「おいまたかよまヂでふざけんじゃねえよなんなんだよあれまたかよ報告すんの俺なんだぞなんでほぼ毎日のようにあの怖い顔の前に立って同じような報告しなきゃいけねえんだよ毎朝毎朝報告です!っていってんの俺なんだぞまじでやめろよ最初の方信じてもらえなくてめっちゃ怖い顔で睨まれたんだぞちょっとちびったわあぁまた憂鬱な時間が始まるまぁ最近ははぁまたかっていってなんにも言われなくなったけどな!」
「お前、大丈夫か?目がいいからって変なもん見えてんじゃないだろうな?毎朝そうやってぶつぶつなんか言ってるぞ。」
「怖い顔は最近なれたけどそんな変なものを見るような視線はやめて下さい。心が折れてしまいます。」
「なんだそれ。」
監視係の憂鬱な時間が始まる・・・。
*****
「はぁ・・・!?調査兵団にするって?」
おっ、なんか会話が聞こえますね。おもしろそうだからちょっと隠れていよう。
「お前の昨日の演説が利いたんだよ。」
「えっ。」
演説ってあれ演説扱いだったのか。
俺はただの喧嘩の前ぶりだと思ってたけど。喧嘩の前って頭に血が上って正直な心が出るもんな。
「イ・・・イヤ俺は、アレだ!ジャンだ!ジャンと一緒の兵団に入りたくないだけだ!」
「調査兵団に入る説明になっていないぞ・・・」
「う、うるせぇ!自分で決めてたんだよ!」
やるじゃんエレン。荒れた演説で人の心を動かすなんて。
54枚のカードの名前の大統領になれるぞ。・・・この世界で通じない冗談が悲しい!
「そぅ照れるなよ。やるべきことは分かっていても自分ひとりじゃ踏ん切りがつかないこともあるさ。それにお前だけじゃ・・・。」
「あのぅ皆さん。上官の食料庫からお肉取ってきました・・・」
・・・ほぅ。
「「「!!!」」」
「サシャお前独房にぶち込まれたいのか・・・。」
時々思うけど、サシャって心がすごいよね。あの怖い教官の前でも芋を平気な顔して食ってたって話だ。しかもあろうことか、半分差し出したらしい。・・・ちっちゃい方。
「おい静かにしろ。最近よく出るって噂だぞ・・・。」
「出るってなにが!?お化け!?なにエレン君お化けが見えるの!?」
「うるせえよコニー!副教官だよ!マキノ副教官!あの人毎日のように壁の端に指引っかけて訓練してんの!今もすぐそばで聞いてるかも知れないぞ・・・。」
あたりだぜ。エレン。
ていうか、そんなにばれるものなのね。ごめんね!監視係さん!俺って今のところ訓令兵付きだから毎日あの怖い顔に報告しなきゃいけないね!ハハッ!ま、マジゴメン。
さていつ飛び出そうか。
「えぇ・・・おいエレン、トーマス。サシャなんとか壁に埋めて逃げようぜ・・・。」
「なに言ってんだ、人間の力で壁にそんな簡単に穴が開くかよ・・・」
だんだん指が疲れてきた。そろそろあがろう。
「よぉ諸君。」
「「ファッ!」」
「ゲェェ!」
「・・・なぁ。俺ってそんなに存在がきもかったりするの?顔見ていきなりゲェェ!はちょっとショックなんだけど・・・。」
服を嗅いでみるけど臭くない・・・と、思う。うんきっと臭くない。
「い、いやいやいやそんなわけないじゃあないですかぁ、アハハ。」
コニーが必死に手もみしながら言ってくる。
おい、それはまるで恰好が駄目商人だぞ。
「おい、エレン、トーマス何故必死にサシャを隠そうとする。」
「えっ!え、あ、いやなんでもないですよアハハ。」
反応が一緒で面白い。
いや、もうわかってるからいいんだけどね。
「あー、いいぞ、言わないでおいてやるから。それより食おうぜそれ。」
「いいんですかぁ!!」
サシャの俺を見る目がまるで聖人を見ているかのようだ。
「え?いやだって、ばれたってお前らが責任取るだけだし。さすがにお前ら肉食ったの誰かにばれても俺の名前出したりしないだろ。」
「・・・。」
俺を見る目が濁った。
