな、この際だから教えておくか。」

 

 

 

 

二人は、木の下で寄り添い合いながら座って話をする。

 

ゼロの話はこうであった。

 

自分はかつてある科学者の目的のために制作された恐るべきウィルスプログラムが取り付けられた存在ですべての元凶が自分にあるという事。

 

そして、今でも夢でその科学者が自分に本来の使命を教え、全うさせようとすること。

 

アイリスはそれを黙って聞いていた。

 

 

「・・・・・・・・」

 

「笑えないだろ?すべては俺が元凶だったんだ。そして、奴は今でも俺に本来の自分へ戻れと言い続ける。今の俺が本当の俺じゃなくて、全てを破壊しようとするのが本当の俺なんだ。」

 

「・・・・・それで眠れないの?」

 

「正直言うとな。もし目を覚ました時俺がイレギュラーになったらどうしようかって考えるようになっちまってな。」

 

「・・・・・・そんなことはないわ。あなたはいつだって平和のために戦っていたのだから。それにそんなことを背負っていたなんて・・・・・・今まで気づいてあげられなくてごめんなさい。」

 

「気にするな、俺が勝手に黙っていたんだからな。それに話したおかげで少し気が楽になった。」

 

ゼロは少し落ち着いた表情で立ち上がる。

 

「さて、いつシグマの奴が攻めてくるのかわからんからな。休めるうちに休んでおくか。」

 

「ねえ、ゼロ。」

 

「なんだ?」

 

「今日から私と一緒に寝ましょう?」

 

「・・・・・・・・ん?」

 

アイリスの唐突な言葉にゼロは思わずアイリスの顔を二度見する。

 

「何を言っているんだアイリス?」

 

「その変な人の夢を見るのはゼロが一人で眠っているからだと思うの。なら、二人で一緒に眠れば見なくて済むんじゃないかしら?」

 

「おい、ちょっと待て。流石にそれは・・・・・・」

 

ゼロは、それは違うんじゃないかと言おうとしたがアイリスの笑顔を見て何とも言えなくなる。二人は店の中に戻るとベッドで二人寄り添って眠った。

 

「ゼロが悪い夢を見ませんように。」

 

アイリスはそう言うと眠る。

 

「・・・・・ありがとな、アイリス。心配してくれて。」

 

ゼロも聞こえない声で感謝の言葉を贈ると眠りについた。

 

(・・・・・・決めた。私もうとにかくゼロのためにやるだけやってみる。それが彼の助けになるなら。)

 

アイリスは薄れゆく意識の中そう決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼロの悪夢ともいうべきその夢はその日を境に見なくなった。

 

 

 

 




次回予告(嘘)

どうも、サイバトロンのバンブルです。

ゼロとアイリスってお似合いのカップルでなんだけどさ、どうしてオイラはモテないのかな?

友達のスパイクだってカーリーって言う可愛い彼女がいるし、コンボイ司令官だってエリータワンって言う恋人いるし、パワーグライドなんか・・・・・・・・。

まあ、そんなことより次回の「ロックマンX ゼロの幻想入り」は「シグマ様 頭だけのご到着」「VAVA VAKAになる」「コンボイ司令官、お許しください!」の三本です。


ねえ、このシリーズまだ終わんないの?












作者が飽きるまで辞めないんだって(笑)

本作の連載再開について

  • 再開してほしい
  • できれば再開してほしい
  • どっちでもいい
  • してくてもいい
  • 他の作品を優先してほしい

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