WHITE ALBUM2 伝えたい想い   作:シデンカイ

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大変お待たせしました。


第19話

「もしもし」

 

 

「あっ!なっちゃん」

 

 

「お久しぶりですね」

 

 

「久しぶりね」

 

 

「今日は、どうしたんですか?」

 

 

「実は今日かずさが久しぶりに出ていたから見に来ていたのよ」

 

 

「そうなんですか!」

 

 

「かずさから何も聞いてなかったの?」

 

 

「はい何も」

 

 

「それでね。かずさには、ウィーンで活躍してもらおうと思ってね」

 

 

「かずさなら出来ますよ」

 

 

「なっちゃんは高校を卒業したらどうするの?」

 

 

「ウィーンに行く予定です」

 

 

「あらそうなの?実は私達もウィーンに行くつもりなのよ」

 

 

「そうなんですか?」

 

 

「もし良かったら一緒に、行かない?」

 

 

「いいんですか?」

 

 

「娘の彼氏だし別にいいわよ」

 

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「なっちゃんは卒業したら行くのよね?」

 

 

「高校生活も残り少ないですからね」

 

 

「じゃあ卒業したら一緒に行きましょう」

 

 

「わかりました」

 

 

「それじゃあ、また連絡をするわね」

 

 

「はい」

 

 

俺は、かずさのおばさんからの電話を切ってからかずさと話しかけた。

 

 

「母さん何て言ってたんだ?」

 

 

「卒業したら私達と一緒に行かないか?って話だよ」

 

 

「そっか」

 

 

「かずさは俺が一緒でも構わないか?」

 

 

「もちろん平気だ」

 

 

俺は、かずさと話しをしながら家に戻って行った。それから数日が過ぎて・・・・・

 

 

「とにかくもう決めたんだ卒業したらウィーンに行く」

 

 

「なんで・・・」

 

 

「・・・・・」

 

 

俺達は今、音楽室に4人でいて話しをしていた。

 

 

「本場でピアノを勉強しながら母さんと一緒に暮らすから・・・これじゃ、理由にならないか?」

 

 

「かずさのお母さんって、つまり・・・」

 

 

「うん、冬馬曜子。ピアニストの端くれにしてあたしの元師匠にして超放任主義の母親失格者」

 

 

「・・・・・」

 

 

「三年前に捨てられたくせにちょっと甘い顔されるとホイホイついてくって、あたしも大概マザコンだとは思うんだけどね」

 

 

「去年の年末に帰ってきてそれから色々と話し合ったんだ。三年前のことも、今のことも」

 

 

「それで不満も不安もなかった。頑張って練習すれば大抵の曲はなんとかなったし、辛いとか、やめたいとか思う必要もなかった」

 

 

「酷い母親だろ?厳しい師匠だろ?グレて当然だ」

 

 

「で、でも、それがどうして今になってかずさを連れて行くって・・・」

 

 

「二人のせいだよ」

 

 

「え・・・?」

 

 

「あの学園祭のライブを見てさ・・・あたしを連れて行く気になったんだって」

 

 

「・・・・・」

 

 

「ただ、舞台の上で遊んでただけなのに・・・芸術家とか呼ばれる人の考えることはよくわかんないよ」

 

 

「けど・・・けどっ、かずさは本当にそうしたいの?行きたいの?留学なんて」

 

 

「雪菜・・・」

 

 

「・・・・・」

 

 

「それとも・・・それともっ、やっぱり、かずさ、まだ・・・」

 

 

「行きたいよ留学。そんなの決まってる」

 

 

「・・・・・」

 

 

「あたし・・・やっぱりピアノが好きだ」

 

 

「母さんも・・・実はそんなに嫌いじゃないんだ」

 

 

「だからあたしは、自分の選んだ道が正しいって信じてる」

 

 

「親孝行してくる。これからは、雪菜みたいないい奴になるんだ、あたし」

 

 

「っ・・・」

 

 

「だから・・・いつかまた四人で会おうな?」

 

 

「かず、さ・・・」

 

 

「ずっと一緒って訳にはいかなくなったけど・・・それでも雪菜と北原は、今のあたしにとって、かけがえのない、たった二人の友達だから」

 

 

「だからさ、だから・・・雪菜」

 

 

「お前と北原は、今のままでいてくれ」

 

 

「あたしの・・・帰る場所でいてくれよ」

 

 

 

「谷口君は?谷口はどうするの?」

 

 

「俺もウィーンに行くよ」

 

 

「谷口君も何だね」

 

 

「ウィーンは本場でもあるし今の俺がどこまで通用するのか?試してみたいんでな」

 

 

「谷口君は、かずさの留学に賛成なの?」

 

 

「当たり前だろ?かずさにとってピアノは好きな事なんだから本人が好きな事をしたいのならば俺はさせてあげるべきだと、思うけど?」

 

 

「・・・・・」

 

 

「俺は基本かずさの話しを聞いているが今回の話しだって、かずさは母親に誘われたんだぞ?そしてかずさから見たら親だ。親が子供と・・・子供が親と一緒にいるのは全然おかしくないだろう?」

 

 

「それは、そうだけど・・・・・」

 

 

「だから俺達UniOnも今日で本当に解散する!そしてこれからの俺達は別々の道を歩いていくけど、いつかまた会えるさ」

 

 

「・・・・・」

 

 

「那由多・・・そろそろ」

 

 

「そうだな・・・」

 

 

「待って!」

 

 

「なんだ?」

 

 

「卒業式には来るよね?」

 

 

「もちろん行くよ」

 

 

「そっか」

 

 

「それじゃあな」

 

 

こうして俺達は学校を出て家に帰って行った。それから2週間後・・・・・今日は人によって違うが学生でいられる最後の日でもあり運命の日でもある、卒業式の日・・・・・今の俺達は・・・・・

 

 

「そろそろ時間だぞ」

 

 

「わかった」

 

 

「かずさ・・・・・本当にいいのね?」

 

 

「ああ」

 

 

「じゃあ行くぞ」

 

 

「那由多」

 

 

「どうかしたか?」

 

 

「あたしは・・・いつまでも那由多の隣にいたい」

 

 

「ああ・・・俺も、かずさの隣にいてコレからは一緒の時間を歩いて行こう」

 

 

「ああ」

 

 

「2人とも・・・わたしがいる事を忘れてないかしら?」

 

 

「あっ」

 

 

「あっ」

 

 

「けど私としては反対は、しないわ」

 

 

「母さん・・・・・」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「なっちゃん・・・かずさの事よろしくね」

 

 

「はい!わかりました。」

 

 

「ありがとう母さん」

 

 

こうして俺達は卒業式に出る事は無くウィーンに旅立って行った。




本来なら大学編に入りますが大学編には入らないで次回からは最終章のCOdaに入ります。
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