最古の作家と呼ばれる者   作:John_Doe

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難産その2+α

 お空の戦い、花びら集め、ネフェニーちゃん可愛い。(遅れた理由その2
プロットを下さい。(貰うものなのであろうか

 お気に入り登録、感想等ありがとうございます。減るものだとばかり思っていましたが、じわじわ増えて作者も驚いています。

 最低でも週1回は更新したいです(ポロロン
尚、今回は4000文字割です 短い。



4.解呪、決戦に向けて

 西を目指し歩を進める。

女三人寄れば姦しい等と言われるものであるが、メイドオルタは黙々と歩む。

また、私も黙々と歩むので、必然的に聖女と王妃が会話することになる。

王妃は聖女を綺麗で美しいと評した。

だが、私には聖女は眩し過ぎる様に感じる。

自らを犠牲にした、見殺しにした、そんな他者に憎しみすら抱かない、そんな聖女。

突き抜けた善の体現でもあろう、聖女の有様は、凡人である私に言い知れぬおぞましさのようなものを感じさせるのである。

自らの矮小さに嫌気が差す。

 

「どうした、ご主人様。酷く険しい顔になっているぞ」

 

「まあ、ジャンヌは難しい顔でしたけど、お兄さんは怖い顔になってますわね」

 

「マリー……」

 

 自らの考えに顔を顰めてしまったのか、それに気付いたメイドオルタの発言を皮切りに、彼女らの話題の標的が私に切り替わってしまう。

 

「そういえば、ボンさんは最古の作家と呼ばれている方らしいですが、一体どのような本を書かれたのですか」

 

「あら? ジャンヌはお兄さんが書いた本を読んだことはないの」

 

「ええ、田舎の村に生まれた農家の娘ですから、文字なんて読めなかったですし、本に触れる機会もありませんでしたから」

 

「なんと勿体無い、ならば私が薦めるのは『黄金の鉄の塊で出来た騎士が皮装備の一般兵に遅れを取るはずが無い話』だな。他にも『亡国の王子が世界の平和を取り戻す話』等も良い」

 

「わたしは勿論、『九人の偶像と偶像の頂点を目指す話』ね。後は『十二人の偶像と偶像の頂点を目指す話』もとても良いわ」

 

「機会があれば、読んでみたいものですね。ところでボンさんのお薦めというのはあるのですか」

 

 挙げるのであれば、やはり『土くれで出来た管を造り、配し、直すことを生業とした男が、巨大な亀の化け物に攫われた姫を助け出す話』と『いくつもの世界線の中で、名に宿命を背負わされた男と名に呪われた美しい姫を救う話』だろう。

憑依前で最も思い入れの深い話だ。

子供の頃に初めてプレイしたゲームであり、大人になっても続編をプレイし続けたほどのゲームの話である。

挙げるのも当然であろう。

 

「ああ、それなら知っています。村の知識人から話を聞かせてもらったことがあるので」

 

「私も幼き頃に読み聞かされた覚えがあるな」

 

「わたしも小さい頃に。夜眠る前の読み聞かせがそのお話でした」

 

 どうやら、この2つの話は夜に寝る前の子供に読み聞かせる話の様な状態になっているようである。

道中はこの様に会話が出来る程度には平和であった。

そして街が近づいた頃、聖女がサーヴァントの反応を感知する。

と同時にマスター側から通信が入り、マスター達も現地サーヴァントを発見、対話を試みたところ、聖ジョージとも呼ばれる聖人ゲオルギウスであったようだ。

ストーリーとの相違点、ならばマスター達の方へ戻ろうかと思った矢先、街から戦闘音が響く。

この先の街から感知できるサーヴァントの反応は2つ、そして街から上がる炎……恐らく槍のエリザベート・バートリーとバーサーカー清姫であろう。

関わり合いにならない方が色々と無難な気がするのであるが、聖女が止めると言って聞かず、街へ突入することとなる。

そこでは予測通りの少女ら二人が、その身に宿した英雄と匹敵しうる力をぶつけ合い、喧嘩をしていた。

そう、喧嘩である。

案の定というか、ストーリーと変わらない展開に呆れつつ、喧嘩の仲裁は聖女と王妃に任せ、その戦闘音に釣られてやってきたワイバーンをメイドオルタと共に狩る。

狩り終えても未だ仲裁しきれていない二人。

 

「ふむ、仕方ない。言って聞かないのであれば、殴ってでも止めるしかないな。聖女マルタ風に言えば、『鉄拳制裁』と言ったところか。皆、あの2騎を叩く」

 

 見てくれは少女であるが、結局のところ英霊として召喚されている二人だ。

少しばかりは痛い目に遭わせなければ止まりはしないだろう。

どこからか『今度会ったら絶対しばく……』と言う声、あるいは電波が届いたような気もするが、大丈夫であるだろう……大丈夫であると思いたい。

そして鎮圧、数の有利と言うのはとても重要で大切なものである。

抑止力として召喚されたであろう英霊なのだから、少しは何とか……などと言い聞かせようとも思ったが、どちらも混沌・悪の属性だったのでそっとしておく事にした。

取り合えず、他のサーヴァントとは出会わなかったか尋ねたが、清姫が聖人と会い、自分とは反対側へと向かったと口にする。

既にマスター達が接触済みなので、他にはいなかったかと再確認するが、いないようであった。

ならばと、私たち()()はマスター達の下へと移動を始める。

 

「何故着いてくる、エリザベート・バートリー。それに清姫」

 

「別にいいじゃない、ねえ」

 

