インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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どうも皆さま、私です。
最近まだまだ暑いですね。寝苦しい日々が続いてつらいです。
暑いからと冷たい物を取ってしまいがちで、少し夏バテ気味です。
適度に冷房や食事などで丁度いい温度にして、冷たい物を取り過ぎないようにしたいと思います。

では、授業開始します。


第九時間目

 アレから気になるのか若狭が起きてきたので、デパートで助けた少女を任せた。

 そして俺は外に出てけん玉のスペルキャスターで移動を開始、昨日のデパートよりも少し先まで遠征していた。あの助けた少女の言っていた、少し前までもう一人居た。と言っていた事。

 それがどれくらい前かは分からないが、本当に少しならまだ近くに隠れている可能性もあったからだ。可能性が有るなら、せめて見て回るくらいは使用と思った。

「しかし、まるでチャリオットだよな・・・。」

 変形させたけん玉で走行し、目の前に出てきた奴を貫いてそのまま前進し続ける。貫いた奴はエネルギーに変換して更にけん玉で引いた奴も変換できるようにしておいたので、走るだけでエネルギーが溜まる、本当にそれだけで溜まるのは楽だ。走っているだけなのにラピスの為のエネルギーを得られるというのは全く持って便利な機能だ。

 そうしていると駅の方へ向かう途中のビルに人影が見えた。しかも奴等に追われる様に逃げて壁を乗り越えて居た。少し足を引きずる様にだ・・。

「・・生存者か?」

 俺はけん玉を止めて飛びあがり、空中で武器モードに変形させて手に持ち直し、近くに居た奴等をぶん殴りエネルギーに変換した。

「・・生きてるならまぁ・・見過ごせないが・・怪我とかも見とかなくちゃな。」

 生存者と言う事ならなるべくは助けたいと思うが、足を引きずっていたようなので駄目だったら見捨てる気でそのビルに入って行く事にした。けん玉を振るには狭いので、

「『defendend. guardend. protectend AIGIS tron』~♪」

 アイギスを装備して中へと入る。

盾を使って奴らが迫ってくるのを抑えて首を跳ねてエネルギーを回収する。

「しかし、あの人影は・・三階の廊下だったか?」

 近くにあった建物の見取り図を見て三階には大きな部屋が三つと小さな部屋が二つある。その大きな部屋の前から小さな部屋の方へと走っていた。そっちが住処かもしれない。

 階段を上がると壊された簡易的なバリケードがあり俺はそれを階段から飛んで、空中で回転して避ける。音を立てて奴等を更に呼びたくはないからな。

 それから三階の非常口から廊下へと入り、歩く。町の方を見ればガラス窓の向こうには煙が立っている場所がいくつも見える。ゾンビによるものならいいが、それが狼煙ならそれだけの生存者がいると言う事だ。よからぬ事を考える奴がいる方が厄介なので見回りをして害があるなら処分しよう。

 そう考えながらも歩くとさっきのあたりに来る。そこには数人の奴らがいるので首を切り落としておいた。

 それから歩いて慌てて建てたらしいバリケードの前まで来るとそこには数体の奴らとバールのような物を構えた少女がいた。噛まれたのではなく、たんにガラスなどが割れたような鋭利な物で怪我をしたようにも見える。奴等に引き裂かれたのではこうも綺麗な切り口ではないだろう。助けるかどうかはしっかりと判断する。奴等に感染して居れば、助かる見込みは極めて低いからだ。その少女はこちらに気が付いた。

「な!?えっ?人!?」

 その声が大きかったせいで奴らがその少女に向かって飛びかかろうとする。

「はぁ、面倒だ。」

 そう言いながらも俺はそこにいた奴の首を一瞬で跳ねる。

「いきなりで、エネルギーに変換する練成陣が組めんかった。ただ働きになった。」

 しょうがないので死体から少量のエネルギーを頂くくらいにした。

「さて、そこな少女よ。君は生きたいか死にたいか選べ。俺がその通りにしてやる。」

「な、なんで!?」

「この地獄のような世界で生きるより、いっそ楽になって死にたいという奴もいるだろうからな。生きる事を無理強いはしない。ただ、生きたいなら手助けするし、死にたいなら奴らにならんように解釈して、骨まで燃やしてやろう。さて、どうする?」

