ゾロさん、あなたを愛してます!! 作:ぞろおし
だが書き直しはしない
どうぞ
あの女の子、リカさんをゾロさんが助けてから9日経ちました。
ゾロさんは一ヶ月磔にされれば解放されるそうです。
海軍なんて斬って倒してしまえば良かったのにと思ったのですが、それだとリカさんにも危険が迫る可能性がありますからね、だから抵抗しなかったのでしょう。
私は今宿を取りゾロさんが解放されるのを待ってます。
海軍本部でもなく、ましてや最弱とされる東の海の大佐なんて一瞬で倒せると思いますが、ゾロさんの気配りを無下にするわけにはいかないですし。
宿の近くの喫茶店でぼんやりと待ち合わせ相手を待っているとようやく現れました。
「お姉ちゃん、ごめんね。待ったでしょ?」
「いえ、私も今来たところですよ、リカさん」
あの後妄想から復帰したら目の前のゾロさんがいなくなっていましたのでリカさんに状況を聞くと親切に教えていただきました。
そして今日、なんでも助けてくれたゾロさんにお礼と挨拶に行きたいとリカさんがいうので私も同行することにしました。
というか、「罪人に肩入れし者同罪とみなす」と立て札があるのによく行こうと思いましたね。怖いもの知らずというか、肝がすわっているというか。
「お母さんにはこのことを伝えましたか?」
「ううん、お母さん怒るんだもん。お姉ちゃんに会っちゃダメだし磔場にもいっちゃダメって」
リカさんを助けた後1人の女性、リカさんのお母さんが駆けて来てお礼を言ってくれましたが自分たちが巻き込まれたくないようで、私がゾロさんの恋人であると告げたらどこか腫れ物に触れたような対応になりました。それは町の皆さんも同じですが。
まぁ誰だって巻き込まれたくないですよね。
「あ、そうだ、わたしオニギリ作ってきたの!お兄ちゃんがお腹空いてると思って」
「あら、それはゾロさん喜ぶと思いますよ。さて、行きますか」
お金を払い店を出て磔場へと向かう。
手料理を振る舞うというのは考えてませんでしたね。今からは間に合いませんし、次回にしますか。……そもそも食べてくださるかしら、捕まってからも会いに行っているのですが会話をしてくれはするんですが、未だに警戒されているんですよね。
* * * * *
リカさんと談笑しながら歩いて磔場に着くと、先着の方々がいました。麦わら帽子の青年とメガネの青年がいました。何やらゾロさんと会話してるようですが、何が目的ですかね?ここ何日か村でぶらぶら歩いて過ごしていますが見たことありませんし旅人ですかね?
「あ、お姉ちゃん、どうしよう。わたしの背じゃ塀に届かない……」
「あら、何か登れるものを持ってくれば良かったですね」
ふむ、仕方ありませんね。私が出してあげましょう。
「リカさん、心配ありません。お姉ちゃんが魔法で出してあげます」
「魔法?」
「《はしご》」
まぁ、魔法というか悪魔の力なんですがね。
私がそういうと目の前に
現れたはしごを塀に立てかける。
「え⁈わーすごい!!お姉ちゃん魔法使いなんだね!」
「はい、それではゾロさんに会いに行ってあげてください」
「お姉ちゃんはいいの?」
「私が行くと警戒され……いえ、私はちょこちょこ会いに来れるので大丈夫ですよ」
