ロックマンX ゼロの幻想入り   作:赤バンブル

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Xシリーズでワイリーが生きているような話があったけど結局出なかったな(異説あるけど)。


再会

「ア、アイリス?そ、そんな馬鹿な・・・・・・・」

 

ゼロは目の前にいる彼女を見て自分の目がどうかしているのかと思った。

 

現実、彼女は自分の手で葬ってしまったのだ。

 

アイリス。

 

レプリロイドのみで編成された軍隊「レプリフォース」のオペレーターとして所属し、その内の陸上士官であり敵対することになってしまった旧友カーネルの妹。

 

あのレプリフォース大戦のきっかけとなった空中都市スカイラグーンの墜落事件の現場において、保護し以降は何度も平和的に解決しようと言う彼女の意見を聞き入れようとせず、ゼロは最終的にカーネルをこの手で倒してしまった。

 

 

それを知った彼女は絶望し、レプリフォース大戦の終盤、カーネルの遺体から回収したメモリーチップを取り込んでイレギュラー化し、ゼロは止むを得ず倒した。

 

そして、彼女の最期を看取った後、彼女のボディはその場に残され、シグマの策略により、地球を攻撃しようとしたコロニーレーザー『ファイナル・ウェポン』の消滅と共にこの世から消えてしまったのだ。

 

だが、そのアイリスが目の前に立っている。正式に配属されたときのベレー帽は被っていないのを覗けば確かにアイリスそのものだった。

 

「ゼ、ゼロ・・・・・・・・」

 

ゼロを見たアイリスは、落とした鞄を拾おうとせず逃げるようにアリスの家と思われる家の中へと入ってしまった。

 

「まっ、待ってくれアイリス!」

 

ゼロは中に入ろうとしたが鍵がかけられたらしく開かない。

 

「開けてくれアイリス!」

 

「帰って!お願いだから帰って!」

 

ドアの方からアイリスの声が聞こえた。やはり間違いなく本物のアイリスだとゼロは理解した。

 

「アイリス、俺の話を聞いてくれ!俺のせいで君は・・・・」

 

「私は貴方に会わせる顔がないの!だからお願い。このまま帰って・・・・・・・」

 

「アイリス・・・・」

 

ゼロは、もう一度ドアを叩こうとしたが不審者だと判断したのかアリスが配置したものと思われる人形たちが武器を構えて一斉にゼロに襲い掛かってくる。

 

「くっ!」

 

ゼロは、人形たちの攻撃を避けながらゼットセイバーを引き抜き、応戦する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し経った頃

 

「いやぁ~アリス、助かったぜ。おかげでパチュリーの目を誤魔化して多く持ってこられたぜ。」

 

「何が助かったよ?素直に今まで盗んだ魔導書を返せばパチュリーの方だって、言ってくれれば貸してくれるようになるのに・・・・・」

 

上空で大量の本が入った風呂敷を背負っている魔理沙の隣で人形遣いアリス・マーガトロイドは呆れたように言う。

 

「だって、返すの面倒だし・・・・・それにあんなにあるんだからいいじゃないか。」

 

「だから、貴方は周りから良い印象がないのよ。」

 

「まあ、いいじゃねえか?あいつ、いつも図書館で引き籠っているんだからさ。取り返しに来るなら来やがれってんだぜ☆」

 

「はあ・・・・・あら?あれは・・・・・」

 

アリスは森の方で、何か激しい爆発を見る。

 

「あれって・・・・・・あぁ!!そう言えばゼロがお前の家に行くって言ってたの忘れてた!?」

 

「えっ?どういうこと?」

 

魔理沙の言葉にアリスは混乱する。

 

「えっと・・・・・・・実はカクカクシカジカ・・・・・・(以下省略)」

 

魔理沙は、ゼロのことについて説明する。

 

「なんでそれを早く言わなかったのよ!?」

 

「ごめーん。パチュリーと咲夜に追いかけられていたせいで完全に忘れていたぜ。」

 

アリスは手持ちの時計を見る。

 

「今の時間だともうアイリスが人里から家に帰ってきている時間・・・・・・もし、上海たちがそのゼロとかって魔理沙が言っていた奴と戦っていたとしたら・・・・・・・」

 

アリスは慌てて自宅を目指して飛んで行く。

 

「おい、待ってくれよ~!」

 

魔理沙も慌てて追いかけて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼロは、人形たちをバスターで次々と撃ち落していき、接近してきたものはセイバーで倒しながらアリスの家へと戻ろうとしていた。

 

「アイリス・・・・・・頼むから出て来てくれ・・・・・」

 

ゼロは、さらに追撃して来る人形たちに向かってゼットセイバーを向ける。

 

「やめなさい、上海!」

 

