〜sideアキト〜
ーー痛ぁ!
僕—山田アキトは道路に転がってる小石につまずいて、はでに転んだ。
くそぉ、何でそこに転がってるんだ!
「あら、あの子こけてるわよ。大丈夫かしら」
周りの人にかわいそうな人を見る目で見られてる。
「あの子、見ない顔ね。転校生かしら」
そうなのだ。僕は今日、駒王学園に転入する。
転校初日なのに、こけるなんて恥ずかしい。
でも、こけたことがない日なんて一度もない。次はせめて、かっこ良く転んでやるぜ!
「なんかあの子、清々しい顔をしているわ」
+ +
「このクラスに転入してきた山田アキトくんだ。みんな、仲良くするように」
今、自己紹介の真っ最中だ。第一印象は大事だよな!
「山田アキトです。これかりゃ……これからよろしくお願いします」
ーーゴンッ
噛んだ!そして頭を机にぶつけた!しょっぱなからやっちまったよ。うぅぅ、痛い。
「なんか可愛い。守ってあげたくなるわ」
「女装とかしたら似合いそう」
女装って……。僕、男の子なんですけど…。まぁ、ちょっと女の子っぽい顔してるかもしれないけど。
小さいころは、よく女の子に間違えられたし。
いやいや!僕は立派な男だ!
「兵藤の隣の席が空いてるな。じゃあ山田、そこに座って」
「は、はい」
兵藤くんの隣の席に向かう。
ーードカッ
あれ?なんで僕は床とキスしてるんだろう。
「お、おい。大丈夫か?」
あっ、兵藤くん。差し出してくれた手を使って、立ち上がる。
そして、僕は何もなかったかのように、自分の席に座る。
「なんか、大変だな……」
兵藤くん、そんな哀れむような目で見ないでほしい。
+ +
今日一日の授業が終わった。
自己紹介の後も大変だった。授業中、僕が先生に当てられるたびに、窓ガラスが割れてボールが飛んでくる。いったいどうなってるんだろう?
窓側の人には、先生が傘を支給してた。僕が当たるたびに傘を開いて、身を守るためだ。なんか申し訳ない。
でも、みんないい人だ。こんな僕に優しく接してくれる。涙が出てくるよ。時折、哀れむような視線がくるけど…。
さてと、帰るか!
家に帰る道を歩いていると、反対側から、変な人が歩いてきた。
なにが変かって言うと、目つきとか、歩き方とか。
獲物を見つけたオオカミみたい。今にも跳び掛かってきそうな……って、跳び掛かってきたぁぁぁぁっ!
なにこれ!怖いんですけど!誰か助けて!
あれ?人がいない?この時間帯なら普通にいるはずなのに。
「逃げてもむだだ」
わわっ!どうしよう。僕、何かしたかな?
というか、僕が走って逃げると、必ず………
ズベッ
こける。いいよ!もうなれたよ!心、折れてないもん!
「きしし、おいしくいただくぜ」
迫ってきたぁぁぁ!
ーーパァァ
なんだ、こりゃ。魔方陣?
「はぐれ悪魔、ここにいたのね。あなた、大丈夫かしら?」
え?え?人が出てきた。すごいキレイな人。思わず、みとれちゃう。
「あなたに討伐命令がでたわ。消えなさい!」
女の人が黒いかたまりを変な人?に投げつけた。
変な人?が消えていく。もとからなにもなかったように。
「さて、終わったわ。あなたには説明をしないといけないわね。明日、旧校舎に来てくれるかしら?」
旧校舎って、駒王学園のだよね?この人も駒王学園の制服着てるし。
「わ、わかりました」
そうして、女の人は消えていった。
どうなってるんだろう。今日、頭ぶつけすぎて、僕がおかしくなったかな?
まぁ、いいや。トラブルに巻き込まれるのはいつものことだし。明日まで待とう。