〜sideアキト〜
よし、授業終わったし、旧校舎に行くかぁ!
ちなみに、僕が先生に当てられるたびに窓ガラスを割って飛んでくるボールを傘で防御する生徒たちという光景になれてきた。
『では、この問題を山田くん』
『はい。(席を立つ)』
『バッ(窓側の人が傘を開く音)』
『バリンッ(窓ガラスが割れる音)』
『今回は三列目に飛んできたなー。田中くん、大丈夫?(生徒が生徒を心配する)』
『こんなの朝飯前だ(達成感にあふれる顔で答える田中くん)』
平和なクラスでよかったよ。
さて、旧校舎を探さなくては!
うん。簡単に言うと迷った。なんでこの学園はこんなに広いんだろう。
さっきから、ハチに襲われたり、間違えて女の子の着替えてる部屋に入っちゃったり……。
もう心も体もボロボロだ。
よし!人に聞こう!
「あのー、すいません。旧校舎ってどこですか?」
「え?目の前の建物がそうなんだけど……」
うそぉっっっ!僕、ここ何回も通ったぞ。
なんで気づかなかったんだろう。木が邪魔で建物が見えにくいからかな?そうだと信じたい。
「あ、ありがとうございます」
よし、入るか!
といっても、旧と言えど校舎なわけだから広い。
「うーん。どうしよーー」
「あれ?アキトじゃん。こんなところで何やってるんだ?てか、何でボロボロ?」
僕の言葉を遮って現れたのは同じクラスの兵藤くんだ。隣に金髪の女の子もいる。
「やぁ、兵藤くん。紅い髪の人にここにくるように言われたんだ。ボロボロなのはいつものことだよ」
兵藤くん、妙に納得した目で見ないでほしい。
「紅い髪?部長のことかな?じゃあ俺についてこいよ。アーシア行こう」
おお!これはありがたい!兵藤くんには助けてもらってばかりだな!一生ついていきますぜ、旦那!
「部長、入りまーす。お客さんつれてきました」
「あら、イッセーにアーシア。来たのね。その子を連れてきてくれてありがとう」
「えっと、あの……?」
僕が戸惑ってると、開いていた扉が閉まろうとしていた。
そうなると必然に、扉のところにいる僕に迫ってくるわけで。
ーーバンッ
「っ!痛いぃぃぃ!」
「あ、わりぃ。大丈夫か、アキト」
「なんか、大変ね。かわいそうに見えてくるわ」
+ +
「お茶ですわ」
黒髪の先輩がお茶を運んでくる。
っ!まずい!避けなくては!
「きゃっ!」
先輩が転んで、運んでいたお茶が放物線をえがき、僕の頭にキレイにかぶる。
「あっちいぃいいいいいい!」
「あらあら、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「大……丈…夫です……」
これはいつものことなのだ。誰かが飲み物を運んでくるたびに、何かしらにつまずいて、僕にかかる。
「さて、山田アキトくん。いえ、アキト。あなたを我がオカルト研究部に歓迎するわ」
え?この状況で話が進むんですか。ていうか、オカルト研究部?兵藤君も変わった部活に入ってるんだね。
「昨日、あなたは変な生物に襲われたでしょう?あのことについて説明するわ」
そうだった。説明してもらうためにここに来たんだった。いろいろあって忘れてたよ。
「まず、私たちは人間ではないわ。悪魔なの」
え?悪魔?へー、悪魔っていたんだ。って、悪魔ぁぁぁぁぁ!?
「僕、殺されちゃうのっ?嫌だ!助けて!」
「落ち着きなさい。私たちはあなたを殺したりしないわ。まぁ、殺そうとする存在もいるけど。それが昨日あなたを襲ったはぐれ悪魔よ」
「はぐれ悪魔……?」
==説明中==
なるほど!世の中にはそういう存在がいるのか。
「一通り、わかってもらえたところで、自己紹介するわね」
金髪のイケメンが立ち上がる。
「僕は木場祐斗。アキトくんと同じ二年生です。えーと、僕も悪魔です」
爽やかな笑顔がまぶしいです。
「……一年生。……塔城小猫です。よろしくお願いします。……悪魔です」
小柄な女の子だ。普段は無口なのかな?