上空から聞こえる声に人形たちは一斉にゼロへの攻撃を中断する。ゼロが上空に目を向けるとアリスと魔理沙が降りて来た。

 

「ゼロ、大丈夫か?」

 

「・・・・・・あぁ。」

 

ゼロは複雑そうな心境で答える。アリスは人形を家の方に戻すとゼロの方へと来る。

 

「ごめんなさいね、たまに魔理沙が勝手に上がり込むもんだから防止に多めに配備させていたんだけど・・・・・・・・」

 

「おい、それじゃあ私のせいみたいじゃないか?」

 

「そうでしょ?そのくせ『飯食わせてくれ~』とか言って転がり込んでくるんだから。」

 

納得いかないような言い方をした魔理沙にアリスは平然と言い返す。そんな二人を他所にゼロは、ゼットセイバーを戻すと黙ってその場から去って行く。

 

「ぜ、ゼロ!?お前どこへ行くんだよ!?アリスに用があったんじゃないのか!?」

 

「・・・・・・・もう確認したから問題ない。」

 

ゼロは振り向きもせず、去って行ってしまった。

 

「・・・・・・・な、なんなんだ?この重い空気は?」

 

「さあ・・・・・・あっ、アイリスの方は!?」

 

アリスは家の方へと向かう。家の中を開けるとアイリスは、小さく座り込んで顔を伏せていた。

 

「アイリス、どうしたの?鍵なんかかけて震えて?」

 

アリスは、彼女の肩に手を置いて聞く。

 

「全く、ゼロの奴。さてはコイツのことを怖がらせやがったな?あんなクールな性格だけどきっと女には・・・・」

 

「違うんです!」

 

「はっ?」

 

魔理沙が言う言葉を遮るかのようにアイリスは否定した。

 

「ゼロは・・・・・・ゼロは・・・・・・何も悪くないんです・・・・・悪いのは私、私なんです・・・・・・。」

 

「おいおい、一体全体どうなっているんだ?」

 

「アイリス、詳しく説明してくれないかしら?貴方と・・・そのゼロとの関係を。」

 

「・・・・・・」

 

アイリスは、言いづらそうな顔をしながらも二人に自分とゼロの過去について語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

ゼロは、魔理沙の家には戻らず自分が目を覚ましたガラクタ置き場に戻ってきていた。ひょっとしたら見落とした物があるかもしれないというわずかな可能性を考えて来たのだがやはり手掛かりになるようなものはなく、新品同然で見つかったエネルギーボトル、何かよくわからないレプリロイドの残骸らしきものだけだった。

 

「・・・・・アイリス。」

 

ゼロは月を見ながら使い物にならなくなった旧型のテレビの上に座る。

 

あそこまで拒絶されるとは・・・・・いや、実の兄や自分を葬った自分ならそこまで思われても仕方ない。

 

「・・・・・・・・カーネル。俺は・・・・・・・一度アイリスの命をこの手で奪ってしまった。こんな俺でもお前は彼女のことを頼めるか?」

 

亡き旧友に問いかけるように言う。当然、返事が来るわけでもない。

 

「俺は・・・・・・自分が怖い。自分のことを恐ろしく思うんだ。また、お前の妹をこの手で・・・・・・くっ!」

 

ゼロは、頭を両手で押さえる。

 

「俺に・・・・・・・彼女を護る資格なんて・・・・・・」

 

レプリフォース大戦でシグマの口から聞かされた過去の自分。

 

『フハハハハ!素晴らしいよ、ゼロ。カーネルやアイリスも何のためらいもなく倒すとは。』

 

『それは違う、お前が心から破壊を望んでいるのだ。』

 

今の自分が本当の自分ではないと言われたあの時。

 

『ゼロ、もう一度聞く。自分の真の姿を・・・真のパワーを手に入れたくはないか?』

 

死んだとばかり思っていたアイリスが生きていたことは喜ぶべきことなのかもしれないがもし、自分がイレギュラー化して再び命を奪う事態になったら・・・・・・・そう思うとゼロはあの時以上に恐ろしく思えた。あの夢の残像のように。

 

 

 

 

 

 

そんな時だった。

 

 

 

 

 

 

「あっ、いたいた。やっと見つけたぜ!」

 

後ろから魔理沙の声が聞こえて来た。後ろを振り向くと魔理沙とアリスが立っていた。

 

「魔理沙。」

 

「全く、どこに行ったかと思ったらこんなところにいたのかよ。心配させやがって。」

 

魔理沙は呆れた顔で言う。ゼロは心配させたのかと思い、ガラクタ山から飛び降りる。

 

「すまなかったな、昨日、ここで倒れていたから何か手がかりになるものが見つかるかと思ってな。何も見つからなかったが。」

 

「本当はアイリスのことで罪悪感を感じているんじゃないの?」

 

「!?」

 

