此処は獄土か楽園か-忌み嫌われし半妖の話   作:お隣の池の中のプラナリさん

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久しぶりにハーメルン開いた気がする。


永夜の刻

アリス宅を出た屑葉は万全ではない体を半ば引きずりながら魔法の森を後にする。また当てのない浮浪の旅だ。幻想郷は広い。羽を伸ばすのには十分すぎるし、時間が許す限り自然に触れ合うことができよう。

 

ただひとつ、懸念される材料があるとすれば、

 

 

 

「今日はいい獲物にありつけるぜぇ……」

 

 

人を襲う妖怪がいるということだ。

 

人の形をとりながらも、まるで野生にでも生きている獣かのように、整理ということばを知らなそうな猿のような生物。奴等は時に数を引き連れて子供大人など見境なく人間をいたぶり喰らう。近年は博霊の巫女が人間を見境もなく喰らうことを禁じているものの、夜になれば森や山を出歩く人間には容赦ない。人里の人間は夜に出歩くことを禁じられていないものの、"夜に出歩くのは自己責任"という暗黙のルールに則って生活しているのである。

 

「この爪鬼様に出会ったことが運の尽き。大人しくしてれば痛みはない。」

 

爪鬼は細身で低身長、背骨が曲がりに曲がって猫背になった拒食者のようだった。

 

「こんなのの血を引き継いでる……なんてね。」

 

屑葉はそう呟くと、背中の皮の鞘に納めている鎌に手をかける。

 

「ヴワァァァァァァ!死ねぇ!」

 

思い切り飛びかかってきた爪鬼を腕一本で弾き飛ばす。思いの外軽い。爪鬼は思い切り吹き飛ばされたのか、木に背中から激突する。

 

「ガ……ががっ……」ガクン。

 

爪鬼はもたれかかって気絶する。屑葉はそれを気に止めることなく、歩き続ける。その足は暫く止まることはなく、とある寂れた神社に辿り着くまで至った。

 

その寂れた神社は聞くに恐らく博霊神社ではない。その神社の立地は最悪なものであり、手入れが全くされていない。妖怪や悪霊を封ずるための札はちぎれ、もはや効力を発揮していないだろう。

 

「……ふぅ。」

 

屑葉はその神社の壇に腰をおろし、体を休める。夜の漆黒と月明かり、そして冷たい風に晒されながら小さく呼吸を整えていく。それに呼応するかのように漆黒の影が屑葉の周りに集まっていく。

 

「……万全だ。」

 

屑葉はそう呟く。月明かりには微かな妖力が纏われていると信じられている。人間であると同時に妖怪でもある屑葉も例に漏れず妖力が蓄えられているのだろう。

 

屑葉は空を仰ぎ見る。そこには満天の星が輝いている。辺りはまっ暗闇だが、その空は自分の存在をこれでもかと主張するようだった。そして、満月の月が二つ存在していた。

 

2つ。

 

屑葉が視線を反らした刹那、

 

「……!!?」

「お前か。妖怪殺しの人間は。」

 

一人の妖怪のもつ日本刀が、彼女の左胸を貫いていた。

 




ほんと久しぶりに小説を書いたので、駄文だし短いです。
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