BanG Dream! ~平凡な少年と彼女たちの物語~   作:なすこん

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15.ぶつかり合う思い

 

 次の日。文化祭前日ということもありクラスでは最後の準備を行っていた。

 もちろん実行委員の香澄と山吹さんが主になってやっていくのだがちょっと香澄がよそよそしい感じになっていた。まぁ昨日のことがあるしなと思いながらも無事、準備は終わった。

 そんなこんなで放課後になり、俺は今やまぶきベーカリーの近くにいる。何となく心配で来てしまった。別に隠れるつもりは無いが、コソコソしすぎて動き的にかなり怪しい気がする。通報とかされないよな?

 

「2人とも中に入っちゃったね」

 

「そうだな…ってうぁ!」

 

 びっくりして振り返ると、たえと有咲とりみがいた。

 

「なにやってんだよお前、すげー怪しかったぞ」

 

「いや、昨日香澄からメッセージがきて、気になってな。お前らは?」

 

「元々、みんなで行こうって言ってたんだけど香澄のやつ先行っちまったんだよ」

 

「香澄ちゃんと沙綾ちゃん大丈夫かな…」

 

 りみが少し不安そうな顔をする。俺も不安ではないといえば嘘になってしまう。山吹さんから話を聞いたからこそ、香澄とぶつかってしまうのではないかと。

 

「とりあえず私達も中入らない?」

 

「そうだな、隼人も来るだろ?」

 

「ああ、気になるしな」

 

 そうして俺たちはやまぶきベーカリーの中に向かった。

 中に入ると、山吹さんのお父さんが家の中に通してくれた。みんなは文化祭準備で来たことあるみたいだが俺は家の方に入るのは初めてなのでちょっと緊張してしまう。

 リビングには山吹さんの兄弟の純くんと紗南ちゃんがいた。2人とはみんなで来た時に結構絡まれるので割と仲がよかったりする。

 俺たちは2人と遊びながらとりあえず話が終わるまで待つことにした。 何事もなく終わってくれるといいんだけどな。

 

 

 _香澄side_

 

 私は今、さーやの部屋でバンドをやっていたことについて話を聞いていた。

 なんでやめちゃったのかを聞いた私はそれでも一緒にバンドがしたいこと、家の事も手伝うし、時間が合わないなら昼休みに練習しようと言った。それでもさーやは出来ないと、私がいても迷惑になるだけだからと断られてしまった。

 

「なんでダメなの?もしかして、バンドのこと嫌いになっちゃったの?」

 

「そんなわけないじゃん!!」

 

 その言葉に私は驚いてしまう。そこからさーやの思いの全てが私にぶつけられた。

 

「香澄にはわかんないよ!私、みんなに迷惑かけてまで出来ない!」

 

「ナツ達も香澄と同じこと言ってくれた!私の事心配して、私が大変なら手伝うって!練習時間も変えるって!」

 

「みんな、自分のことより私のことばっか!それで楽しいの?私だけが楽しんでいいの?いいわけないじゃん!」

 

「私の代わりに誰かが損して…だからやめたのに…今更出来るわけないよ…」

 

 いつの間にかさーやは涙を流していた。さーやの気持ちもわかるよ。でも、なんでそんな大事なこと1人で決めちゃうの?私もそれが悲しくて涙が流れてしまう。

 

「できるよ…」

 

「できない!」

 

「できる!なんでもひとりで決めちゃうのずるい!ずるいずるい!」

 

「一緒に考えさせてよ…」

 

「…」

 

 全てを吐き出した私たちは、涙を流しながら何も話すことが出来なかった。

 少しすると、さーなんが泣きながら部屋に来た。喧嘩はダメと。私はすぐに涙を拭ってなんでもないよと頭を撫でてあげた。少し冷静になった私たちはリビングへと向かった。

 

 

 

 __

 

 沙南ちゃんが2人を心配して部屋に向かってからすぐに2人と一緒に戻ってきた。2人とも涙を流したのか目が赤くなっていた。

 

「おつかれ」

 

「えっ、なんでみんないるの?」

 

「香澄が行こうって言ってたのに先に行っちゃったんだろ。つーか、下まで声聞こえてたぞ」

 

「純くん、びっくりしてお店に逃げちゃった…」

 

 有咲とりみに言われて香澄も申し訳なさそうになる。まさかそこまで聞こえていたとは思ってなかったんだろう。

 

「…じゃあ、そろそろ帰るか」

 

「えっ、で、でも…」

 

「こんな状態じゃ、話なんてできないでしょ」

 

 りみが少し驚いているが、2人のことを見てそう判断したんだろう。こういう時に冷静に物事を見れるのは有咲のいい所なんだよな。

 

「まあ、私はどうでもいいけど…新しいメンバーが入るなら、知らない人より山吹さんの方が楽かな」

 

「私も!沙綾ちゃんと出来たら、すっごく嬉しい!」

 

「…スマホに曲のデータ送った。聞いてみて」

 

「無理だよ…」

 

「待ってる。待ってるから!」

 

 有咲、りみ、たえ、香澄。それぞれが山吹さんに言葉をかけて家を後にした。

 俺も家を出ようとした所で山吹さんに声をかけられる。

 

「私ってずるいのかな…」

 

「どうだろう。ただ、みんなの思いとか自分自身のことよく考えてみて欲しいかな」

 

「もし、それでバンドやりたいってなったら俺も全力でサポートするからさ。てかそれが役目みたいなとこだし」

 

 俺はそれだけ答えて家を後にした。その後、蔵に向かった俺たちは明日の流れなどを確認した。その間、香澄は涙を流しながら必死にあるものを書いていた。これが必要になってくれるといいんだけどな。

最後の確認なども終わって俺は蔵を後にした。香澄たちは有咲の家に止まるらしい。泊まっていけばいいのにと香澄に言われたが流石に俺がもたない。てかドキドキしすぎて寝れん。

 みんながそれぞれの思いを持ちながら、いよいよ文化祭を迎えるのであった。

 

 

 




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