最古の作家と呼ばれる者   作:John_Doe

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 プロットとは一体……ノリと勢い、設定ガバガバでお送りしております。
流行りモノにあやかって、昔書いたネギま!よりもブクマと評価が高くなればなぁと思っています。


2.私の宝具

「敵の敵は味方……ってわけでもないが、嬢ちゃんも兄ちゃんもそれなりに兵じゃねーか。ここは俺の目的の為にも助太刀させてもらうかね」

 

 戦場に割って入ってきた新たなサーヴァント、キャスター、クー・フーリン。やはり、私には知識があるだけではなく、真名が()()()()()()

 

「俺はキャスターのサーヴァントだ。こいつらとは敵対中でな。加勢させてもらうぜ、だから今は信頼してくれていい。そっちの嬢ちゃんがマスターか、今は俺にも指示を出してくれ」

 

 そして3対2となった戦場はまたしても数の有利でこちら側に傾き、メドゥーサ戦よりも容易くハサンと弁慶の影を倒すことが出来た。

だが、未だ人型との戦闘に慣れきっていない私と、そもそも戦闘自体に慣れていないマシュは先ほどと同様に肩で息をしていた。

 

「おう、お疲れさん。特に嬢ちゃんはアサシンのヤロウにケツを執拗に狙われてただろう、身体の心配をしねえとな」

 

 近づいてきたキャスターことクー・フーリンがマシュの尻を撫でようとしたので腕を取る。

 

「おっと、アンタもお疲れさん。嬢ちゃんは何のクラスだかさっぱりわからねえが、アンタはランサーか? いや、この魔力量ならキャスターか」

 

「ああ、私はキャスターだ。ご同輩、()()()()()残念だったな」

 

「!? ――ハハッ、その槍が羨ましいねえ、俺がランサーだったらセイバーなんぞ一刺しだってのによ。冬木の聖杯戦争でキャスターなんかやってられねーぜ」

 

 ほんの一瞬の驚愕から笑いへ移行し、私の肩を力強く叩きつつ話すクー・フーリンに対してロマンから通信が入り、現状の説明と相互理解が行われる。

利害関係の一致から、この特異点のみではあるがクー・フーリンとの協力体制を敷くこととなり、私たちの目的は大聖杯の発見だと語られた。

大聖杯にはセイバーが居座り、残りのサーヴァントは影となったバーサーカーとアーチャーである。

バーサーカーは無視を、アーチャーはクー・フーリンが何とかするとのことで話はまとまり、大聖杯がある場所を目指すことになった。

戻ってきた道を再度辿る。

大橋を越え、港跡を通り教会跡へ。

更に進むが、道中はスケルトンだらけで良い戦闘訓練になった。

しかし、マシュの顔色が優れない……と言うよりも思い悩んでいるといった感じか。

ああ、そういえば彼女は未だに宝具の展開ができていないから思い悩んでいるのだったか。

 

「ちょっと、アナタ、立香。一応マスターなんだからマシュをケアしてあげなさいよ」

 

「マシュ、ちゃんと戦えてるから。頼りにしてるから、宝具が使えないことなんて気にしなくていいのに……」

 

「いえ、このような状態では欠陥サーヴァントでしかありません……」

 

『気にすることはないんじゃないかい、マシュ。一朝一夕で宝具が使えるようになってしまっては、元になったサーヴァントの面目が立たないような気もするし』

 

「あ?英霊と宝具は同じもんなんだからすぐに使えるだろ。サーヴァントとして戦えるなら宝具は使えるってこった」

 

 そういえば、私の宝具は一体なんなのだろうか? キャスターの枠に収められていて、作家としての知名度があるとすればこの本に関連するようなモノなのだろうが。

その時、突然何かを()()

それは黒い巨体の影……その姿は見覚えがある――バーサーカーのシャドウサーヴァント、そしてそれと戦う私たち……?

おかしい、そんなことはストーリー上ではなかった筈……私という異分子が介入したことによるストーリーからの乖離か?

