インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】 作:金宮 来人
これを励みにいっそう、頑張りたいと思います。
「・・で、コレはなんだ?」
教室に入るとクラス中から好奇の目で見られていた。殆どが悪い感情を感じない視線であるから少しびっくりした。
「そりゃ、木刀を振り回す剣道全国優勝女と竹刀を振り回す男を相手にかわし続けるほど強く、周りの事まで考えて反撃せずあえて人がいない方に誘導していた。しかも、その男がほとんどいない男性操縦者だ。気になるのだろう。」
すこし不満げなマドカが説明してくれたが、なんだ?お前やきもちか?
「・・・クラスの手のひら返しに少し思うだけだ。」
「そうか。しかし、俺は別に何もしていない。だから・・あまり見るな。視線にはあまり慣れていない。」
顔を反らすとクラス中から『キャーーアァァア!?』と黄色い声が上がる。なんだよ。
「・・ギャップ萌え?なるほど・・クラリッサが言っていたのはこういう事か・・。」
「おい、マドカ。今聞き捨てならない名前が上がったぞ?いつの間にあの女と仲良くなった?」
「あ・・、ソロソロジカンニナルカラ、セキニスワルナ。」
「・・クラリッサ・・懐かしい名だな。アイツ等は元気だろうな。」
「・・秘密にしておこっと・・。」
マドカが何か少し小声で言っていたが俺は気にしなかった。クラリッサとメルアド交換しているとかそんな事だろうしな。
そして織斑がいない事で平和な日々が流れた。ある日の昼、
「ねぇ、イチカ君。知ってる?」
「転入生の事か?どこかの代表候補生が来るとは聞いているが・・。」
「そうそう。中国からの転入生で・・専用機も持ってるらしいわよ。」
クラスの女子が俺に声をかけて来て話していた。なんか最近クラスのメンバーと話す事が多くなった気が・・あぁ、開発の時間が減る・・。ま、いいか。そのおかげかマドカも友達が増えたし、簪とは親友クラスになったらしい。坂上はあの後仲良くなったらしく、性格はともかくかなり優秀で人材を見る目はあるらしく、適材適所の配置を出来る。そのため簪の専用機はすぐに完成しそうだ。このままならクラス代表選は十分間に合うくらいに。
「・・ここにイチカ・ダインスレイフっている?」
食事をとってクラスに戻ると女子が入って来た。背は小さく髪型はツインテール。目つきは鋭めで、猫のような感想だな。
「・・そこの男、アンタね・・?」
「あぁ・・。確かに俺がダインスレイフだ。お前は?」
「私は‥ん?んん?」
「な、何だ・・。」
近くに来たと思うと急に怪訝そうな顔になり、鼻をすんすんと言わせながら匂いつつ近づいてきた。流石に俺もそんな行動は予想外で焦る。ん?この娘、どっかで・・。
「い・・いちか?」
「・・?確かに俺はいち・・!?」
思い出したマズイ・・コイツは!!
