此処は獄土か楽園か-忌み嫌われし半妖の話   作:お隣の池の中のプラナリさん

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屑葉がスペルカードを習得しました。うん。以上です。


影を存滅させる程度の能力

黒い塊が消え屑葉の姿へ戻ったとき、辺りは焼け焦げたような生々しい跡が残っていた。地面は抉れクレーターのようにでこぼことし、近くの気は根本から倒れたもの、へし折れたものまである。環境破壊は気持ちいいZOY!そしてアリスはそのスペルカードに被弾したのか、倒れていた。

 

「あっ...えと...大丈夫ですか?」

「うっう~ん...大丈夫。」

 

アリスは気がついたかよろよろと立ち上がった。そして、屑葉の頭をビシッとチョップしてツッコミを入れた。

 

「なわけないでしょ!なによあれ!?」

「っで!知りませんって!」

 

屑葉は知らないと一点張りである。妖力が持たないのか、屑葉は立っておらず、膝をついていた。

 

「とにかく私の家に来なさい。疲れたでしょう?休んだ方がいいわ。」

「.....結構です。」

 

アリスの情を無視して倒れていない木に寄りかかる。そして荒い呼吸を整えていた。

 

「.....ふぅ。」

「こういうのははいって言うのが一番なのよ。一人が気楽なのは私も同じだけどね。」

 

アリスは苦笑いして屑葉を諭す。屑葉の表情はやはり無に近い。アリスの話は聞いてるようだが、受け入れようという気持ちはないようだ。

 

 

 

「...zzz」

(よくそれで持ったわね。只者じゃないわ。)

 

暫くして屑葉は眠ってしまった。それを見たアリスは屑葉が只の妖怪だったり人間ではないことを察していた。

 

≧≦

 

「....ん。」

 

屑葉が目を覚ましたのはふかふかのベットの中であった。天井がちゃんとあり、枕もとても柔らかい。アリスが持っていた金髪の小さな人形も幾つかその部屋に置いてあった。

 

「....柔らかい。」

 

布団の感触に驚きつつもベットから這いずりでた屑葉は扉を開けて部屋を出る。

 

その先の部屋はリビングであった。洋風なテーブルと椅子。お洒落な食器棚など、何人かで住んでても違和感ないほど広さを感じる。テーブルの上や食器棚の上にも先程の人形が座っている。

 

「あら、起きたのね。」

「....はい。」

 

アリスはボロボロになっていた服を縫い終わっていて、既に新しさを感じるものになっていた。緊張感をもっている屑葉にアリスは座って。という仕草をした。屑葉はそれに気づくと近くの椅子に座る。

 

「紅茶飲める?」

「....わかりません。」

 

屑葉は紅茶というものを知らなかったので、わかりませんというしかなかった。アリスは人形を操って紅茶を入れ、屑葉のもとに差し出した。

 

「口に合うかわからないけど。」

「...........」ズズズ...

 

屑葉は出された紅茶を飲む。表情から不味いという感じはなく、スッと入っていく。

 

「....美味しいです。」

「それはよかったわ。」

 

屑葉の言葉に笑みを見せるアリス。屑葉は紅茶を飲み干すと、手を上に挙げた。

 

ガッチャン!ガチャガチャガチャッ!

 

突然テーブルの下の影が縦長に延びて這い上がってきた。上半身だけの顔のない黒い人型の影が。

 

「えっ!?ちょっ!」

「片付けますよ。紅茶、ありがとうございます。」

 

人型の影はアリスを他所に食器を片付けていく。時折屑葉は指先で影をちょいちょいと遠くからつつくような動作をする。

 

そして少し時間がたった頃、食器は元の場所に戻っていた。勿論洗われた状態で。

 

「とりあえずありがとう。まず座りなさい。少し話がしたいの。」

「.....?」

 

屑葉は言われるがまま座る。その表情はやや困惑ぎみだが。アリスは単刀直入に話を進めていた。

 

「貴女の能力は影を実体化させる程度の能力なのかしら?凄い便利そうに感じるんだけど。」

 

「...実体化もできる。」ズズズズズズ

「とりあえずしまいなさい。」

「.....はーい。」シュン...

 

アリスの催促で屑葉は実体化させた影をしまった。(物理的に)暇なのか落ち着かないのか、天井や壁、床等に黒いシミのように広がった影を延ばし走らせては引っ込め、走らせては引っ込めてを繰り返している。

 

「....それやめてくんない?」

「サーセン(´・ω・`)」

 

屑葉はアリスに叱責されてひとまず影らを引っ込める。その場にはまるでなにもなかったかのように蛍光灯の光が射していた。

 

「物理的に影を操れるのね....出したり消したり...言い方を変えると影という無意識的実存をその場に存在させたり消滅させたり、そのバランスを操ることができるのね。さしずめ、影を存滅させる程度の能力といったところかしら。こう言うのは妖怪の賢者がやることなのだけれど。」

 

「ムズカシイデス...チョットナニイッテルカワカラナイ。」

「貴女もあの爆絶魔法使いと大差ないのね。少しは頭がキレるかと思ったけどね。」

 

アリスは屑葉を蔑んだような目で見る。屑葉は視線を会わせることなくそっぽを向いて立ち上がる。

 

「それじゃあ帰りますね。」

「まだ暗いじゃないの。危ないわよ。」

「.....夜行性なので。」

 

屑葉はそう一言いうとドアを開けて暗闇の森へと歩きさって行った。

 

「........」

 

アリスはそれをなにも言わずに見送って、屑葉の姿が消えたと同時に扉を閉めた。

 

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