評価ありがとうございます。今のところ目標以上に評価されて嬉しい限りです。お気に入りが3桁になる前にゲージが染まって土曜の朝から笑わせていただきました。ありがとうございました。
お気に入りも3桁突入し、感想もいただき本当にありがとうございます。
尚、いつも通りノリと勢いとでアレしていますので、アレな感じの方はそっと閉じて心の安寧を保っていただけますように
1.修復開始、その一歩
第一特異点に向かうにあたって、ブリーフィングが行われることとなったのだが、肝心のマスターがやってこない。
「ふむ、
「ああ、マスターには後輩という名の
「ふぁー……まだまだ眠り足りねえな。なあ、説明を聞くのは任せるから、もう一眠り」
「このメイドがいる以上、そのようなことはさせん。そう言った筈だ」
「おお、怖い怖い」
「君たち、大分仲が良さそうだね。まだ召喚されてから殆ど日も経っていないのに」
新たに召喚されたサーヴァントといっても、一度は顔を合わせているおかげか、それなりに良い関係を築くことが出来ている。
「しかし、遅いな。これから特異点の修復に向かうのだ、体調は万全で臨まなくてはならない。よく眠れているのなら問題は無いのだが」
扉の開く音と共にマスターとマシュが管制室へやってきた。
「遅れてごめん、みんな……ふぁーあ」
「遅くなりました皆さん」
どうにも眠そうであるが、マスターはあの夢――これから行くであろう、第一特異点に居る
「おはよう、立香君、マシュ。みんな揃ったみたいだから、第一特異点に向けてさあ、出発! と行きたいところだけど、最初の最初だからね。まずはやることの確認だ」
それはもちろん特異点の修正である。
時代を正しく進めるために、改変されてしまった事柄を調査及び解明し、修正することが第一。
第二に『聖杯』の調査。
膨大な魔力を宿した願望器であるそれを回収または破壊することが目的となる。
「おおよそこんな感じかな」
「うん、わかったよロマン。あと、やることがあるとすれば、現地でベースキャンプを作ればいい……のかな? 冬木でやったみたいに」
「立香君、よくわかったね。それもお願いするよ、やっぱりそうしてもらえないと補給物資等が送り難くなってしまうからね」
「そういえば、ダ・ヴィンチちゃんはこっちは手伝ってくれないのかな」
「うーん、そうしてもいいんだろうけど、こっちもまだゴタゴタしてるからね。体がもう一つあれば、そちらに付いていくことも出来ただろうけど、今はこちら側の修繕が最優先かな? だから現場は君たちに任せるよ」
「そうだね、じゃあ現場は私たちで頑張るから、カルデアはロマンとダ・ヴィンチちゃんに任せるね。もちろん、スタッフの皆さんもよろしくお願いします」
「よし、それじゃあレイシフトを開始しよう。立香君用のコフィンも用意したから、これを使って欲しい」
そういえば、我々サーヴァントはどのようにレイシフトするのであろうか。
「マシュやサーヴァントのみんなも他の空いているコフィンに入って」
「わかりました」
成る程、そうなっていたか。
私はコフィンに入る。
機械音声が再生され、レイシフトが開始された。
◇
無事に転移が完了し、私たちは緑茂る平原に立っていた。
皆の無事と、同士ことフォウ君のレイシフトや現在地の年代を確認し、やるべきことを始めようとした矢先に空を見上げたマスターが何かに気づく。
「ねぇ、アレって何なんだろう」
それは光の輪であった。
カルデアと通信が繋がり、映像を解析してもらえば、それが魔術式であり、おかしな大きさであることが判明する。
だが、この時代に来たばかりでやることは山積みである。
一つ一つ消化していかなければなるまい。
「まずは街へと向かうのが良いか。この時代の人間と接触せねばなるまい」
「うん、ボンの言う通り、街へ向かおう」
そして道なき道、ただ広大な平原を歩く。
街を目指すとは言ったものの、ただ闇雲に歩いては体力を消耗するだけである。
街道か何かを探さなくてはならないだろう。
歩き続けると、街道ではなく、街でもない、砦を発見した。
しかしと言うかやはりと言うか、外よりも中がボロボロになっており、負傷兵で溢れ返っている。
怯える兵士を宥めて話を聞けば、蘇ったジャンヌ・ダルクが『竜の魔女』となってシャルル王を殺害し、故郷であるフランスを焼いていると言った。
