インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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どうも、私です。
最近めっきり寒くなってきたのでこたつを出しました。
すっかり秋めいてきたので優雅に紅茶を飲みながら本でも読もうと思ったのですが、どうも私はこたつに緑茶とせんべいと言う感じで優雅とは程遠いのが落ち着くようです。

それでは、本編へ。
授業開始です。



第十八時間目

俺は徹夜でそれぞれの見張りに声をかけて寝ないようにする。

そして見張りの一番手は狗三だった。

「やあ。それじゃよろしくね。一応、前に練習してるけど、本当に感染者が歩いているような危機的状況じゃなかったからね。少し緊張してるよ。」

「それくらいが良い。程よい位の危機感を持っている状態じゃないと、細かい違和感やおかしい状況に気が付かない場合もあるからな。」

そう言う俺は、変身せずに椅子に座って足を組んでいる。

「どう見ても寛いでるけど?」

ジトりとした目で見られる。

「どうせ長期戦の様な物だ。お前は途中で抜けるが貫徹の俺はどうもこう言うのは慣れっこでな、なれるというか・・ダレるというか・・。まぁ、そう言う事だ。」

そう言って俺は両手をあげる。

傍目に見る限りは、全く持って緊張感の欠片も感じないだろう。

だが、既に俺は罠を仕掛けている。

『・・ピン・・チリン』

そんな音が聞こえる。

「え?今の音は何!?」

「あの音色は北西の通りか。少し行って来る。」

そう言って俺はギアを手に持つ。

「『Zeios igalima raizen tron~』♪」

イガリマを装備する。

「さて、・・シャルロット・・力を借りるぞ。」

懐かしき思いでの中になった、明るい性格の親しき友人を思い出す。

 

≪◆推奨BGM『デンジャラス・サンシャイン』≫

 

緑色の光と共に、その手に俺の背よりも大きな鎌を持つ。ソレを振りまわして感覚を確かめる。

「それじゃ、さっさと逝くデス!」

シャルロットの口癖を真似して、明るく振る舞う。

駆けだしたのは音がした方向だ。

音がした『ソレ』は【ダウルダブラの竪琴】で張った線だ。

音がしたという事はそれに触れたか、当たって切れた音だ。『チリン』という音はその意図につけておいた鈴の音だ。全員が夕食の支度をしているうちに見回りを兼ねて近くの各所の道に仕掛けておいた。

鈴の音はそれぞれ違い、低い音や高い音、二回連続で鳴るようにしたのも有る。それで何処が鳴ったかですぐに対応できる。後で回収する気はなかったので、すぐに切れる軟い物にしておいた。

