インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】 作:金宮 来人
ではどうぞ。
それからいとど向こうで訓練をして帰ってきた・・いや、帰って訓練をしてきてもう一度来たというのが正しいか。・・どちらでも良いか。
再会した時には戦えるほどに腕をあげたそうで、実質戦力が増えたという事は嬉しい。
そんな状態で向こうから来たメンバーと風鳴が弦十郎と話をしていると警報が鳴る。
即座に俺はテレポートジェムで場所の上空へ飛んだ。
いつでも行けるようにとアイツ等が帰っている間にこの町付近の上空を飛んで置いたのが正解した。
そして、採石場らしきところでノイズが発生している。そこに一人で戦っている影を見つける。
「アイツ・・早すぎんだろ・・。」
俺はギアを構える。
「ほんじゃ、行きますかね!・・『Imyuteus amenohabakiri tron~』♪」
そう詠うと俺の姿は『アメノハバキリ』を装備した姿となる。アイギスじゃない理由は、
「当たるなよ!!立花響!」
アレはもっと大勢か一人の時が一番扱いやすいからだ。打撃が居るなら斬撃が応援したほうが良い。そう言う判断からだ。
【千ノ落涙】を放つと一瞬上を見て眼を見開き当たらない位置に移動した。半歩ずれただけだが良く見ているようだ。
「・・危ないじゃないか・・。」
「お前さんが避けると思ったからな。それより行くぞ。背中は任せて突っ込め。本来楯になるのは俺だが、今の姿なら背中に来るやつを切りはらうくらいはしてやるよ。それとも怖くて突っ込めないか?」
「・・上等。」
そう言って笑ってやると、眉をあげて拳を構えて突っ込む。俺はその背中を守るように二つの刀で切り払い近付く物を捌いて行く。
「・・良い切れ味。こっちまで切られそう。」
「お前さんの拳は思いを乗せて貫けばいい重さだろうがな。有る奴が言っていたが、『握る拳に思いを乗せて、引いて伸ばせば貫ける。想いを重さに引き代えて、この身全てが槍となる。』つまりは、自分自身を貫いてこその【ガングニール】己(おのれ)だよ。」
「・・良い言葉だね。まぶしすぎて今の私には似合わない。」
「貫く思いが有るのなら一緒さ。ノイズに復讐したいんだろ?眼を見ればわかる。お前さんの目は俺が知っている奴がしていた過去にとらわれた目だからな。」
そう言うとこっちを睨んでくるが、俺は顔を反らして剣を振う。
「何、文句?何が言いたいの?」
「いや、孤独と孤高は違う。ましてや己から孤独を選ぼうったって、周りが居るうちにはできないってことだよ。今に気がつく時が来るさ。だから・・」
俺は剣を大きくして横に振い【蒼ノ一閃】を放つ。
「・・そん時まで精々悩んであがいて苦しんでみな。ソレは後に誰かを助ける時の糧になる。苦しんだ誰かに手を伸ばして、引き上げた時にあの時の自分はこうだったと重ねてどうすればいいかも分かる。苦労して、這いつくばってでもまた立ちあがった奴は強くなれる。そんな奴を知ってるから・・な。」
目の前に居たノイズを切り裂き、立花の方を見ると殴りながらも何か考えた様な表情に見えた。後は任せるとしようかね。
「後詰が来たぜ。一気に片すぞ。一度引いてもう一度突っ込み直す。お前も巻き込まれないように一度来い。」
他の装者が来たから俺はノイズの塊の中から一旦立花を引っ張り出した。
「・・っく、力強い。離せない。」
逃げようともがく立花を掴んで一旦引いて、全員集まりもう一度仕掛ける。
「雪音、お前が一斉に撃って、片っ端から数を減らせ。そこに各個撃破で全員突っ込む。小日向は雪音と組んで遠中距離と雪音の近くに来た至近距離担当。風鳴とイヴはそれぞれで自由に動け。立花は言わずもがな好きにやれ。俺は全体を見て動く。」
そういってアイギスのギアを取り出す。
「『defendend. guardend. protectend AIGIS tron~』♪」
そして纏ったアイギスで赤いシールドを纏う。
「『ミカ』の力なら全体に攻撃を届けて援護できるし、そこそこ攻撃力も高いからな。行くぞ、先ずは雪音、やれ!」
「まぁ、やってやるよ!!おらぁ!!一斉射撃だ!!ハチの巣になりやがれ!!」
≪MEGA DETH PARTY≫
そう言って射撃をした後、ミサイルを撃ち尽くして一旦止まった隙に全員が飛び出す。
各自がそれぞれの方向に切り開いて敵をせん滅して行く。ソレを援護するように小日向と雪音が射撃したりして、俺は空から両手を開いて大量の高圧縮カーボンロッドを大量に打ち出す。
何箇所かには太めの分を撃ちこみ中の空気と炭素を反応させて燃焼、爆発させて纏めてつぶしたり、数が少なくなってからは降りてその手で切り刻んで走ると一気に数が減る。
そして、
「あらかた片付いたわね。」
「コイツで終わりだ!!」
と風鳴が最後の奴を切った所で小日向未来と立花響が会話をしていた。
