インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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明日は朝から出かけるので今日のうちに投稿です。
またアイツがやらかします。
不可抗力でもあるが・・まぁ、誰かというのは皆さんの思う通りでしょう。
では、此度のお話、どうぞ。


インフィニット・ソング 18

私【ラウラ】は、まったく問題なく元のシュバルツェア・レーゲン時の装備だけで一回戦は勝っていた。元々そう弱くはないからだ。イチカやマドカが特別なだけだ。

「ふむ、今度はイチカ達が相手か‥。」

「ふん。あのでき損ないの事などさっさとつぶしてやる。私や冬二に剣道で勝った事がない愚か者の事など・・。」

「・・イチカが勝てないんじゃなく勝たなかったんだろうな・・。と言ってもお前には関係ないか。・・私は次の試合、初めには手を出さん。精々イチカにボロボロに負けるがいい。」

私はピットに向かい瞑想しつつ次の試合を待つ。あのような女の横にいるとまともに集中もできん。イチカと戦うのなら、集中せんとすぐに落とされる。歌う暇も無くな…。

 

 

『さて皆様、本日二度目の登場、アイドル大統領のイチカ・ダインスレイフと暁シャルロットペア・・そして対するは現役軍人ラウラ・ボーデヴィッヒと篠ノ之箒ペア。』

「ふむ、では篠ノ之箒。私はこの場を動かん。好きにしろ。」

「言われなくとも!!貴様の言う事など知るか!!私のするようにする!!」

『・・シャル、初めは俺一人にやらせろ。』

「うん、良いけど・・そんなイチカが相手するほどの事?」

『・・おそらく、嫌な気配がする理由はあの機体だな。』

「へ?・・やめてよ。嫌な気配って・・イチカの勘は必ず当たるんだから・・。」

『それでは、・・試合、開始です!!』

そう言った瞬間に俺は手に紅い鉱石を出す。

『Imyuteus amenohabakiri tron~♪』

装甲の青い部分が細くなり、装甲の先が尖る。脚部にもくるぶしのあたりから横に刃が装備され、見た感じから鈍重だった装甲がシャープに変わる。そう、装備するのは、天刃々斬である。コイツ相手に使う必要はないと思っていたが、あの機体にある気配にこれを起動した。そして、俺は手に一振りの剣を出す。

「な!?き、貴様!?ISを二機も所持しているのか?!」

『否。コレはアルケミストに相違無く、ただ己が形を変えただけだ。今までの己の役目は人を守るための楯。しかし、今は・・』

剣を構え、足に力を入れ一気に前に飛び出す。

『剣だ!!』

「くぅ!?」

俺が剣をわざと大きく振り、それを篠ノ之は受け止める。

「しかし、私に剣道で勝った事が無い貴様が!!私に剣で挑む気か!馬鹿者が!!」

『・・それだから貴様に力は渡せんのだ。己が力量とその目的が歪んでいる事に自覚を持たんのだからな。』

「ほざけ!!」

上から斬りおろし、振り上げ、左からの薙ぎと相手の動きに合わせ受ける。《ガキン》《ガキン》《ガガン》と続いて音がする。

「その程度か!!それなら冬二の方が上だ!!」

『そうだろうな。今【・】はな‥。』

「何!?」

~BGM『Beyond the BLADE』~

『【~♪】』

剣を収め、細めの刀を二振りに増やし斬りかかる。急に連撃になった事に驚いたらしく篠ノ之は動きについてこれずに、たびたび攻撃をくらう。

「く、くそ!?うるさい!!歌うのをやめろ!!」

『~♪』

俺はその言葉を無視し、斬りかかる。更に連続で切り、飛び上がった後空中に大量エネルギーの剣を出してソレを降らせる。

≪千ノ落涙≫

「な、くそ!?こんなにいきなり飛び道具とは卑怯な!?」

「卑怯も何もその機体にも乗ってるのに、お前が使わないだけでーす。」

「まぁ、これも昔あった攻撃法だしな。飛び刀、短刀を投げて避ける先に切り込む。今は隙が生まれやすいから使う物は少ないがな。」

シャルとラウラが一緒にならんでアリーナの端の方にいる。というか、お前らコメンテイターか?

