インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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感想が多い事に嬉しくて投稿です。

冗談です。明日また投稿が遅くなりそうなので
今日のうちに投稿させてもらおうと思ったのです。

皆さまの応援と感想で、私は完走できると信じています。
では、修羅場、行ってみよー(え?」


インフィニット・ソング 05

「・・・おどろいた・・。」

担架で運ばれた先はアリーナの救護室。そこで包帯を外し、傷口を見ようとした教師はそう呟く。

「君は医療タイプのナノマシンを使っているのかい?」

「あぁ、上司の知り合いにその方面に強い人がいてその人に。まえに、少し大きなけがをしてその際にな。」

傷口はふさがりつつある。まぁ、傷跡は残るだろう。

「ふーん。まぁ、傷口は縫うほどでは無くなっているし、後は流れた血が少し多かったから安静にね。」

そう言われて診察は終わる。俺は「すまない。」とだけ答え部屋から出ようとする。しかし、

「ダインスレイフ、貴様を拘束する。ISをこちらに渡せ。」

そう声がして入口から教師が数人入って来る。

「な、彼はけが人で安静なのに!?」

そう救護室の教師が言うが戦闘に立つ教師には関係ないようだ。俺を睨みつけ、手を前に出す。

「もう一度言う、ISを渡せ。」

「何の権限が合って・・。」

「貴様の機体が危険だと判断した。」

「はん、貴様の独断か。」

そう言うと周りから怒りの様なものが感じる。まったく稚拙な殺気だ。

「そこの四組の生徒を一時的に気絶させ、無関係な織斑に手を挙げた。」

「前者は試合で有り、後者は明らかに正当防衛だ。事実、俺は武器を出していない。」

「そんな事はどうでもいい。さっさと言う通りにしろ。さもなくば・・」

「さもなくば・・どうなるのかしら?」

入口から二人の新しい影が入って来る。聞きおぼえがある声だ。・・なんてボケはしない。

「スコール、オータム・・。」

「何者だ?部外者が入って・・」

「部外者ではない。私達は列記とした教師だ。今日付けだがな。」

「なに!?」

手に持つパスコードカードと身分証明、さらに学園長のサインの入った書類を出す。

「・・だが、貴様らに何の権限も・・」

「はいこれ。」

手に持つ端末を織斑千冬に渡す。

「・・ダインスレイフ兄妹に関する機体には特例を持つ?・・どういうことだ!?」

「どうもこうも、彼らの機体はIS委員会直属の私達が管理に付きます。コレはIS委員会会長からの指令です。さらに、学園長からも許可がありそれを破るなら罰則がある。そこに書いてあるとおりよ。それに、一応私が元所属していた企業だから、と言う事で他の人にメンテナンスしてもらう必要もないし、IS委員会の方で管理するからデータを開示する必要もないわ。まぁ、貴方は面白くないでしょうが、そんな事はこっちには関係ないの。さらに拘束って、何の権限が合って出来ると?私達は一教師。そのような機関ではなければ、軍人でもない。貴女は、ただ気に入らなければとらえて罰する屑の女尊男卑の女その物よ。恥を知りなさい!!」

本気でキレるスコールを見るのは、初めてかもしれない。後ろで、今にも殴りかかりそうなオータムを後ろ手で押えている所には理性が残っている所を感じるが。

「っく・・。ふん!!」

そう言い残し織斑千冬は去って行った。つられて他の教師も慌てたように出て行く。俺は、スコールとオータムの所に行く。すると後ろからマドカが出て来た。泣きそうな顔で・・。

