インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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今回も推奨BGMが有ります。
戦闘パートに関しては拙いと思いますが、頑張ろうと思います。
10話となりました事喜びつつ、投稿させていただきます。
では、続きをどうぞ。


インフィニット・ソング 10

今日はクラス代表戦があるらしいのだが、俺は少し遅れる事を教師に伝え、整備室に来ていた。

「・・あぁ、これでいいか?」

「えぇ、これで一応暴走せずに使えるはずですわ。」

「なんでマスターはこんな難儀な物を使うのですか?こう、もっと使いやすくてぇ、可愛いぃ、ガリィちゃんとかどうですか?」

「・・・ひと癖ありそうだな。」

「まったくですわ。」

「あぁ!?そりゃどういう意味だファラ!?」

「そのままの意味でしてよ。マスター、あまり遅れるとよろしくありませんが・・。」

「そうだな。ガリィ、ファラ。行くぞ。」

「はいはい、マスターぁ。」「えぇそういたしましょう。」

オートスコアラーを戻し部屋から出ると、そこには織斑千冬が居た。

「・・ここで何をしている。」

「忘れ物があったから取りに来ていた。許可は取っているし、アンタに何か言われる理由もない。」

俺は通り過ぎようとしたが、急に違和感を感じ頭を下げる。そこに風を切るような音がして、俺はすぐに体勢を立て直し距離をとる。

「・・っち。」

「何をする。」

「教師に敬語を使わないからだ。」

「俺はアンタを尊敬して無い。だから使う必要もない。」

「・・貴様は一体何者なんだ・・。」

「・・何者・・ね‥。」

一応(・・)血の繋がっている奴は分からず、血の繋がって無い鳳達が気が付く。まったく変なもんだな。

「俺は、俺だ。・・そろそろ行かなければならん。」

俺は背後に気をつけながら廊下を歩き始め、アリーナに向かった。

 

「・・あの声、どこかで・・。」

 

アリーナに来ると丁度、第一(・・)試合が始まる所で三組対四組だった。

そして見ていると、簪の表情は嬉しそうに、そしてその次の瞬間には表情が引き締まり、目の前の三組代表をしっかり見据えていた。

『三組代表、イタリア代表候補生。イタリア人と日本人のハーフ、アリサ・ラスティ。機体はラファール・リヴァイブです。』

そう言われたラスティは手を振ってアピール。

『四組代表は日本代表候補生、機体は自ら作り上げた新生天才少女、更識簪。これが初披露、【打鉄弐式・防人】!!』

そう言われた簪は一度俯いて首を振り、急に顔を上げた。

『・・いいえ、自らでは無い。私のこの機体は、四組皆の力で作り上げた。だから、私だけじゃ出来なかった。皆の力が集まったこの機体で負ける事はない!』

アリーナに響き渡った声にクラスの女子は喜び、顔を笑顔に。対してラスティは顔をしかめて、少し弱気になったようだ。

『・・それでは試合を始めます。第一試合、初め!!』

ブザーが鳴り、ラスティは手に持ったライフルを構え撃つ。それに対して簪はそれを予測していたのか、一度下に下がりすぐに上昇。左右に機体を振りつつ、視界からソレた瞬間荷電粒子砲≪春雷(しゅんらい)≫を撃ち、確実に当てる。

『おお、更識選手、大型の装備でいっきにSEを削りました!!これはラスティ選手痛い一撃だ!!』

『くそ、ここまでの機体なんて聞いて無い!?』

『まだ。私の、私達の機体はこんなものじゃない!!』

また、機体を振り回すように動き急上昇。大型のミサイルポット、【山嵐(やまあらし)】を構え、一斉に撃つ。システムは一番気を使い、完成に時間がかかった。だが、コレは簪が一人で作った。質問には答えたが一切プログラムには触れてない。今までは行き詰っていただけで資料や参考になるものがあれば彼女は応用して完成させたのだ。

『行けえぇぇ!!』

6機×8門のミサイルが独立で動き多方から迫る。

『こ、こんなに!?無理ぃ!!』

数発は撃ったが起動がバラバラなミサイルはほとんど誘爆せず、直撃。その結果ブザーが鳴り、試合終了が告げられた。・・・オーバーキルだろ。

『四組のみんな、この試合に出れたのはみんなのおかげ。ありがとう、本当にありがとう。』

そう言って頭を下げた簪に会場からエールが送られた。ラスティは気絶はして無いもののあまりの衝撃にダウンしていた。そこで簪が手を差し出し、少し謝りながら彼女をピットに連れて行った。

