インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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どうも、私です。
暑いので壊れそうです。
どうしてこうも毎日暑いのか・・。
皆さまも、熱中症に気をつけてください。
因みに私は過去に熱中症と脱水、カリウムなどのミネラル不足で倒れかけた事が有ります。
水分塩分ミネラルの摂取は怠らず。
では、授業を開始します。


第四時間目

俺は術式をつくり、ソレを今まで集めたわずかなラピス・フィロソフィカスの為のエネルギーを弾へと変換。これもまたある種のラピス・フィロソフィカスなのだが、それに更に集めた命を吸収してエネルギーへと変換し閉じ込めておく術式を組み込んである。小規模なエネルギーの膜でそれ以上のエネルギーを包み込むような形だ。言わば、オブラートの様な物だ。消費して作った膜はまたエネルギーに変換して再利用する。

そして、俺は変換した術式のコピーを取りいつでも作れるように簡易の弾丸製造の装置も作って、持ち運べるようにしておく。

それが終わり、腰にラピスのファーストローブのスペルキャスターである銃を腰につけて、朝の挨拶に部屋から出る。・・が、

「・・夕方・・だと・・?」

オレンジ色の太陽が見えた。おそらく一日と半日は過ぎてしまったようだ。

生徒会室・・学園生活部の部屋に顔を見せると、初めは不安そうな顔が俺の顔を見る事で明るくなった丈槍がいた。

「いっくんが、一日以上見えなかったから心配したんだよ?もう少し皆の事も考えてよ?いっくん。」

「む、それは・・その・・悪かった。昔からこういう性格でな・・八徹とか普通にしていたから・・その・・心配かけた。すまん。」

「うん、それでよし。皆にも謝っておいてよ?りーさんなんかはかなり心配していたよ?自分が信用しない分で顔をなるべく合わせようとしないんじゃないかって・・。」

「そんなつもりはない。悪い癖でな・・俺は自分の気が済むまで、実験や色々と考える癖が有って一定の結果が出るまで梃子でも動かなくなるんだ。まったくもって、俺が悪いとは分かっているんだが・・今回は此処にいる皆の命を救うための開発をしていたんだ。」

「ソレは良いから、悪いと思ったんだったら先ず謝る。言い訳よりも謝ることが重要だよいっくん!?」

「むぅ!?・・よりにも寄って丈槍に正論を言われるとは・・。」

「いっくん、それどういう事!?」

そう言って手をあげて、怒っているアピールする丈槍の頭をなでる。一応言われる事はその通りで、謝るべきだろう。

「丈槍、皆はどこに居るんだ?」

「んぅ?えーっと、りーさんは昨日の雨で屋上の植物がどうなっているか確認に行くって。くるみちゃんも一緒について行ったよ。めぐねえは記録所を書くって部屋に居るはず。それで私はお留守番してたの。いっくんが来た時に探さないようにね。」

「ソレは助かった。なるほど、先ずは佐倉先生に声かけて屋上にでも行くか・・。」

そう言って俺は背中を向けて生徒会室を出る。

女子の寝室と逆の部屋の佐倉先生の部屋に生きノックを四回。

「織斑一夏、部屋から出ました。心配かけた挨拶なんですけど、入っても良いですか?」

『え?あぁ織斑さん。どうぞ。』

部屋の中に入ると端っこにベッドが有り、机といす、ソファが置いてある簡素な部屋だった。

「・・どうも、すいません。丈槍に聞いたんですが、心配かけたようで。」

「そうそう、皆心配したんですよ?私も教師ですからね、織斑さんが制服を着ていると生徒と同じように思ってしまうんですけど、部屋から出てこないと聞いて初めは不登校の生徒を想像しちゃって。」

「いやいや、ソレは置いておいてください。長くなりそうだ。とりあえず、研究がひと段落したんで出て来ましたって言うのと、心配かけましたっていう謝罪です。このあと、残る二人にも怒られなくちゃいけないので。」

「あら、・・確かにね。怒られてらっしゃい。」

「う、・・うぃ。」

子供を見る様な目で見られてむずがゆくなりなんか変な返事をしてしまった。

 

「ここか。」

屋上へ出るドアを開けると、胡桃がシャベルを構えてこっちを睨んでいるのと、警戒した感じの若狭がいた。そして、俺を見て二人とも表情を緩める。

「なんだ、お前か・・。」

「何かあったのかとおどきましたよ。」

そう言って二人は首を下げるようにする。

「あー、二人とも、その・・心配かけたようで‥すまんかった。」

そう言うと近付いてきた胡桃が俺の胸を指でつつく。

「そうだよ。お前、一日以上出てこなかったが、どうしたんだ?」

「あぁ、その皆を助けるための新しい物を開発していた。コレが有ればより効率的に奴等から助ける事が出来るようになるから。」

「・・つまりは、私達の為ですか?」

「俺がここに居る理由はそれだからな。自分の為になる事でもあるが・・それなら焦る必要はないからな。ゆっくり進めても良いが、此処にいるメンバーを助ける為になら急がなければいつ危険な目に会うか分からないからな。急ぐにこしたことはない。」

