インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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皆さまおはこんばんちわ。
風邪薬って物によったら本当に眠くなるもんですね。
軽く眼を瞑っていたら爆睡しててびっくりしました。
という事で遅くなりましたが、次のお話です。
舞台はレゾナンス。
そして、イチカのまで出ていなかった過去話がついに明かされます。
気になっていた方も居るでしょう。
では、お楽しみください。


インフィニット・ソング 21

今日はあの試合から数日たった週末。俺は買い物の為、外に出ている。それは数日前に聞いた臨海学校の準備。必要な物が足りないからだ。

「・・で、こうなるか‥。」

「何言ってんのよ?さっさと、これを買って来なさいよ!」

で、買い物に出たわけだが、変装して分からなくしていると急に買い物中に女がそう言って俺に買わせようとしてきた。しかし、変装といたらパニックになるだろうし、だからと言ってコイツに従うのも癪だな・・。そう思ってどうしようか悩んでいた。

「早く買わないと、警備員呼ぶわよ!さぁ、さっさと買って来なさいよ!!」

「ふーむ、どうしたものか・・。」

(なぁ、マスター・・こいつバラバラにしたらダメなのか?ムカついて仕方ないゾ。)

(ガリィもぉ・・、この馬鹿の脳漿ぶちまけたくてうずうずしてますよぉ?)

(派手に殺すか?)

(私が後ろからこっそり首を切りましょうか?)

(お前ら・・物騒すぎる・・。)

むしろ、警備員を呼んで貰って人目に付かない所で話すと言った手を使うか?

「ん?おい、そこで何してんだ?」

「な、何よ?あなた?」

声をかけて来たのは通りがかった見た目は綺麗な女性だ。ま、コイツが此処にいる理由は分かってんだがな。

「ん?あぁ、そこで何かもめてるのかと思ってな?」

「この男にこの服を買わせようとしているのよ。分かったらさっさとどっか行きなさい。」

「・・なるほど。じゃあ、・・警備室行こうか?」

そう言いながら手を掴む。

「な、なんでよ!?」

手を掴まれた相手は女の方だった。

「んー、私な、こう言う者なの・・。」

そう言いながら出したのは手帳。

「IS委員会・・会長直属特殊会員!?な、なんでそんなアンタが私を捕まえるのよ?」

「んーまぁ、コイツと一緒に行こうか。行くぞ?」

「あぁ、まぁ、わかった。」

そう言いながら女と同じようについて行く。その間、「なんで!?放しなさいよ!!」

と女は喚いていた。

「あぁ、そうそう。アンタ一応捕まえるから。」

「なんでよ!!こんな男一人に金を使わせたからって罪になるわけ無いじゃない!!」

「んー。アンタ、タイミングが悪かったな。そう言うのはもう古い。すでに各国はそう言うのはちゃんと恐喝として処理するようになってるぜ?」

「はぁ、なんでよ!!」

「コイツが原因かな。よし、此処まで来ればいいな。部屋貸してくれ。」

そう言いながら警備室の一人に手帳を見せ、隣の部屋に入る。

「・・さてと、はい。いいぞ?変装を解け。」

「へ、へんそうって・・。・・!?」

俺は帽子を外し、眼鏡を取り、眼の下の付け黒子を外して、髪を下ろす。

「ん。これでいいか?」

「な、なな・・いい・・いぃ、イチカ・ダインスレイフ!?」

「そ。コイツIS操縦者だからそう言うのは特に問題なわけ。とりわけ、恐喝などにはうるさくしないといけない存在なの。で、私はその担当のオータム・ハート。まぁ、コイツの言葉に共感を受けた各国はすでに水面下で女尊男卑主義な社会の撲滅、更に撒き返そうとする男尊女卑団体も潰している所な訳。これからはコイツの言う平等を目指しているんだ。と言うわけで、恐喝の現行犯で逮捕。」

「・・そんな・・。」

 

さっきそこら辺で何かもめ事があったらしいが、私(ラウラ)は現場にいなかったのでよく知らない。待っていると店から三人が出て来た。

「お待ちどうさま。さて、それじゃ向こうの店に行ってみようか?」

「そうだな。私はよく分からないから、そこら辺は任せる事にする。」

「うーん、ラウラはもっとおしゃれに気を使ったらモテルと思うんだけどなぁ?なぁシャル?」

「そうそう。もっと、可愛くした方がいいと思うデース。」

私と簪、マドカとシャルが揃って買い物に来ていた。此処は大型のショッピングモール。名前は『レゾナンス』というらしく、私は一度も来た事が無い。最初に地形は把握したが、品ぞろえやどんな店かは分からないので、他のメンバーに任せている。そう話していると、横から声をかけてきた二人組がいた。