 

「・・なんで、更識簪の機体が完成してるんだ・・。これも、あの変な野郎、ダインスレイフとか言う奴の所為だな。・・一回戦が一組対二組じゃない時点でもう原作からずれてやがる。・・くっそ!!鈴もなんでか俺に会いに来ねえし、セシリアはなんかそっけない。・・訳が分からなくなってきやがった。オリ主は俺なのに・・主人公は俺なんだ!!あんな奴の所為でぐちゃぐちゃだ。くそっ!!」

 

「・・イチカ、見ててね。この試合でアイツをぶっ飛ばしてやるから。」

選手控室でモニターを見ていた鳳鈴音は次の試合に決意を込め、精神統一をしていた。

次は第二試合、一組対二組。織斑冬二対凰鈴音の試合・・のはずだった。

『え~。すいません、次の試合第二試合の事なのですが、先ほど試合の影響か、会場設備が不調を起こしているようで一時的に点検及び整備に時間をいただきます。・・え?!その間に・・?』

急に会場の設備の点検整備が入りアナウンスが慌てている。どうしたというのか?

『大発表です!!【イグナイト社】企業代表ダインスレイフ兄妹の専用機を披露するそうです!!メディアには初披露ですよ!!』

「はぁ!?あの機体を世界に披露するの!?」

放送を聞いてモニターにくぎ付けになる。

『では、どうぞ!!先に出て来たのは一年四組所属イチカ・ダインスレイフ君。専用機は【アルケミスト】!!』

イチカがピットから出て来て・・って!?

『おおっと!?コレはISスーツの姿でピットから出て来た!?そして、今入った情報によりますと・・コレは異常な姿にも見えますが専用のISスーツだそうです!!ISのSEが切れた場合でも一定時間活動できるように考えられた装備で、【零式装者強化装備】と言うそうです。そして!』

イチカは落ちて行き、空中で一回転し着地。地上について少し歩き手を横に広げISを展開した。

『この機体が新機体、【アルケミスト】意味は錬金術師。蒼き新星は世界を作り変えるのか!?そして、続いてピットから出て来たのは妹の、マドカ・ダインスレイフさん!こちらは初めから機体を展開しているが、見えるISスーツは同じもののようだ!イギリスのブルーティアーズと多少似ているような形状をしている。専用機は《サイレント・ミラー》!!』

マドカはピットから機体を展開して飛び出て来た。機体の色はアルケミストより淡い青。この機体は全身装甲では無く胴よりも大きな脚部が特徴だ。そのまま、イチカが居る所の上空に停滞し、イチカも空中に飛び上がり、顔を向け会い、頷く。そして曲がかかる。・・?曲?

~BGM【不死鳥のフランメ】

[Huu…~♪]

お互いが交差するように左右に分かれ、アリーナのSEの内側すれすれを回る。

一度交差する瞬間にイチカは仰向けに、マドカはうつ伏せに飛び、横に回転しながらお互いがぶつからず交差した。その隙間は十センチから数センチ。

少しでもタイミングが合わなければ、お互いにぶつかり落ちるだろう。ものすごい技術を見せながらも平然と歌う。途中で止まり、右手を上に向けるとそこに紅い六角形と火が出る。反対側にいるマドカは紫色の光を手に光らせる。

「~♪」

そして、交差した場所の反対側でもう一度近づき今度は縦に体制を変えお互いに錐揉み交差を続けながら上昇。お互いに剣を出して構える。

マドカは銀にきらめく剣を、イチカは黄金にきらめく剣を構え、お互いに向け合いクルクルと回りあう。

『[~!!~♪]』

最後には左右反対に分かれる。

『[ Ignition!! ]』

その言葉と共にイチカは茶色の六角形から何かを射出し、マドカは銃を撃つ。それは撃った先にあるイチカの出した六角形と同じものに当たり音はしつつもSEには何もなかった。同じタイミングで会場に火が舞う。それはシールドエネルギーを削ることも無く、干渉もしていない。見ていてどういう原理なのか分からない。そしてまたアリーナの中をイチカは火をまとって、マドカは紫の光をまとって、SEの内側すれすれを飛び回る。