本心を見抜かれたようにゼロは、驚いた顔でアリスを見る。

 

「・・・・・・・アイリスから聞いたのか?」

 

「えぇ、貴方と彼女の関係は聞かせてもらったわ。戦争だったとはいえ複雑だったのね。」

 

「・・・・・どちらにせよ、俺が彼女の命を奪ったのは事実だ。」

 

「でも、貴方はどうなの?今の彼女をどうしたいと思うの?」

 

アリスの質問にゼロは、しばらく黙るが真剣な目で答える。

 

「俺は、カーネル・・・・・彼女の兄に彼女のことを託された。本来なら彼女を護りたい。・・・・・だが。」

 

ゼロは、言いづらそうになる。

 

「俺は、彼女を止めることができなかった上に命まで奪った!・・・・・・だから、俺に護る資格はない。」

 

ゼロがそう答えるとアリスと魔理沙はしばらく黙る。

 

「・・・・・・・・だとさ、ゼロはお前のことを護ってやりたいだってよ!」

 

魔理沙が急に後ろの森の方を見て叫ぶ。

 

「誰に話しているんだ魔理沙?」

 

「・・・・・お前、鈍感だな。」

 

すると木の後ろから人影が現れる。

 

アイリスだ。

 

「ア、アイリス!?」

 

「さあ。」

 

アリスに促され、アイリスはゼロの前に歩いてきた。

 

「アイリス・・・・・・」

 

ゼロは、目の前に来たアイリスに対してどのような言葉を掛ければいいのか分からなかった。それはアイリスも同じようだった。

 

「・・・・・・・・・ねえ、魔理沙。流石にこれは無理があったんじゃないの?」

 

「だってよ、いつまでも離れっぱなしだったら解決も何もしないんだぜ?それにアイツだって・・・・・・」

 

魔理沙たちは、二人の方を見る。

 

「・・・・・・・・アイリス、俺は・・・・・」

 

「ごめんなさい!」

 

「!?」

 

自分から話そうとしたゼロの言葉をアイリスは遮った。

 

「アイリス?」

 

「ごめんなさいゼロ!私・・・・・・本当は貴方にずっと会いたかったの!でも、私はあのとき貴方に武器を向けた。話を聞こうともせず。だから、貴方に会えたとしてももう私のことは受け入れてもらえないんじゃないかって怖かったの。ゼロが私のことを拒絶したらどうしようって・・・・・・」

 

アイリスは、涙を流してゼロに謝罪した。そんなアイリスに対してゼロは首を横に振った。

 

「謝らなければならないのは俺の方だ。俺は結局カーネルも君の命も奪ってしまった。カーネルから君のことを託されたのにもかかわらずだ。それに俺がエックスのような考え方があればジェネラルやレプリフォースも・・・・・」

 

「ゼロ・・・・・・」

 

「俺は・・・シグマの言う通り、知らない内に自分の心から破壊を望んでいるのかもしれない・・・・・・そんな俺に」

 

「そんなことない!」

 

ゼロは、言いかけたときアイリスは彼を抱きしめた。

 

「ゼロは・・・・・・そんなこと絶対に望まない・・・・・・絶対に。」

 

「・・・・・アイリス。」

 

「貴方は、あの時も私を助けてくれようとした・・・・・・・そんな貴方が・・・・・破壊を望むはずない・・・・」

 

アイリスは、ゼロの胸の中で泣き続ける。そんな彼女をゼロは知らない内に抱いていた。

 

「・・・・・・アイリス、俺に・・・・・・・こんな俺でも君のことを護らせてくれるか?一度君の命を奪った俺でも。」

 

「・・・・・・・うん。でも、貴方に守られてばかりで何もできない私なんていや。私もあなたのことを支えたい。」

 

アイリスは、ゼロの顔を見る。

 

その顔は、涙で濡れていたが二人を遠ざけていたわだかまりは解けた様だった。

 

「なんかすごくお似合いの二人ね。」

 

アリスは、感動しているのかさりげなく言った。

 

「・・・・・・でも、これからどうするんだ?人間がこの世界に来るのはよくあることだけど二人もタイムスリップして来るなんて・・・・・あまりにもおかしいぜ。なんかの異変の前触れなんじゃないのか?」

 

「まあ、それは霊夢たちで解決すればいい話でしょ?最近平和続きだったんだし。」

 

アリスは冗談を言いながら、ゼロとアイリスの方を見る。

 

 

 

 

 

夜の月が照らし出す光の中。

 

二人はお互いの顔を見合わせていた。

 

 

 

 

 

 




のびハザにシグマとゼロが出演していたという衝撃・・・・・(他にもあるけど)。

本作の連載再開について

  • 再開してほしい
  • できれば再開してほしい
  • どっちでもいい
  • してくてもいい
  • 他の作品を優先してほしい

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