ゾロさん、あなたを愛してます!! 作:ぞろおし
どうぞ
屋敷を後にした私たちは町の外れで一息をつく。
のどかな空の下、柵の近くに座り込む。
「あれ、ルフィは?」
「さあな、ウソップのとこじゃないのか?」
「はい、ウソップさんの方へと駆けていくのを見ましたよ」
慰めに行ったんですかね?いえ、失礼ですがルフィさんにそんなこと出来るとは思いませんが。
子供たちいわく、海岸らしい。ウソップさんは何かあるととりあえずそこへ行くそうだ。
「あれ、あなた方の友達、もう1人いましたよね。どちらへ?」
「あー、あいつすぐにどっかに消えちゃうんだよね」
「うん、そして大騒ぎして現れるんだ」
そう話していると噂をすれば影がさすという通り、大騒ぎながら走り現れた。
「へ、変な、う、後ろ向き男だぁぁぁああ!!!」
ドタバタ走りながらやってきて、子供たち同士で口論が始まる。
にしても後ろ向き男とはどういうことでしょうか?
子供が走ってきた方向を見ると本当に後ろ向きで(確かムーンウォークというんでしたっけ)現れました。
……確かに変ですね。歩き方といい、ハート型のサングラスといい。
「誰が変だ、俺は通りすがりの催眠術師だ」
あ、怪しいですね、肩書きに怪しさが滲み出てます。
子供たちに催眠術をせがまれて輪っか(チャクラム?)を振るうと子供たちと一緒に爆睡しました。
自分もかかる催眠術師とはてんでマヌケですね。
* * * * *
あとあと彼は時計を見て起きるや否や急いでどこかへ走っていってしまった。
何だったのでしょうか?彼は。
しばらくするとウソップさんがどこからか走ってきました。
「「「あ、キャプテン」」」
「なんだルフィは一緒じゃないのか」
「まだ怒ってんのかしら」
「様子がおかしいですけど、何かあったんですかね」
見向きもせずに走り去っていくウソップさんに口々に感想を述べる。
どうしたんですかね、怒っているというよりは焦っているといった様子でしたね。
「海岸で何かあったんだよ」
「その海岸へはどうやって行くんだ?」
ゾロさんがそう言うとこっちだと言って子供たちが案内してくれました。
海岸に着くとルフィさんが爆睡してました。
「ちょっと何やってんの、ルフィ!」
「んぁ?!」
頭を殴りナミさんがルフィさんを起こす。
すごいですね、ルフィさんゴム人間なのにタンコブができてます。
「そうだ、大変なんだ!」
ガバリと起き上がり、ルフィさんは説明をはじめる。
分かりやすいとはいえない説明を簡潔にまとめると、先ほどのクラハドールさんはキャプテンクロという海賊だったらしく、カヤさんの暗殺を企んでいるらしい。
説明を聞いた子供たちは逃げる準備をするため慌てて村に走って行きました。
子供たちの後を追いかけて行くと村から戻ってきたウソップさんと子供たちが話し終わっていた様子だった。
どうやら子供たちには海賊が来るというのは嘘だと伝えたらしい。
子供たちと別れた後に海岸にてウソップさんは、
「俺はこの村が大好きなんだ、みんなを守りたい……!!だから俺はこの海岸で海賊を迎え撃ち、この一件を今まで通りウソにする!!!
