BanG Dream! ~平凡な少年と彼女たちの物語~   作:なすこん

8 / 17
みなさんこんにちはなすこんです!
ついに学校が始まりました。僕ももう高3です笑
今回はアニメ第3話部分になります。
ぜひゆっくりしていってください!


8.平凡な少年たちと即席ライブ

 朝、俺が普段通り登校してくると校門のところで生徒会の人達に捕まっている奴がいた。まったく朝から何事だよ。

 俺には関係ないことかと思って通ろうとすると誰かから声をかけられる。

 

「おい」

 

「なんだよ…って有咲じゃん」

 

「あのやべーやつどうにかしてくれよ。私にはムリだ!」

 

 有咲に言われて初めて捕まっている奴が俺の知り合いなことに気づく。

 …香澄のやつなにしたんだよ。

 俺は生徒会の人に何があったかを聞くと、どうやら香澄はギターをケースに入れずにそのまま持ってきていたらしい。

 

「放課後生徒会室まで取りに来て」

 

 そう言うと生徒会の人達はギターを預かって行ってしまった。

 それにいつの間にか有咲もいなくなってるし。

 

「はぁ、ギター大丈夫かな…」

 

「大丈夫だと思うよ七菜ちゃ─生徒会長なら」

 

「あ!りみりん!」

 

 香澄に抱きつかれた牛込さんは苦しそうだ。

 それに何かを言いたげな感じだな。

 

「あ、あのね香澄ちゃん。私バンドできない」

 

 どうやら香澄は他にも何かやらかしていたらしいな。

 

 

 

 ────

 時間は進んで昼休み、俺は中庭に向かいながら朝香澄から聞いた話を考えていた。

 香澄によると牛込さんをバンドに誘ったのは昨日の昼有咲の教室に行ったあとでその時はOKを貰ったらしいが、夜香澄がSPACEであった時に断られてしまったらしい。

 大方香澄が無理やり誘っていたのかもしれないな。

 

 中庭には既に香澄、有咲、そして同じクラスの山吹さんがいた。

 

「香澄が言ってたもう1人って佐藤君だったんだ」

 

「うん、よろしくね山吹さん」

 

「もしかして佐藤君は市ヶ谷さんの契約ってやつ?」

 

「まぁ、そんなとこかな」

 

 俺は有咲を見るが当の有咲はしらんぷりってやつだな。

 香澄がそんな有咲に話しかける。

 

「ねぇりみりんバンドできないってなんでだろう」

 

「知らねぇよ自分で考えろよ」

 

「えー有咲も考えてよ、玉子焼きあげるから」

 

「こ、これがおかず交換」

 

 そんな有咲をみて俺と山吹さんは笑ってしまう。

 

「な、なんだよ/////」

 

「悪いつい可愛いくて」

 

「か、可愛くねぇー!」

 

 やっぱり有咲をからかうのは面白いな。

 

 

 

 ────

 放課後になり俺と香澄は生徒会室にギターを取りに行く。

 なんで俺も行かなきゃなんだよ…

 

「はい、今度からはケースに入れてきてね」

 

「よかったー」

 

 香澄はギターを抱きしめる。

 

「もしかしてバンドやってるの?」

 

「はいバンドはまだですけど、ライブしたいです!」

 

 そうだその為にも牛込さんと話さないとな。

 

 

 

 ────

 次の日の朝。

 山吹さんから牛込さんがよく山吹さん家のパン屋に買いに来ることを聞いた俺たちはパン屋の前で待ち構えていた。

 ってか山吹さん家パン屋だったのか。

 少ししてパン屋から牛込さんが出てくる。

 

「確保ー!」

 

「えぇー」

 

 有咲の指示で香澄が牛込さんを捕まえる。

 

「じゃ、お疲れ〜」

 

「有咲学校いかないの?」

 

「疲れたから帰る」

 

 有咲はそう言って行ってしまった。

 有咲のことも気になるがとりあえず今は牛込さんだ。

 

「私りみりんとバンドやりたい」

 

「……」

 

「もしかして、親とかに何か言われたりした?」

 

「違うの。ごめん、ごめん」

 

 牛込さんは泣き出してしまう。

 無理もない。誘い続けてくれる香澄のことを自分が困らせてしまっているというんだから。

 

 牛込さんはそのまま走って行ってしまう。

 追いかけようする香澄を俺は止める。今追いかけても逆効果になると思ったからだ。

 

「落ち着いたか?香澄」

 

「うん、ありがと!」

 

「香澄は牛込さんとバンドやりたいんだろ」

 

「でもりみりん泣いちゃってた。そんなにやりたくないのかな…」

 

