インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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どうも、わたしです。
今回は二本立てで投稿します。
と言うか最終話前と最終話です。
と言う事で最終話前行ってみましょう!

授業開始です!


第三十三時間目

深夜、俺がデスクの部屋で錬金術を組み込んだ装置を作っているとバタバタと足音が聞こえた。

「いっくん!?椎子さん!?ちょっと来て!!」

それは丈槍だ。

いつもならぐ~すか寝ている時間だというのに、いったい何があったというのか。

相当に焦っているようだったので、俺も持っていたものを置いて立ち上がる。

「なんだ?」

「どうかしたのか?」

「端末からなんか音がしてるの!」

「「!?」」

二人してお互いを見て頷く。

「行こう。」

「見せてみろ。」

そして寝室の部屋に行くと全員が端末を真ん中にして座っている。

「連れてきたよ!」

丈槍がそう言うと全員こちらを向いた。その顔が緊張した顔になっているのがわかる。

「見せてみろ。」

そう言うとこっちに端末を見せる。

『ザ・・ザザ・・』

ノイズのようなものが音がしている。

「ノイズのようなものがずっとなってて・・」

「ふむ・・、これはノイズじゃないぞ。モールスだ。」

「あぁ、確かに‥こ、ち、ら、ら、ん、だ、る、ほ、ご、き、こ、う・・ランダル保護機構だと?」

俺が眉間にしわを寄せる。

「あぁ、そのようだな。ボーモン、音声通信にできるか?」

『ハンドシェイク中・・どうぞ。』

【ボーモン君?起動したの?いったい誰が・・】

「もしもし!!」

【誰かそこにいるの!?】

「います!生きています!他にも7人ほど!」

【!!緊急報告!生存者確認!繰り返す、生存者確認!!緊急対応準備!】

通信の向こうがいきなり騒がしくなる。

正直、俺はこの通信がものすごく嫌な予感しかしない。

【そちらの状態は安定してる?】

「今のところ、安定しています。」

【わかった!救助隊を送るわ。そちらの現在地を教えて。】

そう言われたときに青襲が端末を持つ。

「こちらの居場所はランダル本社ビルだ。」

【!!・・わかった。そちらに行くには少し時間がかかるかもしれないわ。】

「どのくらいかかる?」

【おそらく数日中には。】

「水と食料はあるからそこまで急ぐ事は無いが、安全にして来てくれ。数日中には助かるんだな?」

【えぇ、もちろん。】

「ならいい。そちらの居場所がわかれば、それなりに移動して分かりやすいところに移動することもできるが?」

【いいえ、それには及ばないわ。こちらの場所は禁止情報なの。感染したことをどうにかしようと自棄になった危険人物が情報を知ると押し寄せる可能性もあるから。】

「それなら仕方がないな。」

【あなたたちと話せてよかったわ。】

そう言われてこのままでは通信が終わると思い俺も声をかける。

「俺が知っているなかでガスマスクをしていたヘリのパイロットが発症していたぞ?あれがお前らの関係者だった場合、もしかしたら感染している可能性が内部にいるかもしれない。気を付けた方がいい。」

【なっ!?それは本当の事なの!?】

「事実だ。燃料がほぼなくなり、墜落したが何とか遺体は形があった。落ち方がよかったから内部を確認した。このあたりの地図と注射器があったが、使用した形跡がなかった。しかし発症していたことは確かだ。」