それがウソつきとして、俺の通すべき筋ってもんだ!!!」
ウソップさんの心のこもった言葉に感動したのか、みんなが、怖がりを自称してるナミさんまでも加勢の意志を示した。
感謝を述べるウソップさんの足は震えていました。
怖いですよね、今まで戦ったことがない平和な村で暮らしてたんですから。
それでもウソップさんの意志は変わらず、ゾロさんたちの意志も変わりません。
* * * * *
私たちは海岸の地形を確認しつつ、作戦を練ることにした。
私たちの今いる海岸から海賊は来るらしい。
「ウソップさん」
「なんだアリス?」
「質問なんですが、海賊たちは本当にここから攻めて来るのですか?」
「あいつらはここで話し合っていたんだ、ここから来るんだろう」
なるほど、確定した情報ではないと。
「なら、ウソップさんここ以外に島へと進入する海岸はありますか?」
「え?ああ、北にもあるぞ」
「そうですか、なら二手に別れましょう」
「は?」
「ちょっとアリスどういうことよ」
「いえ、作戦の基本ですよ。作戦がダメだった時、情報が間違っていた時を想定して動くべきです」
「でも、相手は海賊が一団くるんだぞ!ただでさえ少ない戦力を更に分けて戦うなんて無茶だろ!」
確かにウソップさんの言うこともあっています。
ですが
「ウソップさん、もしあなたの言った通りにここに海賊たちが現れなかったときどうしますか、いえ、どうなると思いますか?」
「っ!?」
「町は蹂躙され、村人は殺戮され、あなたにとって大事なカヤさんがあなたにとって憎いクラハドールに殺されます。それでもよろしいので?」
「………………」
最悪の状況を想定したのか青ざめるウソップさん。
酷なことを言った自覚はありますが事実であって、起こりうる可能性なのです。
村を守るためにはできるだけきちんとした作戦を立てなくてはいけない。
「分かった……二手に分かれよう」
「はい、分かりました」
「アリス、ありがとな」
「いえ、私は最善を尽くすべきと思っただけです」
冷静になったのかウソップさんがお礼を言ってくれました。
「さて、チーム分けを考えましょうか。まず反対側の海岸にはルフィさんとウソップさん、ここには
私がそう言うとわずかにゾロさんが、露骨にナミさんが驚いた顔をします。はて、変なこと言いましたかね?
「ちょっとアリス、本気で言ってんの?」
「?どうしたんですかナミさん。これが最も効率がいいと思いますけど。土地勘のあるウソップさんと戦力としては最強のルフィさん、おおよそのこの島の地図が入ってるナミさんと実力のあるゾロさん。そして機動力に関してはなにか出せば真っ先にどちらにでもいける私。布陣としては問題ないと思いますよ」
「でも、あんたがゾロと別って言い出すなんて」
「流石に人命がかかってる場合はふざけませんよ!」
人のことをなんだと思ってるんですかね!!!全く。
一緒に居たいのは本当ですがふざけていると人が死ぬ状況ですからね。
「はぁ、それとこれを渡しておきます。《信号弾》」
そういって手のひらに何個か生み出し、各ペアに一個ずつ渡す。
「敵が来た時の合図に使ってください。これをこのように打つと」
そういって私は出した信号弾を上空に向けて発射すると、しばらくすると赤い花火のようなものが爆音とともに咲く。
「このように花火が出ますので」
「おう、分かった」
お互いに作戦を再度みんなで確認してからそれぞれの待機場所へと向かうこととなった。
ですが、その前に。
「ゾロさんっ!!」
「うおっ」
愛しの人めがけて飛び込み、出会ったとき同様押し倒す。
「ゾロさん、私頑張りますので是非この作戦が終わったら……」
ぐいっ顔を覗き込み、お互いの距離を近づける。
ゴクリとゾロさんが呑み込む唾の音が聞こえました。
緊張ですかね、警戒ですかね。いえ、どうでも良いのです。私の目的は……
「ぜ、是非膝枕を私にしてください!!!」
「は?」
「い、いえ、別にちょっとぐらいいいじゃないですか、私の頭はそんな重くないですよ、軽いです。ちょっとした鍛錬だと思ってですね………」
そんな言い訳をつらつらと述べていると
「ちょっとアリス何してんのよ、早く持ち場に行きなさい!!」
「ぐえっ」
ナ、ナミさん首しまってます。行きますから行きますから放してください。
「くっ、邪魔が入りましたが、必ずやってくださいねゾロさん!それでは!!」
「早よ行け!」
ナミさんの鬼畜め!!
* * * * *
しばらくしてから言われた場所へとたどり着く。
ですが、私が思い描いた作戦では
「久々にガチで戦うことになりそうですね」
だがゾロさんの膝枕が私を待っていますので私は頑張れるのです!!
ふんっ!と気合を込めて私は更に駆け出しました。
お気に入りが減り少し凹みましたが、元々書きたいもの書いてるだけなので、気にせず続けて行きます。
これからもよろしくお願いします。