ジャンヌ・ダルクが魔女というのは私以外にとっては腑に落ちないものであろう筈だが、ふとマスターの方を見やれば、特段変わった様子ではなく、平常通りであった。
そして私は、敵襲を受ける未来を見る。
『おっと、魔力反応だ! これは……骸骨兵だね。体慣らしに思いっきりやっちゃって大丈夫みたいだよ』
「よし、それじゃちゃちゃっと殲滅させちゃおう。オルタが前衛、ボンとキャスニキが中衛及び遊撃、マシュは防御。じゃ、お願い」
「マスター……キャスニキってーのは、もしかして俺のことか」
「うん、キャスターのアニキって感じがするから、略してキャスニキ。ほら、クー・フーリンって呼ぶと長いし、クーとかフーリンだと何だか変な感じがするから」
「ま、いいか。んじゃまあ、行って来るとしますかい」
「我が剣の錆びにしてくれる」
「では、行って来る。マシュさん、
「承りました、みなさんよろしくお願いします」
敵襲は、ゲーム的にもリアル的にも過剰戦力な状態であるが故に、殲滅するのはものの数分であった。
「ふむ、もう終わりか。肩慣らしにもならんな」
「そうだな、全然歯ごたえがねえ」
だが、次が来ることを私は知っている。そしてやはり見えている。
大量のワイバーンがこの砦に向かってきていることが。
こうなってしまえば、未来が見えてしまい、攻撃を予測できてしまうと言うことから、未来視ないしは千里眼を私は真名看破と同様に、スキルとして取得していると仮定せざるを得ない。
「油断するな、次が
『お次は生体反応だ! 大型でしかも速い』
「ド、ドラゴンだ……いや、あれはワイバーンだ! ワイバーンが来たぞ! 迎撃しなけりゃお陀仏だ」
ここはフランスであるはずなのだが、異教徒のフランス軍一般兵が混じっているのは気のせいだろうか。
兎角、次はドラゴンことワイバーンである。
このカルデアには伝説の
「陣形は変わらず、だけどキャスニキとボンはワイバーンの攻撃に少しは注意してね。もちろんオルタもだけど」
「ん? どういうこった? まあわかったぜ」
「ふむ、あの程度の亜竜の攻撃など受け流すことは容易なのだが、気を付けるとしよう」
2人は私と違い、様々な戦闘経験があるおかげか痛みに耐性があるのは当然と言えよう。
対して私は、それ程まで痛みに耐性があるわけでもない。
恐らく未来視による攻撃予測が出来るので、避ければ良いだけなのではあるが、当たれば痛い。
メイドオルタがその手に持った水鉄砲ハンドガンと剣で立ち回り、キャスターはルーン魔術を、私は魔術と槍投げで攻撃を開始する。
「おい、お前ら立ち上がれよ! こんなとこでヤツらに食われたいのか? いくら大きくても生物なら俺たちにだって、きっと殺せる! 複数人で囲んで槍で突け! 正面に立つなら回避に徹しろ! 周囲に居ても尻尾に気をつけるんだ!」
私たちが戦う中で先ほどの異教徒らしきフランス軍一般兵も奮闘する。
張り上げられた大声の指示はこちらにも聞こえてきたが、あの一般兵は一体何者なのであろうか。
彼らの活躍もあったが、私たちもメイドオルタを中心に戦うことでワイバーンを一掃することに成功する。
「終わっているようですね」
『微弱な反応だけど、彼女はサーヴァントみたいだ』
戦闘が終了したころに、サーヴァントと化したジャンヌ・ダルクがやってきた。
だが、彼女を見た一般兵たちは彼女を『魔女』だと言って、逃げ出してしまった。
「…私は
「ねぇ、ボン。彼女は本当にジャンヌなの」
マスターの問いに、私はジャンヌを見つめる。
見えた真名は、やはりジャンヌ・ダルクであり、啓示のスキルを持ち、宝具は
ここまで詳細に見えてしまうのは、やはり彼女が本当に弱くなっているからであろう。
「ああ、間違い無い。ジャンヌ・ダルクだ」
「貴方は一体……いえ、それは置いておきましょう。死んだ筈の私が何故という疑問を持たれたと思いますが、彼らの前で話すことでもありません。お話はあちらでしましょう、付いてきて頂けますか? お願いします」
「行こう」
マスターただ一言、即座に返答する。
まるで、こうなることが解っていたかのように。
そして私たちはジャンヌ・ダルクの後を追った。