リカさんがトコトコとゾロさんに会いに行きますが、ゾロさんは偽悪的な態度で早く帰るように促します。
全く素直じゃないですね、心配だから帰れと言えばいいんですのに。
いえ、そこも可愛くてまた魅力ですが。
2人のやりとりに和んでいると特徴的な頭をした諸悪の根源、ヘ、ヘルメッ……ト?だかなんだか名前は忘れましたが
そしてあろうことか
幸いにも麦わらの彼がキャッチしてくれましたが、あの七光りバカ息子の何しやがるんでしょうか。
……八つ裂きにしてやりますかね。
いえ、そんな物騒なことは考えてはいけませんね、せめてゾロさんが解放されてからにしませんと。
「リカさん、お母さんが心配します。先に帰っていてくれますか?」
私がそういうと涙目になりながらもこくりと頷き静かにリカさんは家に向かいました。
七光りは約束は守るとゲラゲラと下品な笑い声をあげて帰って行きました。
……ふふふ、その約束が守られたときがあなたの最後ですよ、ふふふふふふ……
黒い思考をやめ、ゾロさんと会話しようとそちらを見ると、すでに麦わらの彼と話していました。
なんでも麦わらの彼は海賊なようで、仲間を探しておりゾロさんにその白羽の矢が立ったそうです。
見る目がありますね、彼は。
それにしても海賊ですか。もしゾロさんが海賊となったら私は海賊の妻ですか……
海軍よりはまだマシですかね。
「ゾロさん、大丈夫ですか?」
2人の会話に割り込むように話しかける。
「なんだ、電波まだ居たのか」
「ですから、電波と呼ばずアリスとお呼びください。いえ、そこではなくてですね、リカさんはあなたにお礼を言いたいと言ってましたのでその代わりに」
「あぁ、そうかい」
「はい、本日の要件はそれぐらいです。また明日もお伺いしますね」
「おい、ちょっと待て」
帰ろうとするとゾロさんに引き止められました。
なんでしょう!ここ何日か通って初めてですよ、引き止められたのなんて!!!
「はいっ!なんでしょうかゾロさん!!!!結婚の約束ですか?!」
グイっと勢いよく振り返り近くに早足で駆け寄る
「違ぇよ、なんでそうなる。それ……とってくんねぇか」
目線の先を見るとぐしゃぐしゃになってしまったオニギリがありました。
取ろうとすると先に麦わらの彼が拾ってしまいました。私が頼まれたというのに!
「食うのかよ、コレもうオニギリじゃなくてドロのかたまりだぞ?いくら腹減っててもこりゃぁ……」
「ガタガタぬかすな、黙って食わせろ。落ちてんの全部だ」
そういってゾロさんは口を大きく開ける。
拾ったものを麦わらの彼がゾロさんの口へと運ぶ。
あ、あーんしてます!私でもまだしたことないというのに、羨ましいです!!!
バリバリとおおよそオニギリからしてはいけない音がしてますがゾロさんは完食しました。
「おい、電波」
「はい、なんですかゾロさん?」
にっこり微笑みながら視線を向ける。
「あのガキに伝えてくれ、『うまかった、ごちそうさまでした』ってよ」
「〜〜〜〜っ!はいっ!わかりました!この不肖アリス、しっかりと伝えさせていただきます」
「!……はは!」
ゾロさんからの初めての頼まれごとですね。やはりゾロさんは優しい方です!
