インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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ハオ!・・こんにちわ、どうも、私です。
最近の気温の変化に風邪をひきまして、のどをやられてあまり声が出ないです。
それでも、ついついシンフォギアの曲を口ずさんでしまうのはしょうがないですよね?
正直、また熱くなるとニュースアナウンサーが言っていた時の絶望感が半端ないですが。
でも、まぁ、平気へっちゃらの精神で頑張りたいと思います。
それでは、十三時間目、授業開始です。
どうぞ。


第十三時間目

見上げた先のヘリは【揺れて】いた。

「おーい!!」

「こっちだー!!」

「私達!生きてるわよー!!」

それぞれが声をあげる。しかし、俺と美紀だけはソレを見ているだけだ。

「・・一夏さん・・アレ・・」

「あぁ、おかしい【・・・・】。」

ヘリのホバリングでもアレほど揺れるのはおかしい。そう思った俺は、美紀に目を合わせてお互いに頷く。

「お願いします。」

「承った。」

そう言って、俺は離れて手を開く。

「【defendend. guardend. protectend AIGIS tron】~♪ 」

そう詠い、アイギスを纏う。そして緑の楯を装備して剣を持ち、足元に風の錬金術式を浮かべて空へと飛ぶ。

ヘリに近づき、ドアを開けると・・

『・・う・・あう・・ぅうう・・』

もがいてる操縦者が居た。

しかし、その顔はガスマスク。完全に装備されている・・が、

『ぐぅ・・がぁぁ・・』

発症していた【・・・・・・】。

俺は・・瞬時に判断。これは無理と断定。明らかに最終段階の発症状態だ。助かる見込みはかなり・・いや、ゼロだ。今は葛藤しているだけで、精神状態ももうもたない。薬を投与しても遅すぎる。そう判断した俺は被害を出さない為に、持っていた剣で突いて首を切った。横にずらして首を落とす。

せめて・・完全に奴等になるまでに人のまま殺してやりたかったからだ。

その体を後部に投げる。操縦桿とスロットルを操作、そして揺れて居た理由をみると燃料ゲージがエンプティだった。これでは落ちる・・。

すぐさま着陸態勢を取り、校庭外の教職員用駐車場の近くに下ろす。校舎から離れて下ろしたのは音がうるさく、奴等が寄って来ているのが分かったためだ。

した事が無い為に、無事完璧な着陸とはいかず、数台の車にぶつけてしまう。ドアを開けて機体を見ると後部の安定用尾翼が折れて、その近くのコードがショートしている。

近くの車もつぶれた部分が有り、そこからわずかながらに燃料が漏れているようだ。

それに気が付いた俺はすぐさま機内の荷物を調べる。

機内用の消火器、不要。備え付けの無線機、必要。ケース・・内容物は拳銃、数本の注射器、地図・・重要物。・・アレ?コレは【・・・】‥後回しだな。・・後はコレと言ってない為、無線機周辺の計器から周りを切り取り、繋がっていたコードを抜いてすぐさま脱出。

案の定、周りに奴等が来ていた。更に校舎からこちらへ胡桃と美紀が来ていたのが見える。

「来るな!!戻れ!!」

そう叫んで、胡桃達の元へと走る。剣で近い奴らだけ切って全速力で走ると校舎へ戻ろうとした胡桃達に追いつく。

「これを持って全員で地下のシェルターへ。俺がヘマして車に当ててしまった。燃料が漏れて・・もしかしたら・・」

そう言った瞬間に後ろで爆発音。続いて衝撃が来る。

楯を構えて二人の前に立つ。

破片が飛んできた。ソレを楯で弾く。

「行け!俺は火事を押さえて、キャンピングカーの元に行く!後で落ち合うぞ!」

そう言って前方に走ると、二人は校舎へ走り出す。

言う事聞いてくれるのは良い子たちだ。だてに修羅場をくぐって来てないな。

俺は楯を青に代えて水を出す。

それによって炎上を小さくする。しかし、燃料は油、こちらは水、下手な注水は規模を拡大させてしまう。

ソレを考えて駐車場を囲うフェンスに水をかけて氷で上から覆う。燃料が漏れださないようにしながらも冷却で燃料の温度を下げて発火まで起こさないようにして更に地面にも氷を作って駐車場の中心に燃料や水を誘導する。

それから楯を変更し、黄色の楯で地面を操作。

中心に穴を掘り、そこへ燃料を誘導すると乾燥した砂をかける。

更に発火した車、ヘリ、付近の車にも乾燥砂をかけて消火。

それから、周りの確認をして地面を戻す。氷はじきに解けて排水されるし、駐車場の地面はこれからは使う事もないだろうから土のままにしてある。

それから、俺は状態を確認した後で運動場体育倉庫・・いや、車庫に行き中に入る。

「あの騒ぎは何!?どうしたの!?」

「・・落ちつけ。助けかと思ったが、どうやら巡回のヘリが居たらしくてな、学校近くまで来ていたらしい。しかし、運悪く発症して落ちて来そうなのを俺がどうにか乗り込んで墜落は止めたんだが、発症したパイロットに気を取られてたのと場所を迷った為に、着陸に失敗して駐車場の車に当ててしまったんだ。その結果、車から燃料が漏れて爆発した。重要そうな物は持って降りたから大丈夫だ。」

肩に手を載せてしっかり目を見て話す。他のメンバーと違って普段から、一人でここに居る分精神的にもストレスになっているかもしれない。

「・・そろそろ、最終検査をする。それが問題なければお前もメンバー入りだ。」

そう言って頭をぽむっと撫でる。

「・・うん、わかった。ありがとう。」

そして俺は車にある物で不備はないか聞いて、少し話してから校舎へ戻った。

 

