「そら、どうした?さっさとアレを使わんか。アーチャーと同じ末路を辿らせてやろう」
奴の言葉に頭を回転させる、俺の全てを出し切らなければこの勝負には勝てない。
では俺は今までの生で何を得た?それはギルガメッシュに対抗できるものか?
俺が持つのは、俺が使えるのは――――
「投影開始―――」
記憶を頼りに再現する、ギルガメッシュに勝つにはこれしかない。
「――――セイバーの剣」
自らのサーヴァントが振るった黄金の輝き、それは俺が見た中で最高ランクの宝具だ。
これならきっと――――
「あ…………れ?」
だが、投影出来ない。頭に浮かぶ設計図があやふやだ。
「なんで――――」
いや、考えてみれば当然か、俺はセイバーが真名を開放する様子を見ていない。
不確かな情報だけで奇跡を模倣できるはずがない。
もし俺があの剣を投影するならば彼女と寄り添い、その剣を間近で見るべきだった。
「?…………何をしている。よもや、投影すら満足にできんのか?ならば、もう相手をする価値もない」
呆れたようなギルガメッシュの声、降り注ぐ無数の剣。
俺は――――間違えた。自分の選んだ強さを信じられず安易に高ランクの宝具に頼ろうとした。
体中を串刺しにされながら、謝罪の言葉を口にする。
「ご、めん。約束は守れそうに……」
蒼い月に照らされながら俺の意識は闇に堕ちた。
BAD END
◇
「開幕、タイガー道場ゥゥゥゥゥゥ」
「はい、おなじみこのコーナーはおバカな選択で死んだシロウをいじるコーナーです、本編には関係ないので君はこのコーナー見てもいいし見なくてもいい」
「というわけで、ズバリ今回のBADENDの原因は?」
「ずばり、キャスターメインの話だというのに空気も読まずエクスカリバーを投影したことです!」
「そりゃねぇ、あんだけ選んだ強さを信じろだの、キャスターと出会えた運命とか言われておきながら土壇場でセイバーちゃんの宝具を頼るのはねぇ」
「そもそも、この話ではセイバーの宝具が解放されたのを見てないのにそれを投影しようというのは完全に愚策ね。ちなみにUBWでも扱いきれずに負けるわ。ランクの低いルルブレを強化して使うからこそ、そのギャップに隙が生じるのよね」
「本作のテーマは『出会い』だからねぇ、原作で『UBW』や『全て遠き理想郷』を使えたのは、そのルートで遠坂さんやセイバーちゃんと出会って絆を育んだからこそ。それが無い本作で結果だけを真似てもそりゃダメだよ」
「はい、ということでシロウは自分の選んだ強さを信じて戦ってね。反省会終わり」
「ここからはQ&Aという名の言い訳大会にしたいと思います
最終話のネタバレもあるので最後まで読んでから来ることをお勧めします」
「Q 最初の夜、なんでシロウはキャスターが倒れてるとこにいたの?」
「A 時間移動の伏線にしようと思っていたがやめた。運命の出会いということにしておいてください」
「Q キャスターが最初のマスターを裏切った日にちが原作と違くない?」
「A SNでは一成が数週間前から寺にいると発言、HAではバゼットがランサーと寺で魔女と戦ったと発言、アニメでは綺麗の命令でランサーがキャスターと交戦、媒体によってキャスターがマスターを裏切った日にちがバラバラだったで勝手に決めました。基本的な流れはアニメ準拠です」
「Q 原作と日にちがずれてるイベントがあるけど?」
「A キャスターとシロウが出会ったことで運命も変わったという事で」
「Q 強化魔術が強すぎない?」
「A 原作でもアーチャーは宝具を1ランク強化できるらしいし、それってかなりのぶっ壊れだと思うの」
「Q セイバーの剣を投影出来ないと言ってるけど、足を変化したりさせてたよね?」
「A あれはほとんど再現できてません、本来が大砲並みならアレは水鉄砲ぐらいの魔力放出です」
「Q ギルガメッシュにサシで勝てるとか強すぎだろ、最低系主人公かな?」
「A 距離を取ってバビロンしてれば士郎に打つ手はなかった。ルールブレイカーを侮って棒立ちしていた慢心が敗因」