飛び乗ったとは言えないのでごまかす。それでも全く表面上の傷は無かった。

おそらくガスマスクなどの前に感染したか、内部でも蔓延しているかのどちらか。

後者なら助けが来たとしても生き残れる保証はない。

【・・重要な情報ありがとう。】

「別に、あれがもしお前らの関係者なら危険だと思ったんだ。お前らも、《保護されるだろう》俺達もな。」

【・・そうね。じゃぁ、また。】

『通信が終了したよ。』

その通信が終わった後、俺は元の部屋に戻る。

後ろで喜んでいる皆の声を聴いて、やるせない気分になる。

そのままさっきの部屋に戻ってデスクに座る。

機械と違うが、俺も音声の状況からある程度まで人心把握を行うことができる。

「明らかに、動揺が大きかった。それにランダル本社ビルと行った時に息をのんだ。」

口にして冷静に考えながら状況を把握していく。

「なら、ここは危険視されている。故に何らかの隊を打をしてくる可能性はある。」

さらに数日かかると言っていた。

「故にその数日以内で何らかの対応をしてくる可能性が高い。」

さらに相手は自分たちの位置は教えなかった。

「助けを送る気も、情報を開示する気もない・・と言う事なんだろうな。」

そして、最終的にはどう判断するかはわからんが・・。

「結局は最悪の事態が想定されるわけだ。」

もしも、助けが来るというのならもっと情報を聞き、詳しいやり取りがある。

あれは情報を出さないで規制している対応だ。

「やはりお前もそう思ったか。」

そう言って入ってきたのは青襲。同じようにデスクに座り、端末をパソコンにつないだ。

「ボーモン、さっきの会話の録音を嘘かどうかの解析をしろ。」

【わかった。解析を 始めるね。】

カリカリとパソコンから音がする。青襲はコーヒーを入れて俺のところにも一つ置いてくれる。

「・・これで・・終わりか。」

「そうだな・・。あまりに時間が足らなかった。」

時間さえあればみんな助かったかと聞かれるとその可能性は低い。

狗三が特に危険だが、それ以外も発症する可能性はあった。

時間は初めから足りていなかった。

タイムリミットが唯短くなっただけだ。

「・・・ふぅ。どうするつもりだ?」

「一度解析結果を聞いてから、決めることにしよう。」

「わかった。では私はもう少し解析を待つ。」

そう言ってパソコン前に戻る。俺はその背中を見て覚悟を決めた。

「俺は俺にしかできないことをしてくる。一度外に出るが、しばらくしたら帰ってくる。」

それはあの要石、地上の神の門である【鼓星の神門】を使用すること。

その力の集計地点を【調神社】〈つきじんじゃ〉の上空から転送してランダルコーポレーションの建物に集約されるようにする。

そもそもランダルコーポレーションのビルもレイライン上だ。二つの力を集約するには条件は合っている。

大きな建物だが、その大きさ故にアンテナ代わりに使える。

力は要石の代わりにおいて錬成石、いや、これも一種のラピスフィロソフィカスか。ハート形のそれを二つに開いて中に転送の術式を掻き、もう一方の半分に割った先に転送されるようにした。

残るかけらをもってランダルコーポレーションに戻り、屋上に錬成陣、さらにラピスのかけらを組み込んだ巨大な装置を作り上げる。それは天空の星空を映したような時計。

それを組み込んで今までにないほどの大きな錬成陣を作り上げた。チフォージュシャトーはそれ自体が装置なのではあるが、元の完成型を俺は神に教えられていたからできた。

だが、この錬成陣は俺のオリジナル。

完全に動くかはわからない。失敗するかもしれない。

だとしても、何もしないよりもいいと思った。

どの道俺は消える存在。

ここにいる命は仮初だから。

だから、・・今までの記憶を燃やしても・・こいつらを助けたい。

そう思った。

 

レイラインと【鼓星の神門】が繋がり、ビルの中の錬成陣を通って巨大な錬成陣は完成する。

しかし、それが完成するにはまだ足りない。時間も、代償も。

 

俺が求めていない終わりが刻一刻と近づいていた。

 

夜を超えて作業をした後、ビル内に錬金術の錬成陣を特殊な素材で書いているところに、全員が顔をうつむけて歩くのが見えた。

青襲から聞いた。データの嘘鑑定。

結果は救助の可能性は非常に限りなく『0』であること。

数日以内に何らかの対処をしてくるであろうこと。

それがおそらくは殲滅兵器のようなものであるためどうしようもない事。

 

おそらく誰も助かることができないこと。

 

俺はそれを予想していた。だからこそこうして動いて、前を向いていた。

それは終わりの為じゃなく、始まりのための行動だ。

終わりの始まりではなく始まりの終わりだ。

 

俺はこの間違った物語を終わらせる。終止符を打つものだ。

 

すべての支度を済ませた。そして、珍しく夕食は豪華なメニューだった。

レトルトのハンバーグやカレー。冷凍のステーキも出していた。

「ダメになっちゃもったいないからね。」

若狭はそう表情に陰りを浮かべたまま呟いた。

まるで最後の晩餐のように、豪華な食事。俺は珍しくそれに手を伸ばした。

ステーキをナイフで切って口に運ぶ。

こっそりとレストランで見つけて持ってきていたワインを、開けるのではなく瓶の上部を切ってそのままラッパ飲みする。

「あ、あの・・一夏さん?」

「このように豪華なのだ。少しぐらいは目を外しても構わないだろう。」

そう言って皆にワインを飲ませた。

胡桃は甘え上戸、若狭は説教ばかり、美紀は眠りだして、圭はそれを見て笑っていた。

「いっくん、私たち・・助からないの?」

意外なことに丈槍は不安になり泣き上戸になりかけだった。

そっと肩を抱えて頭をなでる。

「大丈夫だ。俺がいるんだからな。」

「・・うん、そう・・だ・・ね・・。くぅ・・。」

子供をあやすようになでるとそのまま寝た。

佐倉先生と青襲、狗三はゆっくりと飲んでいた。さすが大人。

「もう、怖がることも、不安になることも、重さを感じることもないんですね。」

「大人であることは少し重たかったな。途中からの私でさえも重いと思ったものだ。比べてアイツは本当に強い。」

青襲は笑う。それを見て狗三は苦笑い。

「だから甘えてしまうんでしょうね。」

「くくっ、違いない。」

「私先生なのに駄目ですね・・。」

そう言ってゆっくりと飲んでいた。

 

そして、明朝みんなが眠っている中俺は屋上に来た。

【一夏 みんなを 起こさなくていいの?】

「俺一人でいいんだ。これは相当に苦しいからな。そんなこと俺がすればいいんだ。」

給水タンクの上で座ってボーモンと話す。

「それでは、最後の準備と行きますかね。」

そう言って見上げた先には黒い点が見える。錬金術の窓でそれを拡大する。

【一夏 反応兵器が放たれたよ。】

超高高度からの爆撃みたいだ。あの形状は核か。燃料気化爆弾程度にしてくれるとありがたいのだがな。

「さて、リトルボーイ級か、ファットマン級ならいいが・・、ツァーリ・ボンバ級なら・・きつそうだな。」

 

俺は気合を入れコートを広げて帽子をかぶった。

「さて、最後の大仕事だ。」

 

「派手にかますか!」

 

 




ファイナルに続きます。
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