「いっくんは平気!?大丈夫だった!?」

「・・丈槍、俺はそもそももっと危ない世界から来てる。・・そこはSFみたいなロボットで間違ったら殺し合いが出来る様な世界でな?そこで、一番最初の人生で殺した事も有った。相手のロボットを倒す為に。そんな世界に居た俺だぞ?これくらいでは怪我すらしないぞ。」

そう言って頭をなでる。心配かけたのは確かなのだ。

「うん・・。」

「皆も心配かけたな。・・パイロットは完全に発症していた。手遅れだったので対処【・・】しておいた。機体は燃料がほぼ無い状態だったので、そもそもあのヘリは使えない。おそらくだが、少ない燃料で飛んだか、長時間飛行をし続けたかのどちらかだ。・・ヘリの機内にコレ【・・】が有ったことから、おそらく後者だと思うが。」

取り出したのは機内で見つけた、一枚の手紙。

【わたしたちは元気です。】

そう書かれて絵が書いてある紙だ。

「・・これ・・。」

「届いてたのか?」

「・・じゃぁ、助けが?」

皆が驚きながらそう言っているが、俺は首を振る。

「それならばもう少し人が居るはずだ。パイロット一人はありえない。許可なく低い可能性に駆けて飛びだした正義感の強い人物か、あるいは・・」

胡桃からケースを受け取る。開いてケース内に有った拳銃を見る。

「感染者を増やさない為の尖兵か・・。」

俺は拳銃を取りマガジンを抜いて、コッキング。チャンバー【薬室】内の弾薬を抜く。マガジンに弾薬をはめ直し、拳銃を懐に収める。

「どちらにしろ、助けはないだろう。・・逆に危険性が有るかもしれん。」

そう言いながら次に注射器を取り出す。袋に入っている。

「俺は中身を検査する。もしも、コレが緊急の薬なら、学園内に有る分よりも効果が高いかもしれん。そうなれば、アイツにも投与して効果を見る。」

注射器も収める。そして最後にケース内の地図。

「ここの学校と、ココ。マーキングしてある所が有る。」

二か所の学校にマーキングがしてあった。

「もう一か所は・・聖イシドロス大学ですね。」

「後はランダルコーポレーションか。」

地図の裏になる場所にもう一か所マーキングしてある。

「・・緊急連絡で書いて有った場所ね。」

圭がつぶやく。ソレを聞いて思い出したように佐倉先生も、

「ここら辺の企業をまとめていた大型企業です。・・今回の事もこの会社がもとだと思います。警戒したほうがいいのかも。」

そう言う大人の意見は皆が耳を傾けるのでありがたい。

「俺も同意見だ。とりあえずは、此処の学園にマーキングしてあったことから、緊急避難所としての場所を回るつもりだったが、その途中で発症したと見るのが自然だ。そして、その際に飛行が困難となり、異常に燃料を消費・・着陸も困難となりホバリングの末俺によって緊急着陸・・その際にパイロットは処理【・・】。となった形だろう。しかし・・処理をした際に気が付いた大きな問題が有る。」

俺の真剣な声に全員がこちらを向いている。

「パイロットはガスマスクをしており、怪我もなかった。・・発症する原因はなんだ?」

その一言で、全員の顔が凍りついた。

「・・おそらくだが、発症には潜伏期間が存在するのだろう。空気または飛沫、接触感染での感染から一体どれくらいで発症するのか分からない。こうも完全な装備だったことからおそらく管理は徹底していたはずだ。なのに発症した。・・空気感染からの発症期間が長いとしたら、いつ発症するかも分からない。」

おそらく全員が自分がいつ発症するか分からない恐怖と闘っている。

全員の顔がこわばっているのが分かる。ここでのんびりした奴が居た方が問題なので俺は安心する。これは脅したのだ。

「まぁ、薬はある。アイツもそれで症状が緩和されている以上、完全とは言わないがかなりの効果は望める。そこまで気を張ることはない。ここまで発症してない以上、もしかすると、俺達は空気感染に対しては抗体が有るのかもしれない。しかし接触感染や、体液などを通しての直接感染に対しての抵抗は未知だ。試す事もやめた方が良い。佐倉先生でさえ発症しかけた。おそらく、それに対しては無理なのかもしれない。そこだけは覚えておいてくれ。」

そう言うと全員が安心した顔をした。

「いっくん、こういう時はホント頼りになるね。」

「本当にな。」

「こういう時の男の人は助かります。くるみやゆきちゃんも見習ってほしいわ。」

「知識が有るというのはやはり有利ですね。勉強になります。」

「美紀にこう言われるなんて流石。あれ、私含めてハーレム狙い?」

「圭さん、おかしなこと言わないの。・・私もお手伝いできればいいのですが・・。」

全員が落ち着いたようなので、俺は薬の成分を調べることにした。

予想通り、少しだけ改良した抗生物質だった。ソレを車に居るアイツに投与し、経過観察。

二日後、問題なしとなり、全員と挨拶する事になる。

 

「初めまして、・・ラジオで【ワンワンワン放送局】を流して生存者を探して居ました所を助けてもらいました、【狗三 夢子(いぬみ ゆめこ)】と言います。皆よろしく。」

 

 




【狗三夢子』という名前はオリジナルですが、人自体は助からなかったあのシェルターの女性です。
個人的に助けたかったのと、あるファクターとしての存在が必要だったからです。
とりあえずは、オリキャラじゃないことだけ理解してもらえると助かります。
それでは、また次回。

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