その森の中にも襲撃に遅れたのだろうか骨とワイバーンがいたが、こちらのメンバーがメンバーであり、すぐさま殲滅した。
更に進んで開けた場所、ようやくジャンヌが話し始める。
自身がルーラーであること、だがクラス特性である真名看破も神明裁決も使えず、聖杯戦争に関する知識が抜け落ちていて、ステータスも大幅に下がっていることを明かす。
更には現界したのは数時間前であり、詳細は定かでないが、この世界にもう1人ジャンヌ・ダルクがいるとのことである。
それは即ち、ジャンヌ・ダルクが反転した姿を持つ、
が、それを知る私は、それを皆に語ろうとは思わなかった。
未来は確定していない、と言うのも冬木であったシャドウヘラクレスの襲撃、あの件があるからこそ迂闊なことは言えないのである。
それ以前に、冬木でランサーについてまるで予言のように原作知識を基にした発言をしたが、あれは結果として当たっていたに過ぎないのだ。
では、私が持つと仮定しているスキルである、未来視なり千里眼で未来を見通せないのかという疑問も発生するだろうが、今のところ私にはそれを意図的に使うことができないのである。
だからこそ、今はそれが見えた時にしか警告のような言葉を口にすることしかできないのである。
そういえば、私が攻撃軌道の予測や、ほんの少し先の未来や遠くも近いであろう未来を垣間見るようになったのはいつからだったか。
一番最初にはっきりと感じたのは……そうだ、シャドウヘラクレスと対峙する前だ。
何故私は未来を見るようになってしまった?
何か鍵となるものがあったのであろうか。
「ボーン! また思考の海にでも潜ってるの? ほら、自己紹介して」
「ああ、すまない。私はキャスター、真名をボンと言う。真名からはどのような英霊かわからないであろう、他称は最古の作家と呼ばれているらしい。よろしく頼む、聖女ジャンヌ」
どうやら、話は自己紹介のところまで進んでいたらしく、マスターに怒られてしまった。
生前、いや憑依前からの悪い癖だ。直したいと思わないこともないのだが、どうにも直る気がしないのである。
「自己紹介も済んだけど、ジャンヌはこれからどうするの」
「私は……オルレアンに向かい都市を奪還するために、障害であるもう1人の私を排除します」
「そっか、じゃあ、私達が手伝うよ」
『竜の召喚は最上級の魔術で、これだけの数を召喚してるとなれば、現代は愚かその時代の魔術でも不可能だろうから。恐らく聖杯も関係しているだろうし、こちらの思惑とも一致するね』
やはり、
だが、特異点の修正には原因の排除がもっとも効率的であろう。
彼女の決定に従うほかない。
「ま、夜も更けてきたし、ここいらで野宿でもするかね。マスターもそろそろ眠った方がいいだろうしな」
「うむ、私も賛成する。出発は明日の早朝が良いだろう。メイドとしてはマスターの体調管理も徹底したい。そろそろ眠るべきだ」
「ならば、私が火を熾そう。陣地の構築も任せ給え」
「ありがとうみんな。じゃあ、少し眠らせてもらうね」
マスターはそう言うと、すやすやと寝息を立て始めた。
鋼を通り越して覚悟が完了したかのようなメンタルを持っているように感じる。
「付き合いは短いが、コイツはすげえな。肝の据わり方が半端じゃねえ」
「うむ、敵を前にしても恐れずに即座に指示を出す。判断力も高いな」
「これでカルデアに来るまでは魔術の魔の字も知らぬ一般人だったそうだ」
「マジか! こりゃすげーヤツを掘り当てたんだな」
「魔力も順調に成長しているようだ。その辺りは期待できるな」
カルデアのサーヴァントである私たち3騎が話している間に、マシュとジャンヌの会話も進んでいるようだ。
そのまま私達は、明日に備え、火の近くで夜を明かした。
FGOにわか勢の提供でお送りしております。設定自信ニキに叩かれるまで頑張ります(白目
尚、ジャンヌ・オルタの裁定者のルビができそこないなのは、作者としては復讐者のクラスこそが彼女に相応しいと考えているため、このようなルビとなっています。
ジャンヌよりもオルタが好きだっていうことです(謎
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
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