「・・なるほど。お前は凰鈴音か。・・さすがだな・・。」
思い出したが・・コイツにあの話をされるのは不味い。少し時期尚早だ。だから
「そうだな・・放課後、少し話がある。妹の、マドカともども少し話をしよう。」
「・・・何か事情がありそうね。分かったわ。・・じゃあ放課後に。」
俺が言った事に何かを感じたらしくおとなしくひいてくれた。この勘の良さとかは昔から変わって無いらしい。しかし、そんな事を考える暇はない。だって、
「・・今のは?誰だ?」
マドカが怖い状態な事を止めなければならないからだ。
「そこを含めて放課後まで待て。・・周りの聞き耳を立てて居る奴らが居るからな。」
「分かった。」
少し不満そうだが、納得はしてくれたようだ。その日の午後の授業はそわそわした奴が多くて落ち着きがなかった。
「で、どこで話す?」
「企業の事もある。だから・・スコール、オータム。生徒指導室、仕えるか?」
「確かにあそこなら外に音は漏れないわね。まぁ、良いでしょう。私は許可取って来るわ。」
「じゃあ、私はお前らを部屋まで連れて行く。その後は一応部屋の前で待機しておこう。」
「すまん。では行くか。」
と言う事で部屋の中に入り席に着く。
「まぁ、お前は気が付いたらしいが・・」
「ねぇ、一夏・・よね?どういうことなの?死んだって聞いたのに・・。」
「イチカ、コイツは誰でなんでイチカの事を知っているんだ?」
「二人一緒に聞くな。先ず、凰。俺はもうイチカ・ダインスレイフだ。前の【織斑のでき損ない】の姿はない。アレは死んだ。戸籍もない。だから・・俺とおまえは企業の出張の際に知り合った事がある。分かったか?」
「・・そう。アンタが死んだって聞いた時は弾と数馬が悔しがっていたのよ?」
「そこまで言うほど付き合ってはいなかっただろう。精々一日に数回声をかわす程度。そんな思うほどでは・・」
「あんたに!!・・アンタには借りがある。妹を助けてもらった上、本人も助けてもらった弾、孤立していたのを弾やアタシと繋げてくれて人間不信から治った数馬。そして、何よりも言いたいのは!言葉がうまくいかなくて虐められていた私を・・・自殺までしようとしていた私を救ってくれた。そんなアンタに私達は借りも・・何も返せていない!!」
「そんなものはいい。あの時、孤立していたのは俺もだ。友達なんか作るつもりもなかったがそれが原因でいじめを受けている俺。その横に居てくれた。それで充分だった。だから・・織斑一夏の事は忘れろ。」
「結果的に私の質問にも答えてもらえたな。・・なるほど、イチカの懐の深さはその頃からだったんだな。」
納得したのか頷くが・・そこでマドカは急に【はっ!!】とした顔になる。
「ちょっと来い、凰。」
「まって、アタシ、アンタの事聞いてない。」
そう言いながらも部屋の隅に行く。なんだ?そこにスコールが質問をしてくる。
「・・イチカ。彼女と弾と言う子の妹。何があったの?」
「凰は小学生の時、中国から引っ越してきてそれが原因でいじめられていた。言葉は片言だったから少し発音の練習に付き合い、中学にはその持ち前の明るさとキャラで友達も多くなっていた。弾の妹は【蘭】といって、兄が少しやんちゃだったからと言う事で人質に取られた。そいつら自体には別に興味はなかったが、帰り道で騒いで居たから塀に座って見ていた。そしたら、弾がぼこぼこになった頃に人質に取っていた男の一人が中学生で蘭に性的に触ろうとしていた。流石に見逃せなくなり、俺は塀から飛び降りてその男をぶっ飛ばした。顔は御面で隠してな。で、その時に凰も帰り道だったらしく、弾がそれを話したら即座に蘭を連れて逃げてくれた。そして、弾を囲んでいた奴と周りの馬鹿どもをぶっ飛ばして俺は姿を隠すように帰った。で、翌日に凰が横を通り過ぎた時に急に振り返って、『昨日のはアンタだったのね?』とか言ってきた。」
「なんで急に?」
「・・それがアイツの驚く所なんだが・・・匂いだそうだ。」
「・・彼女は人よね?動物的すぎない?」
「それがアイツの怖い所だ・・。なんか記憶にあるような気がしていたが、その時に気が付いたって。だから、俺はアイツを猫とか思っていた。」
そう思うくらいにアイツは面白い奴だった。で、そんな事を話していると、二人が帰って来た。
「・・スコール。マズイ、コイツ含めて結構な量が居るかもしれん。」
