お久しぶりです、猫の休日です。
就活はとりあえずひと段落しまして、時間が空いたので更新。
本当はもう少し早く更新する予定でしたが、今回の話、余ったよりも難産で大変でした。
久しぶりの執筆のため書き方忘れたし、今回の話、主人公の絡ませ方が難しくて…。
まぁ正直、色々とひどいことになっていると思いますが、またここからゆっくりと更新再開していきますので、よろしくです。
それでは、どぞ。
「よーし、全員注目! これより恒例の肝試し大会を開始する!! 準備はいいか野郎どもー!!」
夜の森に、先生の声が響き渡り、それに答えるように、特に男子生徒から「おおーーー!!!」という声があがった。
何というか、ノリいいなこの学校の人たち。
ーーと思ったのもつかの間、
「ーーじゃあ先生たちはここでいっぱいやってるんで、生徒の自主性を重んじて? 後はテキトーに上手くやってくれ」
といって、ビール片手に行ってしまった。
楽が何とも言えない顔でみていて、それを見てちょっと苦笑した。
なんて考えながらぼ〜っとしていると早速女子からぐじが始まった。
そしてついに、俺たち男子が引くばんになる。
「ゴホンゴホンあーーゴホン! へ〜小咲は12番だったんだ〜 小咲は〜12番〜」
…宮本さん、あからさま過ぎますよ。
「おっす優!」
「…集か、どうかしたか?」
「うんにゃ、ただ優が12番を引いた時、どうするのかな〜って思って、聴きにきた」
「? それなら朝にも行ったけど、楽に譲るぞ? まぁでも、その必要はないみたいだけどな」
「それはまたどして?」
「ほら」
集がおれを指さした方に視線を向ける。
そこには12番を引いて空いた口がふさがらない状態の楽と、激しく宮本さんを揺する小野寺さんの姿があった。
「お、楽12番引けたのか。さっすが楽、もってるね〜」
「確かにな。そういう星の下に生まれたんだろう。それより、引いてきたらどうだ?」
「そうするよ。優も行こうぜ」
集のその言葉に軽く返事をして、集の後ろについていきくじを引く。俺の番号は10番。原作通りならお嬢と集、鶫に宮本さんのペアになるけど、今回は俺がいるから男子の数も足りてるだろうし…どうなるんだろう?
「……え、何でここだけ3人ペア?」
「知らないわよ」
「女子が人数1人多くて余ってしまうらしくて、もう3人でいいやとなったらしくて」
あー、成る程ね。確かに人数足りていたところに俺というもう1人が入ったら、そりゃこうなるわな。
「なるほどね。納得したわ。でもこの場合、手はどうやって繋げばいいのかしら?」
「えっと…この時は男子が真ん中で女子がそれぞれ両手をつなぐということになってるみたいです」
「…え? 俺が真ん中?」
俺が聞き返すと、鶫は小さく頷く。
「いや、別に鶫と宮本さんで手を繋げばいいんじゃないのか? 俺はその後ろか前にいるし」
鶫は俺のことがあんまり好きではないから、そう提案したのだが……。
「し、ししし仕方がないだろう。そういうルールなのだからここはそうするべきだ。ほら、早く間に入って来い」
なんて言い出した。
チラッと宮本さんを見れば、小さく頷いてくる。
「10番のペアの方〜、そろそろ準備お願いしまーす」
その声に、渋々間に入り、2人の手を握るのであった。
周りからの視線を背中に感じつつ、森へ進む。時折、「何であそこ3人なの?」という純粋な疑問から、「両手に花かよ、羨ましい」「一条の野郎も許せんが、あいつも許せんな」「その通りだな。我が同士」という声も聞こえてきた。
そんな声を聞き流しつつ、森の中に入ること数分。鶫はもう怖いのか、俺の腕に抱きついてきており、宮本さんも少し怖いのか、心なし方を握る力が先ほどよりも強くなっている。
