「着いたぜ。ここが俺たちのギルド、《妖精の尻尾》だ」
《妖精の尻尾》はフィオーレ王国の東方にあるマグノリアと言う街にあり、《
グレンたちは街に着くと、ルーシィをギルドへと連れて行った。
「ただいまー!」
「ただー」
「帰ったぜー」
「あら、ナツにハッピー、それにグレンもお帰りなさい」
店の中にいた酒場のウェイターをしている銀髪の少女、ミラジェーンが三人と一匹を出迎える。
ナツはと言うと、扉を開けるなり、ナツは近くのテーブルにいた仲間を行き成り蹴り飛ばす。
「テメー、火竜の情報嘘だったじゃねぇか!」
発言から考えるに、ギルドの仲間から火竜の情報を聞き、あの町にまで出向いたんだろうっとグレンは考え、手近の空いてる席に腰を下ろす。
ギルド内はというと、ナツの喧嘩を皮切りに、乱闘が起きていた。
酒を飲んでいた者も、飯を食べていた者も、雑談をしていた者も、便乗するかのように殴る蹴るの応酬をしていた。
「このギルド、まともな人は一人もいないの……」
「あら?もしかして、新人さん?」
「ミ、ミラジェーンさん!?本物!?……じゃなくて!あの、あれ止めなくていいんですか?」
「いつものことだからぁ放っておけばいいのよ」
「大丈夫だって、すぐに収まるからよ」
ルーシィはギルド内の光景を見ながら、グレンとミラに尋ねるも。二人はいつものことと言ってスルーする。
「でも、魔法も使おうっとしてるんですけど!?」
「マジで?さすがにそれはまずいだろ……」
「ちょっとマズイわね。グレン、なんとかできる?」
「くっそっ!しゃーねぇな!」
グレンは立ち上がり、愚者のアルカナを取り出すと、魔力を送り込んで、《愚者の世界》を使おうとする。
「そこまでじゃ!いい加減にせんか、バカタレ!!」
突如現れ巨人が一括する。
すると、先ほどまでの乱闘が嘘のように収まり、魔法を使おうとした者も大人しくし始める。
その光景に、グレンは助かったかっと呟き、アルカナを仕舞った。
「だーっはっはっはっは!!皆してビビりやがって!この勝負オレの勝「うるさい」ぴっ!?」
高笑いを上げていたナツだったが、巨人に踏まれ大人しくなる。
「あら、マスター。いたんですか」
「マスター!?」
「うん?新入りか?」
「は、はい……」
マスターの姿におびえているルーシィだったが、マスターの体が突如小さくなりはじめ、小柄な老人になる。
「ワシはマカロフ。《妖精の尻尾》のマスターじゃ。よろしくネ」
そう言うとマカロフは跳躍し、二階の手すりに立つ。
「まーた、やってくれたのう貴様ら。見よ評議会から送られてきたこの半端ない文章の量を」
マカロフは懐から取り出した文書の束を読み上げる。
密輸組織を検挙し、その語、素っ裸で街を歩き回り、挙句他人の服を盗んで逃走した半裸の男、グレイ。
要人警護中に要人に暴行をした学ランの男、エルフマン。
酒場で飲んだ大滝十五個の請求書を評議会宛てにした女性、カナ。
評議会のレイジ老師の孫娘に手を出したイケメンの男、ロキ。
そして、デボン盗賊一家を壊滅させたが、民家七軒を壊滅させ、チューリィ村の歴史ある時計台を倒壊させ、フリージアの境界を全焼、ルピナス城の一部損壊、ナズナ峡谷漢族所を崩壊並びに機能停止、ハルジオンの港を半壊させたナツ。
その他多くの魔導士の名前と、問題行動が読み上げられていく。
全員が後ろめたそうな表情になり、俯く。
「そして、グレン=レーダス」
「お、俺も!?」
「フィオーレ魔法研究所の警備任務で、侵入しようとしていた他国のスパイを取り押さえたはいいものの、取り押さえる際に栽培中だった貴重な花の鉢、十鉢中七鉢をダメにし、採掘された希少鉱石を誤って粉砕、そし、挙句研究所内でスパイと魔法で交戦。お陰で研究所は半焼。当分の間は活動停止だそうじゃ」
グレンはそっぽを向いて、気まずそうな顔をする。
「貴様らぁ、ワシは評議院に怒られてばかりじゃぞぉ」
マカロフは顔を下に向けて体を小刻みに震えさせていた。
「……だが、評議院などクソくらえじゃ」
顔を上げたマカロフは手に持っていた文書を燃やし、そのまま捨てる。
燃えた文書はナツが口でキャッチし、胃の中に収めた。
「よいか…理を越える力はすべて理の中より生まれる。魔法は奇跡の力ではない。我々のうちにある気の流れと自然界に流れる気の波長があわさり、はじめて具現化されるのじゃ。それは精神力と集中力を使う。いや、己が魂すべてを注ぎ込む事が魔法なのじゃ」
マカロフの言葉に全員が真剣な表情をする。
「上から覗いている奴等を気にしてたら魔道は進めん。評議院のバカ共を恐れるな。自分の信じた道を進めェい!!それが《妖精の尻尾》の魔道士じゃぁ!!」
マカロフのその言葉を聞き、全員が声を上げる。
先ほどの乱闘なんかまるでなかったかのように、互いに笑いあい、肩を組んだりしていた。
その光景に、ルーシィは《妖精の尻尾》は素敵なギルドだと心から思った。