「わた、私は・・」

 ふと気になった事があった。服自体は制服ではないが、年的には学生くらいに見える。

「一応聞いておくが、ここにずっといたのか?それともどこかから来たのか?」

「え?あ、私はショッピングモールにいたわ。でも、助けも来ないし、食糧も減ってきた。更にいたのが最奥だったから、助けも来ないと思ったの。それならと、助けを呼びに外に出た。ただ何もせずに死ぬよりも、何かをして生きることを求めていないとおかしくなりそうだったの。駅に行けば放送機材が有ると思ったからね。でも途中で追いかけられて、このビルに逃げて、バリケードはったんだけどソレ壊されて・・そしたら音で更に増えた。もう駄目だと思ったわ。」

「ふぅむ。名は?」

「祠堂圭(しどうけい)。圭で良いわ。みんなはそう呼ぶの。」

「ケイ・・か。そのショッピングモールには一人だったのか?」

「もう一人いたけど・・、置いてきてしまったわ。喧嘩をしてしまったから・・このままここで何もしないで死にたいの?って言っても、出たくない。怖い。って言うから・・。私は何もせずにただ死ぬのを待つだけは嫌だったの。生きる為に足掻きたいって・・。だから、まだあそこにいるはずだから・・あなたが一緒に助けに行ってくれるなら・・」

その言葉を聞いて俺は、自分の考えは間違っていなかったと確信できた。

「そうか。やはり、な。寝言でケイと言っていた。おそらくその子は昨日助けた子だ。今はこちらで保護しているし無事だ。」

「う、そ・・。」

「ショッピングモールのバリケードを崩さなくて正解だったな。あれで俺たちは生存者の可能性を見出したからな。あれがなければ引き返していた。」

「よかった、よかった・・美紀。」

「ミキ・・ね。そんじゃ、俺たちの避難所までお送りしましょうかね。」

「お願いするわ。そう言えばあなたの名前は?」

「一夏。そう呼んでくれればいいさ。」

俺はそのケイを連れてそこから脱出をする。必要なもの、置いてあった生活用品や食料を持って帰ってきたケイを守ってビルから脱出する。それからアイギスを解除して、スペルキャスターをけん玉に変えて装備。荷物ごと抱きかかえてけん玉をチャリオットモードにして敵を突き刺しつつ、跳ね飛ばして学校へと走る。

「貴方、いったい何者なの?」

「んー、しがない救世主ってやつ?普段は錬金術師やってる。これは依頼で仕事中だな。」

依頼主は神様と言う何ともファンタジーだが。

「錬金術?そんなファンタジーじゃないんだから・・」

「ま、そういうもんだよな。普通は。学校にはそんな俺でも信じて仲間にしてくれた奴がいるからな。おそらくお前の言うミキという少女もそろそろ眼を覚まして話をしているころだろうさ。」

「そう・・。じゃぁ、そこまでお願いね。錬金術師のナイト様?」

「・・へっ。俺の性質は守るってことだからな。安心して運ばれろ。」

そう言ってまた一体の奴らを引き殺して行った。

 

学園に着くとすぐさま玄関前に居る奴らを一掃。それから中に入る。

「玄関前にも何か罠をして、奴らを近づかせないようにするべきかな?」

そう呟きながらも、銃のキャスターを変形させた剣についた血を振るう。

「貴方、人の形をしていてもあっさり殺すのね。」

「生前の世界では生きている奴も殺した。そんな事にはためらいは持たん。そんな経験ばかりだ。そろそろ心が壊れるんじゃないかと思っているが、そうなればお役御免でこの生活からおさらばだ。まぁ、そん時までやる事をやるだけだな。一番初めの人生は大きなところで選択を間違えた。二回目は満足したが、何度も死んで生き返った結果、最終的に一人になったからな。先に死んで放っておく方が良かったかもしれん。そしてこの世界だ。まったく世界は醜く見えていけんな。汚染されて、更に人の醜さも見えて。生きている人間も生きるために醜く生きる者もいれば、清く生きる者もいる。これだから人と言うのは分からない。」