「イチカの元に行こうと思ったのに・・あの屑に止められて・・。ごめん・・。」

そう言うマドカを抱きしめる。

「・・いい。大丈夫だ。」

「っぐす・・。」

抱きしめた胸の中で泣きだしたマドカの頭をなでて、スコールとオータムを見る。

「教師とは思っていたが、IS委員会の直属や会長の指令と言うのはどう言う事だ。」

「うちの社長(束)が話したのよ。【このままISを兵器として使用するならコアを止めるつもりだ。彼は宇宙開発の為に目的を持っている。彼を邪魔する気ならこっちも黙っていない。そして、織斑千冬や女尊男卑の奴等は彼を排除しようとする。私は、彼を護るためになら鬼にでもなるつもりだ。すでに、私は彼女も彼女の弟も私の妹さえ怒りを覚えている。確かに、ISを作ったのは私だ。だが、誰が人殺しに使えと言った!彼女はそれを助長している。IS学園さえ軍人の養成所の様なものだ。そんな事は私は望んじゃいない!】そう・・はっきりと、今まで他人を認識しなかったと言われていた彼女の慟哭を聞いた委員会の会長は、本気で後悔していた。だって、会長は男で、ただ言われるままにしていただけだった。しかし、今回の件で彼は実権を使い本気で動き始めた。彼の人となりはよく多くの国の企業やトップを動かした。そして、彼らが私達の事を認めてくれてテロリストのリストからは消された。今から、世界は変わり始めるわ。」

「・・俺が表に出た事でやっと変わり始めるか・・。」

それにしてもIS委員会の会長って男だったのか。普通に女かと思っていたが・・。

「イチカ・・大丈夫か?」

顔色が悪いのかオータムが心配してくれる。

「すこし、血を流しすぎたようだ・・。部屋で安静にしたい・・。」

肩をオータムが掴んでくれてそのまま進もうとするが胸の中にはまだマドカが居る。後ろからオータムが押して来たので体が密着した状態になる・・。

「・・。」

俺がどうしたものかと考えているとオータムがにやにやし始める。

「どうした?私の胸が気持ちよかったか?」

「なんだと!?」

オータムの言葉にマドカが反応した。そして、二人でいい争いが始まる。マドカの胸は控えめだからな。まぁ、年相応だと思うのだが・・。

「いいから部屋に戻るぞ・・。」

そう言いつつ俺は部屋の方に歩き始める。スコールがそっと肩を支えてくれて余分な力を抜ける。楽に歩き始めた。

 

 

『あの屑ども消そうか?』

『消しましょう。』

部屋に戻ると、束とクーからそう言われた。

「いや、待て。」

二人とも一体誰に・・織斑姉弟か。

「落ち着け。今度からは下手に手はだせんだろう。」

そう言いつけたからな。下手をすれば退学だけでなく逮捕までいくかもしれない。IS委員会直属の指令だからな。

「・・・それで済めばいいのだけどね。」

そう、スコールがため息をつく。

「だな。アイツ等きっといろいろとやって来るぞ。」

そう言いつつオータムは頭に手を当てる。

「マドカは・・・落ちつけよ。」

ナイフの手入れをしているマドカを見て呆れる。ナイフをケースに入れて本気の目つきで頷いている。

「それに・・俺はまだ本気は出していないし・・アイツに関して今回は様子見だ。織斑姉弟はアルケミストの能力解放で歯牙にもかけなくなる・・。もう少しかかるがな。」

そのためにはオートスコアラーの能力を解放する必要がある・・が、まだ時間がかかる。俺自体だけでなく他の方面の関係があるから下手に急げないのがもどかしい。ガリィとミカを先に回したのは少し悔やまれる。

「まぁ、それだからお前らは心配はしなくていい。後は・・?」

そこまで話していると部屋のドアがノックされる。来客だとハンドサインで知らせると束とクーは手を振りつつ回線を切り、スコールとオータムが資料を手に持つ。一応そう言う体裁を整えるためだ。更にマドカはナイフを構える。おい、お前だけなんで臨戦態勢なんだよ。

