IS 彼の日記帳   作:カーテンコール

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 △月△日 はいはい曇り曇り

 

 

 学年別タッグトーナメントである。

 どうしてこうなった。

 

 タッグパートナーを決めなかった俺は、当然ながら当日の抽選で試合の組み合わせと一緒に誰と組むかが自動的に決まる。

 そして、そのトーナメント表を目の前にして、今更ながらに酷く後悔していた。

 何故ならば、1回戦第一試合の欄に『藤堂隆景&ラウラ・ボーデヴィッヒ』と表示されていたからだ。

 なんてこったい。よりにもよってあのミニマムシルバー――若しくはチンク姉、あるいは薔薇水晶、もういっそ雪華綺晶、少々苦しいが柳生ちゃんでも可――と組む羽目になってしまうとは。神も仏もあったもんじゃない。

 ついでに対戦相手は織斑&オスカルペア。これ絶対偶然じゃないだろ。

 お蝶夫人とミニ子が出場不可になり、更識は専用機未完成による出場辞退。つまりボーデヴィッヒ以外にトーナメント出てる専用機持ちは、こいつ等だけ。最初に当たるとか試合表の操作疑惑が。

 

 だとしたら俺は関係ない。今からでもペアを変えてくれ。

 更識辺りに拝み倒して、訓練機でもいいから一緒に出てくれと頼んでおけばよかったとか。

 後悔先に立たずとの言葉を噛み締め、俺はしばらく呆然としていた。

 

 そして試合。

 ボーデヴィッヒに「お前は邪魔だから隅で丸くなっていろ」とかほざかれた。

 どうにも奴さん、織斑をボコボコにしたくてしょうがないらしい。

 苛ついたが我慢した。そして歯の治療費を請求する。

 無視された。

 

 試合開始と同時に、織斑とボーデヴィッヒが殺気立って攻撃し始めた。

 なので俺は背中向けてるミニマムシルバーに誤射でもしてやろうかと銃を向けたが、オスカルに邪魔されて失敗。

 邪魔するなー、と仕方なくオスカル相手に戦うも、そう言えばこいつフランスの代表候補生だった。

 2分でボコられた。ヒュパヒュパ武装換えるの止めて欲しい、展開の苦手な俺には絶対出来ないテクニックだから。

 前のお蝶夫人の時といい、いい加減代表候補生に苦手意識できそう。

 

 んで、試合結果だが……一応、俺達の負けってことになるのか?

 2対1で劣勢になったミニマムが、オスカルの持ってたえげつないパイルバンカーにやられそうになって。

 そしたら、ISが変形したのだ。

 いやもう寧ろ変身って言っても良かった。織斑先生に変身してた。

 結局あれが何だったのかはよく分からん……ほえーってしてる間に倒されてたし。

 

 トーナメントはそんなこともあってか、1回戦だけやって中止となるらしい。

 女生徒達がやけに落ち込んでいたが、何かあったのだろうか。

 

 今日は浴場が使えたらしいが、俺は眠かったのでパス。

 さっとシャワーだけ浴びて、横にならせてもらった。

 ……カタカタの音が、耳に心地いい。

 

 

 

 

 

 △月▼日 歯の治療が終わった

 

 

 間違って天気の欄に書き出しを始めてしまった。曇りだ曇り。

 さて、本日はサプライズだった。オスカルが女だったのだ。

 オスカルオスカル言っておいてなんだが、想像だにしていなかった。

 

 つうか、昨日織斑とオスカル一緒に浴場使ってなかったか。

 クラスメイト達もそれに気付いたのか、口々に騒ぎ出す。

 

 そして、教室の扉が吹き飛んだ。

 出てきたのは、怒り心頭な顔でISを展開するミニ子。身体も機体も治ったらしい。

 織斑もこれで死んだか、などと他人事のように思っていたら、あいつが初撃をよけた所為で俺が吹っ飛ばされた。

 全身が痛い。

 

 対して織斑の奴だが、あわやと言うところでボーデヴィッヒに助けられていた。

 あのパツギン、助けるなら纏めて助けやがれ。

 どうやら奴さんも織斑に惚れたクチらしい、嫁発言してたし。色々おかしいけど。

 てかアレだ、悔い改めたのなら俺に謝れ。そして歯の治療代を払え。

 

 あと、ついでに医務室に運んでくれ。誰でもいいから。

 幸い大きな怪我は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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