世界が違っても響を大切にしたいと言っていた少女は初めての挨拶をして、同じ顔なのに性格が違う事を戸惑いながらも会話を引き出して行く。・・曰く、愛のなせる事らしいが・・よくわからん。
そうして居ると急に大型の反応が現れて目の前に黒い靄の様な物が集まる。
「デカブツのお出ましか!!」
そういって雪音が構え、全員が戦闘準備をする。
予想通りに現れたのはカルマノイズ。そいつに全員で攻撃を仕掛ける。
しかし攻撃した端から再生されてきりがない。そんな時、
「きゃぁ!?」
カルマノイズが小日向未来を攻撃対象に選んだ。
「近すぎだ!距離を取れ!!」
そう言われてもすぐそばまできている。あまり戦闘経験が無い事に気が付いたのか、はたまた近くに居たのが偶然か。しかも俺は対象の反対側に居た。止めきれない。
一気に詰め寄り攻撃を仕掛けられる。そこへ、
「・・!どいて!!」
「きゃぁ!?」
そう言って立花が突き飛ばして、そのまま攻撃を仕掛ける。
偶然かはたまた、やはり立花響と小日向未来だからなのか・・守った様にしか見えなかったが・・。
そのまま全員が攻撃を仕掛けるが、結局逃がしてしまった。
それから全員が話すかと思いきや、すぐさま立花は走って去って行った。
「あ、おい・・」
「アイツはしょうがないだろ。放っておいた方がいい。小日向、お前さんが説得してくれ。世界は違っても、立花の事を一番知ってるのはお前なんだろ?」
「・・はい、私です。響の事を一番わかるのは私ですから。」
「・・胸を張ってそう言えるお前さんはすごいよ・・。やり方は任せる。アイツと仲良くなれ。」
「・・響と仲良くしていいんですか?」
「あぁ、好きにしろ。・・誰だって一人ぼっちは寂しいもんな。孤独は苦しいし寒い。お前さんが知っている立花は温かいんだろ?ならば、お前さんが一番その温かさを知っている。温かさを伝えて、仲良くなって一緒に日だまりで転げてろ。そうすりゃ自然と寒さもしのげるさ。」
「!・・・はい!!」
そう言って小日向は立花を探しに行った。
「それじゃ俺達はカルマノイズの対策会議だ。・・気が付いていたんだが、イグナイトモジュールが付いていたのは何故使わないんだ?俺のアイギスには付いていないから使用はしていないが・・」
「それについては基地で話すわ。カルマノイズの【呪い】について。」
「呪い・・か。まったく・・ダインスレイフの俺に良く付きまとう言葉だな。」
そう言って首を振った。
それから話を聞くと、カルマノイズに対してイグナイトモジュールを使用すると呪い同士が反応し合い、下手をすると暴走するらしい。ソレを起こさないように強力な戦力とは分かっていても使用できないらしいのだ。
「はぁ・・面倒だな。」
「強いと分かっていても使えないのはつらいな。」
雪音とそう言う部分が共感もてたので話していると、
「あなた達、仲良いの?」
「あ?・・そういやなんとなくだが近い感じはするな。」
「む・・俺はここまで粗野ではないぞ?」
「何だと!?アタシの何が悪いってんだ!?」
「言動の育ちの悪さと、教育。まぁ、栄養は良かったようだが・・それにしても言動が悪いだろ。言葉遣いに、めんどくせぇとか言っている性格。大方、俺と同じく両親が居ない系だろうが、それにしてももう少し女の子らしくしたらどうだ?」
「う、うるせぇ!!」
「見た目は良いんだから、礼儀とか作法を覚えればそれなりに良縁もあるだろうに・・。」
「なっ!?え!?っちょ!?」
時間が有れば服でも見立ててやろうか。コイツなんかこう・・世話したくなるというか・・なんとなくマドカに似てるのか・・・・。体系は全く似てないけど。
「お前さん俺の妹に似てるんだな。」
「い、妹?」
「まぁ、・・俺よか見た目が年くった事に最近凄い落ち込んでるけど。」
別にまだまだ二十代で見えるのにな。小じわが・・とか気にするからしわ増えるんだと思うんだけど違うのか?・・女の考える事は分からん・・。いや、男も分からん。自分以外がよくわからん。そもそも自分が人外だからあてにならん。
「まぁ、・・そう言う事だ。お前さんを気にした理由はそこだろうな。アイツも出会ったころから口が悪くて、すぐに手が出るわ、喧嘩を売るわ、買うわと面倒だった。」
「・・分かる気がするわ。」
イヴがそう神妙な顔つきで頷く。
「マリア!?」
「この子は聞いたところによると、口元や衣服をケチャップで汚しまくってナポリタンを食べたりしてたらしいのよ。」
俺は雪音の方を見て、呆れた顔になり、
「・・お前‥子供じゃないんだから・・」
「昔だよ昔!!」
「え?響達と出会った頃って聞いたけど?もう、高校生の年よね?」
ソレを聞いてますます顔が呆れ顔になった気がした。眉間にしわが寄っているかもしれん。
「お前‥」
「う、うるせぇ!!」
雪音は真っ赤になり騒ぎたてた。まったく・・そう言う所が子供なんだ。
だんだんとオリジナル展開になり始めました。次回投稿はかなりオリジナル展開になっていくと思います。
では、また見てシンフォギア。