「あれ?ラウラ達も来てたの?」

「あら、奇遇ですわね。」

鈴とセシリアが並んで歩いていた。此処にほぼ一年生の専用機持ちが揃っている。だが、イチカは一人で出かけているらしく、マドカに聞いたら声かける前にバイクで海を走って行ったとか・・。流石はイチカだ。うん。未来に生きている気がする。そんな事を考えながら歩いているとそのまま鈴たちも一緒に行くことになったらしく、休憩とどこに行くか相談すると言う事で座ってお茶を飲み始めた。

「そう言えば、イチカとあんた達っていつ知り合ったの?私は‥まぁ、子供の頃って事で色々と言えないんだけど。」

「あぁ、まぁ‥分かる。機密事項にかかるだろうな。もう私も怒られるのはごめんだ。それはそうと、イチカと私の知り合った時は‥2年前イチカがヨーロッパに来ていて、その際にとある事情から、ドイツ軍に来ていた。」

私は思い出しながらイチカとの出会いを話す。

 

「なんだ貴様たちは?」

ゲートから四人の男女が入って来た事に驚いた私は、先頭を歩く事務員を止めて一番前にいた女に声をかける。が、答えたのは男、しかも子供だった。

「ドイツ軍、陸将のアドルフ・ヴァイツヘルガーに会いに来た。すでに許可は得ている。」

「何故貴様が答える。私はこの女に聞いている。部外者は黙っていろ。」

「私はコイツの護衛だ。・・まぁ、護衛なんか必要はないんだがな。そうしないと周りがうるさいんだ。」

「護衛?・・このガキのか?」

「ガキ‥お前さんも同じように見えるな・・。だが、まだまだこいつには程遠いが、そこそこ良い筋をしているな。」

「オータム。無駄口はいい。・・分かったら此処を通せ。」

男が偉そうにしゃべっているのが気に障った私は、困らせてやろうと思い更に足止めにかかった。

「そう言っても、子供が陸将に逢いに来るなどと言った事は前例がない。不審な点が多すぎる。おいそれと通すわけにはいかんな。」

「・・何が言いたい。」

「さっさと帰って、ミルクでも飲んでいろと言っている。ガキが・・。」

そこから私は声が出せなくなった。その理由は、この男が気が付かないほど早く近づき、私の脚をもってフェンスに向かって投げたからだ。私は肺から空気が全て出てしまうほど強く背中を撃ちつけてしまい、その場で気を失った。その間に、その四人は行ってしまったらしく、医務室で気が付いた私は怒りのあまり、基地内でその男を探しまくった。

そして、IS整備施設で案内されている所を見つけた私は、すぐさま飛びかかった。投げ飛ばされ見下された事に怒りで我を忘れた私はナイフで本気で切りかかった。首を斬り裂く勢いで本気で飛びかかったのに、

「見え見えの奇襲など、取るに足らん。出直せ。」

そう言ってナイフを持っている手を掴みつつ流れる動きでまた私を投げた。そう言われた私は頭に血が上り、ISを起動。

「き・・貴様あぁぁ!!言わせておけばぁ!!」

そのまま、殺すつもりで、ワイヤーとプラズマブレードで切りかかった。が、

《ピピン》と軽い音がして≪ガガン≫と音と共に私の頭部に凄まじい衝撃が走る。私は気が遠くなりそのまま壁に激突した。そのあと地面に伏した私は体に力が入らず、何とか体を仰向けにして男の顔を見上げる。髪で顔はよく分からなかったが、その隙間から少しだけ見えた眼は別に少しも馬鹿にしている眼ではなく、悲しそうに私を見降ろしていた。

「・・なんだ、同情か?・・私に、・・何をした?」

「眉間と顎にコインを撃ち当てた。確かに絶対防御により、撃ち抜かれたりはしないが、その衝撃は残る。そのせいでお前は脳震とうを起こし、更に急所を守るために絶対防御が普通よりも強く発動した。それによって、体調の負荷が起こり。お前は倒れているという事だ。あと、同情ではなく、もったいないという感情だな。」