空中から加速しながら降りつつくるぶしの刃をかかとの部分に移動させ、蹴りながら落ちる。

「なに!?ぐあぁ!!」

飛んで来る剣を落とした事に安心して、油断していた所に蹴りをもろに食らう。

『~♪』

そこで刀を一つ戻し、もうひとつを持ち直すとそこに大型の片刃剣が出る。それに力を込めて振ると、蒼い刃紋が出て篠ノ之めがけて飛ぶ。

≪蒼ノ一閃≫

「く、・・な!?こ・・こんなぁ!?があぁぁぁ!?」

おそらく今のでSEはゼロになったぐらいなはずだ‥と思い剣を刀に戻す。

その後急に篠ノ之が立ち上がる。その姿はどう見ていてもほぼ大破。SEはゼロにならなくてはおかしい損傷率だ・・!?急に嫌な気配が大きくなってきたが・・まさか!?

『ぐ・・ぐが・・ぐがっぁぁぁぁぁ!?』

急に篠ノ之は呻きだし、その機体は黒く染まっていく。

「アレは・・まさかVTシステム!?」

「なぜ!?アレは学校の訓練機!そんなものが入っているはずが‥まさか教師に!?」

・・!しまった!教師陣の中にはドイツ出身の織斑派が一人いたはずだ!まさか!?

そう思った時に会場にスピーカーから声が聞こえた。

『そうよ篠ノ之さん!そこの、でき損ないの男風情が、貴女の織斑冬二を貴女から奪った。だからあなたの憧れる強さの織斑千冬様の力で‥葬ってやりなさい!!』

「貴様!!フリーデル・ゲルハルト!!ドイツの負の遺産を持ち出したのは貴様か!?」

『うるさい裏切り者の落ちぶれモノが!!千冬様に鍛えてもらった恩を忘れ、でき損ないの男風情に尻尾を振り、あまつさえ中佐を更迭した裏切り者め!!』

「織斑千冬には確かに鍛えられた!だが、それはすべて力でねじ伏せるやり方だった!そんな物では世界中に争いの種火を振りまくだけだ!私は一度離れて考えてそれがよく分かった!だから私は!!」『うるさい!!さっさとそこの男を殺せ!!』

『ぐあぁぁぁ!!があぁぁぁ!!』

そう叫んだ篠ノ之は黒い粘質に飲み込まれ、その形を変える。黒い塊はヒトの形となり、剣を持った女性型になった。俺は黙っていたがまた剣を構える。それに反応してVTも攻撃してきた。

 

『~♪』

歌うのを再開し、縦振り横振り掬い上げ、突き払い切り、そう繰り返しつつ攻撃して更に俺は刀を投げ、逆立ちするようにして、脚の剣を使いまわりつつ連続で攻撃する。

≪逆羅刹!≫

そして、そのまま逆立ちから空中に飛び、斬りあげる。

『悪・行・即・瞬・殺!!』

その一言が技の【キーコード】になっていた。投げていた刀を空中で掴み、もうひと振りを出す。そしてそれを柄の部分でつなぎ合わせて双刃剣として回し、炎をまとわせる。

その剣を回し、炎が円を描きながら。地面を滑空するように進む。

VTはその俺をつぶすように渾身の力で切り下ろしにかかる。だが、俺はそれに突っ込むようにして進む。

≪風輪火斬!≫

そして、俺は振り下ろしてきた剣ごとVTを切り、中から篠ノ之を引っぺがしてそのままつきぬける。VTは操縦者が居なくなった事で形を保てなくなり、元の打鉄に戻る。

『ば、馬鹿な!?千冬様の力が・・あんな・・あんな男風情に負けるなんて!!ありえない!!ありえないわ!!・・!?やめなさい!放しなさい!放せ!!くそおぉぉおお!?イチカ・ダインスレイブぅぅうう!!』

