インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】 作:金宮 来人
最近寒くなりましたね。
私の地元でもカキがおいしい時期になりました。
なのですが、今年の水害でカキ筏が多く壊れたりして漁獲量が減っているそうで、
私の行きつけのカキの直売場も数量を限定しているらしく、今年はカキをあまり食べれませんでした。残念。
直売所とスーパーで買ったカキでは濃厚さが違うので、できれば直売所で買いたいのですがね。カキ小屋などで食べるか・・。
それでは授業開始です。
滑川小学校を後にして俺達は聖アンドレアス大学を目指す。
途中、若狭の状態が不安定になる事もあった。
「るーちゃんは・・」
そう繰り返して滑川小学校に戻ろうとしたり、
「るーちゃんが!待ってる!探さないと!」
と言って取り乱す事もあった。
「りーさん、落ちついて。」
「りーさん、大丈夫とは言えないけど、信じてあげないと。」
「りーさん、冷静になってください。この状況では何処に居るかも分からないでしょう。」
「どうなっているかもわからないのに、何処を探すというのですか?若狭さん、落ちついてください。」
「胡桃と丈槍、美紀と佐倉先生の言う通りだ。もし見つけたとしても完全に治す薬が無い以上どうしようもない。じりじりと焦る恐怖を妹に与える気か?」
俺はその焦る若狭にあえて冷たくする。それにより俺に対する敵がい心から、少しは気がそれたようだ。俺を睨んだりして俺の言う事に反対しようとしたりするが、冷静に考えると理にかなっている事を周りが言うとそれに応じる。
結果として少し俺は全員から距離を置いている状況にした。キャンプカーから降りて帽子をかぶった錬金術師コートスタイルで足元に氷の術式を出して滑りながら背中に風の術式で推進力を得て進み続けていた。ギアやキャスターを用意していない理由はここら辺にあまり感染者が居ないからだ。もう少し進むと大学だ。
その門が見えてきた。俺はキャンピングカーに少し門から離れた所で止まる様に合図する。
門の近くには感染者が複数いた。おそらくは元が此処に通っていた学生だったのだろう。門のあたりに群がっていた。ソレを見ていると準備したメンバーが降りて来る。胡桃、丈槍、美紀、それと目を反らしたままの若狭だ。後は車を守っているようだ。生存者がいてもそれが危険だと判断したら学園なりと逃げる事も考えて車を確保して、すぐに逃げれる様にした。
「・・あそこに梯子が有ることから、日常的に出入りをしているんだろう。・・そうなると武装している可能性が有る。奴等を倒せるようにな。まぁ、武装しているというのはおそらくという考えなのだが、食料などを取りに出たりする際に俺や胡桃みたいにしっかりと武装している状態で無ければ無理だと思う。故にひと固まりで動く。先ずは俺、それから順に全員が入って来い。胡桃は殿を頼む。もしも音に気が付いて感染者が来た場合に対応をしてくれ。声を上げてくれればすぐに動く。」
「了解。」
「丈槍と美紀、それから若狭は俺の後について順番に中に入れ。」
そう言って俺は少し加速をつけて一瞬足の裏に風の術式を展開。そのまま飛んで塀を超えて敷地内へ。感染者が居ない事を確認する。
「よし、奴等はいない。」
そう声をかけると、外の梯子から丈槍が上がって来て中へ降りるはしごで降りて来る。続いて美紀、若狭が降りて最後に胡桃が降りてシャベルを構え直す。
「よし、校内探索を・・」
「そこに居る全員!手に持つ物を置いて、手を上げてその場で動くな!」
校舎のすぐそこの茂みから拡声器の様な物を突き出した手が見え、その茂みからボーガンが突き出された。
「えぇ!?」
「いきなり何を!?」
「私達、生存者・・人間ですよ!?」
「そんな物を向けるんじゃない!!」
俺以外はそう声を上げるが、
「うるさい!そんな事は分かっている!もう一度だけ言うぞ!?手に持つ物を置いて、手を上げて動くな!次は撃つぞ!?」
「「「・・・・。」」」
三人は荷物を置いて手を上げる。胡桃、美紀、丈槍だ。若狭は・・
「これは・・るーちゃんのだから・・放すもんですか・・。」
滑川小学校で見つけた妹の帽子を胸に抱いたままだった。
「クソ!!俺は言ったからな!?」
茂みから立ち上がった男は、ボーガンを若狭に向けて、そのトリガーを引いた。
即座に胡桃がシャベルを拾って楯になろうとするが、
「そもそも俺が居る以上そんなおもちゃは効かん。脅しにもならん。」
