騎士と一角獣   作:un

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 だいぶ遅くなりってすみませんでした。

 他の二次の修正とかしていくつもりです。


五話 白き力

 

 この日、王国の門から豪雨の中を進む一団がいた。

 

 何台もの馬車が走り、新しく開発した試作の幻晶騎士テレスターレがコンテナを引いて歩く中、ユニコーンも交じって進む。

 

「さて、これからどうしたものか…」

 

 コックピットに座るエルがつぶやいた。悪天候の中、彼らがここにいる理由は公爵から「新型とユニコーン」が見たい、と呼び出されたからだ。

王の次に、大きな権力と力を持つ公爵の命に逆らうこともできず新型開発とユニコーンの調査に関わった者達は公爵のいる砦まで進む。

 

「やはり、ユニコーンは取られてしまうのでしょうかね…」

 

「エル、ゲンキナイ。ダイジョウブカ?」

 

「大丈夫ですよ、ハロ」

 

 コックピットの端に縄で留めているハロが声をかけ、エルは返事を返す。

 

 ベへモスを一機で倒し、異世界の兵器を持つユニコーンはやはり危険としか思われていない可能性が高い。国の安全を考える者からすれば、最悪の場合破壊した方が無難かもしれないが、エルとしてはなんとしても阻止したい。

 

「そうなれば、ハロも取られるんですよね…ん?」

 

しばらく進んでいると天気が回復し、太陽が見えてきた。だが、突如地面が揺れ一団が構えていると、地中から巨大な何かが現れた。

 

「ま、魔獣だ!!」

 

 巨大で硬い皮膚を持ったミミズ。シェイカーワームが一段に襲いかかる。

 

 エドガー達は互いにカバーし合い、背中にあるバックウェポンから火球が発射

され魔獣たちを狙う。彼らは地中を移動する音を頼りに、攻撃を回避して反撃し魔獣の数を減らしていく。

 

「!? そこですか!!」

 

エルは何故かバルカンをあさっての方向に撃つ。味方から「何をしている!?」と声が

あがるが、バルカンを放った所にちょうどシェイカーワームが出てバルカンによりハチの巣になり倒れた。

 

「ビームマグナムは味方を巻き込む危険がありますね、なら!!」

 

エルは、コンテナからハイパーバズーカを取り出し近くに出現した魔獣に向け引き金を引き弾頭が着弾し一体を仕留める。

 

「一応、コンテナにはエネルギーの予備がありますが。なるべくなら節約したいですね」

 

実弾でエネルギーを使わないバズーカーを使い、次々と一撃で仕留めていく。

エルの、まるで先読みしているかのような動きに味方が驚く。が、すぐに大きな地響きが起き、彼らの目の前には

 

「な、なんだ!!」

 

「お、おい!! アレは!!」

 

 地中から大きな土煙をあげ、先ほど倒したシェイカーワームよりもさらに巨大な

シェイカーワームが現れる。

 

「くっ!! 放て!!」

 

 エドガーの声にディーやヘルヴィーが一斉に火球を放つ。巨大シェイカーワームに向け集中攻撃するが、皮膚がとてつもなく硬いせいで剣や火球の攻撃では効き目がなく、

巨大シェイカーワームがエドガー達に襲いかかる。

 

 「させません!!」

 

 仲間と、自身が手掛けた新型を守るため、エルはブースターを使い一気に接近する。

そして、エルの戦う意思に応じたのか、額の角が割れ、赤い光を放つ「デストロイモード」へと姿を変えた。

 

「なっ!?」

 

「あれは!!」

 

 ベへモスを倒した時の姿になり、騎士達が声を上げ驚く中。ユニコーンは腕にある

ビームトンファーで剣や魔法で傷つけられなかった巨大シェイカーワームの体を焼き切った。

 

「これが、NT-D…すごい、機体が思いのままに動く!!」

 

コックピットの中で喜々としたエルは、操作レバーなど使わず機体を動かす。

大きな悲痛の声を上げながら巨大シェイカーワームは地中に逃げようとするが、ユニコーンに片手で頭部を掴まれてしまい、逃げようと抵抗するがビームトンファーで頭部を串刺しにされ絶命した。

 

「ば、化け物だ…」

 

 初めてユニコーンの真の姿を見た騎士の誰かがつぶやき、ユニコーンは巨大な死骸を放りなげ、元の姿に戻っていく。

 

「なんなんだ、ありゃ…」

 

 一方で戦闘をしていたエル達からだいぶ離れた場所に、フードを被った一団が変形したユニコーンを見て驚いていた。見たことにない武器もそうだが、突然変形し、大型魔獣を容赦なく倒した姿に恐怖をも感じていた。

 

「ははっ!! こりゃ土産になりそうだ!!」

 

 顔に傷がある女性が元の姿に戻っていくユニコーンを見て笑った。ベへモスをたった一機で倒した噂を聞きいてはいたが、今目の前で新型の幻晶騎士ですら、傷つけられなかった大型魔獣を一方的に倒した力を見て噂が本当だったと確信した。

 

「連中にはもったいない…アレは絶対に手に入れる」

 

 部下達が野心の目と笑みを浮かべ、ユニコーンしか見えていない女性を見て不安になる中、エル達は準備を整え先に進んだ。

 

 

 

 

 


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