「インタビュー・・・だって?」
「25日の10時から先方からこちらのホテルに来てくれるって」
俺達は今3人で話し合いをしている最中だった。
「そういうのはしないって言っただろ?授賞式とか最低限に留めてくれって何度も」
「昔なじみで世話になってる人なのよ。しかも向こうのスタッフも偶然現地入りしてるって・・・そんな状況だったから断りづらくって」
「そんなのあたしは知らないね」
「なんてワガママな」
「・・・母さんに、そんなこと言われるとは思わなかった。クリスマスミサ行くわよ。夜行列車で」、とか今日になっていきなり言い出す人に」
「俺も、さすがにそう言われるとは思いませんでしたよ」
「前々から約束してたじゃない。今年こそは一緒に、バカンス行こうって」
「ミサなんてどこでもやってる・・・なんでわざわざストラスブールなんだよ?」
「まぁ騙されたと思って、一度街を歩いてみなさい。価値観変わるから」
「ったく」
「こうなったら俺達が何を言っても変わらないから、行くとしようか?」
「那由多・・・けど」
「大丈夫だよ。俺が一緒に隣を歩くからさ」
「ならわかった。」
「冷凍ミカン食べる?」
「・・・どこで買ったんだよそんなの」
「・・・ところで」
「今度はなに?」
「そろそろ、来年のツアー計画発表したいんだけど」
「・・・・・・・・・」
「それって今、決めないとダメなんですか?」
「早ければ早いほど、次の行動が出来るじゃない?」
「それは・・・」
「いい加減サインしてくれないかな?もう会場を押さえる期限に来てるんだけど」
「なんで・・・あんなところに行くんだ?」
「あんなところとはご挨拶ね。わたしたちの生まれ故郷に対して」
「・・・・・」
「ちゃんと、しっかりした理由は、あるわよ。・・・今年でヨーロッパも一通り回ったし、そろそろ新しい地域に進出しようと考えてたの」
「確かに理由には、なってますが・・・・・それが今ですか?」
「そうよ」
「だからって日本に決める理由は、ないだろ。・・・アメリカなんかどうかな?」
「今のあなたは日本で高いのよ。それも劇的に」
「高い・・・って」
「ジェバンニ国際4位が効いたわね・・・あなた今、日本でアイドル扱いされてるらしいわよ?」
「なんだよそれ・・・勘弁してくれ」
「なっちゃんもジェバンニ国際1位になってるし。わたし達と一緒に行動しているし・・・もし2人で一緒に日本に行けば故郷に帰って来たって気分になるじゃない?」
「それは確かにそうですが・・・かずさの気持ちを俺は聞いてみたいです。」
「それもそうね。かずさはどうしたい?」
「あたしは・・・」
「おかげで来日公演の提示額がいきなり倍に跳ね上がるし・・・今日本に行かないテはないのよ」
「この銭ゲバピアニスト・・・」
「経営者ですから」
「っ・・・」
「勝負ありだな」
「そろそろ・・・いいじゃない。もう五年も経ってるのよ?」
「・・・・・・・・・突然訳わかんないこと言わないで。ただめんどくさいだけだ。別に行きたくないなんて」
「わたしだってね、死ぬときは生まれ故郷でって思ってるの」
「あと100年は大丈夫だよ。あんたなら」
「その時にね・・・娘に絶対に帰らないって言い張られて、看取られずに逝くのは嫌だもの」
「あんたの方が長生きするって・・・言ってるだろ」
「バカンスから帰るときにもう一度返事して。・・・それでも駄目なら諦めるから」
「三年も日本に置き去りにしたり、突然ヨーロッパに来ないかって言ったり、今度はいきなり帰ろうって・・・勝手だね」
「今頃気づいたの?かずさあなた何年わたしの娘やってるのよ?」
「・・・もういい」
完結させるつもりなんで読んで貰えると嬉しいです。