そう言うと、納得したのか口元に手を持っていた若狭が頷く。

「分かりました。私も貴方を信じます。」

「あ?いま、信じるのか?もっと後でも・・。」

「コレ以上は貴方を信じない自分が嫌になりますので。それに、貴方の貢献を無下にするほど私は冷徹であるつもりはありません。信じれると思ったなら信じる。だから・・私達を助けてください。」

「おぅ、ソレは任せろ。残してきた奴等が必要に応じて来ると聞いているからな。それが来れば・・」

『じりりりり・・』

急に音が広がり俺達はその音の方角を見る。

屋上の柵の上に電話が置いてある。旧式のまわすダイヤル式の電話がベルの様な音を立てている。その電話にはコードも何も付いていない。

(いや、早すぎるだろ。)

そう思い電話を取る。

「いくらなんでも早すぎるだろ。」

『いやぁね、・・いたいいたい。オートスコアラー達が暴走して居てね?早くマスターの元に送り込めってさぁ・・がふぅ?!蹴るのはやめろ!大人しくしなさい!!』

≪マスター!きこえるかー?≫

≪このボケなすび!さっさと送れっつってんだろうがごらぁ!!≫

電話の向こうで聴こえたのはミカとガリィの声だ。何やってんだアイツ等は・・。

『もう少し君達の仲が深まるまで待ってもらおうと思うんだが、ちょっと一言でも、言ってもらえな・・いってぇ!!やめろって言っているだろう!!』

「あぁ、・・聞こえるように頭上に上げろ。」

『マスターなのか!?ひっさしぶりだゾー!』

「すぅ・・この馬鹿共が!!大人しくする事も出来んとは言わさんぞ!!俺がこちらでベストなタイミングで送ってもらう事は決まっているんだ、それまでおとなしくしておけ!そうじゃないと今度会った時にぶっ飛ばすからな、覚えておけよ!!・・・コレで良いか?」

『流石だね。すぐさま全員台座の上に戻ったよ。声を出して居なかったけど、ファラはステップ踏むように足踏んでくるし、レイアは派手好きの癖に、あまりのいらつきで地味にコインを顔に撃って来るって嫌がらせをしてきたからね。正直助かった。』

「まったく・・。ガリィ、お前の入れる紅茶が一番うまいからお前が茶をもてなしておけ。そうすれば今回の事はチャラだ。いいな?」

『はぁい!ガリィちゃん丁寧に頑張りまぁす♪』

「よろしい。それじゃ、コレだけか?」

『えっと、・・いや、ラピスの事でも一つあってね・・どうやら通常の細菌じゃない様だ。と言う事を教えておこうかと・・。』

「なるほど、やはりか。ソレは俺も考えていた事だ。ここまで長期で活動できる死体というのが腑に落ちんからな。どちらかと言うと脳の活動を変更させていて、体的に言えば結局は生きているのがほとんどだが、一部の皮膚などが壊死している状態と言う事か?そして、死体を食うが排出物などは見えない事から、エネルギーとして吸収し、その排出物がわりに皮膚などが通常よりも老化してボロボロに見える、と仮説を立てている。」

『こちらも真実は知らないからねぇ、真相は君が掴んでくれ。とりあえずはそれだけだね。』

「ラピス関係あったか?」

『君は命のエネルギー化をしているのだろ?ならばそれが生きて魂が有るかは重要な事だ。・・あぁ、生存者の中には屑が居るらしいからね・・そいつらに関しては好きにすればいい。殺してラピスの素材にするもよし、感染者の囮に使うもよし。君が負ける事は無かろうが、気をつけたまえ。』

「心に刻んでおこう。では、また。ガリィ達も準備だけはしておけ。いつでも来れる様にな。会う日を楽しみにしている。」

そう言って電話をきる。

振り返ってみると二人が驚いた顔をしていた。

「今のは誰から・・?」

「神さま。っつたらいいのか?俺を此処に送り込んだ転生の責任者。今俺の自動人形が暴走して『俺の元に早く送れ』って暴力振っていたらしいから、叱って置いた。んで、いつかこっちに来る時には準備完了して来いって。神さまが送って来るから、いつ来るかは知らんが・・。安心していいぞ。少し癖が有るが、俺の手足となって動く凄い存在だ。まぁ、お前等から見たらとんでも技術だろうだが。」

見るとそこにあった電話は無くなっている。

「まったく、近くに居ても居なくても困った奴らだよ。」

ふぅ、とため息をつくとクスクスと笑われた。

「織斑さん、まるでできの悪い生徒を見る先生のようでしたよ?」

「作ったのが俺だから、困った子供を叱る親の様な感じだがな。」

そう言ってアイツ等との過去を思い出し、頭を押さえる俺を傍から見て居た二人が笑っていた。

 

 




学園編と言う事で、今度から授業開始を挨拶にしようかと。
あぁ、こんな事を言い出したのも暑さの所為かと。
空気が『暑い』ではなく『熱い』と言っても過言じゃない気がします。
ではみなさん、またね。


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