此処は獄土か楽園か-忌み嫌われし半妖の話 作:お隣の池の中のプラナリさん
それでもよければゆっくりしていってくださいね!
屑葉が香霖堂を出ようとしたとき、唐突に霖之助に呼び止められた。
「屑葉はスペルカードに興味ないのかい?」
「え?」
「最近の主流はスペルカードの対決だよ。スペルカードルールっていうんだ。紅魔異変でもスペルカードを用いられたくらいだ。スペルカードを持っていても損はないだろう。」
まぁ持ってないよりはというノリで屑葉は霖之助からスペルカードについて教わることにした。
><
「スペルカードっていうのは、まず幾つかの種類に分けられているんだ。まずは拡散タイプ。大量の米粒弾や弾幕を周りに展開して美しさを見せる。基本のタイプではあるね。」
「ふーん。」
「次に集中タイプ。相手を狙って撃ったりホーミングしたりするタイプだ。使う人はいるにはいるね。」
「ほうほう。」
「そしてエクストラタイプ。魔力や妖力を膨大に使うけど強力な敵殲滅スペルカードに分類されるんだ。これは持ってる人とそうじゃない人がいる。巷では耐久スペルとか、ボムとかいわれてる総称だよ。」
「...ほう。」
屑葉はその説明を聞き、頭の整理をしている。
「どのタイプのスペルを得たい?」
「....耐久スペルかな。」
「僕の知り合いに指南して貰おうか。」
><
人里。人間が行き交う人間による人間のための場所。ここで屑葉はかつて痛みつけられ傷ついた場所。それ以来全く訪れてはいなかったが、人間で賑わっていた。
「アリス。アリスはいるか。」
「貴方がここに来るのは珍しいわね。」
霖之助に連れられてやってきたのは、金髪のショートヘアーに赤いカチューシャのついた人形のように綺麗な顔立ちをした女性。彼女の頭には彼女の表情を柔らかくしたような小さな人形がちょこんと乗っていた。
「紹介しよう。彼女はアリス。魔法使いだ。」
「あっ...はじめまして。屑葉です。」
屑葉は早くも疲れを見せていた。霖之助以外の人とは全く話さなかったからだ。
「屑葉がスペルカードを習得したいようだ。」
「そんなの私じゃなくてもいいじゃない。」
「霊夢はめんどくさがりだし、魔理沙は突っかかると面倒なんだ。アリス。君しか....」
アリスと呼ばれた女性は、はあ。と溜め息をついて屑葉に近づく。
「習得できるとは限らないわよ。」
「....そのときは霖助に売り付けます。」
そして二人は人里から離れた。
><
魔法の森
その森は、魔力が所々に漂っており、普通の人間では頭がどうにかなってしまうほどに不気味な森だ。
「まずはスペルカードを理解してもらうわよ。」
「......はい。」
アリスはスペルカードを詠唱することなく周りの人形をつかって弾を放っていく。その密度はかなりのものだ。
「....なるほど。」ぶわぁん!
屑葉は鞘からサイズを取り出すと、その弾を弾き飛ばす。
「スペルカードはこういった弾の応用なのよ。貴方は弾を撃てるかしら?」
「.....撃ったことないなあ。」
屑葉は少しばかりの鬼火を用いて弾の代わりにしようとした。アリスはやれやれといった具合だ。
「それをつかうの?」
「......無理です。」
屑葉は手をかざしたり振ったりする。妖力は少なからずあるので、意外と弾や衝撃波を放つことはできた。弾は黒い星形のものだ。これを試しにとアリスにぶつけようとする。あたらないけどね。
「ここまでできたらスペル作成に移るわ。」
「あっはい!」
屑葉はスペルを考えている。星形弾はアリスに軽々とかわされたので、ちゃんと当たるものを考えなければ意味などない。
「くっそぅ........」
(思い出せ。人間にされた仕打ちを!妖怪にいたぶられた過去を!私の影は具現化する!そして!私は人間と妖怪に復讐するんだ......っ!)
屑葉を象るかげが突然ゆらりと揺らめきはじめ、3Dのように浮き出し始めた。そして屑葉の影が屑葉本体にすり寄る。
「.......っらぁ!」ぼしゅっ!
そこに屑葉の姿はなかった。いや。屑葉のいた場所に大きな四つん這いのなにかがいた。海坊主のようなずんぐりとした丸い身体の黒い体色を紫色の電流が駆け回っている。
「キシェェェェェェェエエ!!!!」
そしてソイツは黒い星形弾を放ちながら大きく口を開け、そこから禍々しい光線を撃ち出した。
「えっ....ちょっ!?」
その辺りでは爆発音が響いた。
屑葉、スペルカード習得。スペルカード名どうしようかな。ここまで見ていただきありがとうございます!