「Q 慎二は何してんの?」
「A 士郎がマスターだと知ることなく、ライダーも早い段階で手放したのでこじらせることなく学校生活を送っている」
「Q 麻婆神父は何してんの?」
「A 暗示すら払いのける士郎の意思の強さを見て傍観を決定。アンリマユが浄化されれば彼も死ぬでしょう」
「Q セラとリズはどこにいったの?」
「A 実は作者が彼女たちの設定や天の衣との関係性がよくわかってない。キャラブレするぐらいならと本編には出さなかった」
「Q 葛木先生は何してるの?」
「A 普通に日常生活を送っています。キャスターに出会うことのない彼は感情を取り戻すこともないのでしょう」
「Q 桜はなにしてるの?」
「A 普通に学校生活を送っています。キャスターと出会えば刻印蟲に気づいて桜ルートに突入してしまうため遠ざけるしかなかった。HAでのキャスターと桜コンビは結構好き」
「Q 士郎は蟲爺と桜の関係を気づいてないの?」
「A シロウは蟲爺をマキリという名で認識し、キャスターは逆に間桐の名を知らないので気づいていない。凛だけは気づいているがシロウを巻き込むべきでないと思い伝えていない」
「Q アンリマユが消えればバゼット死ぬのでは?」
「A 犠牲になったのだ、犠牲の犠牲にな」
「Q 作った竜牙兵とかはどうなったの?」
「A 話的にはライダーの結界で全滅しました、メタ的には投影品を持たしてカミカゼさせれば無敵だと気づいてしまいました」
「Q キャスターは士郎に強化魔術を掛けないの?」
「A 強化魔術の併用は互いに干渉して危険性が増すのでやっていない」
「Q 原作だとルルブレで再契約すれば令呪の数もリセットされてるんだけど?」
「A それができると無限令呪ブーストができてしまうので据え置きにしました」
「Q ペインブレイカーって杖じゃないの?」
「A FGOマテでは杖っぽいイラストが描かれているが幕間で刺してるっぽい描写もあるのでよく分からない。変化魔術の応用という事で一つ」
「Q 破滅すべき全ての情(笑)」
「A 作者にはオリ宝具を考えるネーミングセンスがなかったよ……良い名前を考えてくれればソチラに差し替えます、ちなみにあれは使い手の宝具への信頼度が高いほど宝具が扱えなくなるという能力です」
「Q リリィの性格がFGOと違くない?」
「A 王女時代の精神で魔女メディアとしての一生を情報として知っている形で召喚されている、 恋に狂った状態のFGOよりも罪悪感が表に出ている」
「Q 2月8日に結界にリリィが入っていく下りがおかしくないですか?」
「A 幻覚魔術で誤魔化しているがキャスターへの思いが強いシロウがそれを見破って……という展開をやろうと思っていたがクドイのでカットした」
「Q RE2月11日のセイバーを助けようとしてたのはどうしようとしてたの?」
「A 槍から守る、ルルブレでセイバーの契約を断つ、槍に血糊をつける、ランサーのもとへ投げ返す、で一応、士郎視点での矛盾は発生しません。もちろんそんな上手くいくわけはありませんでしたが」
『ここから下にラストのネタバレあり』
「Q 大聖杯って柳洞寺に出現するんじゃないの?」
「A 完全にその設定を忘れてました、初期化したことでバグったと解釈してください」
「Q ラストで聖杯がああいうことになったのはなんで?」
「A 金羊の皮は元をたどればネフェレーという人物の家族を守りたいという願いによって生み出されたものである、金羊の皮には雨を降らし豊作をもたらす逸話がある、メディアは聖杯伝説の原点の1つである魔女の大鍋の逸話を持っている、アヴェンジャー衛宮士郎の宝具はキャスターとの願いによって生み出されたものである、小聖杯たるイリヤ側からの受け入れ、この辺が作用しあってああいうことになりました」
「Q GoodEndでサーヴァント達はマスターがいないのに現界できるの?」
「A リリィ化することによって戦闘力が低下する代わりに魔力消費も減っている」
何か質問があれば感想欄に書き込んでくだされば、いずれ答えます