そして駆けだしてしばらく、公園内を超えて道にまで出ると、

「「「「うあぁ・・あぁ・・」」」」

「「「あうぅ・・」」」

「「ぐぅううう・・」」

結構の数の感染者が居た。

「お前らの魂、革命の礎にさせてもらう。・・大人しく、『逝け』。」

鎌に錬金術の術式をかける。そして、肩のブースターを噴かせて一気に跳躍、一番手前のサラリーマン風の感染者の首を落とす。

≪切・呪リeッTぉ(キル・ジュリエット)≫

振り上げた鎌の刃が三枚に増えて、ソレを振る事で飛ばして奴等を複数切り裂く。

「さぁ、・・織斑一夏、参る!!」

≪封伐・PィNo奇ぉ(ふうばつ・ピノキオ)≫

肩のパーツから複数のアームについた鎌が出て、それにより敵を切り裂く。

次には鎌を二つに分けて、鋏のようにして数体の感染者の身体を挟み上げて、そのまま閉じて挟み切る。

≪双斬・死nデRぇラ(そうざん・シンデレラ)≫

肩のパーツが形状を変えてブースターを出す。そして、鎌を構えるとそのまま回転して感染者の塊に突っ込む。駒のようにして回る鎌に触れた感染者は切り裂かれて飛んでいく。

≪災輪・TぃN渦ぁBェル(さいりん・ティンカーベル)≫

その戦闘音を聞いて近隣の感染者が更に増えた。

鎌を今度は長刀『ナギナタ』に変えた。衣装も歌舞伎者の様な格好になる。

「そらそらそら!!行くぞ、行くぜ、逝けぇ!!」

声をあげる事で、更に感染者が寄って来る。ソレを切り捨てて、噛みついてくる奴を避けて吹き飛ばし、蹴り飛ばして、石突でついて離し、大振りでまとめて切り裂く。

「大立ち回りには少々物足りないが、感染のリスクが有る分からしたら十分スリルが有って良いな!面白くなってきたぞ!」

最近、少し思う通りに暴れて無かったからか、少々ストレスがたまっていたようだ。

いや、過去の事を思い出したからか?あの楽しかった頃・・もうすでに遠の昔だ・・。

「~『大好きが、あふれる!』~」

シャルロットの歌っていた声が蘇る。あの頃の温かい思い出が胸にあふれる。

大好きだと声に出して好感を示してくれていたあの優しさが、あの思いがよみがえる。

「支え合って強くなった、あの時・・。俺はあの頃から何も変わっていない・・、いや・・むしろ弱くなっただろう・・。」

そう言いながら下を向いても、見ていない状態で横に来た感染者の首を飛ばす。

「だから・・ここで俺はアイツ等を支える。心の支えとなり、アイツ等に支えられて此処に居る!!」

最後に残った奴を縦に真っ二つに切り裂く。

辺りは血まみれの状態だが、俺はギアの影響で血を浴びても、特殊な振動数で跳ねられて体はすぐに清浄化される。

ギアに施した錬金術の術式から魂の力をエネルギーに変換した物を取り出して専用の錬金術の練成陣に移す。

辺りを見回して、人影が無い事を確認して変身を解く。

ギアを纏っていたから全く汚れなどはない。俺はその場に一度【ダウルダブラ】の線を張り、鈴をつけておく。そして、車の位置まで戻り始めた。

そして、元のキャンピングカーの近くの、夜番の机や椅子が有る位置に戻ると狗三が顔を青くしていた。

「どうした?」

「いや、早速現れたからね。私の番は早いから大丈夫と思っていたから・・」

「むしろ深夜の方が徘徊する数は少ないだろう。生きていた行動からすれば、コレは塾などの習い事で帰るのが遅いタイプの帰宅の時間や、仕事終わりの一杯に行くなどの時間だろう。生前の行動からすれば、こういう時間はまだ歩きまわるのが多いという事だ。逆に深夜などの時間帯ならばそう徘徊するのはいない。しかし、偶には居るし、そう言う奴はいろんな所に行くのが多い。こう言う自然公園などの中に来たりな。お前以上に辛い時間帯で緊張するだろうが・・まぁ、俺が居る限りは指一本触れさせない。お前等は、俺が守る。・・俺の魂と存在にかけて『護り通す』。それが俺の役目だから・・定めだからだ。」

俺の前世から続けてきた護る役目。『アイギス』のギアと共に刻んだ俺の魂の形だ。

だからこそ、・・俺は死んでも護る。何が何でも・・最悪な状態でも・・。

そう思っていると狗三が顔を赤くしていた。・・言われ慣れてないか・・。

「あ、あはは・・。その・・熱いね・・。」

「俺は前世から続けてきた事だ。今更照れる事などはない。胸を張って言えるからな。」

「そう言うの・・凄いと思う。」

そう言っていたら車から次の番の一人が降りてきた。

「あれ?いっくんとゆめちゃん、どうかしたの?」

少し狗三が慌てていた事に気が付いたようだ。

「俺の昔の事を聞いて驚いていたんだよ。前世でも人を守るために闘ったりして居たって言う事から、凄いって言う話になったからな。」

「あー、そう言う事か。うん!すっごいよね?そう言うの、ヒーローって感じ!」

本気にしたらしく、頷いて納得している。やっぱりこいつは能天気だな。

「ヒーローなんて柄じゃないが・・会社からの指示でアイドルをしていたことはある。」

「「マジで!?」」

二人の声が重なった事で俺はびっくりする。

「あ、・・あぁ。妹とコンビでデュエットや、ソロの曲を唄っていた。向こうの世界のロボットみたいな、『IS』ってパワードスーツを使って空飛んだりしたし、錬金術の術式で演出をしたりもしたな。はしゃいでいた頃だ。」

懐かしい・・。そう思いながら空を見上げる。満月だった。

「俺が一度死んだ日もこんな月の綺麗な日だった。日の出になる暁の時間に俺はその命をかけて最期の力を使った・・。一番大きかった戦いの終わりは人を守り、自己犠牲で終わったんだ。・・まぁ、ホムンクルス体を作っていたから、そちらに記憶の転写をして帰って来たがな。そん時は子供の体で、リアル『見た目は子供、頭脳は大人』みたいな状況だった。ネタにしかならん。」

そう言って手を振ると二人は笑っていた。

「さて、狗三は寝る時間だ。丈槍、見張りだからな?お前は寝るなよ?」

どうしてもボケッとしたようなイメージのある丈槍につい突っ込みを入れてしまう。

「いっくん酷い。私、授業でも居眠りした事無いんだからね?」

「代わりに夜寝るのが早く、朝起きるのも早そうだな。」

「うぅん、起きるのはゆっくり起きるよ?」

「・・聞いた俺がバカだった。」

そうだ、コイツはだいたいいつも一番早く寝るのに、一番遅く起きて来るんだった・・。

やはり子供っぽい扱いで十分だな。

奴等が近くに現れない限り、ゆっくりとしておこうかと思い珈琲を沸かす。

キャンプ用品のセットで持ってきていた小型ガスコンロに少し大きめの金属製のカップを乗せて水を入れて湯を沸かす。途中のコンビニに有った真空パックの珈琲豆を開けて、専門店に有った『フランネル』と言う柔らかい布製のネットに豆を入れる。

そして、ポットにかざして上から沸かした湯を入れる。

コレは【ネルドリップ】という方法で普通よりも豆の油が出る事で苦みが抑えられて丸い味わいになるのが特徴だ。

だが、どうして一般的にならないかと言うと、この『ネル』が手入れが大変で、適当に扱うとすぐに痛む。喫茶店でもあまり使わない理由がそれだ。基本的にはサイフォン式が楽だし、時間的にも早く入れれる。だが、煮出す分苦みや渋み、雑味が出やすいのだ。

そこまで気にしないで良いのだが、時間も有るし、一度やってみたかったんだ。

入れたコーヒーにミルクましましの砂糖を多目で丈槍に渡す。

「あ、ありがとーいっくん。」

「ついでだ。気にするな。・・ふむ。」

【ズズッ】と音を立てて熱いコーヒーをすする。なかなかいい感じだが・・豆があまりいいもんじゃないらしい。出来れば今度は好みの豆で入れて見たいものだ。

時間は静かにゆっくりと進んで行った。

 




最近になってゆるきゃん△にハマりました。
しかもちょうどCMもやっていて、その影響でカレー麺を食べたくなったり、餃子鍋もやりたいなぁ。と思いました。
辛いのも餃子も大好きです。

それでは、また次回。

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