インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】 作:金宮 来人
幸い、親戚は被害に遭っていませんでした。
親戚の近くの家は床下浸水が有ったとか。
晴れていても土砂がゆるんで落ちてくるかもしれないので、気をつけましょう。
では、授業開始です。
錬金術の精製用に校内にいた感染者を始末してエネルギーとして収集して行く。
「う・・あぁ・・。」
「消えろ、亡者よ。」
銃を剣に代えて首を切り落とす。周りには血があふれているが・・それさえも変換する。
そして、使用していない一つの部屋を借りて工房として色々と展開した。
「さて・・貰った【ラピス・フィロソフィカス】は一つで、銃のスペルキャスターだったからな・・。他の装備用にも必要だからな。ラピスの純度は・・命を練成して輝く。ほぼ死体を変換しても得られるエネルギーは少なすぎるな・・。生存者は殺したくはないし・・どうしたものか・・。」
面倒な事に素材となるエネルギーが少なすぎる。コレでガリィが居れば死体からの記憶をエネルギーに変換してもらいもっとましな量が取れるのだがな。
いきなりガリィが居ない事で困るとは思っていなかった。ミカが居れば戦う必要はないし、守りも完璧だ。偵察ならファラが居れば良いし、囮にはレイアが居れば問題ない。こう考えると俺はアイツ等に頼り過ぎていた気がするな。そこも少しは直さなくては・・。
「少しさみしいと思ってしまうとは・・俺はこんなにも弱かったとはな。なんともみじめだ・・。」
しょうがないので俺の感情と要らない記憶をエネルギーとして昇華して、燃やして注ぎ込む。198年の記憶などそう必要な部分などはない。・・だとしても、昔のアイツ等の記憶だけは消すわけにはいかないな・・。
「・・ふぅ・・。ラピスの研究はこれぐらいにして・・ギアの調整に入るか。今この世界には・・おい、なんで全部のギアが揃っているんだよ?ラウラとマドカ、冬二に渡したギアまで帰って来ているじゃないか。アイツ等が死ぬと共に消えたはずだったのに。」
いや、天に昇ったとしたら、神であるアイツの管理下に入るか。なら回収してアップデート時に返却されたか?
まぁ、問題はない。一応問題はない。イグナイトモジュールも問題はないし、・・は?」
何故かガングニール・ホワイトの適合係数が俺にある状態になっていた。俺にはこのガングニールは合わなかったはず・・。しかし・・そうか・・俺とアイツが繋がった結果という訳だ。手を伸ばし続けた意味はあった。
「まったく・・。」
苦笑いになりながらも、この世界に来て一番安心した瞬間だった。
「俺とアイツの繋がりか・・。面白いな。」
織斑として名乗り直したら俺もガングニール・ホワイトが使えるようになっているとは、なんとも言えない繋がりを感じざるを得ない。
「まぁ、死を灯すしかできない、今の俺には過ぎたものだ。」
この世界で適合が出来るなら、丈槍か?繋がる力を持っていそうだ。
ならまとめる力のアガートラームは若狭だろうな。戦う事にはあの先生は向いていなさすぎる。胡桃は・・どちらかというとラピスの力を使わせたいな。髪型から言うとシュルシャガナだが・・アイツは小細工よりも全力で壊すイチイバルや切り裂くイガリマあたりか?
それでも、今は考えても意味をなさないか・・。
ギアの状態を確認して全てを収めた。もし、誰か適合するようなら渡すのもありだな。生きて行く為に・・。
「力を持つ覚悟が有れば・・だが。」
外を見ると雨が降り始めていた。
雷が鳴り始めたころに朝食が準備できたらしく呼ばれた。
「男性には少ないかもしれませんが・・。」
「問題はない・・というか、最悪俺の食事は抜いてくれ。助けに来たのに食事事情を圧迫するのは気が進まん。」
「いえ、お世話になるならその分を返すのは当然ですから。先行投資です。」
首を振り、はっきりとした言葉で考えを伝えてくれる若狭は、こちらの意をくんでくれていてこのメンバーの頭脳というのがよくわかる。
「・・それなら、量は少なめにしてくれ。元々少食なんだ。錬金術師というのは自分でエネルギーの生成が出来るので外部からの供給が過多になると少し、中毒みたいになってしまう事が有るからな。」
「へぇ・・背も高いし、ガタイも良いのに少食なのか・・。すごいな。」
そう言いながら胡桃が肩や腕をもむ様に掴む。
「くすぐったいのだが・・。」
「あぁ、すまないな。」
そう言いながらも触るのをやめない。いや、コレは筋肉の付き方を調べているのか?