「誰だ。」

「私は、更識楯無。生徒会長よ。話がしたいの。」

ドアの向こうから聞こえた声はかなり真剣なようだ。。

「・・今来客が居るんだが長くなるか?」

「スコール・ミューゼル先生とオータム・ハート先生でしょ?その人達にも関係あるの。」

そう言っているこの人物。・・・たしか、日本の対暗部組織だったか?束の注意人物リストに居たはずだ。一応全員の方を見る。全員が頷いたのを見て鍵を開けて、ドアを開く。

「・・・驚いた。色々と言ってドアを開かないと思っていたわ。」

「俺はそこまで狭量なつもりはない。それに、言いたい事はわかっているし、どちらかと言うと協力を得たかった相手でもあるのは本音だ。」

そう言ってスコールに顔を向け指で戸棚を指してその後手を開く。スコールは頷き戸棚から湯呑を五個、更に緑茶の茶葉を急須に入れてポットで準備をする。

オータムは部屋の丸テーブルを広い所に置きそこに椅子を二つ置く。勉強用のいすをベット脇に置き自分はそこに座った。

そして、準備された椅子に俺は座り、マドカは一応立ったまま俺の後ろに控える。スコールがお茶を入れてそれぞれに配り、更識の分をテーブルに置く。その後自分の分を確保してベットに腰かける。

「では話そう。俺は、イチカ・ダインスレイフ。正直、偽名なのは知っているだろうが、一応俺はそう名乗っている。昔の名は捨てた。それに、【織斑家のでき損ない】はもういないのだからな。」

「そう・・。私は更識家現当主、更識楯無。一応私も本名と言う訳ではないわ。でも当主は楯無と名乗る物であるから私の名前はそうなの。」

「知っている。で、本題は?」

茶を口に運びつつ大体の予想は付いているがな・・。と眼を向ける。

「何が目的で簪ちゃんに近づいたの!?」

『ぶーー!!』

思いっきり噴き出した。全然違うとは思っても見なかった。てか、

「どこがこの後ろのメンバーにも関係あるんだよ?!思いっきり私情じゃねぇか!?」

「関係あるわ!後ろの貴女達が貴方に関係している。そしてそんな人が簪ちゃんのクラスに編入してきた。勘ぐるでしょ。私に対する人質とか。」

「一切考えてない方向からのアピールだな・・。俺は編入手続きに対しては知らない。織斑千冬以外のクラスならいいとしか言っていない。・・・そこら辺は話した学園長、轡木十蔵にでも聞いてくれ。」

「・・ホント?」

疑う様な眼で見られてもなぁ・・。正直、

「逆に聞くが、俺はお前の妹とやらが居ることさえ知らないんだぞ?そんな俺がどうするというんだ。それに、初めに言った通りどちらかと言うと協力を得たいんだ。俺には・・あまり時間がない。無理しすぎて寿命は極端に短くなっている。おそらく、三十までは無理だ。」

「「「!?」」」「な、なんだと!?」

部屋中に動揺が走る。俺以外全員が驚く。

「へ!?あ、貴女たちも知らなかったの!?」

「あぁ、初耳だ。どう言う事だ、イチカ!!」

オータムが俺を掴み上げる。

「・・・オートスコアラー・・ギア・・アルケミスト・・これらを使うために俺は色々と犠牲にした。何かを動かすためには何かが必要だ。コレは化学でも『錬金術』でも一緒だ。そして、物理法則に囚われない方法で動かす事に至った俺は、ソレを組み込み力を得た。しかし、大きすぎる力は代償も反動も大きい。結果、俺は感情の熱をエネルギーとしてオートスコアラーを動かし、感情の一部と強制同調剤『リンカー』を使用し適正の低いギアを装備。開発に時間かけたくないため極力体に無茶をさせアルケミストを開発した。・・正直俺の体はボロボロだ。束とクーは知っている。その上で俺の体をどうにかできないかと探ってくれて、医療用ナノマシンを改良し俺に組み込んだ。・・どうだ?俺に同情してくれるか?」

