インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】 作:金宮 来人
貴方が予想していた名前と一緒でしょうか?
では、第三話です。
「今日は転入生を紹介します。」
そう言われたのは入学式から三日後。流石におかしいと感じたのかクラスのみんながざわつく。
私【更識簪】が所属するのは一年四組。入学式が三日前だったというのに流石に早すぎておかしいと思うのは普通の事だろう。
「二人いますが・・驚かないでくださいね。」
そう言ってドアから入って来たのは・・え?
「・・初めまして。俺は【イチカ・ダインスレイフ】だ。」
「私はマドカ。マドカ・ダインスレイフ。イチカの双子の妹だ。」
世界初の男性操縦者は織斑冬二。それは知っていたが二人目がいたなんて・・。
「・・・驚いている者がいるだろうから先に言っておく。俺は世界で二番目の男性操縦者だ。現在世界中にそれを放送している。今は妹ともどもIS企業【アリス・イン・イグナイト】社に所属しテストパイロットをしている。・・・これ以外に聞きたい事はあるか?三つまでなら聞こう。」
そう言った男の子の方、ダインスレイフ君は顔の半分くらいを隠す位髪が長かった。当然、眼は隠れていて見えない。でも、輪郭を見るとすっきりとしてかっこいいようなイメージを持った。
「はーい。」
そう言って手を挙げたのはクラスの中でも一番明るくゆったりとしている子【上田直子】さんだった。
「ダインスレイブ君はもしかして専用機を持っているのですか?」
「あぁ、試作型全身装甲機体。試作型ゆえに色々と試すために特殊となっているが、そこは新参者ゆえの事だ。マドカも一緒で試作機を持っている。で、他は?」
淡々と話す彼は少し怖いと感じた。何故か冷たい物を感じる。
「はいはい、私も質問があります。」
「どうぞ。」
次に手を挙げたのはクラスのお調子者と言うかムードメーカー的存在になりつつある子【本先 加賀音】さんだ。
「好きなタイプはどんな子ですか?」
「「「「・・・。」」」」
クラスのみんながじっとダインスレイフ君を見る。
「好きなタイプ‥。今は無い。好きになればその子が好きなのだろう。形は問わん。俺はそんな物に対してはあまり興味も無い。どんな美人だろうと、金があろうと、地位があろうと、そんな物にすがるしかない女などに興味はない。…強いて言うなら心の在り方が綺麗な者か?」
そう言うと、クラスの中から少し空気が悪くなる気がした。女尊男卑な思想の持ち主がいるのだろうか。
「そんなところか。他が居ないなら終わるが?」
「・・・。はい。」
その一番冷たい目線で彼を見ている私の隣の子、坂上静香【サカガミ シズカ】が手を挙げた。彼女は、政治家の娘で母親は政府の議員である。そんな子が見ているという事は・・。
「貴方は何故こんな所に来たんですか?‥気に入らないならさっさとここを去って実験材料にでもなればいいのに。そうですわ、貴方の妹さんは見た目はいいのですから私がもらいうけましょう。どうです・・ひぃっ!?」
そう言った瞬間、教室の前方からナイフが飛んできた。そのナイフは坂上さんの机に刺さり、彼女は悲鳴を上げる。
「・・・マドカ・・。何をしている。」
「すまない、イチカが悪く言われていたから・・。」
そうナイフを投げたのは妹のマドカさん。そして、いつの間にか教室の真ん中に立つ彼の手に二本ほど握られていた。そして、その手から血が滴る。
「「「きゃぁぁ!?」」」
近くにいた子は驚いてその場から逃げる。
「・・・マドカがこんな事をした事は謝ろう。しかし、・・・。」
軽く頭を下げ、そう言いつつ冷たい目を坂上さんの方に向ける。
「俺は、売られたケンカは買う主義だ。そして、一応言っておく。発言の責任は取れよ。」
「な・・!?ば、馬鹿にして!!」
そう言って怒った彼女は近くにまで行き手を上げる。
「そこまで。」
振りかぶった手を止めたのは担任教師の長谷川先生。
「坂上さん、貴方の発言は教師として、そして人として認めるわけにいきません。」
「しかし、先生!!」
正面から向き直り坂上さんの両肩を掴む。
「貴女は・・はっきり言いましょう。人として最低な事を云いました。これ以上言うのなら私は貴女を生徒として見れません。」
「・・いいわ!!私はこんな男を認める気はありません!!・・そこの男!私に専用機を渡しなさい!!そして目障りだからここから消えなさい!!」
そうはっきり言った。それが彼女の運命を決めた一言であった。
「・・。ならば、この機体をお前が扱えるというなら渡してやる。放課後、第三アリーナに来い。」
そう俺は伝えた。その瞬間、首に強い衝撃が走る。
「ぐぅっ!!」