階段を上がり一度、練成陣に今回得たエネルギーを納める。

「・・最後のスペルキャスターがもうすぐできるな・・。」

それから全員が居るはずの生徒会室に行く。一応、いつも通りノックする。

「今、帰った。入るぞ?」

中に入るとそこには全員がそろっていた。

「圭!?」

「美紀!!」

昨日の少女と、今日助けた少女がお互いの名前を叫んで抱きしめ合う。

「生きてたんだ、圭。」

「勝手に殺さないでよ、美紀。でも危ないところだった。もう少しで襲われるところを助けてもらったの。出る時にモール出口の扉で足を怪我して・・逃げるのは大変だったけど。ギリギリのところで助けてもらったの。」

「貴方は・・、昨日はありがとうございました。起きたら居られないから夢かと思いましたが、夢じゃなかったんですね?」

「お嬢さんをお姫様だっこしたナイト様だからな。そこの圭嬢さんもお姫様だっこしてやったからな。俺は織斑一夏。イチカ・ダインスレイフとも名乗っていたがまぁ、今はこっちの方がいいみたいだしな。圭は足のけがが有るから一応検査な。血液貰うぞ?」

「噛まれたんじゃないから大丈夫だと思うけど・・。」

「一応だ。発症しないと思っていた奴が発症したからあのショッピングモールは、あんな事になったんじゃないのか?あくまで予想だがな。そんじゃ検査と実験の方行ってくるから、用事あれば呼んでくれ。」

そう言い残して俺はさっきの部屋に戻る。

血液は検査用の培養機と血液検査キットを作った。二時間もすれば結果は出るだろう。

最後のスペルキャスターの製作のために練成に俺の力を使う事にしてみたのだ。

「俺自身の力を足したならどうなるか、変化をためさせてもらおうか。」

そして実験して練成する事、二時間。

「・・出来た。」

最後のキャスターができた。それは手甲。そして鎧。

・・アイギスの力から守る成分が強かったか?それとも前の世界で使った分でガングニール拳の成分が混ざったか?

「まぁ、いいか。ふむ、普通の状態ならガントレットといった感じか・・。展開すると?」

スペルキャスターを展開。鎧として全身をゴールドの鎧が覆う。何と言うか・・ファンタジー・・だな。

「・・七☆聖戦士か?」

彗星拳なんてうてんぞ?

「まぁ、いいか。普段は少し小さくして手のガントレット程度にすれば付けやすいな。近接武装もこれならガングニールよりも練成用のエネルギーを得やすいな。・・あぁ、もう最後だったんだっけ?んじゃ意味ねぇじゃん。まぁいいか。」

それから俺は試運転のために外に出かけた。外で奴らの群れを殴り、蹴り飛ばしをしていると、少し量が増えて集まってきた。吹き飛ばしたいと考えると手甲の一部が開く。そして、そのまま腕を突き出すと、

『キュドォ』

ビームのようなものが飛び出した。撃てちゃったよ、彗星拳。

そのまま拳でジャブを打つように拳を何度もシャドーボクシングを放つと、その回数ビームを放つ。拳を合わせて腰のブースターで前進して『奴ら』の束を吹き飛ばすと空中にその集団は浮いて、地面に落ちてエネルギーへと変わる。

「効率いいなぁ、おい。先にこっち作るべきだったな。」

まぁ、自身の因子含んだ結果使いやすいのは当たり前か。アイギスと一緒だ。

それからエネルギーを回収して、練成陣で弾丸を増やした。

何か使う事があるかも、・・しれないし。

・・いや、どうだろう?コレ使いやすいし、回収楽だし、・・遠距離の連射や精密射撃はやっぱりあっちか。人が居る状態で撃つ事になれば、巻き込むことが無い銃を使うだろうし、あっちもやっぱり使い勝手は良いもんな。

 

それと検査キット、培養機から取り出した結果は白。

感染は無し。今の所、ただの怪我だ。

だが、もしも発症するならあの冊子からして潜伏期間が有る可能性を考え、用心する事にした。

 




という事で、今回登場したのは、オリジナルルート生存者二人目の『祠堂 圭』さんです。
実際の漫画の方なら、巻末の青襲さんのレポートに書いて有りますが、駅構内からの機材で放送をしていたらしいのです。ですが、今回のルートでは普通に怪我をしただけと、駅までたどり着けていない事にしました。
なので性格は適当です。私の予想の感じから書いているので違和感を感じたらすいません。
これからもがんばっていきます。
では、次回にまた。

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