「・・腕を使う何かをしていたな。後は、・・どう言えばいいのか分からないな。」
「確かに腕はよく使っていたよ。楯と剣を使ったり、ガトリングを構えたり、鎌を振ったり、槍で貫いたりと。戦場をかけ回ったんだ。人の死をいくらも見て来た。・・どうだ?俺が怖くなったか?」
そう言って睨んでみるが、
「まったく。」
そう言いながら顔の前で手を横に振る。
「・・俺は殺人をする様な男だぞ?」
「それでも私達を助けに来たというんだから、頼りにしてるぜ、・・色男!」
胡桃はそう言いながらも背中を叩く。まったく気にしていない明るい顔だ。
周りを見ると丈槍は気にしていない・・「んぅ?」なんて言いながら朝食をとっている。
若狭は少し警戒しつつ、何かを考えているようで目を細めている。佐倉先生は明らかに少しどう言って良いのか分からないのかおどおどしている。
「まったく、甘い奴だな。」
「せっかくの強い戦力だ。あたしが今まで苦労した分を助けてくれるというんだからな。頼りにさせてもらわないとな。」
「くく、俺が居なくなるまではこのメンバーは守りきってやろう。危害を加えようとする全ての脅威からな。」
食事を終えている丈槍を見ると俺の皿を見ていた。
「・・もう食べないの?」
「・・・はぁ、食え。育ち盛りだろう。」
そう言って俺の皿を丈槍に渡した。
「わーい、いっくんありがとー。」
受け取ってすぐに食べたので若狭が止める暇もなかった。
俺は肘付いてその光景をため息をつきながらも苦笑してみていた。
寂しがる事はないな。此処はこんなにも騒がしいのだから。
朝の見回りという事で胡桃と共に校内を見回る。
歩きながら俺は少し考え事をしていた。病原菌にしては散布されてからの日にちがたっているだろう遺体もまだ活動している。体の中の活動エネルギーは枯渇するはず。
そもそもからの病原体が普通じゃないという事か・・、はたまた同種を食べる事ででもエネルギーに変換できるのか、・・俺が知らない生存者を食べ続けているのか・・。いや、それなら増え続けるだけで、やはり全体個体数に限界が来る。町中に居るだけでは多すぎる?しかし・・情報が少なすぎるな。
「何か考えているのか?眉間がこーんな事になってんぞ?」
そう言いながら自分の指で眉間にしわを寄せる。
「・・しわが残るぞ。将来きれいな肌でいたいのならソレはやめて置け。」
「うわ・・ソレは嫌だな。」
そう言いながら指を放す。俺は外を見た雨がひどくなってきたようだ。
「外が雨だからな・・アイツ等は雨を嫌って建物内に来るから気をつけよう。」
「それも生前の記憶な・・そうか・・。」
気がついた。細菌ならば、その体の中には何万、何億という生命が有る。
「く、くくく・・はあはっはっは!」
「ど、どうした?」
「できる、新たな【ラピス・フィロソフィカス】の精製エネルギーが得られる方法が見つかったぞ!これならば問題はない。体を媒体としてその中の生命エネルギーを変換する時点に術式を含めて体と魂だけでなく、その体内の生命自体からもとる術式を挟めば、全てをエネルギーに変換できる。一度ウィルスをエネルギーに変換して、すると一時的にだが死体が動いている以上、生命活動の動き自体はあるはずだ。そこに変換をかけた術式を挟めば全てを変換できるはずだ。そうすれば変換効率も死体を変換するよりも大きく変えれる。・・ならば、術式を組み込んだ弾丸を撃ち出す方が効率的か。遠距離からでも撃つごとにエネルギーは収拾出来てそれに込めて地面に落ちるようにしておけば、後から収集しやすい。・・胡桃、戻るぞ。効率のいい奴等の退治方法が見つかった。俺は工房にこもってソレをつくる。一人じゃまた若狭に文句言われるからお前も帰って来い。」
そう言って返事を待たずに俺は歩きだす。完成すれば、ラピスの装備がまた作れる。外にも出れるし、奴等の退治も一気に楽になる。周りを掃討すれば、おそらくは行動範囲も広がるはずだ。せめて二階か一階までは自由に移動できるようにしておきたいな。
「ま、待てよ!分かった行くから置いて行くなってば。」
そう言いながら俺の横についてきた。途中で一階から階段を上って来た、ソレの首に剣を挿しこんで、簡易だが少し変化させた術式でエネルギーに変換する。
「・・ふむ、従来よりも簡易でも二倍以上の高率だ。コレでなら変換効率をあげた術式なら五倍以上の見積もりだな。やはり急ぐべきだ。」
俺は胡桃の手を掴んで持ち上げ、走り出した。
担ぐようにしたのは最後のバリケードを越える際に止まる必要がない様にだ。
バリケードを風の術式を使ってジャンプで越えて胡桃を下ろし、文句を言いたそうな顔を無視して工房へ入り鍵を閉めた。そして、術式の研究を始めた。
因みに工房や三階の教室、廊下の窓はすべて術で直した。俺が工房で使うのに窓が割れたままなのは都合が悪かったからだ。工房は防弾ガラスと樹脂で固めているから割れる心配はない。奴等がバリケードを越えて来た時でも俺の工房は完璧だ。代わりに寝る様なスペースはないが。
一度かけらを集めて練成を使い溶かして固めて窓の形にして結合させて、ソレをはめ込みながらも持っていた樹脂の接着剤を隙間に埋め込みながら直した。
普通に使える程度には直っている。
一部、ステンドグラスを遊びでつくったら、丈槍が祈りにいくようになった。俺が知っている神の像を作って、書物を持たせたらそれに少し若狭が食いついて、何の神様かと聞いてきた。
俺の知る唯一の顔見知りで、此処に俺を送った神だというと若狭も祈るようになった。
アイツってなんの信仰なんだろう。知恵や英知の神・・後は世界をつなぐ分から縁談の神?もしくは、祝福の神・・なんてのもあるかもな。
雨が降って居なくても川が土砂の影響から堤防が決壊したり、氾濫したりするらしいです。
あまり増水している川の近くには行かないようにしましょう。
では、また次回。
またね。