「もったいない?何がだ‥」

「磨けば、あのブリュンヒルデも越える事が出来る可能性がある。だが、思想によってそれのレールは変わり道を外しかけている。」

「思想?レール?どういう事だ?」

「ふむ、・・成らば問おう。お前にとって、強さとはなんだ?」

「強さとは・・力だ。圧倒的な、何者にも屈さないほどの・・教官の様な!!」

「圧倒的な力か。・・ならば、お前は己が身にそぐわない力を手に入れ、自らその身を滅ぼすだろうな。」

「何だと!?だったら!お前はどうだ!!」

「強さとは、【己】だ。しかし、力が無ければ意味を持たず。逆に力だけでは暴力をもたらし、結果は破滅と破壊だ。」

「・・ならば、私はどうすれば‥どうすればよかったというんだ‥生まれも育ちも普通じゃないわたしは・・。」

「ならば、一度試してみよう。」

「な、なにを・・?」

男は急にISを展開した。しかし、戦闘用の装甲や武器は無く、スピーカーの様なものがあった。

「お、男なのに・・ISだと!?」

「イチカ‥この子はそこまでする存在なの?機密事項を見せてしまって・・」

≪BGM【空へ】≫

「…~♪」

男は何も答えず、ISから曲が流れる。唄い出す。その声は綺麗で、とても澄んでいた。

謳う声は建物の中で響き、曲は綺麗な旋律を奏でていた。

唄う男は顔を見せないようにしているのか上を向き、その表情は髪と角度から全然見えなかった。

風が建物内に吹いた時、男の眼が少しだけ見えた。そこには、悲しみと後悔が見えた。私は今までまったくと言ってもいいほど他人の気持など考えなかった。しかし、この男からは、歌を通じてか・・胸が締め付けられるような感情が流れて来た。

「~♪」

歌った男は、ふぅ‥と息をつき私を見た。

「・・その表情なら大丈夫だな。伝わった感じ、覚えておけ。コレは力を求め最後に心を得て、優しさの下に亡くなった人に捧げた歌だ。元々のこの歌を歌ったのはその人を忘れず、だが、先に進む決意をしたんだ。音は奏で、唄う思いは伝い、響き合う。」

「想いは伝う・・。」

「それが分かれば、お前は自分の強さを手に入れれる。・・さて、どうせまた明日も来る。今日はここらで帰るぞ。」

「あ、あぁ・・。」

後ろで聞いていた三人も曲に聞きほれて、忘れていたようだ。

「そうだな。明日は稽古を付けてやる。」

「ふ・・明日こそは、私が勝つ。・・お前、名前は?」

「名前か‥イチカ。イチカ・ダインスレイフだ。」

「イチカか・・。分かった。私は「ラウラ・ボーデヴィッヒ。」・・知っていたか。」

男‥イチカは、背中を向け歩き出す。私は体が動くようになっていたが歌に聞き入って、まったく気にしていなかった。イチカが急に立ち止まり、背中越しに声をかけて来た。

「陸将からお小言があるだろうから、覚悟しておけよ。」

「む・・そ、そうか・・」

その後、イチカは帰り、私は陸将から給料の減額と説教をされた。イチカが先に『少しは見所がある。あのくらいの跳ねっ返りは可愛いものだ。』と言っていたらしく、これでも短い方だとも怒られたが・・。

翌日、訓練中に来て参入したイチカに部隊全員がなめてかかった。しかし、圧倒的な強さに戦慄し、更に強さの為の訓練方法も伝授された。その後のアフターケアまでしてもらい部隊員はイチカに骨抜きにされて、未だにイチカの事を『お兄様。』と呼んでいる者も少なくない。

 

「・・と、こんなもんだったか。」

「・・アイツ、とんでもないわね。・・で一応聞いておくけど、イチカって何の用でドイツに?」

話終わると早速鈴から鋭い質問が入った。

「・・基地のIS設備の向上と、操縦者のチェック。あと、ドイツ内に違法施設があったらしく、それの関連を調べていたそうだ。」

「なぜ、イチカさんが?イグナイト社の一社員でしょうに・・。」

「知らないのか?イチカはAIを独自に作る事が出来るほどの人間だぞ?どうやってかは知らないが、陸将は個人的な付き合いからその方面に強い人物に相談していたそうだ。・・陸将は実は、私達の事を娘のように思っていたらしくて、その娘たちの為にどうにかしてやりたいと相談された。とイチカが言っていた。陸将にもイチカにも足を向けて寝れないと思ったさ。」

「はー、やっぱり師匠は凄いね・・。」

あれ?もしかして、私はまた機密をしゃべってしまったか?・・気が付かなかった事にしよう。うん。

 

 

 




さて、今回はラウラとの過去話でした。
翼は奏に向けて送った歌でしたが、イチカは何を思い歌ったでしょうか。
空へ・・この曲を聞くといつもせつなくなります。
皆さまも一度は聞いてほしい曲ですね。
そして、ラウラはまたもやらかしました。まぁ、ばれなきゃ何もありませんが・・もしばれたとしたら・・・。
スコールからのお仕置きが来るでしょうね。
では、また次回。

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