「三年生、姫島朱乃ですわ。いちおう、副部長も兼任しております。先ほどはすみませんでした。これでも悪魔ですわ、うふふ」
礼儀正しく挨拶してくれる。僕の好みのタイプだ。ドキドキするよぉ。
「アーシア・アルジェントです。アキトさんと同じ二年生です。同じクラスでもあるので、仲良くしてくださいね。悪魔です」
祐斗くんに負けないまぶしい笑顔で挨拶してくれる。
「兵藤一誠だ。イッセーって呼んでくれよな。悪魔だぜ!って言ってもなったばかりだがな」
イッセーくん、よろしく。
「三年生。リアス・グレモリーよ。オカルト研究部の部長をしてるわ。悪魔よ。よろしくね、アキト」
威風堂々と先輩が言う。
「えっと、山田アキトです。で、なんで人間の僕がここに呼ばれたのでしょうか?」
「それは、あなたの身に大きな力が宿ってるからよ」
「大きな……力?」
「そうよ。神器というのだけれど。今、何でもいいから、何かを強く願ってみなさい」
願いかぁ。うーん、なんだろう。
あっ!そうだ!トラブル体質がなおりますよーに。
―カッ
「発動したわね」
「え!?何ですか、これは!」
金色の指輪が出現した。
「神器。特定の人物に宿る規格外の力ですわ」
姫島朱乃先輩が説明してくれる。
「あなたにやどっていたのは、『雷龍帝の指輪』のようね」
「雷龍帝の指輪?」
「イッセーの持ってる『赤龍帝の篭手』と似てるの。『赤龍帝の篭手』は十秒ごとに力が倍加されるわ。あなたの『雷龍帝の指輪』は十秒ごとに雷の威力が倍加されるの。くわしいことは私もわからないのだけれど。『雷龍帝の指輪』にドラゴンの意思が宿ってるはずだから、聞いてみて」
いやいや、聞いてみてと言われましても……
《やっと、私の存在に気がついてくれた!遅いよ、あ・い・ぼ・う♪》
「へ?なんか声が」
《私があなたに宿っている雷龍帝です!ブイ!》
「ドラゴンって聞いたから、もっと怖いのかと思ったよ」
《怖くなんかないよー!それじゃあ、私について説明するね!そこの紅髪の女の子が言ってくれた能力であってます!ただね、もう一つ特徴があるのです。それは私を宿すとトラブル体質になってしまうのだーー!》
「そんな、バカな……!じゃあ、これはなおらないの?」
《うん!一生そのままだよん》
「そんなぁぁーー!」
「アキト?大丈夫か?口から魂がでてるぞ?」
あ、イッセー君。僕、一瞬お花畑が見えたよ。
「それで、アキト。あなた、悪魔に転生しないかしら?『雷龍帝の指輪』は十分に強い神器だし、その神器を堕天使に狙われる可能性もあるの。悪魔になった方がいろいろと安心よ?」
悪魔かー。どーしよ。まぁ、面白そうだし、なろっかなぁ。
「僕、悪魔になります!いや、悪魔にしてください!」
「いい返事ね、アキト。じゃあ、兵士の変異の駒でいいかしら。悪魔に転生させるわよ」
こうして僕は悪魔になりました。悪魔って空とか飛べるのかな?ちょっと楽しみ。
--あとがき--
「あのー、僕は皆さんのことを何て呼べばいいんでしょうか?」
「そうね、あなたはオカルト研究部に入ったのだから私のことは部長と呼びなさい」
「私はなんでもいいですわ」
「僕も特に指定はしないかな」
「……別になんでもいいです」
「俺はイッセーで」
「アーシアって呼んでください」
「わかりました、では部長、朱乃さん、祐斗くん、小猫ちゃん、イッセーくん、アーシアちゃんって呼ばせてもらいますね」