「な、イチカ!?また・・アルケミストか!?」
そりゃそうだ。認めた相手以外が乗るというのだからこいつ【・・・】も怒るわな。
「一応言っておくが、その際、俺は責任を取らん。この機体はピーキーな事に特化している。そして、下手をすると四肢がつぶれるからな。」
「そ、そんな事を・・騙されませんわ。」
「そうか。ぐっ、・・ならば放課ごふっ。」
さっきからさらに怒って衝撃が強くなってきている。
「・・ダインスレイフ君・・さっきからどうしたの?」
「気にするな。」
初めに質問した女子が俺に聞くと首を振りなんでもないと言いつつ首を押さえる。
「・・・アルケミストって?」
「これ以上は時間が・・「アルケミストはイチカの専用機であるISのAIシステムの名称兼機体名だ。」マドカ‥。」
そこでそれはばらすなよ。
「AIシステム?あのプログラム的な?」
「アルケミストは半ば自分の意思を持っていると言ってもいい。癇癪も起こす。そして今、それがイチカに八つ当たりをしている。あと、そこの女・・坂上と言ったか?アルケミストは人見知りで自分が認めた奴しか乗せない。私でさえ振り落とされた。あんな発言をした貴様ならはっきり言って殺される可能性もあるぞ。」
そこまで言ったマドカを殴る。
「あだぁっ!?」
「お前は俺のアルケミストをどうするつもりだ?ん?」
そこまで言うとどう言う事か分かったらしく、顔が青くなった。
「一週間、おやつは抜きだ。」
「そ、そんな!?」
せっかくリミッターつける事をしぶしぶ了解したアルケミストが、今度は他の方面から狙われるじゃないか。まったく。しかし、ソレを聞いた坂上だったか?が顔を真っ青にしている。怖気づいたか。
「・・・どうした。・・分かった、乗せるのはやめよう。さっきの話を聞いたら分かるようにコイツはうちの会社でも特別な存在だ。マドカの機体はそうでもないが乗り手を選ぶことは間違いない。」
そして、俺は提案をする。
「俺が専用機を持つにふさわしいか見せるため、先ずは・・・このクラスの誰かと模擬戦するというのはどうだ。」
そう言うと坂上は今度は顔を赤くして睨みつける。
「男風情が!!良いでしょう私がやりますわ!!」
坂上は専用機は無いはずだが・・まぁいいか。
「ならば・・先生アリーナが開いている日は?」
「生徒同士で勝手に話を進めないでよ・・。まぁ、君の言うようにした方がいいみたいね。」
ため息をつきつつ端末を操作する。
「四日後の放課後、一組の使用後なら何とか出来そうね。」
「ではその日に。」
「分かったわ。・・はぁ、君は少しは自重してね。」
俺が知るか。このクラスの馬鹿に言え。それにこれくらいしないとマドカがキレて大変なことになる・・。
席に着こうとするとアルケミストに連絡が入る。一応、送信者の名前を見ると
【アリスイン・イグナイト】本社 社長室 固定電話
ぶわっと冷や汗が出る。
「せ、先生、すまないが本社から連絡が入った。一度退出する。」
「・・分かったわ。初日だし許します。でもこれからは気を付けてください。」
そう許可をもらい、廊下に出てISの通信機能を開く。
「はい。」
『あの小娘つぶそう。』
疑問形でも無い声が低く聞こえる。抑揚も無くただ平坦な声なのがヤバさを引き立てている。
「そ、それはちょっと・・」『イチカ様、あの小娘消しましょう。』「クーまで!?」
『『私達もそう思う。』』
電話口に皆いるようだ。ヤバい・・。
「コレは俺の問題だ。これが終わってからならどうしてもいい。」
一応押さえるように言おうと思ったがこの人らが止まる気はないと思う。家族大好き人間だし。
「それに、これをきっかけに動きだす事もできる。これを、始まりの合図にするというのはどうだ?」
『そうだな。私はそれでいい。あ、そうだ。私とスコールは教師と言うか特別顧問してそっちに行く事になったからよろしくな。』
『そうそう、イチカの試合の日にそっちに行くから。・・そん時にあのガキ締めるわよ。』
スコールが怖いいぃ!?初めてだよこんな怖いスコールは。
「はぁ、・・。」
一応その後は連絡事項を話し、教室に戻る。
廊下の陰でこっちを観察していた女子生徒に手を向けピストルを撃つような仕草をしつつ。
『!?』
驚いたような気がしたがどうでもいい。さっきの話でアルケミストが気分良くして歌を歌っていた。その歌に耳を傾けつつ、教科書の内容をノートに写しそれを分かりやすくまとめる。すでにこれで教本の三分の二を読破しつつまとめたノートが十冊以上ある。
勉強は実際必要として無い。あとは世界の動きをみるか。・・俺は少し鼻歌を歌いつつノートを書き続けた。
さて、貴方の予想と合っていたでしょうか?
引き続き投稿して行くのでよろしくお願いします。