そしてーー
「ギャオオオオオオオ!!」「ヒィイイイイイイイ!!」
木陰から突然出てきたゾンビ(メイクの実行委員)にガチビビリした鶫が容赦なく腕に抱きつく。
ちょ、力強。地味に痛い。
「ちょ、落ち着け鶫…」
「すすすすまない…!! 私、こういうの全然ダメで…」
まぁ確かに痛いが、腕にあたる二つの大きくて柔らかい二つのものがあたるので、まぁ役得といえば役得である。これくらいは我慢しよう。
ちなみに宮本さんは、ゾンビが出てきた瞬間は少しビクッとしていたが、鶫の慌てように逆に落ち着いたようで、今は同情めいたまで俺を見てくる。
宮本さん、そんな目を向けるなら助けてください。
と、考えていると俺たちとゾンビの間を楽が走り去った。
「え…」
「今のは…」
「楽…だな…」
とゾンビとともに固まっていると、
「……ギャ、キャオオオオ!?」
「ヒィイイイイイイイ!?」
ゾンビさんが慌てて脅してきた。
「ははは、はやく、次に行くぞぞぞぞ!」
といって、鶫が俺の腕を抱きしめたまま走り出し、俺はそれに引っ張られるように走り、宮本さんも俺にひかれるような形で走り出した。
ある程度進んだところで鶫が走るのをやめた。よほど怖かったのか、息がすごいあがっている。
「あい鶫大丈夫か? ちょっと休憩するか?」
俺の声に反応して、俺を見る鶫。
その時、やっと今の状態に気がついたのか、自分が抱きしめている腕と俺の顔を見比べて…。
「わ、わわわ私に触れるなーー!!?」
「ひでぶっ!」
と言いながら、俺の顎に一発かまして宮本さんの空いている左手を握りにいった。
「お、おまえ、いくらなんでも顎に一発入れなくてもいいだろう…」
「ううううるさい黙れ!」
俺が顎を撫でていると、宮本さんから哀れみのこもった目を向けられた。やめて、そんな目で見ないで…。
ーーと、その時
『ピリリリリリリリリ!』
と、俺の携帯が鳴った。
鶫は突然の音にまた悲鳴を上げたが、俺はそれどころではなかった。何故ならその音は、クロード様から緊急事態が起こったとこにしかならない音だったからだ。
俺はすぐさま電話に出る。
「はい」
「私だ! おまえが捉えた2人を尋問したんだがまだ2人程仲間が付近にいるらしい! 狙いはお嬢だ! 今すぐお嬢の安全を確保し護衛しろ!」
俺はクロード様に返事をすることなくすぐに電話を切り、宮本さんの手を離してすぐに駆け出す。
俺の突然の行動に鶫と宮本さんが慌てて後ろから声をかけてくるが、返事をする時間すら欲しい。
肝試しということで気配を探っていなかったがすぐに周囲の気配を探りーーーいた。
すぐさま移動を開始し、隠し持っていたナイフを取り出す。
視界に捉えた。
その一瞬で状況を判断する。楽は鳩尾を食らったのか蹲り、1人のガタイのいい男がその頭を踏みつけていて、もう1人の男がサプレッサーのついたハンドガンを機に寄りかかって座り込んで怯えているお嬢に、その銃口を向けている。
カット体が熱くなる。
指は今まさに引き金を引こうとしている。
銃を叩き落とす? ダメだ。間に合わない。
ならー、
ーーパシュッというサプレッサー特有の銃声がし、赤い血が散った。
ありがとうございました。
正直今回の話、自分の中では納得のいく仕上がりではないので、のちに修正、加筆したりするかと思います。
その時は次話の前書きにその旨報告しますので、また呼んでもらえたら嬉しいです。
長らく待っていてくださった皆様方、長い間お待たせして申し訳ありませんでした。そしてありがとうごさいます。
ーーただいま。