『~♪』

また二人はアリーナ中央に行きお互い近距離で止まり、手を取り合いクルクルと回る。

『キ・ズ・ナ!~♪』

【絆】の部分で手を離し、モニターを背にして観客の方を向く。

『~♪』

歌いながら今度は蒼い六角形を出して周りに水を出す。しかしそれも会場に落ちる前に同じ六角形に当たり消える。

『[~♪]』

今度は背中に緑の六角形が出てそれから風が出て空に舞い上がるように飛び上がる。

『[~!!Phoenix Song!!~♪]』

空中にまた赤い六角形が出て、火で出来た羽の様なものが降り注ぐ。

会場はただISの紹介だと思っていたのに、いきなりライブが始まり動揺していたが、一人二人と拍手をしだすと段々と観客は立ち上がり拍手をしだす。最終的には会場すべてから拍手が起こり口笛を吹く者、感情が高ぶり過ぎて、手を上で打つ者などとんでもない事になった。そして、イチカが会場の真ん中に行きマドカはその右後ろに立つ。

『・・急に歌い出して悪かった。ただ、俺の機体は特殊で『歌』によって反応する。これが俺が戦闘時に歌う理由だ。世界中、様々な人種が存在する。国籍、言語、文化、バラバラだ。しかし、それぞれに≪音楽や歌≫と言った物はあるだろう。言葉でも動作でも通じない事も、音によって伝わる事もある。・・男だろうと、女だろうと、そんな事は関係ない。俺たちは・・イグナイト社は人類を・・その未来を見るため発足した。俺の歌を聞いて何か少しでも感じる事があるなら、ソレは音によって、歌によって通じ合う事が出来るという事だ。・・・長々とすまなかった。以上でイグナイト社の専用機と俺たちの紹介を兼ねたデモンストレーションを終わる。・・・会場の整備も終わったらしいので第二試合を開始するそうだ。引き続き、放送席の黛にマイクを戻す。』

『え!?あ、そ、その・・ダインスレイフ兄妹様、ありがとうございました・・。あまりに感動してしまいまして・・失礼しました。では、会場が準備整いましたので第二試合、一組対二組の対決です!!』

イチカー!!こんな、こんな・・

「こんな会場盛り上げた後って!!めちゃくちゃやりづらいじゃないのよーー!!」

私は控室から出ながらつい叫んでしまった。でも、しょうがない。いいわ、この興奮さめやらない感情をあの馬鹿にぶつけてやるわ!!

 

「イチカ‥なんか・・ネットでイチカの事を政治関連の話とかしていたことから、【アイドル大統領】とか言われてるぞ?」

「俺のどこにアイドル要素と大統領要素があるんだ?・・本当に書いてある・・。」

「しかも、さっきの歌がネットにアップされて、【IIII】のページのサーバーがパンクしそう。」

「その【IIII】を俺は知らないんだが?何だそれは・・。」

「あ、そ、その・・イチカのファンクラブ。【イチカ・イケメン・一緒に・居たい】の略。」

「意味がわからんが!?・・うわぁ、ホントに俺の顔がホームページに張ってある・・。おい、コメントに【イっくんがかっこよすぎな上、歌も上手い。もう完全にアイドルな上、各国の人間も束ねそうな人望。まるで大統領だね。アイドル大統領?コレはイケそう!!】とか書いてあるの、名前欄に【魔剣の世界のアリス】・・て束だろう?」

「その下の【妹さんもアイドルイケますね。歌って踊って戦うIS操縦者兄妹ユニット。兄はクールでミステリアス。しかし、その懐は深く優しさにあふれている。妹は一見可愛い見た目だがこちらは熱くツンデレ気質。お兄ちゃん大好きっ子でも正義感あふれ、困っている人は見逃せない優しさと強さを兼ねた存在。まったく完璧な素材です。】なんて書いている奴。名前欄に【創世兎】なんてあるがクロニクル【創世】って考えてクロエだな。」

「「・・アイドル活動する事になるのか?」」「俺たち。」「私達。」

 




いかがだったでしょうか?
個人的に好きな曲だったので、是非入れたいと思い書かせていただきました。
本来は歌詞と振り付けを書きたかったのですが、規約に反するので振り付けだけ。曲を聞いてこんな感じかなと想像していただければ幸いです。

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