いや、そもそもそのストーリーを鵜呑みにすることが間違っているのではないか。

ここは既に、ゲームというシナリオが完全に決められた物語の上ではない現実なのだ。

考えを改めて事に望まなければなるまい。

 

「純真なマシュをからかわないでよ」

 

「何、簡単な特訓を……」

 

 そう言って、所長のマントに厄寄せのルーンを刻もうとするキャスターを止める。

 

「待ち給え、キャスター……嫌な予感がする」

 

 途端、地響きが聞こえ大地が揺れる。

その音はこちらに近づいてきているようであった。

 

『この反応、またサーヴァントだ! 今そちらに向かってる!!』

 

 そして声が、意味を持たぬ叫びが、鼓膜を叩く。

影、シャドウサーヴァント……バーサーカー――その真名をヘラクレス。

セイバーすら手間取ると言われた、最悪の相手がやってきた。

先ほど見えた何かが実現してしまった。

一体私に何が起きているのだというのか。

 

『反応確認! バーサーカーのサーヴァントだって? 冗談じゃない』

 

「ッ! こいつぁ特訓なんざしてる場合じゃねえな。どうするマスター? やっこさんは完全にこっちを狙ってるみたいだぞ」

 

「ちょ、ちょっと、どういうことなのよ、アレは動かなかったんじゃないの!?」

 

「想定外ってやつだ所長さんよ。兎に角アンタは隠れてな」

 

「こうなったらやっぱり戦うしかないよね、マシュはこっちで防御、キャスターは遊撃、ボンが前衛……頼める?」

 

「あいよ!」

 

「承知した」

 

「了解です、先輩」

 

 私は前方に躍り出る。

咆哮と共にヘラクレスは私へ向かい、まるで暴風のように強烈な連撃を放ってきた。

一撃一撃が重く、まともに受ければひとたまりもない威力の攻撃が襲い掛かる。

何故か予測できる相手の攻撃を避ければ、キャスターの炎弾、光弾がヘラクレスに直撃する。

しかし、その攻撃をものともせずに更なる攻撃の嵐が私に降り注ぐ。

相手の攻撃の隙間に丸太の槍を叩き込もうにも、私の魔術を叩き込もうにも決定打に欠け、時間ばかりが過ぎていき、そろそろ避けるのも危うくなってきたところ

 

「兄ちゃん、離れろ! デカイの行くぞ」

 

 キャスターの声に伴って離脱する。

呪文(スペル)と共にヘラクレスの影は巨大な炎に包まれる。

灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)、それがキャスタークー・フーリンの宝具だ。

 

「や、やったのよね? もう、大丈夫よね」

 

「ばっ、おま、そんな明らかなフラグ……」

 

 所長のせいか、そうでも無い気がするが、まるでフラグが立ってしまったかのように、ヘラクレスの影はまだ消えていなかった。

まるで弾丸のように一直線にマスターと所長が後ろに居るマシュの方へと駆ける。

離脱していた私には庇いきれず、キャスターも間に合いそうにない。

所長が叫び声をあげる中で、マシュとヘラクレスの咆哮がぶつかり合う。

マシュは願ったのだろう、守りたいということを、ただ純粋に、マスターを守りたいと。

そして展開された仮想宝具 擬似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)

それは突撃してきたヘラクレスを弾き飛ばした。

その光景の最中、貯まりきった私の魔力が、宝具を使えと訴える。

先ほどまであるかどうかすらわからなかった宝具が。

左手に持ったこの本が。

ならば

 

「マスター、宝具の使用許可を」

 

「いいよボン、やっちゃって!」

 

 使い方はわかる――頭に浮かび上がったキーとなる呪文(スペル)さえ唱えれば、()()は私に力を貸してくれるだろう。

そして私は()()がヘラクレスを打ち倒す()()()()()

左手に持った本……私の宝具『作られた英雄達の物語帳』に意識を集中させ、詠唱する。

 

「ここに綴られるは勧善懲悪の物語、さあ英雄達よ、今ここに顕現し敵を屠れ! 作られた英雄達(クリエイテッドヒーローズ)

 

 私の宝具が光り輝き、辺り一帯を眩く照らす。

そして輝きは人を模り、私が……いや、尊敬する先人が作り出した英雄――ゲームやアニメ、漫画のキャラクターがここに顕現した。

彼らはこちらに目を向けると微笑み、視線をヘラクレスに戻しそのまま殺到した。

 

「すげえ光景だな……」

 

「すごいすごい! スタ○に○イル、ジュー○スがいる! マ○オにルイー○、リン○にリ○ド……ああ、もう凄過ぎ!!」

 

 それは数の暴力であった。

様々な物語のキャラクターが混ざっているというのにも関わらず、彼らは同士を討つことも無く華麗に連携し、ヘラクレスにダメージを与えていく。

所長とマシュは目を丸くしたまま動けないでいるし、キャスターはその袋叩きのような光景に唖然とし、マスターはキャラクターの顕現に大興奮して語彙力の低下を起こしていた。