オータムから視線を反らし更識を見ると信じれないと言った表情をしている。

「・・俺は疲れている。長生きなどする気はさらさらなかった。実は昔から色々と悟っていた俺は自身の思いを隠し、実力も隠し他人を見ていた。…何が家族だ、何が血が繋がっているだ!!結局はその能力だけで依怙贔屓して傷つける!!ソレのどこが家族だ!!ソレのどこに繋がりがある!!俺は!!・・・だから俺は、自身の夢を実現するために他人も巻き込んだ。だが、その他人の方が俺を家族として温かく見てくれる・・受け入れてくれる。俺は・・どうすればいいか分からなくなってきたよ。」

本当は話すつもりもなかったが口を開くととめどなくあふれてくる俺の思い。一人で死ぬのが怖いのか・・どうしたのか・・。そう思っているとオータムが俺を強く抱きしめる。更にスコールが後ろから頭をなでる。マドカは袖にしがみつき泣き出してしまった。

「・・ごめんなさい・・。貴方が怒る意味が初めはわからなかった。でも、貴方は誰よりも頭が良くて、その上優しかったのね。・・お願いがあるの。ソレを聞いてくれたら私は貴方を信用します。」

ハンカチで目元を拭きながら言う。俺の言う事で泣いてくれるのか・・。

「お願いか・・内容に依るな。それ以上に言いたいのが・・アンタホントに対暗部か?俺の話に感情移入し過ぎだ‥。だが、ありがとう。」

「えぇ、対暗部としては駄目ね。・・内容は、私のさっき言っていた妹の事。そう、私は周りの言っている評価の事と一緒に思ってもいない事を言ってしまい、彼女を傷つけたの。そして、私はそれを後悔している。それは・・」

そうして話して行くと色々と長いのでカット。と言うか途中から妹自慢が始まっていた。

まとめると、

・妹に暗部の仕事をさせたく無くて『貴女は無能のままでいて』と言ってしまった。

・そのせいで従者も遠のかせている。

・悪い事が重なるもので日本の代表候補生になったのに開発途中の機体を男性操縦者の機体の為に開発途中で凍結された。

・それもこれも、織斑千冬が指示した事の所為らしい。

・更に何故か織斑冬二が妹に色目を使おうとしているらしい。【従者の一人からの報告】

・凍結された機体の制作を手伝うとか言って近づいてきているが本人は拒否。そのせいで人間不信が進行しているようだ。

と言う事。

「・・・めんどくせぇ事になってんな。」

ついため息が出てきた。つか、あの男あの性格のままか。

「・・昔から女に対し色目使っているのは変わらねぇのか・・。ガチであんな奴と同じ血が通っているとか思いたくないな。」

まぁ、もうすぐ血の内容も変わるだろうがな。ナノマシンとギアの所為で。あのように血を出すほど大きな怪我をすると・・な。

「まぁ、同じクラスだ。どうにかできるかもな・・。実際ただのIS作るくらいなら速攻で出来るし。」

「・・は?貴方が?篠ノ之束博士が関わっているって聞いたのだけど?」

「ん?あぁ、マドカのは・・な。俺は完全オリジナルだ。コアから新記憶媒体。装備からシステムまで全て俺の物だ。・・さっき言っていた錬金術・・信用できるか?」

「あぁ、・・・はぁ!?ど、どう言う事!?」

「俺は言っているように錬金術師なんだよ。あの機体にはその技術も含まれている。だからこそ、他に開示できないんだ。理解できたか?」

「え、えぇ・・。はぁ、織斑のでき損ないとか言われてたのに・・」

「能ある鷹は爪を隠す。そう言う事だ。・・まぁ、一応作ることに対しての意見が聞ければ少しは進展するだろ。」

 




はい、やはりこうなりました。
皆さま嫌いな力ずくのブリュンヒルデ様でございます。
スコールやオータム仲間にして権力持たせるとこんなにも頼もしいんだなと書きながらも思いました。
事実、亡国機業は手強いのは、実動班のこの二人が手強いというのもありますよね?

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