「ええ、わたくし達もサーヴァント。戦力が増えるのですから、そちらとしても問題は無いはずです」

 

 こちらに協力してくれるというのであれば、良いことではあるのだが、何分理由が不明瞭過ぎる。

もし、こちら側にマスターが居たならば、マスターの人柄に惹かれたなどと言われるのが想像できるので、納得するかもしれないが。

 

「三人とも、彼女等を連れて行くことをどう思う? 私は、まぁ、マスターに害が無ければ問題は無いと考えるが」

 

「私もご主人様と同じ考えだ」

 

「わたしもそれで良いと思います」

 

「ええ、私もそうであるならば大丈夫だと思います」

 

「……との事だ、着いてきても構わない。だが、先ほどのように無暗矢鱈と喧嘩をするなよ? 街もそうだが、生きる人々に無駄な被害を出す必要性を感じられないからな。言う事を聞かなければ、先ほどのように殴ってでも止める」

 

「な、何よ……もうしないわよ」

 

「ええ、わたくしたちは負け蛇、敗蛇(はいじゃ)……そのようなことはいたしません」

 

 そういうことになった。

なったのだが、エリちゃんの顔が少しばかり赤らんでいるのは気のせいであろうか。

考えても詮無きこと、今はマスター達と合流することが最優先である。

マスター達の居る街へと歩を早めた。

 

 マスター達の下へと辿り着くと、聖女は竜殺しの元へと駆けて行く。

 

「お疲れ様、ボン、オルタ、マリーさん。ところで何か二人ほど増えてるけど……」

 

「私たちが向かった先の街で喧嘩していたサーヴァント2騎だ、マスター。真名をエリザベート・バートリーと清姫、バートリー嬢はカーミラの若き日の英霊か」

 

「そちらの女性がマスターなのですね……仮、ですがマスター契約を結んで下さいますか」

 

「ん? えー……いいけど」

 

「ならば小指を……ゆびきりげんまん うそついたらはりせんぼん のます ゆびきった」

 

 それは一種の呪いであった。

止める間も無く契約をしてしまったマスターと清姫。

この特異点を修復した後の戦力増強で、清姫は必ずカルデアに現れるであろう。

私は詳しいのだ……それだけだと思っていたのだが

 

「ふーん、それなら子イヌ、わたしともソレをしなさい」

 

 ストーリーでは共に戦うだけであったエリちゃんまで契約をすることとなる。

次いでの契約に驚きつつ、私は未来を垣間見た――増える女性サーヴァント、殆ど増えない男性サーヴァント、そしてシミュレーターでボコボコにされる私の姿を。

制御しきれないスキルとは、なんと恐ろしい物なのであろう。

私は男性サーヴァントをスカウトすることを固く決意した。

そして、聖女とゲオルギウスによる竜殺しの解呪は上手くいき、竜殺しもマスターの剣となった。

戦力は十二分に整い、後は『竜の魔女』邪ンヌ・オルタを倒すのみであろう。

私たちは決戦の地となるであろうオルレアンへと向かう。

 

 移動手段が徒歩しかない以上、街へ向かうには時間がかかる。

サーヴァントのみの構成であれば、いくらでも走ることはできるのであるが、人間であるマスターがいる以上、短期的に緊急でもない限りは歩調を揃えるべきであろう。

日は暮れ、夜の闇が近づき夜営をすることとなる。

流れるように周囲の探索、魔術罠による陣地構築を行い、安全の確保を実施する。

カルデアからの補給物資を受け取り、最後の休息に入る。

いよいよ、明日はこの特異点における決戦となるであろう、その前の休息。

夜営となってしまうが、マスターには十分に休んでもらいたいものである。

サーヴァントの数も増え、野営地は賑わう。

特にマスターの周りは華だらけ、姦しい限りである。

安全が確保されているからこそ、こうもなれるのであろうから、リラックスしてもらいたい。

そして私たち男性サーヴァントとメイドオルタは少し離れたところで休んでいる。

 

「はぁ、あちらは(やかま)しそうだ。あんなところに居たら休憩にもならないよ」

 

「あれだけ騒げるのは安全が確保されているからであろうし、決戦前のリラックスにもなるやもしれん。私たちはこちらで静かに休んでおこう。ところで、メイドオルタはあちらには行かないのか」

 

「ああ、こちらで静かにしている方が落ち着く」

 

「ハッ、それだけじゃ無いだろ……っておいおい、そう睨んでくれるなって。ところで竜殺しの兄ちゃん、調子はどうだい」

 

「好調だ。今の状態ならば、ファヴニールも何とかできるかもしれない」

 

「竜を屠った英霊だというのに、何故そうも自己評価が低いのかな。君は既にヤツを打ち倒した実績があるのだから、もう一度できると言い切って欲しいな」

 

「すまない……」

 

「そう言ってくれるな、モーツァルト。私はその慎重さを美徳だと感じているさ、竜殺し。私の宝具でもヤツを討つことは可能であろうが、君の方が適任であると思っている」

 

「ありがとう、最古の作家殿。期待に副えるように微力を尽くそう」

 

 5騎で火を囲み、ゆるりと会話する。

火の揺らめきと共に時は進み、夜はどんどん更けていく。

戦士達は休息し、決戦に備えるのであった。




 今回も最後まで読んでいただき感謝。
 そういえば、原作プレイ済み、または別の作品で予習済みだと思って本作を書いているのですが、そうでない人っているんですかね……

 お気に入り登録、評価、感想、ありがとうございます。
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