かくいう私もその光景を見て呆けていた。ヘラクレスを打ち倒す未来を見たものの、未だ戦闘が終わったという確証は無いというにもかかわらず、こみ上げる嬉しさと喜びに呆けざるを得なかったのだ。

これが、私の、私だけの宝具……模倣した物語しか書けなかった私の宝具。

模倣した物語を書き続けたからこその私の宝具。

そして、私が亡き後に書いたものを編集して後世に残してくれた英雄王がいたからこそ成った私の宝具。

英雄王には感謝の念が絶えない。

本当に、ありがとう……それしか言う言葉が見つからない。

私の知能指数まで低下しそうな勢いである。

英雄達の動きが止まり、散開する。

その中央には力無く倒れ伏したヘラクレスの影があり、再び動き出すことなく天へ消えた。

そしてそれを見届けた英雄達も、光の粒となっていなくなった。

 

「ちと長引いたが、何とかなったな」

 

「ああ、マシュさんも宝具を使用できるようになったのは良かった」

 

「あ、そうだった! マシュ、おめでとう。それと守ってくれてありがとう」

 

「い、いえ。それが私の役目ですから。でも、ありがとうございます先輩、ボンさん、キャスターさん」

 

「やるじゃないマシュ、でも宝具の真名を引き出せなかったのね。それならその宝具は仮にロード・カルデアスとしなさい。意味のある名前なら霊基の通りもいいでしょう」

 

「それじゃ、少しばかり休憩したら練習でもするかい嬢ちゃん」

 

「はい! よろしくお願いします」

 

 ストーリーとはいくらか異なった展開になりつつも、マシュの宝具訓練は開始される。

その間、私は休憩する場所を確保し、魔術罠を展開して陣地の構築を行う。

立ったまま、手持ち無沙汰にしている所長がいたので丸太の槍を地に倒し、私の外套をハンカチ代わりに敷いて彼女を呼ぶ。

 

「所長、良ければこちらで休まれてはどうか。貴女も色々なことがありすぎて疲れているだろう」

 

「ええ、ありがとうキャスター」

 

 思いのほか、すんなりと座った所長の姿に多少驚くが、やはり大分疲れていたのであろう。

そんな彼女に、こんな話をするのも酷ではあるが、この機会を逃せば落ち着いて話ができなくなるかもしれない。

 

「……所長、本当に唐突な話だが、聞いてくれないだろうか」

 

「何よキャスター? 急に改まった感じで、まぁいいわ。今はマシュの宝具の練習で時間もあるだろうし聞いてあげる」

 

「ありがとう、もし……もしもの話なんだが、志半ばで目的が達成できずに倒れてしまいどうしようも無くなってしまったが、直ぐにとは言えないがやり遂げられる可能性が僅かにあるとしたら、貴女はその可能性に賭けるか」

 

「何それ、変な話ね。でも、そうね、もしそんな可能性があるとしたら、きっと私は縋るかもしれないわ……認められたいもの」

 

「そうか。ならば、本当にどうしようも無くなってしまった時、私を呼んでくれ。私の真名を呼んでくれ。直ぐには何ともできないだろうけど、きっと、きっと何とかしてみせるさ」

 

「本当に変な話ね。でも、そうね、考えておいてあげるわ」

 

「ああ、ありがたい、是非考えて欲しい。では、私は少し周囲の警戒と探索をしてこよう。所長はここで休んでいてくれ給え。それでよろしいかな」

 

「ええ、頼んだわキャスター」

 

 力無き、不甲斐ない私。

先を知っていようとも、能力が無ければ何も出来ない。

今、直ぐに所長を救う手立ては無いし、所長が望まなければ、救う意味も無い。

だから種は蒔いた。

あとは所長が私の名前を呼んでくれる、その時を待つだけだ。

所長がもし私の真名を呼んだのならば、書き上げよう、彼女の物語を。

私が作家だからこそ出来ること、物語を書き上げて()()()()()()()()()

これは可能性の話、出来るか、出来ないかはわからないがやって見ることは出来るのだから。

 




 戦闘描写……しょっぱいですね。生暖かく見てもらえれば幸いですが、より良くなるアドバイスは歓迎します。叩かれるのは辛いって先生が言ってた。
ネーミングセンスの欠片も無い。宝具の名前ダサすぎでは?

没案

「刺し穿ち、突き穿つ……無限の槍投(アンリミテッドピアッシング)」

プロローグでやった槍を投げて魔術で手元に戻す。それを繰り返すだけというシュールな宝具。
ネタとしてはおいしいと思いたかったです。
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