WHITE ALBUM2 伝えたい想い   作:シデンカイ

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見比べてみると違う所がいくつか、あります。


第23話

「冗談じゃない。そんなのは絶対にお断りだ」

 

 

「かずさ・・・」

 

 

俺達は今ホテルの部屋で、3人で話をしていた。

 

 

「どうしてそんな話を設けてくるんだ。あんたあたしの親だろ?」

 

 

「今回の日本公演に関してはマネージャーも兼任してるつもりだけど?」

 

 

「ならなおさらだ。あたしはアイドルタレントじゃないんだぞ?」

 

 

「そんなようなものよ。今の冬馬かずさってブランドは、ね」

 

 

「・・・そんなの知るか。あたしが望んだことじゃない」

 

 

「大体、なにが嫌なの?わたし取材って大好きよ。世間の注目集めるのって快感じゃない?」

 

 

「あたしはそういうふうに生まれつき図々しい変人じゃないんだよ」

 

 

「ねぇ、かずさ。あなたもいつまでもわたしに頼ってばかりじゃなくて、そろそろ独り立ちをね・・・」

 

 

「・・・面白い冗談だ。あたしほど親に投げっぱなされだった子供は世間でも珍しいと思うぞ?」

 

 

「だから今、罪滅ぼししてるんじゃないの。これもあなたの社会復帰の一環だと思って頂戴」

 

 

「・・・人を社会不適合者みたいに言うな」

 

 

「違うって言うならもっと世間とうまく付き合ってよ。スタッフとも、ファンとも、マスコミとも」

 

 

「・・・・・」

 

 

「ピアノ弾いてご飯食べてくつもりの人間が人と付き合わずに生きていくのは不可能よ。自分を売り込まないと、誰もお金なんて払わない」

 

 

「だからそれは母さんが」

 

 

「ほらね?あなたいつまでわたしの臑をかじるつもり?」

 

 

「とにかく密着取材なんて冗談じゃない。それだけは絶対に断らせてもらう」

 

 

 

「気づいてる?あなた、来日してからずっと精神的に不安定なのよ。ほとんど眠れてないでしょ?」

 

 

「・・・時差ボケだ。すぐに治るよ」

 

 

「そのせいでピアノも荒れてる。正直、今のままの状態じゃコンサートも心許ないわね」

 

 

「・・・・・」

 

 

「前評判が高い分、ちょっとでも腑抜けた演奏したら、あっという間に手のひらを返されるわよ?・・・あなたの大嫌いなマスコミに」

 

 

「それが・・・なんだよ。それと取材がどう繋がるんだよ。母さんの言ってること、さっぱりわからないよ」

 

 

「取材だって捉えると、わからなくなっちゃうかもね」

 

 

「あたしの機嫌を取りたかったら、周囲の雑音を全てシャットアウトした方が効果的だ。試してみればいい」

 

 

「ま、とりあえず今日のところはここまでね。・・・午後いっぱい用があるから、それまで一人で練習でもしてなさい」

 

 

「どこ行くんだ?午後いっぱいって何時くらいまで・・・」

 

 

「だから何度も言うようだけどね。いつまでもわたしに甘えないで・・・」

 

 

「二度と帰ってくるな!」

 

 

曜子おばさんが出ていくと俺はかずさと2人きりになった。

 

 

「じゃあ今から練習しようか」

 

 

「でも那由多・・・・・」

 

 

「大丈夫・・・今のかずさが調子悪くても俺が今よりも引き上げて上げるからな」

 

 

「出来るのか?そんな事が?」

 

 

「出来るのか?じゃなくてやるんだよ」

 

 

「那由多・・・・・」

 

 

「かずさは1位と2位どっちが欲しい?」

 

 

「1位が欲しいな」

 

 

「でも1位になれるのは、1人だけなんだ。その1位を取るためにも今のかずさは練習しないとな」

 

 

「那由多から見て今のあたしは何位だ?」

 

 

「10・・・・・いや20だな」

 

 

「・・・・・」

 

 

「だけどそんな下から一気に1位を取れたら凄いと思わないか?」

 

 

「そうだな」

 

 

「だからこそ俺が今のかずさよりも最高の状態に仕上げてあげるからな」

 

 

「頼む・・・・・那由多」

 

 

それから俺達2人は練習をし続けた。そしてまた時間は過ぎて・・・・・

 

 

「・・・・・」

 

 

「900点。1000点満点で」

 

 

「そうか」

 

 

「来日した時よりもミスが無くなってるし・・・・・何をしたの?」

 

 

「そこは俺が説明しますよ」

 

 

「なっちゃん?」

 

 

「あの時のかずさは確かにピアノが荒れてて不安定でしたが俺がまず基本からやらせたんですよ」

 

 

「基本?」

 

 

「はい・・・・・まずは、ピアノで音を出す事から始めさせました。」

 

 

「えっ!」

 

 

「曲をやらせるんじゃなくてピアノの音1つ1つ出させたんですよ。」

 

 

「その練習を1時間させた後に今回やる曲をやらせてみました。その結果は・・・・・さっき曜子おばさんが言いましたよね?」

 

 

「それだけ?」

 

 

「それだけですよ?」

 

 

「・・・・・まさか来日した時のかずさを今の状態までに引き上げてくるなんてね」

 

 

「来日したかずさは10位・・・・・いや20位だったんですよ。理由は言わなくても良いですよね?」

 

 

「そうね」

 

 

「けど俺はかずさに聞きました。1位と2位どっちが欲しい?ってそしたらかずさは・・・・・」

 

 

「1位って答えたのよね」

 

 

「そうです。来日したかずさが20位の状態だったけど今の状態でコンサートやったら1位を取れますよ」

 

 

「本当に取れると思うの?」

 

 

「思います。それこと俺が本番までには1000点満点に引き上げますから」

 

 

「・・・・・なっちゃんがそう言うなら任せるわ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「それじゃあわたし今から出掛けるから」

 

 

「気を付けていってらっしゃい」

 

 

「ありがとう・・・なっちゃん」




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