指を【クイッ】と動かすと俺の手に出していたダウルダブラの弦がその矢に巻きついてバラバラに切り裂く。
「な!?」
「相手の出方を見ていたが・・どうやら相容れないようだ。この場は去ろう。あぁ・・追いかけて来て何かするなら、容赦をする気はない。・・覚悟する事だ。」
相手の男と俺が正面で見あっているうちに四人は梯子を上ってキャンピングカーへ走って戻った。俺は通信を入れる。
「どうも此処は合わんらしい。攻撃をされた。だが、まぁ・・最悪生存者を始末して施設を使うのもありだし、とりあえずは裏門へと行くぞ。そっちから入ると俺の目的の理科実験棟が近いはずだ。さっき校内敷地の掲示板が有った。先導するから行くぞ。
俺が裏門への道を先導し走り始める。足元に風の術式を出して軽く浮いてホバー移動みたいだ。
そうして移動しているうちに後ろから車の音が近づいてきた。
『後ろから、さっきの人達が追ってきた様ですよ!?』
「・・この塀沿いに行け。俺が止めておく。」
ダウルダブラの線を持ちあげて道の両端にあった電柱に巻きつける。
楯横斜め絡ませ編み込み完全な弦による壁を作り上げる。
「ただのワイヤーより強く、ピアノ線よりしなやかなこの弦を越えれる物なら越えて見ろ。」
俺はそう言ってその場を去った。後ろからはクラクションが鳴り響いていた。
裏門につくとそこに車は無く、代わりに見たことのない人物が三人立っていた。
「ふむ?ここへ車が来なかったか?」
相手が武器を持っていないことや敵意がないことを確認した俺は武装を解除する。そしてそこにいた女性達へと声をかける。
「それなら中へ入りました。さっき車に追われていましたよね?あなたも一緒だったんですか?」
「私たちはあの人たちと袂を分かち、別に生活することを決めたメンバーです。」
「とりあえず、歩きながら話そうか。」
そう言われて三人と一緒に歩きながらさっきの続きを聞く。
「分かりやすくあちらを強硬派、または武闘派と言いましょうか。私たちは反武闘派ですね。」
「あちらのやり方に賛成できない人や追い出された者が集まって別の区域で暮らしているんです。」
「あちらから逃げてきたのが見えたんで、こちらの方で保護させてもらったんだ。奥に皆はいるよん。」
どうもこのメガネの人は少し軽い感じのようだ。パーカーのような服のポケットに手をつっ込んだままだし。
「そうか、なら。・・安全を確保していただきありがとうございます。あのメンバーの大まかなまとめ役をしていますので、代表してお礼申し上げます。」
俺が軽く頭を下げてお礼を言うと目を見開いて固まった。
「い、いや・・そんな大したことじゃないし・・。」
「いえいえ、どの道この大学に入る予定ではありましたが、安全が確保されているのならあのメンバーには大変ありがたいことですので。」
お転婆や天然のメンバーが多いあの集団を受け入れてもらえるのはありがたい。こうも敵意が無いならば安心できる。
「えーっと、・・さっきと態度が大きく違わない?」
「代表してということですので・・。それとも、こちらの方がいいのか?初対面だから初めはどうしたものかと思ったが、恩人ならば丁寧にした方がいいかと思ったのだが?」
「あはは。大丈夫だよ、普通にしてくれていいよ。むしろ固くなるとやりづらいかな?こっちはのんびりしたメンバーだからお堅いのは無しだよ。」
「そうか、そう言って貰えると楽だ。実はあまり慣れてないのでな。」
「いやいや、十分しっかりしていたよ?」
「まぁ・・年を重ねた分はそれなりに場数を踏んでいるのでな。」
「年って・・君どう見ても私たちより若いよね?」
「・・ふむ、後で言うから二度手間になるが・・まぁ、いいか。俺は所謂『転生者』と言われる存在でな、別の世界で生きていた人間だ。頭がおかしいと言われるかもしれんが、これでも世界を渡ることをしてきたのでななかなかに荒波にもまれたのだよ。見た目通りの年ではないしこれは一番動けるときの姿なだけだ。そもそも一番初めに転生した時から別の世界の知識を取り入れているので、・・『こうやって』・・錬金術が使える。」
手の上に『火の錬金術式』を展開して火を浮かべる。
「・・は?・・えぇ!?はぁああああああ!?」
大声で驚かれた。
大学到着です。
ただ、り-さんがおかしくなってないので状況はかなり変わっていきます。
まぁ、最強戦力【チート持ち】が居ますので原作ほど大変なことにはなりません。
では、また次回。