* * * * *
磔場から去り、麦わらの彼とメガネの青年とお互いに自己紹介することになりました。リカさんに感謝の言葉を伝えに行きました。
「私、フローレス・アリスと申します。アリスとお呼びください」
「おう、おれはルフィ、海賊王になる男だ!」
彼にそう自己紹介されてようやく私は気づきました。
__ここは
漫画はほとんど読んだことのない前世でしたが、ONE PIECE、この作品は唯一の例外として少しだけ知っています。
麦わら帽子をかぶった主人公が大海賊時代と呼ばれる舞台で海賊王を目指す物語です。
といっても本当に知っているのはその情報とぼんやりとした彼の仲間の姿の情報のみ。
思い出すことも困難な中学生時代、席が隣だった男子生徒がやたらと話を振ってきました。宿題なんだっけだの、昨日見たテレビが面白かったよねだの、好きな人はいるのだの。薄っすらとしか覚えてないですが鬱陶しかったですね。
そのおぼろげな記憶の中の腹立たしい会話の中の一つに彼がハマっている漫画とかでONE PIECEについて話をしたことを覚えています。
……なるほどゾロさんに感じた既視感はこれが原因だったんですか。
そう納得しているとメガネの彼が自己紹介してくれました。
「ぼ、ぼくはコビーです。海軍志望です」
……へぇ…………
「……コビーさん、本当に海軍なんてものになりたいんですか?」
「え、いや、やっぱり、ぼくなんかには無理ですよね。ハハハハ……」
「なんだよ、コビーでもやるときはやるんだぞ」
なれないと否定されたと勘違いしたようでコビーさんがしょぼくれ、ルフィさんが擁護する。
「いえ、そういった話ではありません。海軍
「え……?」
「どういうことだ?」
「そうですね、例えば……」
今この町がモーガン大佐によって実質的に支配されていることや横領や海軍が賄賂を受けて海賊を見逃す例などを上げる。
「そ、そんなことが……」
「ありますよ。というか現に今この町では起きていますし、今あげた例はあくまで一例ですし。海軍に限らず肥大化した組織には必ず膿のようなものが湧きます。あなたは
そう言うとコビーさんはひどく傷ついた様子でした。ですがガバリと顔を上げて宣言した。
「な、ならぼくがそんな海軍を変えてみせます!!!」
おや、流石に驚きましたね、もっと見た目から気弱な人だと思いましたが意外と気丈ですね。
ルフィさんは大笑いしてます
「ルフィさん、こんな海軍、ぶっ潰してやりましょう」
……変なスイッチ押してしまったかもしれません。
手を振り上げて、やる気に満ちた様子で立ち上がる。
「おう!わかった!それに俺はゾロを仲間にするって決めたんだ!」
……なんて単純なんですかね、この人たち。
まぁいいです。
「私もお手伝いささていただきます。本音をいえば恋人が捕まった上に海軍はクズでしたので腹わた煮えくり返しそうなほどブチ切れてますし」
そういって不敵に笑った。
* * * * *
ルフィさんは刀を探しにいき(ド派手に)、コビーさんと私でゾロさんを解放することになりました。
がしかし、
「ア、アリスさん手伝ってくださいよ」
縄を解く作業はコビーさんのみでやっていました。
いえ、そうは言われましても……
「あ、あの改めて触れていいといわれると恥ずかしくてですね」
「誰もそんなこと言ってないですよ⁈」
だ、だって縄を解くとなると体に必然的に触れるじゃないですか、まだ触れていないのにドキドキで心臓がおかしくなりそうです。
「ともかく、早く解くの手伝ってください。いつこっちに気がついて攻撃されるかわからないんですから」
「遅かったですわね、コビーさん。見つかりました」
基地の屋上をみると狙撃手が銃を構えているのが目に入りました。
「《壁》」
私がそう言うと私たちを基地から隠すように壁が現れる
「な、な、なんですか?!これ?!そういえば昼間にもはしご出してましたよね?」
「私、悪魔の実を昔食べまして」
「の、能力者?」
「ええ、コトコトの実の言霊人間です」
「言霊?」
「はい、詳しい説明を省きますが、端的にいうと言葉を物質化する能力です。例えば、そうですね長い《棒》」
そう言うと棒が目の前に現れる。コビーさんは目を丸くしていました。
出した棒を驚いているコビーさんに手渡す。
「はい、これで最低限自衛してください」
「へ?あ、はい、ありがとうございます」
「便利な能力だな」
「いえいえ、ゾロさん意外と制限があるんですよ」
「あ、あのアリスさん」
「はい、なんですかコビーさん」
「初めからナイフとか出して拘束してたロープ切れば良かったのでは?」
「……………その発想はなかったです」
ほ、ほんとですよ、別に素手なら触れるなとか思ってなかったですよ。
ジト目で見られながら弁解してると
文字通りルフィさんが刀を持って飛んできました。
そこからルフィさんがゾロさんを海賊になるように脅し、ゾロさんが了承して共闘して描写する価値もないほどあっけなくモーガン大佐を倒しました。