そこまで叫ぶ声が聞こえた後、会場からは《どうするんだ?》と言った感じの空気が流れていた。

「・・くそ・・あんなクソ女に、私のガングニールの初舞台が汚されようとは‥。」

「分かるよ・・イガリマも怒ってる。・・ん?」

『・・そうか・・。』

ギア達が怒っている事が分かったからどうにかできないか?と思っていたんだが、急に何か聞こえて来たようでシャルが首をかしげる。俺はそれが何か分かっているから、機体を元に戻し、空中に上がる。そこにはマドカが待っていた。

「イチカ‥学園長より依頼だ。・・・盛り上げろってさ!」

『了解。・・ならば飛ぶぞ!!』

~BGM『逆光のフリューゲル』~

 

会場に曲が流れ俺とマドカは片方ずつ肩に羽を付けて舞う。そして、アリーナの中央でお互いに対照的になるように踊る。

~「『♪~』」~

俺たちは会場の上空シールドぎりぎりにまで上がりそれから、回って羽を広げお互いの羽が無い方の腕で体を寄せ合い、両肩に翼があるようにした。

 

 

『・・急遽始まったアイドル大統領こと、イチカ・ダインスレイフ君とマドカ・ダインスレイフさんのライブ!いかがでしたか!?・・会場を見る限り素晴らしいものだと思いましたが・・そんな一体化した会場に残念なお知らせです。この度、教師陣に不適切な行動をした者がいたため、今後訓練機の全機点検を行います。今回のタッグマッチは延期、または中止とさせていただきます。』

控室で座っていた俺は、ため息をついた。

「だろうな。俺もそうだろうと思っていた。・・しかし、実に残念だったな‥。」

「そうだな。私も全力でイチカと戦う事が楽しみだったのにな‥。」

「おいおい、アリーナを吹き飛ばすような事態は勘弁だな。」

「はは・・イチカ達が言うと冗談に聞こえないから怖いね‥。で、篠ノ之箒はどうなったの?一応担架で運ばれて行ったけど。」

「VTに取り込まれていたからな・・おそらく二日くらいは眼が覚めんだろうな。その後‥二日間ぐらいはまともに体が動かんだろうな。無理やりな動きもある・・それ故VTは却下されたのだ‥。操縦者をパーツがわりに使うシステムなど・・。」

拳に力が入り、酷く怒りがわいてきたらしい。

「ソレはひどいね。・・あの女はどうなるの?」

「ドイツでは先に捕まったアインバル中佐ともども刑を待っている。正直、死刑にしてやりたいぐらいだが‥」

「その人物、IS委員会から身柄引き渡し依頼があり、さっき行われたわよ?すでにドイツ内にはいないし、その先も秘匿されたわ。」

会話に入り込んで来たのはスコール、その後ろにはオータムもいる。

「ちなみに、私が知る限り、ドイツに責任は行かないから安心しな。」

「そうか、なら安心だな・・。」

そして、後日。専用機持ちだけで各一戦だけの対決が決まった。その対戦表は

『セシリア・オルコット対マドカ・ダインスレイフ』

『凰鈴音対暁シャルロット』

更識側の要求により『更識簪対暁シャルロット』

そして、

『イチカ・ダインスレイフ対ラウラ・ボーデヴィッヒ』

となった。奇数だったため、一応の確認をしたら簪はシャルとの戦闘を希望。本人も許可したための処置となる。とのこと。あぁ、これでラウラとの戦闘・・ガングニールとの戦闘だな。旋律が‥揃うまで秒読みだ‥。後は《アレ》を探し出し手に入れるだけだが‥遺跡に言っても見つからないし、どこに行ったのか。しかし反応が無い所を見ると、起動はしてないようだ・・。もうひとつの世界の鍵が・・見つかれば・・。

「もう少しの辛抱だ・・もってくれよ・・・。」

 

 

 




作者的には初めは箒はこっちに入れようかとも思ってたんですけどね。
そうするとオリ弟のヒロイン候補(笑)が居なくなるので、仕方なく自分が使う事になりました。但し、本人曰くそこまで強いと言うほどでもないと・・普通から見れは十分ですがね。シンフォギアの世界の知識が有る分で、翼の技も使えますし、十分ですね。後はギアとの相性問題ですが問題なしとしました。まぁ、イチカは・・元々剣道はしていたので剣術自体はそう難しい事は無いと思うのです。では次回まで。

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