「・・・ウォール・マリアを奪還する前祝いに頂こうってことですか。」
「いいんじゃね、言い訳はそんな理由で。」
「い、言い訳・・・。」
トーマス君の目も濁った。
「・・・・。」
「ぐぅ、俺もその肉食う!」
「わ、わたしも食べるから取っといてよ!」
「よっしゃあぁ。その息だぜ、さっさと作業終わらせろー。空いた時間に食っちまおうぜ!」
ふふ、肉効果は絶大だな。
感謝しろ。今日の朝、サシャが食料庫の前で涎垂らしてたから見張り寝さしといたんだぞ。
「・・・・・・・。」
エレンが突っ立っている。
仲間の変化になにか思うことがあるのだろう。ほっとくか。
*****
エレン視点
(3分の1の領土と、2割の人口を失ってようやく人類は尊厳を取り戻しつつある。)
(勝てるーーー)
(人類の反撃はこれからだーーーー)
「熱っ!?な、なにがーーーー?」
な!?なんだこの熱風は?吹き飛ばされてみんなが落ちていく・・・。
「みんな!立体軌道に移れ!」
コニー、ミーナ、トーマス、サシャ・・・
「おい、サムエル!」
まずい、あのままだとサムエルが・・・。
「サシャ!?」
サシャが飛び出し、サムエルの足にアンカーを引っかけた。
「サムエル!動いちゃだめですよ!」
「良かった・・・。」
ビキビキビキビキ
ドオオオオオオォォォォォォォ
壁に穴が開いたーーーー?
エレンの頭にあの日のことが思い出される。
巨人を駆逐すると誓ったあの日。
鳥籠の中で飼われる人類。
人類を殺戮する巨人。
巨人に殺戮される人類ーーー。
「一匹残らず・・・。駆逐してやる・・・。一匹・・・残らず!!」
「まただ・・・また巨人が壁に入ってくる・・・。ちくしょう、やっぱり人類は巨人に・・・」
「サシャ!サムエルを任せた!」
「おい!馬鹿!何する気だ!」
副教官の声が聞こえる。でも・・・これは・・・、
「固定砲整備四班!戦闘用意!」
「んなっ!?」
「目標!目の前!超大型巨人!これはチャンスだ!絶対逃すな!」
「馬鹿!死ぬ気か!」
「壁を壊せるのはこいつだけです!こいつさえ仕留めれば__」
_____人類は勝利への一歩を踏み出せる
「よう。五年ぶりだな・・・」
超大型巨人が腕をふるってくる。
いや、鈍い!いけるか!?
「戻ってこい!クソッ!」
いまならいける!いまなら___
「ゴフッ・・・何、何するんですか副教官!今なら奴を!」
「少しは周りを見ろアホが!」
空中で突進してきて、俺を抱えた副教官が言う。
周り?あぁ、砲台が壊されてるな。
「あれに当たったらどうすんだ!死ぬぞ!」
そう聞いてぞっとした。砲台に使われている金属がバラバラになって吹っ飛んでいる。当れば・・・重傷は間違いないだろう。
「熱っ?」
「熱風?」
急に視界が曇り、熱風が吹き荒れた。当然制御を失う副教官の立体軌道装置。
「・・・は!?なんだよ!今壊れるとかクソッ!」
「え?」
自分たちを叩き落とそうとしているのだろう。迫ってくる奴の腕。
「副教官!離してください!俺が運びます!」
「馬鹿が。お前が二人も運べるわけねぇだろ。」
副教官はすでに諦めたかのような顔で・・・・・。
「エレン。俺が帰って来なかったら、死んだ扱いしろ・・・。これからの作戦に支障が出る。」
「ふ、副教官?」
「エレン。死に急ぐなよ。」
______これが副教官に言われた最後の言葉だった。
「『なげつける』」
俺は壁の内側に向かって吹っ飛んだ。立体軌道装置ではなく、巨人の手によってでもなく、副教官自らの手で。
そして、俺はみた。
副教官が超大型巨人の手で殴られ血を吐きながら、壁の外に向かって吹っ飛んでいくのを・・・。
そして、俺を命がけで助けた、副教官の何かをやり遂げたかのような顔を・・・。
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