「俺はそんなことないと思うぞ」

 

「え?」

 

「だって牛込さん1度もやりたくないなんて言ってないだろ?だからもう1回だけ話してみたらどうだ?」

 

「わかった!もう1回話してみる!」

 

 

 その日の放課後俺が帰っていると公園で話している2人を見かけた。

 きっと香澄なら牛込さんが1歩を踏み出すための力になるはずだよな。

 

 

 

 ────

 週末。今日は香澄たちとSPACEに行く約束をしている。

 香澄と俺は有咲の家に向かっているところだ。

 まだ集合時間よりだいぶ早いんだけどな…

 

「隼人君この前はありがとね!おかげでりみりんとちゃんと話せたんだ」

 

「そっか、なら良かったよ」

 

 

 家につき有咲を呼ぶと案の定不満そうな顔で出てきた。

 

「まだ昼だぞ」

 

「早めに行って色々見ようと思って」

 

「はぁ…準備してくるから待ってろ」

 

 有咲の準備を待ち俺たちはSPACEへと向かった。

 

 

 

 ────

 SPACEに着いた俺たちはライブが始まるまで適当に時間を潰していると、あっという間にライブの時間になっていた。

 

「イェーイ!」

 

「はいはい分かったから」

 

「そういう有咲も楽しんでるだろ」

 

「べ、別にそんなことないし…ん?なんかおかしくないか?」

 

 有咲に言われて俺も異変に気付く。

 次のバンドはGlitter*Greenのはずなのになんでその次のバンドがステージにいるんだ?

 それに端の方で出演者らしい人達が慌てて動いてるし。

 

「何かあったのか?」

 

「とりあえず行ってみよう」

 

 香澄の提案により俺たちは楽屋へと向かった。

 

 

 

 ────

 楽屋につくとそこには牛込さんの姿もあった。

 

「りみりん!」

 

「何かあったのか?」

 

「実は…」

 

 牛込さんの話によると台風の影響で電車が止まり遅れているという。

 3年生は修学旅行に行ってるはずだからその影響をモロに食らっているのか。

 

 不安そうな顔をしている牛込さんにほかの出演者も声を掛ける。

 とはいえ時間を稼ぐにしても限りがあるはずだ。何とかそれまでに間に合ってくれれば…

 

 しかしそんな願いも虚しく最後のバントの演奏が終わってしまう。

 それと同時にオーナーもほかのバンドに片付けるように指示する。

 

 何とかならないのかと考えていると香澄がこの場にいないことに気づく。

 まさかと思いステージを見るとそこには足を震わせながら立っている香澄の姿があった。

 

 

「こ、こんにちは戸山香澄です」

 

 香澄はそのままキラキラ星を歌い出した。

 俺たちはその姿をステージ袖から見ている。

 

「香澄!何してんだよ」

 

「有咲!」

 

「はぁ?カスタネットって、ちょ!」

 

 香澄は有咲にカスタネットを持たされてステージに引っ張り出し2人で歌っている。

 

「香澄ちゃん、有咲ちゃん…」

 

 牛込さんは隣でベースを持ちながら2人を見ている。

 なら俺に出来ることはひとつだ。

 

「りみ!がんばれ!」

 

「うん!」

 

 りみは頷いて2人の元へ向かう。

 2人は驚いているが、りみがベースを引き始めるとそれに合わせて香澄は歌を有咲はカスタネットを叩く。

 演奏が終わると同時に後から足音が聞こえる。

 

「お待たせー!」

 

 後ろを振り向くとGlitter*Greenの4人がいた。

 すぐ4人はステージに出て準備をする。

 そのままグリグリと香澄たちでキラキラ星を演奏した。

 みんなすごい楽しそうでよかった。

 

 

 

 ────

「ライブしちゃったよ!」

 

「マジで恥ずかしかったんだからな!」

 

「はぁ、見てるだけでもハラハラしたよ」

 

「でも楽しかった!」

 

「まったく牛込さんがいなかったらマジでヤバかっただろ」

 

「ううん、私も香澄ちゃんたちを見て私も頑張ろうと思って、隼人くんも応援してくれてありがと!」

 

「いいって」

 

「私も香澄ちゃんたちとバンドやりたい!」

 

「やったー!りみりん!」

 

 りみも1歩踏み出すことが出来てよかった。

 これで3人。バンドぽくなってきたな。

 

「よーし、次は文化祭だ!」

 

「「「えぇー!」」」

 

 香澄には誰かに相談するってことを覚えてほしいな…

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
次回はアニメ第4話部分になります。
では次回もよろしくお願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。