「またあの時の様に、俺たちを殺しに来たのか?どうなんだよ?」
「ちげーよ。俺たちは、テメーらのくだらねぇ考えを潰しに来たんだよ。そもそも、あの時だって、戦いになったのはそっちが原因だろ」
グレンは銃を抜き、ハンマーを下す。。
「最初、こっちも穏便に済ませる予定だった。だが、テメーらのマスターは解散指示を受け入れようとせず、指示書を持ってきた評議員の人間を殺害した。そして、そのまま不意打ちで評議員の人間を五人、その後の戦闘で非戦闘員が四人、戦闘員が三人死んだ。あの場を殺し合いの現場にしたのはそちら側だってのを忘れんじゃねぇ」
「ふん、俺たちから権利を奪おうとしたんだ。当然のことをしたまでだ。で、あの時、殺さなかった俺をもう一度殺しに来たのか?」
「正直、あの時、お前を殺さなかったことは後悔してる。お陰でしなくてもいい仕事をする羽目になっちまったしな。でもな」
グレンはにやりと笑って、銃口をエリゴールへと向ける。
「今の俺は評議員の魔導士じゃねーえ。《妖精の尻尾》の魔導士だ。お前を、捕まえる」
「ハッ!やってみな!」
そう言うとエリゴールは風魔法で攻撃を仕掛けてくる。
「《駆けよ風・駆けて抜けよ・打ち据えよ》!」
グレンは《ゲイル・ブロウ》を使い、エリゴールの風と自身の風をぶつけ相殺させる。
「チッ!」
「まだだ!《《猛き雷帝よ・極光の閃槍以て・刺し穿て》!」
今度は、《ショック・ボルト》に似た魔法をエリゴールに放つ。
今の魔法は《ライトニング・ピアス》と言い、見た目は《ショック・ボルト》に似ているが、射程・弾速・威力・魔力効率、全てにおいて《ショック・ボルト》を上回る。
放たれた《ライトニング・ピアス》はエリゴールが鎌で弾いたことで当たらなかった。
「後ろ取った!」
するとグレンはいつの間にか、エリゴールの背後に居て、そのまま銃を撃つ。
「くそが!」
鎌を引き戻し、回転させ、弾丸をはじく。
「おらっ!」
その瞬間、グレンは飛び蹴りをエリゴールにくらわし、そのまま地面に倒す。
「《三界の理・天秤の法則・律の皿は右舷に傾くべし》!」
《グラビティ・コントロール》は詠唱の左舷の部分を右舷に変えることで自身の重さを重くすることができる。
グレンは両足でエリゴールの腕を踏みつけ、動かせない様にし、銃口をエリゴールへと向ける。
「チェック・メイトだ。大人しくララバイをよこしな」
「クククッ!」
「何がおかしい?」
「おかしいから笑ってんだよ。なんせ、分身を抑えた程度で勝った気なんだからな」
「何!?」
エリゴールがそう言うとエリゴールの姿が消え、風になって消える。
「風魔法の分身だと!?そんな高度な魔法は使えなかったはず!?」
「今は使えんだよ」
エリゴールはすでにグレンの真上におり、手を構えていた。
「くらえ!
「くっ!《極光の光よ・障壁となりて・我を守れ》!」
エリゴールの魔法を食らうのは危険と判断したグレンは、六「角形の強固な魔術障壁《フォース・シールド》を展開させ防ぐ。
「もっと遊んでやりてぇどこだが、あいにく時間がないんでね。あばよ」
「んだと!?待ちやがれ!」
だが、攻撃が終わると、そこにエリゴールはもういなかった。
「くそっ!逃げられたか!」
グレンは舌打ちし、走り出す。
「そう遠くまでは行ってねぇはずだ!まだ近くに………なんだ、コイツは………!」
その光景にグレンは驚きを隠せなかった。
グレンが見たものは駅が巨大な風で覆われているる光景だった。
「コイツは、まさか魔風壁か!?なんでこんな物を今使うんだ!?」
エリゴールの考えがグレンには読めなかった。
「………待てよ。あいつらはやたら権利に拘っていたな。権利を奪われた者、権利を掲げる者………それに、船や馬車じゃなく列車をとったのもおかしい。この魔風壁じゃ列車も動かせられねぇ……………まてよ、確かこの駅の次はクローバー駅。クローバー駅って言えば…………マスターたちが定例会してる場所だ!」
グレンは今の推理で全てが繋がったのを確信した。
「奪われた者がアイツら闇ギルドだとしたら、権利を掲げる者は正規ギルド!そして、アイツラの真の狙いはギルドマスターか!」