「何が?」
「イチカが・・織斑一夏かも知れない・・て事に気が付いたやつら・・。」
「それは・・まずいわね。」
聞いてみると、なんか俺に興味を引いていた奴らがそうじゃないかって言っているらしい。凰は国に帰って代表候補生になっていたから最近の事は知らないが、連絡を取る事は出来るらしい。
「連絡してもらってもいいか?」
「分かった。じゃあ、・・弾?久しぶりね・・。そうよ。・・え?あ、あのね・・」
『だから!!今IS学園に居るイチカ・ダインスレイフって奴があのイチカじゃないのかって気がするんだ!!アイツって生きていると思うんだって!!』
凰の携帯から叫ぶように声が聞こえる。
「お、落ち着きなさいね?弾?」
『落ち着けるか!!俺が、アイツにどんだけ借りがあると!!』
弾がやかましいので俺は携帯を取り上げる。
「五月蝿い。」
『な!?アンタ誰だ!!・・ん?その声!!一夏か!?』
「一言でわかるとか気持ち悪いな。・・あぁ、面倒だ。お前ら、なんで気が付くんだよ・・。」
『お前はどう思っていたか分からないがなぁ!!俺たちはお前の事を親友のように思っていたんだ!!だから!!・・だからお前が死んだと聞いた時は・・俺たちは・・』
「・・織斑一夏は・・死んだ。俺は、ダインスレイフだ。‥だが、また会おう。いつかな。」
『・・分かった。ありがとう。・・鈴に代わってくれ。』
「ん。」
そう言いつつ携帯を返す。
「そう。うん・・分かった。またね。」
少し涙目になりながら携帯を切る。
「・・まずいな。確実に確信してやがる。」
「そのようだな。ま、名前を残したからしょうがないか。」
「・・・ま、お前が思っているほど嫌われてはいなかったという事だな・・。」
「何故だ‥。解せん。」
俺はやりたいように振る舞って、他人とあまり関わっていなかったと思っていたが‥。
「一夏・・いえ、イチカ。また、これからも、よろしくね。」
「分かった。」
俺たちは握手をして理解し合った。
「で、凰?イチカに対しての恋愛感情は?」
「ん?それは・・分かんない・・かな?強さとか優しさに憧れてたとか、孤高見たいな感じに感銘を受けていたとか・・そんな感じだったから。それにそこまで長い期間じゃないし。イチカは中学に行き始めて結構早い段階から休んでたし。二年生の時はほとんど初めに死んだ事になってたし。小学四年の時にアタシが引っ越してきたから・・計二年とちょっと位かな?」
「そんなもんだったのか。」
「・・俺を見るな。覚えとらん。」
つか、俺が居る所で話す事じゃないだろう。
「じゃあ、スコール。後の事は任せる。オータムに説明と束とクーに対処を相談して考えてもらってくれ。俺は、そろそろ完成させなければならんとこがあるから一度整備室に言ってから部屋に戻る。」
「・・とうとう完成?」
「あぁ、・・これでアルケミストの機能が十全で使える。」
「そう。じゃあ、頑張ってね。」
「あぁ。」
俺は部屋を出て整備室に向かって行った。
「アイツ、やっぱり普通じゃなかったのよね。そんな雰囲気はあったけど、確信は持てなかったのよ。・・あの屑の織斑冬二と違って、・・あれ?やっぱりそう思うとアタシ、イチカに憧れてたのかしら?うーん、確かに男で誰と付き合いたいかって言われるとイチカが浮かんでくるかもね。弾はシスコンヘタレで選択肢には無いし、インテリ形の数馬は好みで無いし。・・うん。マドカ、イチカに恋愛感情あるかも。しかも結構。」
「だろうな。お前の知りあうきっかけを考えると惚れないのがおかしいと思っていた。だが、アイツにはかなり惚れている奴が多い。競争率は高いぞ?しかも、イチカ自身はあまり恋愛に興味はないようだ。」
「そうね。・・はぁ・・。」
部屋に残っていたスコールはオータムを部屋に呼び込み説明をして、そんな話をする二人を眺めていた。
(・・束に聞いてみようかしら。)
[スコール、イチカ争奪戦と言うよりアイツ中心のハーレムとかどうだ?認めたメンバーなら家族って事で私は認めてもいいぞ?]
[ふふ、それはいいかもね。どちらにしろ束に相談してみようと思うの。]
[そうだな。]
[[ふふふっ・・・。]]
さて、受け入れられたイチカはどう言う事に巻き込まれていくか・・
ソレはこの先に待っていますので、こうご期待。